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個人発表 多母集団同時分析. 行動データ科学 M1 植村菜穂子. 今日の内容. 研究について 進んでいません 文献紹介 SEM 多母集団同時分析 修論に関係しそうなもの 修論に向けて. 文献. SEM による企業イメージのマネジメント ー平均構造・多母集団解析の応用ー 鈴木督久 行動計量学 29 , 174 - 181 2002. 概要. 目的 因子得点を用いて,企業イメージの変動を表す方法を 示す データ 1988 年から 1997 年の 10 年間,毎年 1 回の調査 10 グループ 多母集団 CFA モデル 全グループに制約を課す
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個人発表多母集団同時分析 行動データ科学 M1 植村菜穂子
今日の内容 • 研究について • 進んでいません • 文献紹介 • SEM • 多母集団同時分析 • 修論に関係しそうなもの • 修論に向けて
文献 • SEMによる企業イメージのマネジメントー平均構造・多母集団解析の応用ー • 鈴木督久 • 行動計量学 29,174-181 • 2002
概要 • 目的 • 因子得点を用いて,企業イメージの変動を表す方法を示す • データ • 1988年から1997年の10年間,毎年1回の調査 • 10グループ • 多母集団CFAモデル • 全グループに制約を課す • データへの適合は良かった • 因子平均の比較 • EFAで行うのは難しい • SEMを用いれば可能
1.はじめに • 消費者が評価する価値 • フィジカルな有形価値 • メタ・フィジカルな無形価値 • ブランドや企業イメージ • 現代の消費社会では重要 • 無形価値の測定 • 消費者標本に対する意識調査 • この論文で行ったもの • 財務データの調査 • 財務諸表,株式時価総額→無形資産を定義・算出
SEMを用いるメリット • 構成概念を潜在変数として扱う • 企業,ブランドなどに対して抱くイメージ=構成概念 • 直接測定できない • 潜在変数における比較が可能 • CFA,多母集団同時分析,潜在変数の平均構造解析 • 本論文での比較の観点 • 空間的側面 • 市場における競合他社との比較 • 時間的側面 • 自社イメージの経時変化
2.企業イメージの利用目的 • 企業イメージの構造と大きさ(強さ)を知ること • 消費者が企業に対して,どのようなイメージをどの程度まで形成しているか • 構造的変化の検証 • 企業イメージの構造が,長期間安定しているのか,変化が起きているのか
イメージの構造とは • 企業に対して,人々が抱くイメージ • 例:「親近感」「安定感」「躍動感」(3因子) • これらのイメージは,各企業に共通 • 因子平均の変化 • 市場全体の企業イメージの変化 • 各因子得点の高低 • 空間的比較,時間的比較 • イメージの変化 • 因子得点で表す場合 • 因子得点の変化→因子負荷行列の変化 • 市場におけるイメージの構造が変化したのか? • 個別企業のイメージが変化したのか? • SEMはこのような問題に対処できる
SEMの分析手順の一例 • イメージの構造の安定を確認する • 因子負荷行列を時点間で固定できる • 因子得点の変化に焦点を当てることができる • 各時点で因子得点がどのように変化しているか • 構造の安定が確認できない場合 • 市場が構造的に変化している • 最初にイメージの構造を検証する必要がある! • どこが固定的でどこが変動的か • SEM→多母集団同時分析モデルでの母数制約
調査対象 18~69歳の男女個人 調査時期 1988年~2002年の8~9月 本論文では,1988~1997年の10年間を分析 測定企業 各年で約1100社 計画標本 14,800人 設計者が制御可能な要因は固定 調査主体名,質問紙のレイアウトなど 観測値が大きく変化したら→市場の変化のため 分析対象企業 590社 10年間に一貫して調査対象 合併・倒産・社名変更などのため 3.データ
観測変数 • 各企業に対してどのようなイメージを持っているか • 21個のイメージ項目 • 当てはまると思う項目に○ • 2値データ • 分析するデータ • 各企業の回答者平均(比率)を求める • 「企業×イメージ変数」の2相の多変量データ行列 • 21項目のうち11項目を分析 • 590社×11項目の行列の10年分 • 観測変数 • ロジット変換により,分布を対称化
観測変数の内容 • x1:営業・販売力が強い • x2:顧客ニーズへの対応に熱心である • x3:よい広告活動をしている • x4:信頼性がある • x5:親しみやすい • x6:伝統がある • x7:活気がある • x8:安定性がある • x9:成長力がある • x10:国際化がすすんでいる • x11:新分野進出に熱心である
4.モデル • 想定した因子(3個) • F1:親近感 • 消費者が日常的に感じる現在的な存在イメージ • F2:安定感 • 過去からの蓄積を感じさせる,のれんイメージ • F3:躍動感 • 未来への若々しい可能性を感じる革新イメージ • 消費者と企業の時間的・空間的距離感の表現 • F1:現在身近にある, F2 :老舗, F3:将来を切り開く • F1:CM,身近にある商品, F2 :老舗の安定性と敷居の高さ, F3:産業の世界で先端を走る • モデルの表現 • 資料(4.1)~(4.4)式参照
制約 • 目的 • 企業イメージの構造が,容易に変わらない安定した意識構造→因子負荷行列は毎年同じように観測される • それを検証するために,7個の制約条件を課す • 最初の3個はモデル識別のために必要なもの • 資料(4.5)~(4.10)式参照
1.各因子から観測変数への因子負荷のうち,1個の値を1に固定する ・・・(4.5) 2.初年度(1988年)の因子平均を0に固定 ・・・(4.6) 各群の因子平均を比較するため 3.観測変数の切片は10年とも等しい ・・・(4.7) 各群の因子平均を比較するため 4.モデルの母数配置は10年ともに(4.3),(4.4)で同一 配置不変 5.各因子の分散は10年ともに等しい ・・・(4.8) 6.因子と観測誤差変数の分散共分散行列は10年とも等しい ・・・(4.9) 7.すべての因子負荷は10年とも等しい ・・・(4.10) 測定不変
制約とモデルの関係 • 1~3:モデル識別に必要 • 4~7:積極的で厳しい制約 • 10年とも同じ共分散行列を仮定 • 消費者の企業に対するイメージの構造が,長期間安定していることを主張
5.分析結果 • 最尤推定したモデルの適合度 • FML = 0.487 • χ2700 = 2869.052, P-value = 0.000,χ2 / df = 4.099 • CFI = 0.990 • RMSEA = 0.023 • 90% confidence = (0.022, 0.024) • カイ2乗検定ではモデルが棄却 • 標本サイズが大きいため(N=nG=5900) • CFI,RMSEAは非常に良い • データとの適合は極めて良好 • 消費者が企業に対して形成しているイメージの構造は,10年間にわたって変化しない
因子得点の記述 • 因子の発見 • イメージの構造に関する知見を得る • 因子得点の利用 • そのような構造の中で,自社の位置がどこにあり,どのように変化しているかを知る • 因子得点のプロット • 横軸:年度 • 縦軸:3因子の得点 • 企業ごとに個別の形で変動 • 背景に想定される具体的要因と対応させ,解釈できる
6.まとめ • SEMのメリット • 毎年同じ因子負荷行列を扱うことができる • 因子平均を構造化できる • 他の企業に対して • 分析対象の590社以外でも可能 • 観測変数の値を代入→因子得点の算出 • 590社によって確認された因子構造の下で検討可能 • 測定対象になっていない企業 • 比較のベースを与えることができる • 同じ調査票・調査実施法を用いる • データをモデルに代入→因子得点の算出
修論に向けて • 低セルフコントロールの因子構造は男女で同じか? • 因子平均 • 今回の論文では,10年間での市場全体の企業イメージの変化 • 修論では,男女の因子平均の違い • 因子得点 • 各企業のイメージの移り変わり • 分析に使える?
感想 • 本当はもう一つ紹介したかったのですが・・・ • 清水和秋,1996,関西大学社会学部紀要,28(2) • 日本版WAIS-Rの8尺度の因子的不変性 • 8尺度が2因子を構成 • 9年齢集団で比較 • 4種類の因子不変性 • 実際に分析を行う • まだほとんど進んでいないので • 経時変化を扱えたら面白そう • でも無理!