280 likes | 807 Views
電気回路学 Ⅰ. コンピュータサイエンスコース 知能コンピューティングコース ナノサイエンスコース 山田 博仁. 連絡事項. 1. 教科書および参考書 1 ) 大学課程 電気回路 ( 1 ) ( 第 3 版 ) 大野 克郎、西哲 生 共著、オーム社 2 ) 電気回路 - 三相、過渡現象、線路 - 喜安 善市、斉藤 伸自 著、朝倉書店 3) 電気・電子工学基礎シリーズ 電気回路 山田 博仁 著、朝倉書店 2. 成績評価 ・ 授業点と定期試験を勘案して行う ・ 授業点は、毎回の講義時間内に行う演習をもって評価する
E N D
電気回路学Ⅰ コンピュータサイエンスコース 知能コンピューティングコース ナノサイエンスコース 山田 博仁
連絡事項 1. 教科書および参考書 1)大学課程 電気回路(1) (第3版) 大野 克郎、西哲 生 共著、オーム社 2)電気回路 - 三相、過渡現象、線路 - 喜安 善市、斉藤 伸自 著、朝倉書店 3) 電気・電子工学基礎シリーズ 電気回路 山田 博仁 著、朝倉書店 2. 成績評価 ・ 授業点と定期試験を勘案して行う ・ 授業点は、毎回の講義時間内に行う演習をもって評価する ・ 定期試験を受けていない者は再試を受けても失格となる (再試は行なわないかも知れない) 3. オフィスアワー 随時、場所: 2号館203号室 (事前にアポをとって来ることをお勧めします) E-mail: yamada@ecei.tohoku.ac.jp、電話(内線): 7101 4. 連絡および講義資料のダウンロード: http://www5a.biglobe.ne.jp/~babe/ 5. 講義に関するご意見やご質問などは、 ブログ「講義の落書き帳」: http://kougi.at.webry.info/ Twitter「講義のつぶやき」:@yamada_hirohito Skype名: hirohito__yamada
講義日程と内容 日程 (回目)講義内容教科書、参考書の章との対応 1)2)3) 10/10(第1回) 重ね合わせの理 8.1-5.1, 5.2 10/17 (第2回) 双対回路と相反定理 8.2, 8.3-5.3~5.5 10/24休講 10/31(第3回) 等価電源と補償定理 8.4, 8.5-5.6, 5.7 11/7(第4回) 供給電力最大の法則 8.6-3.4e 11/14(第5回)Y行列、 Z行列 9.1~9.3-6.1~6.3 11/21休講 11/28(第6回)F行列、諸行列間の関係 9.4, 9.7-6.4, 6.6 12/5(第7回)Y-D変換、伝送的性質 9.8, 10.1, 10.2-6.7, 6.8 12/12 (第8回) 円線図 10.7-3.5c 12/19 (第9回) 線路の方程式、縦続行列 -8.1~8.47.1~7.5 1/9(第10回) 波の反射 -8.5~8.67.6~7.8 1/16(第11回) 理想線路、無歪線路、複合線路 -8.8, 9.17.9, 7.10 1/23(第12回) 無損失線路と反射波 -9.27.11 1/?? まとめ 1月下旬 定期試験
線形回路 実在する抵抗は、抵抗値が素子を流れる電流 Iの関数になっている(非線形素子) R(I) I V R (I1+I2) = R I1 + R I2 Rが線形素子なら、 (重ね合わせ) Rが線形でなければ、 である R(I1+I2) (I1 + I2) ≠ R(I1) I1 + R(I2) I2 つまり、Vと Iは比例関係にない V = R(I)I しかし、電流がごく小さい範囲では、R =一定とみなせる(線形近似) R V = R I つまり、Vと Iは比例 (重ね合わせ) Rが線形であれば重ね合わせが可能で、素子に I1のみが流れている状態と、I2のみが流れている状態を重ね合わせると、 I1と I2が同時に流れている状態に等価となる 実在する電気回路素子は非線形素子であるが、線形電気回路学では近似的に線形素子として扱える場合を対象にしている
重ね合わせの理 Z1 E1 Z1 E1 J1 Z2 Z2 Z3 Z4 E2 Z3 Z4 J2 Z1 J1 Z2 Z3 Z4 複数の電源を含む線形回路網中の電圧・電流分布は、各電源が単独にその位置に存在するときの分布の総和に等しい。 I1 I E1のみ存在 V V1 その他の電源は殺す 電圧源→短絡 電流源→開放 In 複数の電源を含む回路網 J1のみ存在 Vn その他の電源は殺す V = V1 + V2 + ‥ + Vn I = I1 + I2 + ‥ + In
重ね合わせの理 I2 I1 I I3 3R 3R 3R 3R E2 E2 6R 6R 6R 6R E1 E1 12R 12R 12R 12R J J 重ね合わせの理 例題8.1 E1のみ E2のみ J のみ
重ね合わせの理 重ね合わせの理 例題8.2 E1のみ E2のみ E2 Jのみ E2 R1 R1 R1 R1 R2 R2 R3 R3 I I1 I2 I3 E1 E1 J J
重ね合わせの理 I1 演習問題(8.1) I E1のみ
重ね合わせの理 I2 I2 I3 E2のみ J のみ
演習問題 R1 R2 R3 I E R4 J 本演習問題は、本日の授業点となります。 以下の回路において、電流 Iを求めよ。ただし、E と J、E0と I0とは同相とする。 I R 2E 2R E 2R J (a) (b) jX1 I R I −jX2 + −jX2 I0 E0 I0 + jX1 − E0 − (c) (d)
演習問題解答 - + 問(c) 2. 次に電流源を開放除去する.このとき回路に流れる電流 I3は、 1. まず電圧源を短絡除去する.回路の左半分に流れる電流を I1、右半分に流れる電流を I2とすると、 以上より、求めるべき電流は、 これらより、 jX1 jX1 R I3 I1 I2 R -jX2 -jX2 E0 I0
演習問題解答 問(d) 1. まず電流源を開放除去する. 2. 次に電圧源を短絡除去する. I1 I2 -jX2 - jX2 I0 jX1 jX1 + E0 - このときインダクタに流れる電流 I1は、 このときインダクタに流れる電流 I2は、電流の分配則より、 従って元の回路の求めるべき電流Iは、
双対性 直列接続 並列接続 電圧 V 電流 I 短絡 開放 インピーダンス Z アドミタンス Y 閉路 カットセット 抵抗 R コンダンタンス G D型接続 インダクタンス L キャパシタンス C Y型接続 キルヒホッフの第2法則 キルヒホッフの第1法則 リアクタンス X サセプタンス B 電圧源 E 電流源 J 電気回路においては、法則や記述などが多くの場合に二つずつ対をなして現れる。例えば、電圧と電流、抵抗とコンダクタンス、並列と直列などがそれに当たり、このような対応関係にある概念は双対といわれる。 双対関係にある素子などの例 双対関係にある概念の例 双対回路 ある電気回路に対して成立する関係式があるとき、その関係式に対して電圧と電流とを入れ替えた式もまた成立し、この新たな関係式を満足するような電気回路があるとき、このような2つの回路を互いに双対な回路という。
双対回路 I I E = RI E = jwLI R L E E J = jwCV C V V J = GV G J J 上の2つは双対回路 上の2つも双対回路
双対回路の作り方 q 1’ Z 1 Y E J 2 2’ p J E E p 双対な回路を求めるには、まず双対グラフを求め、原グラフの枝と双対グラフの枝とが合い交わる枝同士で、素子をそれと双対な素子に入れ換えればよい。 q p 原回路 双対なグラフ 双対回路 原グラフ 電源など、極性のある素子の扱い (a) 電圧源 → 電流源 原回路で点 p を囲んで時計回りに電圧が上昇(降下)する電圧源なら、新回路では点 p の方向(点 p から出る方向)に電流を流す電流源になる
双対回路の作り方 J J E Z1 Z3 p p Z2 E1 E2 J L C G (b) 電流源 → 電圧源 原回路で点 p を囲んで時計回りに(反時計回りに)電流を流す電流源なら、新回路では点 p の方向に電圧が上昇(降下)する電圧源になる (c) ダイオード → ダイオード 原回路で点 pを囲んで時計回りに順方向(逆方向)のダイオードなら、新回路では p の向きに順方向(逆方向)のダイオードとなる 以下の回路と双対な回路を求めよ
双対回路の作り方 Z1 Z3 Z2 E1 E2 原回路 原グラフ Y3 Y2 Y1 Y2 Y1 Y3 p q J1 J2 J1 J2 r 双対回路 双対なグラフ
双対回路の作り方 4 J1 2 1 原回路の電源 J2が閉路2と同じ向きなので、節点2に向かうように E2=K J2を入れる J2 E2 原回路の電源 E1が閉路3と同じ向きなので、節点3に向かうように J1=E/Kを入れる E1 3
逆回路 Z1 Z2 逆回路 逆回路とは 2つの二端子回路があり、そのインピーダンスを Z1, Z2とするとき、その積が周波数 wに関係なく Z1Z2=K2 (Kは正定数)となるならば、二つの回路は Kに関して互いに逆回路であるという。 逆回路の作り方 D=1/C ただし、D1=1/C1
逆回路 演習問題(8.2) 以下の回路の Kに関しての逆回路を求めよ L1 L3 L2 L3 D1 L4 D3 D2 L2 D4 R D2 L1 D1 R1 R2 (a) (b) (c)
逆回路 演習問題(8.2) Kに関しての逆回路を求めよ L1 D1 R1 R2 逆回路 上の二つの回路は双対回路となっているが、逆回路は Z1Z2=K2の関係を満たしていればよいので構造的な双対性は必要なく、一般に種々の逆回路が存在する
逆回路 演習問題(8.2)の解答 Kに関しての逆回路は、
定抵抗回路 インピーダンスが周波数 wに依存しない二端子回路を定抵抗回路という 下の回路のインピーダンスはいずれも Rとなり、wに依存しない Z R R R R Z R Z Z R Z or R Z R Z 逆回路を組み合わせると定抵抗回路が実現できる 上記回路のインピーダンスがいずれも Rとなることを確かめよ
定抵抗回路 インピーダンス つまり、 従って、 演習問題(8.4) この式が、周波数 wの値に関係なく成立するためには、分母と分子の各項の係数の比が R0に等しくなければならない
定抵抗回路 I1+I2 I1 V I2 E I1- I2 I2 I1 I1+I2 演習問題(8.6) ∴ また、
相反定理 Ip’ Iq Black Box Black Box Vq Eq’ Ep Jp Jq’ Vp’ EpIp’= Eq’Iq の関係が成り立つ時 p q 相反回路 JpVp’= Jq’Vq の関係が成り立つ時 相反回路
演習問題 問1. 右の(a)、(b)の回路で、端子間のインピーダンスが周波数に依らず一定の R0 となる条件を求めよ。 I2 Z1 R R L R 回路網 Z2 E1 C L C R (a) (b) I1’ 問2. 図(a)に示す回路網のインピーダンス Z1 に直列に電圧 を加えたとき、Z2 には の電流が流れた。次に、図(b)に示すように電圧源 E1 を取り除いて Z1 に の電流を流すためには、 Z2 に直列にいくらの電圧 E2 を加えればよいか。 Z2 Z1 回路網 E2 (a) (b)