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※1 Nasuno ( 2007 ) さんの発表内容、補足、異なる解釈も含む. ※2 未発表資料・今後の方針ネタが含まれているので次世代グループ内の扱いでお願いします. 30-day Aqua Planet Experiment [glevel 10] 予備解析の結果と見通し 大内 May 21, 2007. 注目する特徴 : 波数 1 の東進重力波 (Kelvin 波 ) の励起・維持機構 着眼点 multi scale な対流や赤道波擾乱がシミュレートされた点は Nasuno (2007)
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※1Nasuno (2007)さんの発表内容、補足、異なる解釈も含む ※2 未発表資料・今後の方針ネタが含まれているので次世代グループ内の扱いでお願いします 30-day Aqua Planet Experiment [glevel 10] 予備解析の結果と見通し 大内 May 21, 2007 注目する特徴 : 波数 1の東進重力波(Kelvin波)の励起・維持機構 着眼点 multi scaleな対流や赤道波擾乱がシミュレートされた点はNasuno (2007) などで論じられているが、ここでは、とくに波数1の東進擾乱と東進対流 群(=複数のSCC)との相互作用がどのように起こっているかに着目する 東進対流群との相互作用を(frictional) wave-CISKの観点から説明できる かどうか理解する → 今後さらに調査 過去の理論・モデル研究との関連を理解する → 今後さらに調査
予備解析結果まとめ 過去の理論・モデル研究、観測事実との関連 格子スケールの「凝結」ではなく、メソ対流を含む対流群 (MC,CC, SCC)を伴って東進する点が現実的 -> 80-90年代のAGCMによる多くの水惑星実験と根本的に異なる (Hayashi and Sumi (1986), Numaguti and Hayashi (1991)他多数) 観測されるMJOより位相速度(20日程度/1周~20m/s以上)が速い これは水惑星設定のため => 示唆: 現実的な位相速度(15 m/s以下) を得るにはSSTの東西コントラスト、海陸分布の効果が重要である可能性
予備解析結果まとめ 過去の理論・モデル研究、観測事実との関連 (続) NICAM水惑星実験における位相速度の問題は、過去のAGCMで 位相速度が速すぎた原因とは根本的に異なる点に注意 -> AGCM: パラメター化の不適切さに起因する東進モード, Ohuchi and Yamasaki, 1997, 多くの場合(おそらく全てのAGCM)は、水平拡散など で調節しないと格子スケールの対流が卓越 Milliff and Madden (1996), Bantzer and Wallace (1998), Oouchi and Yamasaki(2001)にみられたような40-50m/sのfree waveの伝播は顕著 でない -> おそらく振幅が弱いだけ, MJOとの関連は今後調べる価値あり Oouchi (2001) が2次元モデルで論じたような対流をトリガーするメソ重力波 の役割ははっきりしない -> 3次元の設定では他の(赤道)波が似たような 役割を果たしている可能性はある: 今後の解析
予備解析結果まとめ NICAM水惑星実験での東進の維持機構 Frictionally cotrolled wave-CISK の寄与が大きい:今後さらに解析 ・ 境界層と自由大気での風速場がOhuchi and Yamasaki (1997)線形論 から得られたFKモードに類似: (参考資料1, 3) 境界層での南北風成分(西進重力波に伴う成分とは別に)が寄与 した水蒸気収束の強化が東進雲群に先行 東進重力波に伴う中層のwarm phaseでの対流成長を 促進 (w’T’ > 0), 波の運動エネルギー生成に好都合 西進擾乱(メソスケールからとくに総観スケール) に付随した西進 対流は波数1の東進の維持には本質的には寄与しないが東進対流 の内部構造としては重要 注: 1はWISHEの可能性を排除するものではない、今回の実験設定では両者の効果を区別して 理解することは不可能
予備解析・参考図 • 参考図メモ • 参考図Fig. 1 – 10 • 参考資料 1 - 5
参考図メモ Fig. 1 ・ 東進対流はsurface pressureのnodeで発達 → 重力波と結合した対流で、東進は重力波の影響を受けている ・ 対流の発達とpressureの振幅の強化から、両者の相互作用 (wave-CISK)が示唆される Fig. 2 ・ 水蒸気収束の極大は対流の東進に先行する(数10度) ・ 強い収束(灰色)には北東風成分が寄与している → Kelvin波的な東進重力波の水平構造を前提に考えると、境界 層での南北風成分の寄与が、この対流の強化にきいている → frictionally controlled wave-CISKの可能性、西進擾乱(重力 波)の寄与は別問題だが、対流強化に影響を与えている可能 性質あり Fig. 3 ・ SCC-B (Nasuno, 2007)付近を拡大して、上のことを確認 Fig. 4 ・ 17day 以降のSCCのrebuildは14-16day頃の強い蒸発の後に 起こっている -> Fig.3とあわせると、水蒸気収束の強化と一致 (南北風成分が含まれた境界層収束の寄与)
参考図メモ(続) Fig. 5 ・ 境界層の温度偏差(deviation from zonal mean)も東進重力波 の構造を整合的 ・ 活発な対流域の下はcold poolの存在 Fig. 6/7 ・ SCCに発達する対流は数日前からの湿潤域の西進(浅い対流 など)が関係している、この西進は波数1の東進により変調を受 ける ・ 西進擾乱と対流の結合に関しては解析の必要あり Fig. 8 ・ SCC発達前の対流圏中層(5km)はdryな状態が持続 (large-scale suppression, Nasuno (2007)さんの解析と整合的) Fig. 9/10b ・ 東進対流(Fig.1a実線)を基準にした水蒸気収束のcomposite ・ 水蒸気収束の極大の位相は境界層~下層では中層よりも先行 している ※Fig.10b: 波数1成分のみのcomposite, 15 day以降の 対流中心より西側へのずれは、composite基準の位相線 ずれた場所に擾乱が発達することによる
Fig. 1a surface pressure anomaly , surface wind (10m), precipitation rate anomaly= deviation from zonal mean [hPa]
Fig. 1b Fig.1aの赤枠の拡大図: SCC-B (Nasuno, 2007)の発達に 伴うsurface pressure と境界層風の変化 SCC-B anomaly= deviation from zonal mean [hPa]
Fig. 2 Fig.1aの赤枠の拡大図: SCC-B (Nasuno, 2007)の発達に 伴うmoisture convergenceと境界層風の変化 *e(-6) [1/s] conv div
Fig. 3 Fig.1aの赤枠の拡大図: SCC-B (Nasuno, 2007)の発達に 伴うmoisture convergenceと境界層風の変化 conv div
Fig. 4 Fig.1aの赤枠の拡大図: SCC-B (Nasuno, 2007)の発達に 伴うsurface evaporation rateと境界層風の変化
Fig. 5 Fig.1aの赤枠の拡大図: SCC-B (Nasuno, 2007)の発達に 伴うtemperature anomaly (35 m) と境界層風の変化 anomaly= deviation from zonal mean
Fig. 6 Fig.1aの赤枠の拡大図: SCC-B (Nasuno, 2007)の発達に 伴うrelative humidity (1.2 km) と境界層風の変化 anomaly= deviation from zonal mean
Fig. 7 Fig.1aの赤枠の拡大図: SCC-B (Nasuno, 2007)の発達に 伴うvertical velocity (1.2 km) と境界層風の変化
Fig. 8 Fig.1aの赤枠の拡大図: SCC-B (Nasuno, 2007)の発達に 伴うrelative humidity (5 km) と境界層風の変化
Fig. 9 moisture divergence composite at boundary layer(35 m),1.2 km, 5 km, 10 kmwith respect to the eastward-moving convection (black line in Fig.1a) - X=0 : moving convection center - superimposed relatively westward moving precipitation only Z=35 m Z=1.2 km Z=5 km Z=10 km *e(-6) [1/s] conv div
Fig. 10a, b a. Spectrum of moisture divergence at boundary layerand precipitation b. WN-1 component of the moisture divergence composite with respect to the eastward- moving convection (line at X=0 and that in Fig.1a) boundary layer (35 m) free atmos-low(1.2 km) free atmos-middle (5km) Fig. 10a Fig. 10b X=0: convection center
参考資料1 熱放出の鉛直分布と卓越レジーム 非線形(準線形): Q > 0 (w >0) = 0 (w < 0) Ohuchi and Yamasaki (1997)
参考資料2不安定モードの位相速度 Ohuchi and Yamasaki (1997)
参考資料3不安定モードの鉛直構造 Ohuchi and Yamasaki (1997)
参考資料5説明2(96年夏の学校・資料) 従来型AGCMのほぼ全ての SCC (MJO)はNFKに対応して いると推測されるのに対して NICAMにおけるSCCはFKに対応していることが推測される or 見通しがついている MJOも本質的には同じだが 他の環境要因(SSTや海陸 分布)もあわせて考える必要があるかもしれない