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減価償却費控除の効果. 一般に、法人税を支払う組織では 2つ の帳簿をつけている 外部公表用 税務申告用 税務申告は、ルールに従う ルールによると、必ずしも組織の経営成績と財務状態を最も良く表す財務諸表にはならない 本章では、外務報告上のルールではなく、税務上のルールに着目する. 続き. 税務と外部報告とで異なることが多いのは、 減価償却費 である 法人税法および関連諸則では 耐用年数よりも短い償却期間にコスト配分が認められてきた 財務目的では 加速償却 が認められることが多い 加速償却 accelerated depreciation
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減価償却費控除の効果 • 一般に、法人税を支払う組織では2つの帳簿をつけている • 外部公表用 • 税務申告用 • 税務申告は、ルールに従う • ルールによると、必ずしも組織の経営成績と財務状態を最も良く表す財務諸表にはならない • 本章では、外務報告上のルールではなく、税務上のルールに着目する
続き • 税務と外部報告とで異なることが多いのは、減価償却費である • 法人税法および関連諸則では • 耐用年数よりも短い償却期間にコスト配分が認められてきた • 財務目的では加速償却が認められることが多い • 加速償却accelerated depreciation • 早い年度に多く、後の年度に少ないコストを負担させる方法 • $10,000の資産を5年で償却 • 定額法・・・$10,000÷5=$2,000 • 加速償却・・早い年度>$2,000>後の年度
例示 • Martin’s Printing の税引前利益、法人税、減価償却費の関係 • $125,000で購入した印刷機を保有 • 償却期間・・・5年 • 年に$130,000の売上高 • $70,000の費用(減価償却費を除く) • 印刷機のコストは年々の減価償却費として損金算入できる
例示 続き • 固定資産の減価償却は将来の損金となる • 先の例示では • 損金の総額は$125,000である • 損金の現在価値は • 償却期間、選択した減価償却方法、税率、割引率で決まる
減価償却費控除の効果 続き • 図表11-4はMartin’s Printing の資本予算データの分析である • この投資のNPVは$40,821である • $125,000の投資により、実際には2つのCFが生じる • 営業活動による正味CIF • 法人税COFの節約額(資本予算ではCIFの増加と同じ効果) • 減価償却方法の選択は、法人税のCOFに影響を与える • 定額法・・・節約額の現在価値は一定 • 加速償却・・現在価値が異なる
損金、キャッシュ効果、タイミング • 図表11-4において • 正味キャッシュ効果は税引前利益に0.6を掛けて計算していることに注意 • トータルの効果は、税への影響を引いた残り • 売上が$1増えると・・・ • 税が$0.40かかり、$0.60の正味CIFが残る • 現金支出費用が$1増えると・・・ • $0.40だけ税が減り、正味COFは$0.60となる ↓ $60,000の営業CIFの税引後効果は $130,000×0.6-$70,000×0.6=$36,000
非現金支出費用の税引後効果 • 非現金支出費用(減価償却費)の税引後効果は • 損金$25,000に税率を掛けて計算 $25,000×0.4=$10,000 (これは、税額の減少だからCIFとなることに注意) • 非現金支出のトータルのキャッシュ効果は、節税効果だけ
加速償却 • 政府は、長期資産への投資を奨励するために加速償却を認めることがある • なぜ、加速償却が魅力的なのか?
考察 • 先の比較より • 早く償却できるほど、法人税節約額の現在価値は大きくなる • 一括償却・・0.4×$125,000=$50,000 • 5年間で償却・・0.4×$25,000=$10,000 $10,000×5年=$50,000 ↓しかし • 貨幣の時間価値があるために、当期の節約額は将来の節約額よりも価値が大きくなる
修正加速減価償却制度 MACRS • アメリカの法人税では、1987年以降に購入した資産のほとんどは、 修正加速減価償却制度(MACRS)により減価償却される • この制度は • 資産について償却期間と加速償却明細を決めている
考察 • 先の図表11-6は、償却期間が3,5,7,10年の場合の、MACRSによる減価償却明細を示す • どの明細表も、償却期間より1年長いことに注意 • MACRSは、最初と最後の年度に半年分の償却をするから ↓ • 1年目・4年目・・・半年分償却 • 2年目・3年目・・・1年分償却
定額法とMACRS • 図表11-4の例にMACRSを適用すると?? (購入した印刷機は5年間のMACRS資産とする)
考察 • 節税額の現在価値は • MACRS・・・$36,904 • 定額法・・・・ $36,048 • MARCSで償却すると定額法より$856多く節約できる
MACRSの現在価値 • 資本予算決定において • 減価償却費による節約額の現在価値を知りたいと考える • 図表11-7の利用 • 3,5,7,10年でMACRS明細により、$1を償却した場合の減価償却費の現在価値を知ることができる
例示 • ある企業において • 償却期間3年の資産を持っていて、最低目標利益率は10% • MACRSによる$1の減価償却費の現在価値は???
現在価値の調べ方 • 次の3ステップを行う • 図表11-7で該当する償却期間と必要利益率の係数を知る • 係数に税率をかける(投資$1当たり節税額を知るため) • 計算結果に投資額を掛ける(総節税額を知るため) • 例えば・・・ • MACRS償却期間5年、投資額$125,000の設備 • 税引後必要利益率は12%、税率は40% • 節税額の現在価値は 0.7381×0.40×$125,000=$36,905
処分損益 • 設備の処分によるCFも法人税に影響する • 例えば・・・ • $125,000で印刷機を購入 • 定額法で3年間償却した後、第3年度末に売却したとする ↓ • 簿価で売却した場合・・・・税効果はない • $50,000より高く売った場合・・・・税が増える • $50,000より安く売った場合・・・・税が減る
処分損益 続き • 売却額が$70,000、$20,000の場合のCFへの影響は??
レビュー問題 • 図表11-4の投資は • 設備の初期コスト$125,000 • 耐用年数5年、残存価額ゼロ • 年々の税引前営業CIFは$60,000 • 法人税率40%、税引後必要利益率12% • 税務上5年のMACRS資産であるとする
レビュー問題 • 各条件は独立であるとして、次の場合の投資のNPVを計算しなさい 1.設備を、第5年度末に現金即払$20,000で売却する 2.上記1の条件を無視して、元のデータに戻る。設備の耐用年数が5年ではなく、8年であるとし、税務上はMACRSにより5年間での償却が認められている
留意事項 • 税務上の償却期間と経済的な耐用年数は等しいとは限らない • ある資産の耐用年数が長くなると • 節税額の現在価値は減少しない • 営業活動によるCFが増加する
今日のおおまかな流れ • 今までは・・・
続き • 次に法人税を考慮して考えた
続き • 今日の範囲 • 1つ前のレジュメの将来CIFの現在価値は多いという話 • 例えば • 設備の初期コスト$2,000 • 耐用年数4年・残存価額ゼロ • 年々の売上高$5,333、費用$2,000 • 法人税率40%、税引後必要利益率10% • 定額法
続き • 減価償却費は費用であるが、実際にお金の流れはないのでCOFとして考慮しないことを学んだ ↓しかし • 実際の会計では減価償却費は費用として毎期計上する • CFで考えた場合の費用は$2,000であるが、会計上は減価償却費$500を含めた$2,500として考える。税務局に申告する時には、実際の利益より小さく見せることができる。それにより法人税の額を節約することができる
続き • 法人税額は • 上部の図では・・・$1,333 • 下部の図では・・・$1,133 • 実際に取られる法人税額は$1,133 • だから、CFでの計算より、毎期$200ずつCIFが増える
続き • より細かくみれば • この投資のNPVは$265ではなく$897