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大腸癌治療ガイドライン 2014 年版

大腸癌治療ガイドライン 2014 年版. その内容と 2010 年版との変更点について. 内容. 1. Stage 0〜Stage III 大腸癌の治療方針 1) 内視鏡治療 2 ) 手術治療 2. Stage IV 大腸癌の治療方針 3. 再発大腸癌の治療方針 4 . 血行性転移の治療方針 5 . 化学療法 1 )補助化学療法 2) 切除不能進行再発大腸癌 6. 放射線療法 1) 補助放射線療法 2) 緩和的放射線療法 7. 緩和医療・ケア 8. 大腸癌手術後のサーベイランス

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大腸癌治療ガイドライン 2014 年版

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  1. 大腸癌治療ガイドライン2014年版 その内容と2010年版との変更点について

  2. 内容 1. Stage 0〜Stage III大腸癌の治療方針 1) 内視鏡治療 2) 手術治療 2. Stage IV大腸癌の治療方針 3. 再発大腸癌の治療方針 4 . 血行性転移の治療方針 5 . 化学療法 1)補助化学療法 2)切除不能進行再発大腸癌 6. 放射線療法 1)補助放射線療法 2)緩和的放射線療法 7. 緩和医療・ケア 8. 大腸癌手術後のサーベイランス 1)大腸癌根治度A切除後の再発に関するサーベイランス 2)大腸癌根治度B切除後の再発に関するサーベイランス 3)異時性多重がんのサーベイランス

  3. 内視鏡的摘除の適応基準 2014年版 2010年版 (1)粘膜内癌,粘膜下層への軽度浸潤癌。 (2)最大径2cm未満。 (3)肉眼型は問わない。 (1)粘膜内癌,粘膜下層への軽度浸潤癌。 (2)大きさは問わない。* (3)肉眼型は問わない。 *合併症(穿孔)の危険性が高いので,現時点では, 径2cmから5cmまでの病変が保険適用になっている。

  4. Stage 0〜Stage III大腸癌の治療方針 手術治療 • 括約筋間直腸切除術(ISR:Intersphincteric resection) • 肛門に近い下部直腸癌に対し、内肛門括約筋を合併切除することにより肛門側切離端を確保し、永久人工肛門を回避する術式。 • 手技が高難度であること、根治性および術後排便機能などの患者QOLに与える影響についてのエビデンスが十分でないことから、癌の組織型や壁深達度などの腫瘍側要因、年齢や括約筋のトーヌスなどの患者側要因だけでなく、術者の経験、技量を考慮して慎重に適応を決定する。

  5. Stage 0〜Stage III大腸癌の治療方針 手術治療(直腸局所切除) 摘除生検(excisional biopsy) 直腸局所切除の目的には診断と治療の両面がある。本法は摘除生検(excisional biopsy)であり、切除標本の組織学的検索によって、治療の根治性と追加治療(リンパ節郭清を伴う腸切除)の必要性を判定する。判定基準は、「CQ-1 内視鏡的摘除後の追加治療の適応基準」に準ずる。

  6. 内視鏡摘除後のSM癌の治療方針 • 浸潤度≧1000μm、por、sig、muc、脈管侵襲陽性、簇出 Grade2/3   →郭清を伴う腸切除を考慮する。 • 垂直断端陽性   →郭清を伴う腸切除 • それ以外   →経過観察

  7. 大腸癌に対する腹腔鏡下手術は有効か? • 海外のランダム化比較試験やコクランレビューにおいて、結腸癌およびRS癌に対する腹腔鏡下手術の安全性および長期成績が開腹手術と比較して同等であることが報告されている。 • 適応は癌の部位や進行度などの腫瘍側要因および肥満、開腹歴などの患者側要因だけでなく、術者の経験、技量を考慮して決定する。(具体的な適応に関しては削除)。 • 直腸癌や単孔式腹腔鏡下手術の有効性と安全性は十分に確立されていない。適正に計画された臨床試験として実施することが望ましい。 • ロボット手術は保険適応無し。

  8. Stage IV大腸癌の治療方針 肝転移を伴う場合 同時切除と異時切除のどちらが長期予後に寄与するかは明らかではない。

  9. Stage IV大腸癌の治療方針 遠隔転移巣切除後の補助療法   遠隔転移巣切除後の補助化学療法の有効性と安全性は確立されておらず、生存期間の延長を検証したランダム化比較試験はない。適正に計画された臨床試験として実施するのが望ましい。

  10. 再発大腸癌・血行性転移の治療方針 *** ***化学療法の奏効により切除可能となる場合がある

  11. 血行性転移の治療方針 〔切除以外の治療法〕 • 熱凝固療法は低侵襲性が利点であり,局所制御効果および長期生存例が報告されている。ただし,いまだ十分な症例集積によって長期予後を検討した報告はなく,有効性の評価は定まっていない。切除に比べて再発率が高く,長期生存も不良であるという報告もあるため、外科切除の代替治療としては推奨されない。 • 本邦においては、体幹部定位放射線治療や密封小線源治療の有効性を支持するデータは存在しない。

  12. 大腸癌に対する抗がん剤

  13. 補助化学療法 • 適応:   ①R0切除症例、StageⅢ   ②主要臓器機能が保たれている。   ③PS0~1   ④術後回復   ⑤文書によるIC   ⑥重篤な合併症なし • 推奨される療法 5FU+LV、UFT+LV、Cape、FOLFOX、CapeOX (IRIや分子標的薬の上乗せ効果なし。) • 術後4~8週頃までに開始し、投与期間は6か月を原則とする。

  14. 切除不能進行再発大腸癌に対する化学療法 • 目的は延命と症状コントロール • 治療方針は強力な治療が適応となる患者と適応にならない患者を分けて行う。 • 化学療法をしない場合はMST約8か月。 • 化学療法をする場合はMST約2年。 • 化学療法が奏功し、切除可能になることがある。 • 四次治療以降を追加。 • Cmab、PmabはKRAS野生型のみ適応。 • bevacizumab の併用は,直近の大手術(通常 1 カ月以内)や動脈血栓塞栓症の既往例(おおむね 6 カ月以内など)では避ける。 • Regorafenibは三次治療以降に使用。 • 有害事象の評価はCTCAEを用いる。 • 効果判定はRECISTを用いる。

  15. 有害事象共通用語規準 v4.0日本語訳JCOG版」(略称:CTCAE v4.0 - JCOG)の一部

  16. 肝転移に対する肝動注療法は有用か?   切除不能肝転移に対して、フッ化ピリミジン単独による肝動注療法と全身化学療法の比較では生存期間に明らかな差は認められていない。また、多剤併用全身化学療法に対する肝動注療法の有用性は確立していない。

  17. 終わり

  18. 放射線療法 補助放射線療法  術前(SS/A以深やN+)、術後(前記+RM1/X)、術中(RM1/X)がある。直腸癌術後の再発抑制、術前の腫瘍量減量、肛門温存などが目的。 緩和的放射線療法  切除不能進行再発例の症状緩和、延命目的。

  19. 6 放射線療法 1)補助放射線療法 ・補助放射線療法の目的は直腸癌の局所制御率の向上である。術前照射では、さらに肛門括約筋温存率と切除率の向上が得られることが示唆されている。しかし、生存率の改善に関しては、現時点で補助放射線療法の目的とするだけのエビデンスは存在しない。 2010年版 1)補助放射線療法 ・補助放射線療法の目的は直腸癌の局所制御率の向上,生存率の改善であり,術前照射ではさらに肛門括約筋温存率と切除率の向上も目的とする。 ・術前照射は「深達度 cSS/cA 以深または cN 陽性」,術後照射は「深達度 pSS/pA 以深または pN 陽性」,術中照射は外科剥離面陽性(RM+)または剥離面近傍への癌浸潤(RM±)を対象とする。

  20. CQ 17: 直腸癌に対する術前化学放射線療法は有効か? 欧米においては直腸癌に対する術前化学放射線療法は、TME単独と比較して局所再発率を低下させるが、生存率の改善には寄与しないことが報告されている。欧米と術式が異なる本邦においては、腫瘍下縁が腹膜反転部より肛門側にある直腸癌に対する術前化学放射線療法の有用性は確立していない。(推奨度・エビデンスレベル1B) -------------------------------------------------------------- 2010年版 CQ 17:直腸癌に対する術前化学放射線療法の意義 推奨カテゴリー C 欧米では直腸癌に対する術前化学放射線療法が標準的治療に位置づけられているが,本邦では有効性と安全性を示すエビデンスが乏しい。適正に計画された臨床試験として実施することが望ましい。

  21. CQ 18:切除不能な局所進行・局所再発直腸癌に対する化学放射線療法は有効か? ①治療の腫瘍縮小効果によってはR0切除可能になると判断される局所進行・局所再発直腸癌に対しては、切除を指向した化学放射線療法が放射線単独療法よりも推奨される。(推奨度・エビデンスレベル1B) ② 症状緩和を目的とする場合には、化学放射線療法も考慮される。(推奨度・エビデンスレベル1C) --------------------------------------------------------------2010年版 CQ 18:切除不能な局所進行・局所再発直腸癌に対する化学放射線療法 推奨カテゴリー C 切除不能と判断される局所進行・局所再発直腸癌に対しても,R0 切除による治癒を指向した化学放射線療法の適応を検討する。

  22. 7 緩和医療・ケア ・緩和医療・ケアとは,患者のQOLの維持、向上を目的としたケアの総称である。 コメント 8 大腸癌における緩和医療の生命予後への寄与度は明らかでないが,緩和ケアの早期導入により肺癌患者のQOLが向上し、生存期間が有意に延長したとの報告がある追加2)。 ・緩和医療とは,がんにかかわる精神的,身体的なさまざまな症状に対する緩和治療の総称である。 コメント 8 現時点では,緩和医療の生命予後への寄与度は明らかでないが,ホスピスケアを受けた肺癌と膵癌患者の生存期間がホスピスケアを受けてない患者よりも有意に延長したとの報告がある182)。 2010年版 改定案

  23. 8 大腸癌手術後のサーベイランス 1)大腸癌根治度A切除後の再発に関するサーベイランス (1)pStage 0(pTis(M)癌)は,切除断端や吻合部の再発を対象とした定期的な内視鏡検査を考慮する。他臓器の再発を対象としたサーベイランスは不要である。 1)大腸癌根治度A切除後の再発に関するサーベイランス ・Stage 0(pM 癌)は,切除断端に癌が陰性であれば,サーベイランスは不要である。ただし,切除断端の評価が困難な場合は,半年〜1 年後に大腸内視鏡検査を行い,局所再発の有無を調べる。 2010年版 改定案

  24. 8 大腸癌手術後のサーベイランス 2)大腸癌根治度B切除後および再発巣切除後のサーベイランス (1)pStage IV症例のR0切除後(根治度B)と再発巣切除症例のサーベイランスは、Stage IIIの内容に準ずるが,転移・再発の切除臓器に再発・再々発が多いことに留意する。 (2) R1切除のために根治度Bとなった症例は、遺残が疑われる臓器を標的とした綿密なサーベイラスを計画する。 2)大腸癌根治度B切除後および再発巣切除後のサーベイランス ・Stage IIIのサーベイランスに準ずるが,転移・再発の切除臓器に再発・再々発が多いことに留意する。 追加 2010年版 改定案

  25. 8 大腸癌手術後のサーベイランス コメント ❸ 再発巣検索法 3)胸部 CT,胸部単純 X 線検査 ・胸部 CT を省略して胸部単純 X 線検査を行う方法もあるが追加1)、単純X線検査は空間分解能が低く、切除可能な肺転移を見逃す危険性があることに留意する199)。 (4)腹部 CT,腹部超音波検査 ・腹部 CT を省略して腹部超音波検査を行う方法もあるが追加1)、超音波検査の診断精度は検者の技量や検査臓器周囲の腸管の存在に影響されることより、リンパ節転移の検索も同時に行うことができるCTが推奨される192,199,201)。 (3)胸部 CT,胸部単純 X 線検査 ・胸部 CT を省略して胸部単純 X 線検査を行う方法もある192)。 (4)腹部 CT,腹部超音波検査 ・腹部 CT を省略して腹部超音波検査を行う方法もある192)。 2010年版 改定案

  26. 8 大腸癌手術後のサーベイランス ❻ 異時性多重がんのサーベイランス ・多重がんを標的としたサーベイランスの要否に関しては、遺伝性大腸癌を鑑別することが重要である追加3)。散発性大腸癌の手術後に他臓器がん(重複がん)の精査を定期的に行う根拠は乏しい。(CQ−19(2)) 6 異時性多重がんのサーベイランス ・大腸癌術後に他臓器がん(重複がん)の精査を定期的に行う必要性を示す知見はない。(CQ−19) 2010年版 改定案

  27. -------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- ①大腸癌切除症例における異時性大腸癌の発生頻度は一般集団より高く、定期的な大腸内視鏡検査の有効性が示されている(推奨度・エビデンスレベル1B)。 ②一方、重複がんを標的とした術後サーベイランスの有効性は示されていない。がん検診の必要性を啓蒙啓発し、定期的な検診を勧めるのが妥当である。(推奨度・エビデンスレベル2C) -------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 19 B 重複がん 推奨カテゴリー B 遺伝性大腸癌以外の大腸癌の罹患歴は他臓器癌発生のリスク要因として確認されておらず,大腸癌術後に重複がんを対象とした特別なサーベイランスを組み込むことは不要である。 19 B 大腸癌治癒切除後に多重がん(多発大腸癌および他臓器がん)のサーベイランスは有効か? 2010年版 改定案

  28. CQ 2:最大径 2 cm 以上の cM 癌・cSM 癌の内視鏡的摘除における注意点は何か? 改定 正確な術前内視鏡診断が必須であり,術者の内視鏡的摘除の技量を考慮して,EMR,計画的分割 EMR,ESD による摘除の適応を決定する(推奨度・エビデンスレベル1B↑)。 -------------------------------------------------------------- 2010年版 CQ 2:最大径 2 cm 以上の cM 癌・cSM 癌の内視鏡的摘除 推奨カテゴリー B 正確な術前内視鏡診断が必須であり,術者の内視鏡的摘除の技量を考慮して,EMR,分割 EMR,ESD による摘除の適応を決定する。

  29. 改定 内視鏡領域追加CQ: 大腸ESDによる大腸腫瘍の内視鏡摘除の注意点は何か? ESDの適応は,原則「早期悪性腫瘍」に対してであり,正確な術前内視鏡診断と術者の内視鏡的摘除の技量を考慮して決定する。(推奨度・エビデンスレベル1B)

  30. CQ 7:肝転移と肺転移の双方を同時に有する症例に対する切除の適応は何か? 肝転移と肺転移の双方を同時に有する症例に対する切除の有効性が示されており, 切除可能な肝肺転移に対しては切除を考慮する。 しかし,手術適応基準を決するに足るデータはないこと、治癒率は高くないこと,切除の予後予測因子(predictive factor)は不明であることなどに関する十分なインフォームド・コンセントを得る必要がある。(推奨度・エビデンスレベル2D) --------------------------------------------------------------------------------------------------- 2010年版 CQ 7:肝・肺転移を有する症例に対する切除 推奨カテゴリー C 同時期に肝・肺転移を有する症例に対する切除の有効性が示されており,切除可能な肝・肺転移に対しては切除を考慮すべきである。 しかし,手術適応基準を決するに足るデータはない。治癒率は高くないこと,切除の予後予測因子(predictive factor)は不明であることなどに関する十分なインフォームド・コンセントを得る必要がある。

  31. -------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- ①熱凝固療法の有効性を示す報告は少なく第一選択治療としては推奨されない(推奨度・エビデンスレベル1C). ②肝転移に対する熱凝固療法は局所再発のリスクが高いため切除可能であれば, まず切除を考慮すべきである. -------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 外科領域追加CQ 2: 肝転移に対する熱凝固療法は有効か? 改定案

  32. -------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 大腸癌遠隔転移巣切除後の補助化学療法の有効性と安全性は確立されていない。適正に計画された臨床試験として実施するのが望ましい(エビデンスレベルC)。 -------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- CQ 8:肝転移根治切除後の補助化学療法 推奨カテゴリー B 肝切除後の補助化学療法の有効性は確立されていない。臨床試験として検証していくことが望ましい。 外科領域追加CQ 1: 遠隔転移巣切除後の補助化学療法は有効か? 改定案 2010年版

  33. -------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 切除可能な肝転移に対する術前化学療法の有効性と安全性は確立されていない。適正に計画された臨床試験として実施するのが望ましい。(エビデンスレベルD) -------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- CQ 9:切除可能肝転移に対する術前化学療法 推奨カテゴリー B 切除可能肝転移に対する術前化学療法の安全性は確立されていない。適正に計画された臨床試験として実施すべきである。 CQ-9:切除可能な肝転移に対する術前補助化学療法は有効か? 2010年版 改定案

  34. CQ 11:70 歳以上の高齢者に術後補助化学療法は有用か? 70 歳以上の高齢者にも,PS が良好で主要臓器機能が保たれており,化学療法に対してリスクとなるような基礎疾患や併存症がなければ,術後補助化学療法を行うことが推奨される。(推奨度・エビデンスレベル1A) -------------------------------------------------------------- 2010年版 CQ 11:術後補助化学療法と年齢 推奨カテゴリー A 70 歳以上の高齢者でも,PS が良好で主要臓器機能が保たれており,化学療法に対してリスクとなるような合併症がなければ,術後補助化学療法を行うことが可能である。

  35. CQ 12:Stage II大腸癌に術後補助化学療法は施行すべきか? Stage II大腸癌に対する術後補助化学療法の有用性は確立しておらず,すべての Stage II大腸癌に対して一律に補助化学療法を行わないよう勧められる。(推奨度・エビデンスレベル1A) --------------------------------------------------------------2010年版 CQ 12: Stage II大腸癌に対する術後補助化学療法 推奨カテゴリー A Stage II大腸癌に対する術後補助化学療法の有用性は確立しておらず,すべての Stage II大腸癌に対して一律に補助化学療法を適応することは妥当ではない。

  36. -------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 術後補助化学療法の治療期間については確定的な結論は得られていないが,現在のところ6 カ月投与が標準的であり、適切である。(推奨度・エビデンスレベル1A) -------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- CQ 13:術後補助化学療法の治療期間 推奨カテゴリー A 術後補助化学療法の治療期間については確定的な結論は得られていないが,現在のところ5-FUベースの補助化学療法は,6 カ月投与が標準的である。 CQ 13:術後補助化学療法の治療期間は6ヵ月が適切か? 改定案 2010年版

  37. 1 Stage 0〜Stage III大腸癌の治療方針 2)手術治療 〔切離腸管長〕 1 D1, D2, D3郭清では、「大腸癌取扱い規約」に定める腸管傍リンパ節が郭清されるよう、切離腸管長を決定する。 2 結腸癌における腸管傍リンパ節の範囲は、腫瘍と支配動脈の位置関係から決定する。腫瘍辺縁から10cm以上離れた腸管傍リンパ節の転移は稀である。 3 直腸癌における腸管傍リンパ節の範囲は、口側は最下S状結腸動脈流入点、肛門側はRS癌およびRa癌では腫瘍辺縁から3cm、Rb癌では2cmまでの範囲である。RS 癌および Ra 癌で 3 cm 以上,Rb 癌で 2 cm 以上の直腸間膜内肛門側進展は稀である。 2010年版 1 結腸癌での腸管切離長は腫瘍と支配動脈の関係を考慮して決定する。腫瘍から 10 cm 以上離れた壁在リンパ節および腸管傍リンパ節の転移は稀であり,このような症例の予後は不良であることを考慮すると,10 cm 以上の腸管切除長が必要なことは多くない。 2 RS 癌および Ra 癌では 3 cm 以上,Rb 癌では 2 cm 以上の直腸間膜内肛門側進展は稀である19)。肛門側直腸間膜の切離長は RS 癌と Ra 癌では 3 cm,Rb 癌では 2 cm を目安とする。

  38. 1 Stage 0〜Stage III大腸癌の治療方針 2)手術治療 〔直腸局所切除〕 ・経肛門的切除には,直視下に切除・縫合する方法と経肛門的内視鏡下切除術がある。直視下に切除・縫合する方法には、用手的に切除・縫合する従来法と、自動縫合器を用いる方法追加がある。 ・直腸局所切除の目的には診断と治療の両面がある。本法は摘除生検(excisional biopsy)であり、切除標本の組織学的検索によって、治療の根治性と追加治療(リンパ節郭清を伴う腸切除)の必要性を判定する。判定基準は、「CQ-1 内視鏡的摘除後の追加治療の適応基準」に準ずる。 2010年版 〔直腸局所切除〕 ・直腸局所切除のアプローチ法は経肛門的切除,経括約筋的切除,傍仙骨的切除に分類され,経肛門的切除には,直視化に腫瘍を切除する従来法と経肛門的内視鏡下切除術(TEM:transanal endoscopic microsurgery)がある。 ・TEM では,従来法より口側の病変も切除することが可能である。

  39. CQ 4:大腸癌に対する腹腔鏡下手術は有効か? 海外のランダム化比較試験やコクランレビューにおいて、結腸癌およびRS癌に対する腹腔鏡下手術の安全性および長期成績が開腹手術と比較して同等であることが報告されている。しかしながら、腹腔鏡下のD3郭清は難度が高いので,cStage II〜cStage IIIに対しては個々の手術チームの習熟度を十分に考慮して適応を決定する。また,横行結腸癌,高度肥満例,高度癒着例も高難度であることに留意する。結腸癌および RS 癌に対する D2 以下の腸切除,すなわちcStage 0〜cStage Iがよい適応である。 直腸癌に対する腹腔鏡下手術の有効性と安全性は十分に確立されていない。適正に計画された臨床試験として実施することが望ましい。 (推奨度・エビデンスレベル1B) ----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 2010年版 CQ 3:大腸癌に対する腹腔鏡下手術 推奨カテゴリー B 腹腔鏡下手術には,開腹手術とは異なる手術技術の習得と局所解剖の理解が不可欠であり,手術チームの習熟度に応じた適応基準を個々に決定すべきである。 腹腔鏡下手術は,結腸癌および RS 癌に対する D2 以下の腸切除に適しており,cStage 0〜cStage Iがよい適応である。D3 を伴う腹腔鏡下結腸切除術は難度が高いので,cStage II〜cStage IIIに対しては習熟度を十分に考慮して適応を決定すべきである。また,横行結腸癌,高度肥満例,高度癒着例も高難度である。直腸癌に対する腹腔鏡下手術の有効性と安全性は十分に確立されていない。

  40. 3 再発大腸癌の治療方針 〔再発大腸癌の治療方針〕 •再発臓器が 2 臓器以上の場合,それぞれが切除可能であれば切除を考慮してもよいが,治療効果について統一見解は得られていない(新CQ7)。 •切除不能と判断された肝転移に対して全身化学療法が奏効して根治切除が可能になる症例が存在する(CQ10)。 2010年版 再発臓器が 2 臓器以上の場合,それぞれが切除可能であれば切除を考慮してもよいが24,27,28),治療効果については統一見解は得られていない。

  41. CQ-10:化学療法が奏効して切除可能となった肝・肺転移に対する切除は有効か? 肝または肺に限局した転移例で化学療法が奏効して切除可能となった場合には切除を考慮すべきである。(推奨度・エビデンスレベル2D) -------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 2010年版 CQ 10:切除不能肝転移に対する化学療法 推奨カテゴリー B 化学療法が奏効して切除可能となった肝転移には肝切除を考慮すべきである。 切除不能肝転移に対する肝動注療法と全身化学療法の生存期間の延長効果には明らかな差は認められていない。

  42. 4 血行性転移の治療方針 〔肝切除〕 転移巣の数,大きさ, 部位および予測残肝容量を総合的に評価し,転移巣の完全切除が可能か否かを判定する。 410mm未満の病変に対する感度は、CTよりMRIが有意に高いことが報告されている FDG-PETの肝転移診断と治療に対する有効性は確立されていない。 同時性肝転移では,原発巣の切除を先行し,原発巣の根治性を評価してから肝転移を切除してもよい。 同時性肝転移の切除時期については、明確な結論は得られていない。 2010年版 〔肝切除〕 3 転移巣の数,大きさおよび部位を評価し,転移巣の完全切除が可能か否かを判定する。 5 同時性肝転移では,原発巣の切除を先行し,原発巣の根治性を評価してから肝転移を切除してもよい。

  43. 術後4~8週頃までに開始し、投与期間は6か月を原則とする。術後4~8週頃までに開始し、投与期間は6か月を原則とする。

  44. 化学療法 1)補助化学療法:レジメン・期間 推奨される療法(日本における保険適応収載順) ・5-FU+LV ・UFT+LV ・Cape ・FOLFOX ・CapeOX 推奨される投与期間(CQ13) ・投与期間 6 カ月を原則とする 2010年版 推奨される療法(日本における保険適応収載順) ・5-FU+LV 療法 ・UFT+LV 療法 ・Capecitabine療法 ・FOLFOX4療法またはmFOLFOX6療法(CQ-14) 推奨される投与期間(CQ13) ・投与期間 6 カ月を原則とする

  45. 補助化学療法:レジメン・期間 2014年版 2010年版 5-FU+LV 療法 UFT+LV 療法 Capecitabine療法 FOLFOX4療法またはmFOLFOX6療法 投与期間 6 カ月を原則とする • 5-FU+LV • UFT+LV • Cape • FOLFOX • CapeOX • 投与期間 6 カ月を原則とする

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