60 likes | 341 Views
悪性カタル熱 (MCF: Malignant catarrhal Fever). 届出伝染病: 牛、水牛、羊、シカ。. 病原体 : アフリカでの ウシカモシカ ( ヌー )型( WD -MCF: W ildebeest d erived ):ガンマヘルペス亜科、 Rhadinovirus 属のシカ・ヘルペスウイルス( Alcelaphine herpesvirus 1 )。 アフリカ以外の国のヒツジ随伴型( SA -MCF: S heep a ssociated ):ヒツジ・ヘルペスウイルス( Ovine herpesvirus 2 )。.
E N D
悪性カタル熱(MCF: Malignant catarrhal Fever) 届出伝染病: 牛、水牛、羊、シカ。 病原体: アフリカでのウシカモシカ(ヌー)型(WD-MCF: Wildebeest derived):ガンマヘルペス亜科、Rhadinovirus属のシカ・ヘルペスウイルス(Alcelaphine herpesvirus 1)。 アフリカ以外の国のヒツジ随伴型(SA-MCF: Sheep associated):ヒツジ・ヘルペスウイルス(Ovine herpesvirus 2)。 発生原因: 出生直後の羊やヌー(いずれも不顕性)の胎盤と感受性動物との接触で感染する。北欧諸国において羊と接触したブタの散発発生。 臨床症状: 潜伏期の長さと発症動物の臨床症状は様々で、高熱、角結膜炎、鼻鏡、口腔や陰部粘膜の糜爛・潰瘍、リンパ節の腫脹や神経症状がみられる。発症後には殆どが死亡する。 カタル: 粘液や滲出液の分泌の増加を伴う粘膜の炎症。カタル熱: かぜ,インフルエンザ,小葉性肺炎,大葉性肺炎を含めた一群の気道疾患。 予防法: 周産期のヒツジと感受性動物との接触をさける。
上川管内のめん羊飼養状況: 1975年66戸240頭であったが、1986年110戸1,012頭に急増し、1990年では133戸1,808頭となり、1戸当たりの飼養頭数も3.6頭、9.2頭、13.6頭と増加した。飼育目的は、堆肥、肉販売、羊毛販売、自家利用、観光、愛玩用、情操教育等であった。上川管内のめん羊飼養状況: 1975年66戸240頭であったが、1986年110戸1,012頭に急増し、1990年では133戸1,808頭となり、1戸当たりの飼養頭数も3.6頭、9.2頭、13.6頭と増加した。飼育目的は、堆肥、肉販売、羊毛販売、自家利用、観光、愛玩用、情操教育等であった。 悪性カタル熱の発生: 1991年4月、2農家でめん羊と同一畜舎内に飼養されていた育成牛各1頭が、鼻汁漏出、流挺、角膜白濁症状を示し死亡した。口腔粘膜のビラン潰瘍、非化膿性髄膜脳炎、腎、肝、腸管の諸臓器に動脈炎を認め悪性カタル熱と診断した。 めん羊抗体検査: 発生農家2戸8頭と、その他23戸の当歳から10歳まで92頭を対象に間接螢光抗体法により検査した。発生農家の抗体陽性率は87.5%、その他で91.3%であった。 農家指導: 酪農畜産との複合経営農家が22戸あり、今後は牛との別畜舎での飼養を徹底指導する。 上川家畜保健衛生所
1998年9月 北海道、鹿1頭 1999年4月 福島 鹿2頭 2001年3月 福井 牛1頭 2002年4月 山形 牛1頭 2005年11月 北海道、牛1頭 2007年8月 福島 牛1頭、 10月 福岡 鹿1頭 近年の発生はまれ。 福井県家保 同一牛舎内に羊を飼養していた肉牛農家の繁殖用黒毛和種において羊型悪性カタル熱(SA-MCF)を疑う症例が発生した。発症牛は発熱・食欲不振・発咳等の症状を示し、5日後に死亡した。 全身性血管炎 病理組織学的検査では全身諸臓器において血管炎が認められ、またそれらの臓器からPCR法により羊ヘルペスウイルス2型(OvHV-2)遺伝子が検出された。他のすべての同居牛は同様の症状を示さなかった。しかし同居牛の白血球を検査したところ、25頭中10頭からOvHV-2遺伝子が検出され、不顕性感染牛の存在が確認された。
初期MCF: 結膜の充血、流涙、角膜の軽度の浮腫初期MCF: 結膜の充血、流涙、角膜の軽度の浮腫 <右上>角膜の混濁と結膜からの滲出物 典型的顔望: 鼻汁が凝り固まった鼻口部、流涙、角膜の混濁
硬口蓋と軟口蓋の糜爛 <左下> 喉頭部壊死: 粘膜の白色部分 頬側乳頭( buccal papillae)の充血、壊死(白い先端部)、糜爛
MCF感染去勢牛:リンパ節の腫大(肩甲リンパ節)MCF感染去勢牛:リンパ節の腫大(肩甲リンパ節) 実験感染後回復した牛に免疫ができているが、ワクチンは開発されていない。治療法もなく、淘汰処分のみ。 正常 角膜の混濁および鼻鏡の痂皮 角膜混濁