250 likes | 466 Views
2006 年度 計算力学. 第1回 序 論 -機械工学における計算力学の位置づけ-. 2006.04.11. 1.計算力学の目的. v 計算機を利用して力学問題を解く - 対象: 固体, 流体 , 熱 ,振動, etc. v 計算機の支援のもとで設計,生産を行う - 設計工学, CAD , CAM , CAI v そのために必要な数値計算法を確立する - 特に 微分方程式の数値解法 について v 計算結果の処理方法の開発 - マルチメディアの利用. 2.熱流体力学への応用. v 数値流体力学
E N D
2006年度 計算力学 第1回 序 論 -機械工学における計算力学の位置づけ- 2006.04.11
1.計算力学の目的 • v計算機を利用して力学問題を解く • - 対象: 固体,流体,熱,振動,etc. • v計算機の支援のもとで設計,生産を行う • - 設計工学,CAD,CAM,CAI • vそのために必要な数値計算法を確立する • - 特に微分方程式の数値解法について • v計算結果の処理方法の開発 • - マルチメディアの利用
2.熱流体力学への応用 v数値流体力学 - Computational Fluid Dynamics : CFD vマクロスケールでの解析 -航空機,自動車 etc,輸送機器に関するシミュレーション -都市の温暖化,地球温暖化 etc,環境問題に関するシミュレーション -化学反応,ふく射,電磁力 etc を伴う熱流体現象の複合問題 -気泡運動,固気/気液二相流 etc,多相流のシミュレーション vミクロスケールでの解析 ~分子動力学の応用 -沸騰現象,冷却現象,界面現象などへの応用 v流体力学の難問 ~乱流現象の解明
Reynolds 1883年 流れが層流から乱流へ遷移する現象を可視化 3.数値シミュレーションの位置づけ Euler方程式 1750年 Newtonの運動方程式を連続体に対して適用 20世紀中頃~
4.流体運動の決定 保存量 定式化 解 運動量 質量 エネルギー Navier-Stokes方程式 連続の式 熱力学第一法則 運動量 密度 熱力学的変数 独立変数は時間と空間座標 従属変数は速度と熱力学的変数 偏微分方程式
粘性応力 速度の時間変化が求まる 5.計算手順(1) -基礎式の記述- 1st step流れの支配方程式を座標系にあわせて記述する 【例】 2次元非圧縮性流れの Navier-Stokes 方程式 y v u x この方程式を解く
5.計算手順(2) -基礎式の簡略化- 2nd step 支配方程式を簡略化する 現象の特徴や本質をとらえ,方程式に近似やモデル化を施す ・1次元 ・圧力こう配ゼロ ・非粘性
離散化 計算機で解く代数方程式 5.計算手順(3) -基礎式を解く- 3rd step 方程式を離散化してコンピュータで解く コンピュータにできることは四則演算と判断なので,解きたい微分方程式を代数方程式に変換することが必要
6.シミュレーションの流れ • ■ 計算機が受け持つ3つの処理 ■ • 1. 前処理 = 格子形成 • 解析空間の中に適切な格子を配置する • 2. 本処理 = 浮動小数点演算 • 離散化された代数方程式を解く • 3. 後処理 = 計算結果の可視化(flow visualization) • 膨大な量の計算結果を人間が認識しやすい形で示す
代数方程式を解く場所を指定しなければならない代数方程式を解く場所を指定しなければならない • 空間を格子で分割し,格子点の上で解を求める • 格子点以外の場所の解は得られないので,流れの状態を詳しく調べるためには,格子を密に設定し格子点の数を増やすことが必要 • 時間についても,離散化されることに注意! 7.格子形成 もとの微分方程式は連続関数 u(x, t) についての方程式 これに対してコンピュータで計算させるための代数方程式は, 離散関数 u(x+Dx, t+Dt), u(x+2Dx, t+2Dt), ・・・ についての方程式
8.格子形成の実例 http://www.sw.nec.co.jp/APSOFT/SX/alfa/jirei.html http://www.vinas.com/gridgen/gallery.html 図1. 2次元翼まわりの流れ 図2. 車体まわりの流れ 図3. ノズル入口部の流れ
9.計算結果の可視化 v可視化の意義 データ量が膨大になるとただちに物理現象を理解するのは至難の業 目的に適した物理量を認識しやすい形で表示することが必要 v流体シミュレーションにおける可視化処理 -流線,流脈,タイムライン,ベクトル図 -等値線(2次元),等値面(3次元) -面塗り(カラーマップ) -アニメーション
円柱後方にカルマン渦が発生 Flow 低圧側に流線が引き込まれる 10.可視化の具体例 -静止画- 一様流中に置かれた円柱まわりの流れ 基礎方程式:2次元・非定常・非圧縮性Navier-Stokes方程式 離散化処理:有限差分法 非定常なので1時刻ごとに解が得られる. その一例を示すと... ※表示方法 ・流線 ・等値線 ・面塗り 【参考】計算流体力学研究所 http://www2.icfd.co.jp/karman/kr1.htm
11.可視化の具体例 【参考】計算流体力学研究所 http://www2.icfd.co.jp/karman/kr2.htm
円柱後方から渦が規則的に放出される様子は,静止画だけを眺めていても理解しづらい円柱後方から渦が規則的に放出される様子は,静止画だけを眺めていても理解しづらい 12.可視化の具体例 -アニメーション- ※現象に対する理解が深まる ※情報量は豊富になるが扱うデータ量も膨大になる 【参考】計算流体力学研究所 http://www2.icfd.co.jp/karman/kr2.htm
13.講義概要 • v講義内容 • -熱流体の基礎方程式について • -偏導関数の差分近似:近似の方法,近似の種類など • -偏微分方程式の差分近似:移流方程式,熱伝導方程式 • -差分近似の精度,誤差解析 • -差分法の計算実習 「プログラミング言語」を履修すること • v教材・資料 • -参考書:流体力学の数値計算法(藤井孝蔵,東京大学出版会) • -資 料:機械工学科Webサイトからダウンロード
14.講義予定(1) v達成目標と学習・教育目標 1.流体運動を記述する基礎方程式の「物理的意味」と「数学 的特徴」について説明することができる(目標E・F) 第1週・第2週 2.差分法の考え方を理解し,簡単な微分方程式について差分 式を導出することができる(目標H) 第3週~第6週・第12週~第14週 3.近似精度,安定性,収束性など差分法の基本的な評価がで きる(目標H) 第7週~第8週・第12週~第14週
14.講義予定(2) v達成目標と学習・教育目標 4.差分法を用いた初歩的な数値計算についてFORTRANによ るプログラミングができる.さらに,プログラミングとそ れに付随する知識について,インターネットを通じて有益 な情報を取得することができる(目標H・G) 5.講義ビデオとレポート投稿システムを中心とするe-Learning 環境を利用して,自主的に学習を継続することができる (目標G・K-1) 第9週~第11週
15.評価 v評価方法 -授業中の確認テスト 20% -プログラミング演習 30% -期末試験 50% v自己点検 -学習到達度の自己確認 → 定期的にチェックシートを提出