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Ⅱ .微生物コントロールによる動物の分類 1)無菌動物( Germfree animals ) 定義:いかなる寄生体(微生物や寄生虫)も検出されない動物. 作出方法:妊娠末期に母動物から子宮を摘出し,無菌環境下(アイソレータ)で胎仔を

Ⅱ .微生物コントロールによる動物の分類 1)無菌動物( Germfree animals ) 定義:いかなる寄生体(微生物や寄生虫)も検出されない動物. 作出方法:妊娠末期に母動物から子宮を摘出し,無菌環境下(アイソレータ)で胎仔を育成. 維持方法:アイソレータで飼育.飼料や器材等はすべて滅菌. 2)ノトバイオート( knotobiotes ) 定義:定着している微生物が確認されている動物. 作出方法:無菌動物に機知の微生物を定着させ,無菌環境下(アイソレータ)で維持する. 維持方法:アイソレータで飼育.飼料や器材等はすべて滅菌.

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Ⅱ .微生物コントロールによる動物の分類 1)無菌動物( Germfree animals ) 定義:いかなる寄生体(微生物や寄生虫)も検出されない動物. 作出方法:妊娠末期に母動物から子宮を摘出し,無菌環境下(アイソレータ)で胎仔を

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  1. Ⅱ.微生物コントロールによる動物の分類 1)無菌動物(Germfree animals) 定義:いかなる寄生体(微生物や寄生虫)も検出されない動物. 作出方法:妊娠末期に母動物から子宮を摘出し,無菌環境下(アイソレータ)で胎仔を育成. 維持方法:アイソレータで飼育.飼料や器材等はすべて滅菌. 2)ノトバイオート(knotobiotes) 定義:定着している微生物が確認されている動物. 作出方法:無菌動物に機知の微生物を定着させ,無菌環境下(アイソレータ)で維持する. 維持方法:アイソレータで飼育.飼料や器材等はすべて滅菌. 3)SPF (Specific pathogen free) 動物 定義:指定された微生物(病原微生物),寄生虫が検出されない動物. 作出方法:無菌動物あるいは腸内細菌を接種したノトバイオートをバリア飼育室に移し,非病原性微生物を自然定着させた動物. 維持方法:バリア飼育室で飼育.飼料や器材等はすべて滅菌. 4)コンベンショナル (Conventional) 動物 定義:微生物コントロールが行われていない動物.器材等の滅菌はされていない. 維持方法:SPF動物等とは隔離して飼育する.

  2. 外部廊下 SPF飼育室 外部準備室 パスボックス SPF飼育室 内部準備室 高圧蒸気滅菌機 脱衣室 内部更衣室 シャワー室 外部に対して陽圧 除菌した空気の供給

  3. 弱酸性次亜塩素酸水噴霧装置 殺菌灯 上水道蛇口 弱酸性次亜塩素酸水蛇口 洗眼蛇口 AC: 高圧蒸気滅菌装置  安全キャビネット  ネズミ返し   飼育ラック キャップ   掲示板 マウス・ラット類検疫室 ウサギ検疫室 検査室 その他の部屋 17.0 m 動物実験施設 1階 129 135 132 増築棟 他の研究分野が使用 洗浄室 屍体 収置室 工作室 ケージ洗浄装置 各飼育室には専用の履物と着衣を配置 131 134 床敷保管室 屍体 収置室 133 ダーティELV 飼料保管室 クリーン ELV 解剖室 特殊 検疫室 118 125 128 119 120A AC 120B AC AC 121 122 123 124 117 給水ビン準備室 更衣室 職員控え室 更衣室 EV 127 会議室 滅菌ケージ室 126 14.8 m 102 116 115 113 114 112 111 110 109 108 107 105 104 103 101 106 教員室 動物受入室 実験者 脱衣室 標本室 画像解析室 病理実験室 生化学実験室 感染室排水処理室 准教授室 事務室 洗濯室 物品保管室 54.0 m 床面積: 約 1133 m2

  4. 14.8 m 弱酸性次亜塩素酸水噴霧装置 殺菌灯 上水道蛇口 弱酸性次亜塩素酸水蛇口 洗眼蛇口 54.0 m マウス・ラット飼育室 感染動物実験室 (P2/P2A実験室) 実験室 その他の部屋 AC: 高圧蒸気滅菌装置 PB:バスボックス   安全キャビネット  : 陰圧飼育ラック  ネズミ返し      : 緊急シャワー アイソレータ : クリーンベンチ     CB 増築棟 他の研究分野が使用 動物実験施設 2階 ダーティELV 各飼育室には専用の履物と着衣を配置 クリーン ELV 212 213 222 216 217 218 219 220 223 215 221 214 履物交換室 タイプB 飼育室 マウス・ラット 手術実験室 タイプB 飼育室 タイプB 飼育室 タイプB 飼育室 タイプA 飼育室 滅菌ケージ室 224 EV タイプA 飼育室 タイプA 飼育室 洗浄室 211 210 209 208 207 206 205 PB AC 資料保管室 タイプB 飼育室 タイプA 飼育室 タイプA 飼育室 タイプA 飼育室 タイプA 飼育室 204 ヌードマウス飼育室 感染動物飼育/実験室 AC I H E D C CB CB 床面積: 約 784 m2

  5. SPF飼育室における作業着 滅菌済みキャップ 滅菌済みマスク 滅菌済み オーバーオール 滅菌済みグローブ 滅菌できる長靴

  6. ブリーダーの生産場飼育室内

  7. 感染症の発生経路と予防 原因 経路 予防処置 病原微生物の持ち込み ・動物を介して 動物の検疫,野鼠の侵入防止 ・腫瘍や細胞を介して 細胞の検疫 ・実験器具を介して 器具の消毒・滅菌 ・ヒトを介して手・指・爪の消毒,専用の着衣,履物等への交換 施設内での拡散 ・動物を介して 飼育室・実験室の固定 ・腫瘍や細胞を介して 同上 ・実験器具を介して 器具の消毒・滅菌 ・ヒトを介して 手・指・爪の消毒,専用の着衣,履物等への交換 ・空調を介して 空調システムの改善 感染症の発生と経路 ○ 病原微生物に不顕性感染している場合や感染間もない(潜伏期)場合には,動物は外見上健康そうに見える. ○ したがって,SPF(Specific Pathogen Free)であることが確認されていない動物を導入することは危険である. ○ 基本的なルールの遵守を怠った場合に感染症が発生する.

  8. 動物の検疫 ① SPFの証明書 ・SPFの証明書を定期的に発行している業者から導入する(毎月検査していることが望ましい). ・微生物検査に供している動物の週齢については,リタイヤ(繁殖が終了した動物,ラット・マウス類では20~30週齢)と成熟動物(約10週齢)を検査している. ② 入荷動物の検査(検収) ・入荷時の外見所見の観察,体重の 測定,性別・週齢・系統名・発注者あるいは使用者の確認. ・採血して抗体価の検査. ・PCRによる病原体の検出 ・剖検観察(入荷動物の5%). ③ 検疫 ・5-7日間の外見観察,体重測定 ・必要に応じて,モニター動物を同居させ,モニタ-動物の剖検・抗体検査 ・輸送ストレスからの回復と新しい環境への馴致

  9. マウス・ラット検収検疫簿   月日 より入荷予定 発注者:講座Tel ◎検収成績 月日   動物種(系統)生年月日体重週齢性別匹数 死亡:無・有( ) 衰弱:無・有( ) 削痩:無・有( ) 立毛:無・有( ) 脱毛:無・有( ) 汚毛:無・有( ) 毛づや:良・否( ) 涙:無・有( ) 眼やに:無・有( ) 角膜混濁:無・有( ) 鼻の汚れ・鼻汁:無・有( ) 鼻音:無・有( ) 下 痢:無・有( )尾のつや:良・否( )尾の太さ:良・否( ) 尾の発赤・痂皮:良・否( ) 斜頚・旋回:無・有( )  観察結果 /()/() /()/() /()/() 検疫終了日 担当者 検疫室や飼育室に入室 呼吸音の確認 背中を見ながら匹数を確認‐‐‐被毛の汚れ,立毛,毛づや 顔を確認‐‐‐鼻汁,目やに 尾の状態,行動異常,摂餌状況,摂水状況,ケージの状態

  10. SPFの証明書が発行されていない動物の検疫 ・アイソレータや陰圧ラミナフローラックなどで飼育・観察する. ・SPF動物を4週間以上同居させ(モニター),モニター動物の剖検・抗体検査を確認. ・モニター動物が陽性であった場合は, ・全動物を安楽死させるか, ・繁殖・帝王切開によりSPF化するか, ・アイソレータ内ですべての実験を実施するか, ・隔離飼育室に搬入するか等 決して,一般の飼育室にはいれない.

  11. ○ 腫瘍細胞株の検疫 ・動物から分離して培養系細胞として持ち込む場合と担ガン動物の導入の2種類がある. ・SPFの証明がない動物の導入と同様に対応する. ・細胞乳剤を組織培養系細胞などに接種し細胞変性効果の出現でウイルス混入を検出する. ・発育鶏卵や離乳前のマウスなどに接種する方法や培養試験などがある. ○ 実験機器の滅菌・消毒 ・滅菌・消毒が不十分な機器・器具の持ち込みにより,全ウサギがミキソーマウイルスに感染し死亡した事故が以前発生した. ・実験器具は原則としてオートクレーブや乾熱滅菌機などで滅菌する. ・加熱処理できない器具は,エチレンガス殺菌あるいは複数の薬剤による消毒を実施する. ○ ヒトによる汚染の防止 ・複数の消毒薬(エチルアルコール,逆性石鹸,クレゾール石鹸,クロルヘキシジンなど)による手・指の消毒. ・専用の着衣,履き物,帽子,マスク、グローブの使用(飼育室毎に配置することが望ましい)

  12. 感染症の拡散 同一施設で,微生物学的な品質の異なる動物を同時に飼育する場合,汚染区域の動物から清浄区域の動物に感染症が伝播するケースがある. ・動物による感染拡大 ・実験器具による感染拡大 ・飼育器材による感染の拡大 ・細胞による感染の拡大 ・ヒトによる感染拡大

  13. 拡散予防方法 ・飼育施設の衛生管理を徹底する. ・ダニ類や昆虫の駆除. ・野生動物の侵入を防止する. ・飼育動物の逃亡を防止する. ・動物の移動の禁止. ・実験器具は飼育室専用にする. ・飼育室毎に専用の着衣等を設置する. ・複数の飼育室への出入りの禁止 ・複数の飼育室への出入りが必要な場合は,清浄度の高い飼育室から順番に使用する. ・清浄動物と汚染動物を隔離する. ・病原微生物のモニタリング検査を定期的に実施する.

  14. c.微生物モニタリング ・モニタリング用の動物をモニターする飼育室で4 週間以上飼育 ・その動物から採血して抗体検査 ・解剖して臓器所見の観察 ・気管の粘膜組織を採取して培養検査 ・セロハンテープを使用した外部寄生虫の検査 ・PCRで増幅し病原体の遺伝子を確認

  15. 感染と抗体の産生 病原微生物による感染は, ① 皮膚や粘膜面での微生物の増殖(潜伏期), ② 上皮細胞の破壊と細胞浸潤を伴う生体の防御反応, ③ 体内に侵入した微生物の抗原刺激, ④ 生体の抗体産生という経過をたどる.

  16. 2)抗体価の測定 ① 凝集反応:細菌や赤血球のような粒子状の抗原が試験管内で抗体と結合すると集合して凝集塊を生ずる反応. ② 沈降反応:凝集反応と同じ原理であるが,抗原物質が可溶性の場合に見られる反応 ③ 補体結合反応:赤血球に赤血球溶血素を添加し,これに補体を添加すると赤血球は溶血する. ④ 酵素抗体法(ELISA, Enzyme-Linked Immunosorbent Assay)抗原抗体結合物に酵素標識抗体を結合させ,添加した基質を酵素が分解することによって発色させる方法.

  17. 免疫応答に関与する血流中の細胞 免疫に関与する血流中の細胞はいずれも骨髄で作られる幹細胞に由来している. 白血球とは,右の図のT細胞から好塩基球までの細胞の総称である. 顆粒球は運動能と貪食能を持ち,細菌や異物を貪食し消化する. 好酸球は顆粒球に類似した機能を持つが消化能は低い. 好塩基球はアレルギー反応に関与している. 免疫反応で中心的役割を果たすのが単球-マクロファージとリンパ球のT細胞とB細胞である.

  18. 抗体の生成過程 抗体の生成は大きく2つの経路に分けられる. ・細菌や異種蛋白に対する抗体生産経路であり,マクロファージ,ヘルパーT細胞,B細胞が関与している. ・ウイルス感染時の抗体生産経路であり,キラーT細胞,ヘルパーT細胞,B細胞が関与している. ・いずれの経路においても抗原が除去されるとサプレッサーT細胞が免疫反応を抑制して終息する. 一部のB細胞は免疫記憶細胞となる.

  19. 免疫グロブリン(Ig):抗体分子を免疫グロブリンと総称する.Ig はB細胞で生産され,基本的には5種類ある(IgM, IgG, IgA, IgD, IgE). ・循環血液中のほとんどが Ig G ・粘膜組織の分泌液(鼻汁,唾液,消化管液,気道分泌液,生殖器分泌液など)では Ig Aがほとんどである. ・感染防御に関しては, 全身系では主として Ig G 消化管,肺,泌尿器などの粘膜組織では主として Ig Aが機能 ・Ig Mは感染初期の防御に働いている. ・IgEは喘息や花粉症などのアレルギーに関与している.

  20. 抗原固相プレート    検体の滴下    抗原抗体反応  酵素標識抗体液の滴下 :各種病原微生物抗原 :各種病原微生物抗体 :酵素標識抗体 :基質 基質液の滴下 酵素標識抗体反応 発色 ・固層化した抗原が入った反応層に血清を添加 ・血清中に抗体がある場合,抗原抗体結合物を生成 ・酵素標識抗体(検査対象動物の免疫グロブリンを認識する抗体)を添加. ・抗原抗体結合物に酵素標識抗体が結合 ・酵素標識抗体に標識してある酵素に反応する基質を添加 ・基質が分解されて特定の反応物質を生成. ・この物質を比色定量することによって抗体の有無と量を測定する.

  21. HVJ MHV/SDAV Mycoplasma Tyzzer NC 6- 14- PC1 7- 15- PC2 8- 16- 1- 9- 17- 2- 10- 18- 3- 11- 19- 4- 12- 20- 5- 13- 21- NC 6- 14- PC1 7- 15- PC2 8- 16- 1- 9- 17- 2- 10- 18- 3- 11- 19- 4- 12- 20- 5- 13- 21- NC 6- 14- PC1 7- 15 + PC2 8- 16- 1- 9 - 17- 2- 10- 18- 3- 11- 19- 4- 12- 20- 5- 13- 21- NC 6- 15- PC1 7- 16- PC2 8- 17- 1 - 9- 18- 2- 10- 19- 3- 11- 20- 4- 12- 21- 5- 13- 22-

  22. 人獣共通感染症 • 人畜共通感染症 • 人畜共通伝染病 • 人獣共通伝染病

  23. d.人獣共通感染症 1)サル類とヒトとの主要な共通感染症 マールブルク病: 死亡率25%.嘔吐,発熱,黄疸,結膜炎,筋痛,衰弱. Bウイルス病 : マカク属サル類からの感染.死亡率75%.髄膜炎,脳炎を発症. エボラ出血熱 : 死亡率70%.マールブルク病類似症状. その他にサル類では,結核,赤痢なども捕獲サルを介してヒトに感染した事例がある. 自然界から捕獲された動物の使用や実験用動物の飼育施設等への野生動物(野ネズミなど)の侵入などにより汚染されるケースもありうる. 実験動物で注意すべき人獣共通感染症の多くは野生捕獲動物(とくにサル類,ゲッ歯類,自治体からの払い下げ動物)から検出されている. 2)イヌとヒトとの主要な共通感染症 狂犬病 : 海外では現在でも重要な共通感染症である. ブルセラ病 : 発熱,リンパ節の腫脹. レプトスピラ病 : 発熱,結膜充血,嘔吐,下痢,出血,黄疸 回 虫 : 子虫が肝,脾,中枢神経系,筋肉などに迷入. 3)ネコとヒトとの主要な共通感染症 トキソプラズマ : 流産,リンパ節炎,黄疸,貧血,粘液性下痢,など 回 虫 : 子虫が肝,脾,中枢神経系,筋肉などに迷入. 4)ラットとヒトとの主要な共通感染症 腎症候性出血熱 : 発熱,腎不全,出血傾向.重症例では死亡. リンパ球性脈絡髄膜炎 : 国内での感染例はない. 5) マウスとヒトとの共通感染症 リンパ球性脈絡髄膜炎 : 国内での感染例はない. 6) その他 ラッサ熱 : マストミスから感染する死亡率の高い感染症

  24. 腎症候性出血熱(HFRS, Hemorrhagic fever with renal syndrome) • 病原体: ハンタウイルス (ブニヤウイルス科ハンタウイルス族) • 宿主: ドブネズミ、セスジネズミ、アカネズミ、ヤチネズミ 3.感染経路: 唾液、血液、糞便中に排泄。ヒトはウイルスを含んだ粉塵の吸引(ケージ交換時等)、咬傷、針刺し事故等で感染。 4.潜伏期: 2-3週間 5.臨床症状: 急な発熱(39度以上)、頭痛、筋肉痛、            続いて低血圧、蛋白尿、皮膚に点状または斑状の出血 6.致死率: 1-15% 7.動物の症状: 不顕性感染、実験感染では興奮状態となることがある。 8.予防: ウイルスを保有しているネズミとの接触を避ける。         消毒用アルコール、熱で不活化

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