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授業参観+教育・倫理問題など . 同志社大学文化情報学部 片山 徹. 奈良先端科学技術大学院大学 2007.1.18 情報科学研究科 FD 研修会. FD とは. 文科省の説明=教育理念・目標や教育内容・方法についての組織的な研究・研修 平成 11 年度の大学設置基準改定により、各大学に実施の努力義務 FD= 教員の能力開発全般 (山本眞一教授筑波大学 2006.2.13) 2007年4月からは大学院で FD を実施の義務. 参観した授業2006年度. 第 II 期 6/5 – 8/1
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授業参観+教育・倫理問題など 同志社大学文化情報学部 片山 徹 奈良先端科学技術大学院大学 2007.1.18 情報科学研究科FD研修会
FDとは • 文科省の説明=教育理念・目標や教育内容・方法についての組織的な研究・研修 • 平成11年度の大学設置基準改定により、各大学に実施の努力義務 • FD=教員の能力開発全般 (山本眞一教授筑波大学 2006.2.13) • 2007年4月からは大学院でFDを実施の義務
参観した授業2006年度 • 第II期 6/5 – 8/1 ロボティックス I (松本) 情報理論II(楫) システム制御 II(西谷) データ工学 I (植村) ソフトウェア工学 I (飯田) 計算理論 II(井上) 情報通信システム論(岡田) • 第I期 4/6 - 6/2 システムプログラム(石井) システム制御 I(西谷) 情報ネットワーク(門林)2 計測情報処理 I (千原) 人工知能基礎論(乾)
参観した授業 • 第IV期 12/4-2/29 計算言語学(松本) 計算神経科学(神谷) ソフトウェア工学 III (門田) • 25コマ(2006年度) • 学生さん2名 情報倫理 インタビュー 1/10 • 12コマ(2005年度IV期) • 第III期 10/4-12/1 情報ネットワーク論 I (松本) システム工学 I (杉本) 計算モデル (関) 計測情報処理 II (藤川) 2 ソフトウェア工学 II (片平, 客員) 2 論理生命学 (作村) 生命機能計測学(杉浦)
授業への提言(1) • 教室の中 L1、L2、L3 - ホワイトボードはとくに後ろからは見えにくい. - 学生の方を見て話をする. - 学生は下を見ている方が多い. ノートを取っている学生は少ない. パワーポイントの資料は後で見た場合には 分かり難いのではないか?
情報倫理に関する学生へのインタビュー 1.10.2007情報倫理に関する学生へのインタビュー 1.10.2007 • 情報倫理の講義 岡村久道(情報)、中村収三(工学) • 講義の概略、レポート課題、受講者はそれほど多くないと考えられるが、他の人にも受講を薦めるか? 講義の資料と学生さんの話から総合すると、時間数はそれほど多くないが、非常に優れた内容で、学生を啓発するような講義が行われているようです。 中村(編著):技術者による実践的工学倫理、科学同人、 2006; 技術者の心の問題(?)
授業への提言(2) • 昨今の研究者の不正の問題に対して学生が無関心であったり、逆にうろたえたりすることの無いように情報倫理に関しては、修了までにこのような講義を受講しておくことが望ましい。 • 今年度は開講されていないが、科学哲学(科学の歴史)、科学的な営み、etc も集中講義や特別講義の形で学生に受講させるのが望ましい。 理由:1)認知科学、2)生命科学、3)個人的
朝日新聞社説 研究不正12月29日 透明なルール 論文の捏造に研究費の流用。研究にまつわる不正が次々と明るみに出た1年だった。 研究に携わる一人ひとりに科学者として守るべき基本原則を改めて認識してもらいたい。公的な研究費は、国民のために使われなければならない。また、大学などは研究についての透明なルールを整備し、徹底させるとともに、不正は自ら解明して再発を防ぐ責任がある。このことを、再確認してほしい。 加藤尚武、立花 隆「監修」 現代社会の倫理を考える、 丸善、2002年から 第1期10巻、第2期7巻
牧野賢治訳:背信の科学者たち講談社ブルーバックス、2006牧野賢治訳:背信の科学者たち講談社ブルーバックス、2006 • W. Broad & N. Wade: Betrayers of the Truth : Fraud and Deceit in the Halls of Science, Simon & Schuster, 1982. • 最初の訳、1988年化学同人 毎日新聞記者 • 1990年 東京理科大、科学社会学、科学ジャーナリズム論 • 2回目の訳、2006.11 ブルーバックス 訳者による最近の不正事件の解説有り
牧野賢治訳:背信の科学者たち講談社ブルーバックス、2006牧野賢治訳:背信の科学者たち講談社ブルーバックス、2006 • これまでの伝統的な科学観によれば、科学とは精密な論理のプロセスであり、客観性こそ科学研究に対する基本的な態度である。科学における主張は、綿密な検証と追試(再実験)によって厳格にチェックされる。こうした自己検証的な科学のシステムによって、あらゆる種類の誤りはすみやかに容赦なく排除される。 W. Broad & N. Wade: Betrayers of the Truth : Fraud and Deceit in the Halls of Science, Simon & Schuster, 1982. (まえがき)
牧野賢治訳:背信の科学者たち、講談社ブルーバックス、2006牧野賢治訳:背信の科学者たち、講談社ブルーバックス、2006 • 科学は、伝統的科学観に基づく姿とは似ても似つかないものである。 • 新しい知識を獲得する時、科学者は論理と客観性によって導かれるのではなく、レトリック、宣伝、個人的偏見といった非合理な要因にも左右される。科学者は合理的な考えだけに基づくものでもなく、また合理的な考えは科学者だけがもっているものでもない。科学は社会における合理性の守護者と考えるべきものではなく、社会の文化的側面を形づくる主要な一部にすぎない。
化学技術者対象にした調査1980 • データが逆の結果を示しているのに、データを曲げて、ある触媒が別の触媒に比べて有効であったという偽りの報告書を書くように上司から求められた。 • 42% 倫理に反するので拒否する。 • 58% 折衷案;上司の命令に沿って状況を偽って伝えるのもやむを得ない。 (工学倫理には類似の問題)
逸脱行為 Scientists Behaving Badly, Nature 2005 11 多重投稿 4.7% 12 共著者の権利を不適切に供与 10.0 13 研究方法や結果の詳細を不明示 10.8 14 不適切な研究計画の実行 13.5 15 勘に基づく不正確な分析で観測やデータを削除 15.3 16 研究プロゼクトの記録の保存が不適切 27.5 2002年の調査: 過去3年の行動に関する16項目の質問に対するYes の割合 (訳者の解説の中の記事)
トップ10の逸脱行為 Scientists Behaving Badly, Nature 2005 1 データの改ざん、クッキング(都合の良いデータ) 0.3% 2 被験者のプライバシー保護を無視 0.3 3 自分の研究を利用している企業との関係が不明 0.3 4 学生、研究対象者、患者との問題のある関係 1.4 5 他人のアイデアを盗用、引用の不備 1.4 6 極秘情報の使用 1.7 7 自分のこれまでの研究と矛盾するデータの隠蔽 6.0 8 被験者の主要でない必要条件を無視 7.6 9 他人の欠陥データやデータの誤った解釈の見逃し 12.5 10 研究費提供先の圧力で、計画、方法、結果を変更 15.5 制裁を受ける可能性あり
朝日新聞の記事 (1)12.16.2006 朝刊・夕刊 • 任天堂 ストラップ切れ、充電器の交換 • 天声人語: 教育は訓練を与えることではなく、訓練させることである(ルソー)。タウンミーティングにおける世論誘導 • 教育基本法改正 (年表1890、1945) • 日米PC5機種「不合格」 中国 落雷強度不足 • 私の視点 教育基本法改正 刈谷剛彦(教育社会学) 教育に関するより大きな決定権を政府に与える道を国民は選んだ。 「欲張りすぎるニッポンの教育」講談社現代新書、2006.11
朝日新聞の記事 (2)12.16.2006 • 東北電力もデータ改ざん (前日関電の記事) 4ダムの漏水量・湖底の砂量 水力発電ダムのデータ改ざん 東京電力、中国電力 (中村) • RDF ごみ固形燃料(発電所)爆発事故 (中村) 2003年8月桑名市 全員不起訴(予見不可能) • 住基ネット訴訟、割れた判決 • ファンヒータ同機種で7件の死亡事故、 86年から回収
朝日新聞の記事 (3)12.16.2006 • 大学2割で「高校補習」 必須漏れ・低学力対策 大阪大学 「市民のためのアジア史」 「同 ヨーロッパ史」 • 東北大(副学長):学生の知識不足は20年前に始まった。能力が低下したのではなく小中高での学習の範囲が狭くなった。 • 日本リメディアル(補習)教育学界(会長):学力不足の学生を切り捨てては大学運営は成り立たない。入学させた以上、補習教育は大学の使命でもある。
むちゃくちゃな時代精神が終焉不安な時代 成熟の時代へ 連携、共生、文化遺産 空間的 進歩発展 独立独歩 時間的 • 木村尚三郎: ヨーロッパ思索紀行、NHKブックス、 2004 • 1972 ユネスコ世界遺産 • 1992 EC EU、ユーロ (1999) • 1999 ボローニャ宣言 ドロップアウト 2010 ヨーロッパ高等教育圏の構築
啓蒙としての教育ダイナミックスはほぼ終焉した 溝上慎一 • 1960年代 若者は大人社会へ適応した。 • 1990年頃 若者は大人の価値観によらず、「やりたいこと」、「好きなこと」でもって大人社会に入る。 • 上から下へという知識の伝達図式はあらゆる学校段階で破綻している。しかし • 大学教育では、初等・中等教育では終焉したといわれる「学校化」が進んでいる。 大学の教育基盤がある程度整備された後では、新たな学習形態は、自らの頭で世界を見てものを考える知識構成型の学習である。 基礎学習が土台 従来の発展形 (京大、高等教育研究開発推進センター助教授 青年心理学; 著書多数)
おわりに • 未来が閉ざされたような時代 若者のむちゃくちゃな精神はない 少子化 若者は大人の価値観に従わない • 不安な難しい時代であることを認識した上で教育問題を考える。 • 倫理と関連して、科学の営みとは何かを 科学哲学的にも理解する。