1 / 17

閉塞性胆管炎を呈した膵疾患の 1 例

閉塞性胆管炎を呈した膵疾患の 1 例. さいたま市民医療センター 消化器科 中島嘉之. 症 例. 81歳, 男性. 主訴: 食欲低下. 既往歴: 外傷性くも膜下出血 硬膜下血腫除去術 家族歴: 特記すべきこと無し.. 現病歴.  平成 4 年 9 月に黄疸出現.近医にて腫瘤形成性膵炎による閉塞性黄疸の診断で PTBD 施行され減黄.その後 ERBD 留置にて経過観察となっていた.  平成 9 年に ERBD 閉塞による黄疸が再燃するものの抜去のみで経過観察となっていた.

wattan
Download Presentation

閉塞性胆管炎を呈した膵疾患の 1 例

An Image/Link below is provided (as is) to download presentation Download Policy: Content on the Website is provided to you AS IS for your information and personal use and may not be sold / licensed / shared on other websites without getting consent from its author. Content is provided to you AS IS for your information and personal use only. Download presentation by click this link. While downloading, if for some reason you are not able to download a presentation, the publisher may have deleted the file from their server. During download, if you can't get a presentation, the file might be deleted by the publisher.

E N D

Presentation Transcript


  1. 閉塞性胆管炎を呈した膵疾患の1例 さいたま市民医療センター 消化器科 中島嘉之

  2. 症 例 81歳, 男性. 主訴: 食欲低下. 既往歴: 外傷性くも膜下出血 硬膜下血腫除去術 家族歴: 特記すべきこと無し.

  3. 現病歴  平成4年9月に黄疸出現.近医にて腫瘤形成性膵炎による閉塞性黄疸の診断でPTBD施行され減黄.その後ERBD留置にて経過観察となっていた.  平成9年にERBD閉塞による黄疸が再燃するものの抜去のみで経過観察となっていた.  その後も胆管炎を繰り返し,近医にて抗生剤による治療が行われていたが,ステント留置を薦められ,平成21年9月に当科紹介受診となった.  外来にて精査予定であったが,10月上旬に食欲低下を主訴に来院され,肝機能異常を指摘されたため入院となった.

  4. 入院時現症 BP132/68mmHg,HR82/min,BT36.3℃ 眼瞼結膜:貧血なし,軽度黄疸あり 胸部: 呼吸音清,心音整,心雑音なし 腹部: 平坦・軟,腸雑音正常,圧痛なし 四肢末梢:足背動脈両側触知,冷感あり 表在リンパ節触知せず

  5. 4000 63.3 26.2 385 12.0 35.7 17.7 8.8 3.1 2.3 1.1 306 251 2370 89 /μl % % *104/μl g/dl % *104/μl g/dl g/dl mg/dl mg/dl IU/l IU/l IU/l IU/l γ-GTP LDH T-Chol BUN Cr CRP BS PT-sec PT-INR CEA CA19-9 リパーゼ PSTI 913 260 175 13.9 0.70 0.78 126 11.8 99.4 3.8 81.9 14 9.7 IU/l IU/l mg/dl mg/dl mg/dl mg/dl mg/dl μg/ml μg/ml 入院時検査所見 (2009.10.7) WBC Neut Ly RBC Hb Ht Plt TP Alb T-Bil D-Bil AST ALT ALP AMY

  6. 腹部CT(2009.9.25)

  7. 腹部CT(2009.9.25)

  8. MRCP(2009.9.25)

  9. 膵胆管造影 (2009.10.15)

  10. 病理所見 赤血球を背景に異型性の無い円柱上皮細胞の小集塊の出現

  11. 鑑別診断 肝門部胆管癌 硬化性胆管炎 自己免疫性膵炎関連胆管炎

  12. 鑑別診断 肝門部胆管癌 画像上は否定できないが,黄疸を呈するに至ったほどの胆管癌の経過 に しては長すぎる 硬化性胆管炎 自己免疫性膵炎関連胆管炎 硬化性胆管炎とIgG4関連胆管炎との鑑別は画像上困難であるが,PSCと すれば高齢発症と考えられる点,入院時には膵炎を認めなかったものの, 腫瘤形成性膵炎(?)の既往を認めることなどから,自己免疫性膵炎関連胆 管炎と判断した.

  13. 自己免疫系検査 IgG4 1260mg/dl ANA ×40

  14. UDCA600mg UDCA300mg 治療経過 PSL20mg PSL15mg PSL10mg γ-GTP 500 AST 100 ALT 0 15 30 (Days) ERCP

  15. 臨床経過 CT,MRCPにて胆管癌が疑われたが,経過が非常に長く,IgG4高値であることからIgG4関連胆管炎と考えられERCPを施行した.  肝門部に狭窄があり,左胆管は造影されたが右胆管は造影されなかった.狭窄部から擦過細胞診を行ったが,腫瘍細胞は認められなかった. IgG4関連自己免疫性胆管炎の診断にてPSLの投与を開始したところ,肝機能が速やかに改善した.

  16. まとめ • 自己免疫性膵炎に続発したものと考えられるIgG4関連胆管炎を経験した. • 肝門部の胆管に限局した狭窄であったため,胆管癌との鑑別が困難であった. • 硬化性胆管炎との鑑別に,IgG4の計測が有用であった. • 肝障害に対してPSLが著効した.

  17. 結 語  原発性硬化性胆管炎(PSC)は本邦ではまれな胆道疾患である.欧米では若年者に多く,炎症性腸疾患の罹患率が高い.  一方,本邦のPSC全国調査によると若年者と中高年の二峰性の年齢分布を示し,中高年のPSCでは膵炎(自己免疫性膵炎)の合併例が多いことが分かり,中高年のPSCは古典的PSCではなく,自己免疫性膵炎に関連したIgG4関連の硬化性胆管炎が含まれていることが報告されている. IgG4関連硬化性胆管炎は,膵炎を合併して発症する症例が多いとされるが,膵炎消退後に異時性に発症する症例や,膵炎の合併がなく胆管炎のみで発症する症例もあり,そのような症例ではPSCとの鑑別に慎重に行う必要がある.

More Related