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SOLAR-B による太陽彩層 ダイナミクス・加熱機構の解明. 末松芳法 ( 国立天文台 ). Solar-B SOT. 太陽彩層とは?. 光球とコロナの間に位置する彩層は、ファイブリルやスピキュールに代表される ジェット現象 が頻繁に起こっており、温度も光球より高い 1 万度程度になっている。これら大気の加速、加熱現象は磁場の存在と密接な関係があると考えられるが、高分解能の磁場観測が必要なこと、また彩層速度場の観測が難しいことから具体的な仕組みについては未解明である。
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SOLAR-Bによる太陽彩層ダイナミクス・加熱機構の解明SOLAR-Bによる太陽彩層ダイナミクス・加熱機構の解明 末松芳法(国立天文台) 1
Solar-B SOT 太陽彩層とは? 光球とコロナの間に位置する彩層は、ファイブリルやスピキュールに代表されるジェット現象が頻繁に起こっており、温度も光球より高い1万度程度になっている。これら大気の加速、加熱現象は磁場の存在と密接な関係があると考えられるが、高分解能の磁場観測が必要なこと、また彩層速度場の観測が難しいことから具体的な仕組みについては未解明である。 彩層はコロナへの質量供給源またエネルギー輸送の通り道となっていると考えられるため、彩層加速・加熱の理解は、コロナ加熱問題や太陽風の起源の理解にとっても重要である。 コロナ 彩層 温度最低層 光球 2
Solar-B SOT 彩層構造・運動 彩層の代表的な構造 spicule: 太陽縁で見えるのジェット 高さ: ~6000km、幅: 800km 速度: ~20km/sec 密度: ~1011cm-3 同様の現象が太陽面上で見え、 mottle、fibril と呼ばれる。 Spicule<->mottleの対応はOK? 多分、Spiculeはより垂直構造、mottleは水平構造に対応している? 速度の謎: 1. 一定速度 vs. 弾道的 弾道的の場合、大きな初速度がmottle、fibrilのドップラー速度として見えない。 2. 上昇から下降に転ずるか? spiculeでは上昇して見えなくなるものあり。 3
Solar-B SOT 彩層ドップラー速度 Hα中心像と、Hα±0.65Aから作ったドップラー像(青:上昇流、赤:下降流): ドップラー速度は~5km/sec-10km/sec 4
Solar-B SOT 上昇と下降の非対称性 Mottleでは上昇流は遠く(高く)まで伸びており、下降流は根元に集中 → 上昇後、先端は加熱されて Hαでは見えなくなる? spiculeで上昇して見えなくなる ものに対応? 速度と温度診断(EIS)重要 45分間に渡るドップラー積分像 5
Solar-B SOT 磁気要素の変化とジェット 35分間のムービー 地上での観測。Hα-0.75Å(白黒)とFeI6302Åによる視線方向磁場(青赤)。分解能は良い時で、Hαが0.5秒角、磁場で2秒角程度。 光球の磁場分布(青・赤)と彩層のジェット現象(上昇中)を重ねて表示したもの。ジェットが磁気要素に根ざしていることがわかる。 6
Solar-B SOT 彩層運動の起源 波動: 短周期起源 5分振動起源 観測される運動と一致するか 小爆発: ナノフレア? 観測では反対磁極が見えない? Hα輝点はmottle発生の後に現れる いずれにしても光球磁場・速度場変動との関係大事 視線磁場 Hα-bluecontrast Hα-centcontrast Hα-redcontrast 時間 7
Solar-B SOT 彩層加熱問題 彩層過熱はコロナ加熱の100倍のエネルギーフラックス必要 候補 ・長周期(3-5分)(音波)波動 Ca II H&K(3分-5分振動) Mg I b 輝点 (セル内3分振動、ネットワーク近傍で5分振動) ・磁気加熱 至る所でナノフレア? 8
Solar-B SOT 光球磁気要素の観測と光球輝点 G-band像 光球視線磁場分布 地上で最高級の可視光像(左)と対応する磁場分布(視線方向成分)(右)。 視野は5.6秒角(4000km)、目盛りは0.14秒角(100km)。中央の明るい輝点に対応して強い磁場があるが、明るい輝点全てには磁場は対応してなく、逆に磁気要素は至る所に見られる。 図はBerger et al. 2004A&A...428..613 9
Solar-B SOT 彩層微細構造 彩層構造の本質は multi-thread構造: 分解できていない 運動の解析に影響 熱的進化(加熱) SOLAR-Bでの観測により解明 ・可視光での高分解能観測 Hα、CaII H、G-band、ベクトル磁場 ・EIS ~10万度輝線 (高分解能観測例) プラージュの微細構造: プラジェット(LaPalma5分周期で再生) 10
Solar-B SOT 彩層現象の理解に向けて 11