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情報資源組織論 第 2 回 書誌コントロールとその歴史

情報資源組織論 第 2 回 書誌コントロールとその歴史. 2013 年 10 月 8 日(火) 第4時限 R101 教室. 復習小テスト. 図書館法や学校図書館法では「情報資源組織」という言葉を使わず、別の言葉で同じ意味を言い表している。その言葉とは? 電子的な資料を検索したり管理するために作成される情報(データについてのデータ)を何と言うか? 情報資源組織業務はパブリック・サービスか、テクニカル・サービスか? 情報資源組織業務は大きく何と何に分けられるか?. 書誌コントロールという言葉(1). 情報資源組織におけるキーワードの一つ

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情報資源組織論 第 2 回 書誌コントロールとその歴史

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Presentation Transcript


  1. 情報資源組織論 第2回書誌コントロールとその歴史情報資源組織論 第2回書誌コントロールとその歴史 2013年10月8日(火) 第4時限 R101教室

  2. 復習小テスト • 図書館法や学校図書館法では「情報資源組織」という言葉を使わず、別の言葉で同じ意味を言い表している。その言葉とは? • 電子的な資料を検索したり管理するために作成される情報(データについてのデータ)を何と言うか? • 情報資源組織業務はパブリック・サービスか、テクニカル・サービスか? • 情報資源組織業務は大きく何と何に分けられるか?

  3. 書誌コントロールという言葉(1) • 情報資源組織におけるキーワードの一つ • Bibliographic control の訳語 • Bibliography=書誌 • 書誌とは • 図書のすべて、特に体裁・材料・成立事情などについての解説・記述 • ある題目・人物に関する書物・文献の目録             (広辞苑第5版)

  4. 書誌コントロールという言葉(2) • 1940年代後半、米国議会図書館(LC)内部の報告書にbibliographical controlという用語が使われる • ユネスコとLCの国際的な書誌活動で用いられて広まる cf. 『図書館情報学ハンドブック 第2版』1999(丸善) • 日本でも盛んに使われるようになったが、人によっては意味内容が異なる場合も

  5. 書誌コントロールの定義(1) • ヨーロッパでドキュメンテーションと呼ばれるものに対してアメリカで出て来た専門用語 • 記録情報の総体から、特定の仕事に関係する部分を最高のスピードと経済性をもって取り出すことに知的エネルギーを振り向けるのに用いられる仕組み • Margaret E. Egan, Jesse H. Shera “Prolegomena to bibliographic control” Journal of cataloging and classification, v.5 n.2, 1949, p.17

  6. 書誌コントロールの定義(2) • すべてのタイプの印刷された図書館資料やそれ以外のタイプの図書館資料の生産に対応した完全な記録化 • 図書館および他の資料保存施設におけるこれらの資料の組織的な収集 • 総合目録、総合リスト、および類似の方法による資料の所在表示 • すべての領域における主題書誌の提供 Robert Downs “Problems of bibliographic control,” Library Trends, v.2 n.4, 1954, p.501

  7. 書誌コントロールの定義(3) 以下のような書誌的活動を包含する用語 • 刊行資料の完全な書誌レコード化 • 書誌記述の標準化 • 資料自体へのアクセスの提供(コンソーシアム、ネットワーク、その他の共同事業を通して) • 書誌情報アクセスの提供(総合目録や主題別書誌の編纂と頒布、および書誌情報サービスセンターを通して) “The ALA Glossary of Library and Information Science” (1983)

  8. 書誌コントロールの定義(4) • 資料を識別同定し、記録して、利用可能な状態を作り出すための手法の総称 • 図書館で行われる目録作業や分類作業は、書誌コントロールの最も基本的な方法 • 各館における資料組織化処理から始まって、国家や国際的な規模で標準的な書誌的記録を作成し、共同利用するための仕組みに至るまでの全体を書誌コントロールという 『図書館情報学用語辞典 第3版』(丸善, 2007)

  9. 書誌コントロールと情報資源組織 • 書誌コントロールと情報資源(資料)組織の概念の違いは必ずしも明確ではない • 書誌コントロールは情報資源(資料)組織の上位概念(より意味範囲が広い)という印象 • 情報資源組織という言葉が、個別の図書館の整理業務(目録・分類)を越えて、国家的・国際的な標準化活動や抄録・索引の作成等まで含むのであれば、書誌コントロールと意味の違いはなくなる

  10. 書誌コントロールの歴史(1) • 書誌コントロールという言葉に相当する活動は古くから行われている • ピナケス(Pinakes) • 古代アレクサンドリア図書館のカリマコスによる文献目録 • 現存せず、断片や引用が伝わる • 『叙録』および『別録』 • 漢の成帝が劉向に作らせた全国書誌

  11. 書誌コントロールの歴史(2) • トリテミウス『聖職者著作目録』 • Trithemius “Liber Scriptorius Ecclesiasitici” • 1494年ドイツで編纂 • カトリック聖職者の約1,000名、7,000点の著作を収録 • コンラッド・ゲスナー『世界書誌』(1545) • Conrad Gesner “Bibliotheca Universalis” • ラテン語、ギリシャ語、ヘブライ語の著作を集めた書誌

  12. 書誌コントロールの歴史(3) • 国際書誌協会(Institut International de Bibliographie) • 1895年、オトレ(Paul Otlet)とラ・フォンテーヌ(Henri La Fontaine)がベルギーで設立 • 15世紀以来の全世界の文献を記録しようとする試み • 1千万枚を超えるカード目録 • 1930年代に挫折

  13. 20世紀の動き • 国際図書館連盟(IFLA)の設立(1927) • UNESCO「書誌サービス改善に関する国際会議」 UNESCO Conference on the Improvement of Bibliographic Services (1950) • 国内書誌コントロール機関の設立および全国書誌の整備を勧告 • 目録法原則国際会議(ICCP: International Conference on Cataloguing Principles)(1961) • 諸原則に関する声明(Statement of Principles)通称「パリ原則」を採択

  14. 世界的な書誌コントロール(1)UBC: Universal Bibliographic Control • 1973年にIFLAが提案・議決 • 国レベルでの書誌コントロールのシステムや標準の開発および国際的な書誌データ交換の調整・支援が目的 • 1974年、英国図書館内に国際書誌調整事務局(IFLA International Office for UBC)設置 • 国際標準書誌記述(ISBD: International Standard Bibliographic Description)の制定(1974-) • パリ原則(1961)、コペンハーゲンの目録専門家国際会議(1969)を受けて制定 • G: General(一般)、M: Monograph(単行書)、S: Serials(逐次刊行物)など資料種別ごとに規定

  15. 世界的な書誌コントロール(2)UBC: Universal Bibliographic Control • 全国書誌国際会議の開催 • UNESCO/IFLA International Congress on National Bibliographies(1977) • International Conference on National Bibliographic Services (ICNBS), Copenhagen (1998) • UNIMARC (Universal MARC) formatの制定(1977) • IFLA Universal Bibliographic Control and International MARC Core Activity (UBCIM) (1990-2003) • IFLA-CDNL Alliance for Bibliographic Standards (ICABS)(2003-2008) • IFLA-CDNL Alliance for Digital Strategies (ICADS)(2008- )

  16. 全国書誌(1)national bibliography • 特定の国で出版された文献の書誌。ひいては、当該国に関する文献、または当該国の言語で書かれた文献の書誌『ALA図書館情報学辞典』 • 印刷形態(及び(または)カード目録、機械可読テープのような他の形態)で定期的かつできる限りすみやかに発行される、国内出版物についての典拠となる、しかも網羅的な記録の集積IFLA「全国書誌作成機関及び全国書誌のためのガイドライン」

  17. 全国書誌(2)national bibliography • 各国の国立図書館が作成、冊子体として刊行→Web版に移行 • 日本全国書誌、British National Bibliography(英国)、Bibliographie nationale francaise(フランス)、Deutsche Bibliographie(ドイツ)   など • MARCによるデータ蓄積 • JAPAN /MARC, MARC21(米英), UKMARC(英・過去),INTERMARC(フランス), MAB1(ドイツ) など • 蔵書目録のインターネットによる公開 • NDL-OPAC, LC Online Catalog, Explore the British Library, BnF catalogue généralなど

  18. 出版物の入手支援 • 書誌データだけあっても、出版物が入手できなければ意味がない • IFLAは1979年からUAP (Universal Availability of Publications) という活動で、国際的な相互貸借・複写を支援 • 標準の申込用紙(IFLA Loan/photocopy request form)、料金支払いの仲立ち(IFLA Voucher Scheme)など • 2003年UAPは終了するが、ILL事業は継続

  19. メタデータ • 情報資源(データ)に関するデータ • 情報資源を検索や管理するための情報 • 広い意味では図書館の目録情報もメタデータ • ダブリン・コア • 多様な情報資源すべてに共通する、核(コア)となる要素を定めた国際標準 • title, creator, subject, descriptionなど15の基本要素 • ネット上の情報資源の組織化への貢献が期待されるが、不要論も←Google

  20. Googleの野望 • Google の使命は、世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにすることです              「Google について」より • 国際書誌協会が挫折した夢に挑戦(?) • 人手による組織化(メタデータ)に頼らない(?)検索 • さまざまな先進的サービスの実験

  21. 第2回のまとめ • 書誌コントロール(bibliographic control)とは、資料を検索・利用可能にするための方法で、図書館の情報資源組織と密接な関係を持った概念 • ピナケスなど古代の資料目録 • 国際書誌協会による世界書誌の試みと挫折 • 各国の国立図書館は全国書誌を作成 • IFLAを中心とした国際的な書誌コントロール • MARCデータの流通、ISBD制定、ILL • インターネット情報資源を記述するメタデータ • ダブリン・コア • Googleはまた別のアプローチ

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