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医薬品素材学 I. 総合薬学基礎特別講義 I. 医薬品素材学 I. 平成 25 年 4 月. 物質の状態 I. 1 物理量と単位 2 気体の性質 3 エネルギー 4 自発的な変化. 1-1 物理量 と単位. ○ 物理量 =数値 × 単位 ○ SI ( Système International d’Unités ) 単位. 地球子午線全周の 4000 万分の1を 1 メートル( 1970 年). 1 秒= 1900 年 1 月 1 日の 12 時での地球公転速度を用いて計算した 1太陽年の 3155 万 6295.9747 分の1(天文字).
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医薬品素材学 I 総合薬学基礎特別講義 I
医薬品素材学I 平成25年4月
物質の状態 I 1 物理量と単位 2 気体の性質 3 エネルギー 4 自発的な変化
1-1物理量と単位 ○ 物理量=数値×単位 ○ SI(Système International d’Unités)単位 地球子午線全周の4000万分の1を1メートル(1970年) 1秒=1900年1月1日の12時での地球公転速度を用いて計算した 1太陽年の3155万6295.9747分の1(天文字)
1-2SI誘導単位の成り立ち ○力と圧力と仕事 仕事 圧力 力 ○エネルギー:様々な変化を生じさせる :仕事=力×変位量
1-3 エネルギーの単位 (a) 位置エネルギーpotential energy 重力場中の高さh(m) に置かれた質量m(kg) の物体がもつエネルギー 単位:kg m s-1 m = N m = J (b) 運動エネルギー kinetic energy 速度v(m s-1) で移動している質量m(kg) の物体がもつ エネルギー 単位:kg (m s-1)2 = kg m s-2 m = N m = J
1-3 エネルギーの単位 (c) その他のエネルギー ○物体に力F(N)を掛けながら距離l(m)移動させる仕事 単位:N m = J ○圧力 p(Pa) に逆らって体積がDV(m3) 膨張する仕事 単位:Pa m3 = N m-2 m3 = N m = J ○界面張力g(N m-1) に逆らって面積をDA (m2) 広げる仕事 単位:N m-1 m2 = N m = J ○電位差DE(V) に逆らってq (C)の電荷を移動させる仕事 単位:C V = A s W A-1 = W s = J
1-4 物質量 ○アボガドロ定数Avogadro constant,NA NA= 6.022 1023mol-1 *単位があることに注意 粒子数 = 物質量×アボガドロ定数,N N= n(mol)× NA(mol-1) ○モル質量molar mass,M (g mol-1):1 mol 当たりの質量 試料の質量 = 物質量×モル質量 m(g) = n(mol) M(g mol-1) 物質量 n(mol) =
問1 単位に関する次の記述の正誤を判定せよ。問1 単位に関する次の記述の正誤を判定せよ。
問2単位に関する次の記述の正誤を判定せよ。問2単位に関する次の記述の正誤を判定せよ。 105Pa J (N m) Pa s
【一般問題】 問197(物理・化学・生物) 11.8 10421.8 10533.1 105 41.8 10653.1 106
浸透圧 p: 塩化ナトリウム濃度 : 29 g/L = 29/58 mol/L = 0.5 mol/L 尿素濃度 : 12 g/L = 12/60 mol/L = 0.2 mol/L
物質の状態 I 1 物理量と単位 2 気体の性質 3 エネルギー 4 自発的な変化
2 気体の性質 2-1 理想(完全)気体の状態方程式 ○ ボイルの法則 高温 ○ シャルルの法則 低圧 ○ アボガドロの原理
2 気体の性質 2-2van der Waals の状態方程式 ○ 理想気体 1)体積がない(質点) 2)分子間相互作用がない 3)完全弾性衝突 ○ 実在気体のふるまい a:分子間相互作用に基づく補正項 b:排除体積に基づく補正項
2 気体の性質 2-2van der Waals の状態方程式 Table ファンデルワールスの係数
2 気体の性質 2-2van der Waals の状態方程式 実在気体を低温域で 温度を一定に保ったまま圧縮すると? 臨界点 等温線
2 気体の性質 圧縮因子 Z 実際の気体には,引力や反発力といった分子間相互作用がある。そこで,実在気体の性質を考える上で便利な量に,圧縮因子 Zがある。 Z = 1 理想気体 Z < 1 引力が優性 Z > 1 反発力が優性
問3 完全(理想)気体に関する記述の正誤。問3 完全(理想)気体に関する記述の正誤。 R = 8.314 J mol-1 K-1 理想気体の圧縮因子は Z = 1
問4 物質量の等しい理想気体と実在気体の比較に関する次の記述に関する正誤問4 物質量の等しい理想気体と実在気体の比較に関する次の記述に関する正誤
2 気体の性質 2-3 気体の分子運動論 ○ 理想気体 1)体積がない(質点) 2)分子間相互作用がない 3)完全弾性衝突 完全気体の状態方程式は,気体分子の 力学的運動によって導出することができる。 並進運動 気体分子は絶えず乱雑な運動をしている。 (並進運動) ↓ 気体の運動量の変化,壁にぶつかる力から圧力 p を求める。 ↓ 分子運動の速度にはばらつきがあるので,速度 vの代わりに 平均速度(根平均二乗速度) cを用いて表す。 ↓ M:モル質量
2 気体の性質 2-3 気体の分子運動論 ○ 根平均二乗速度 ○ マクスウェルの速さの分布
2 気体の性質 2-4 気体の運動エネルギー ○ 気体分子の1モル当たりの平均並進運動エネルギー ○ 気体分子の 1分子(1個)の平均並進運動エネルギー kB:ボルツマン定数 kB =R/n
エネルギーの量子化とボルツマン分布 ○エネルギーの量子化: 分子の並進,回転,振動運動のエネルギーは,電子のエネルギー準位と同様に,準位をもち,量子化されている。 100 ~ 1000 kJ/mol 4~ 40 kJ/mol 10-4~ 10-2 kJ/mol 熱エネルギー 10-21 kJ/mol
エネルギーの量子化とボルツマン分布 ○ボルツマン分布: エネルギーの高順位にある分子数は低い順にある分子数より指数関数的に小さくなる, kB:ボルツマン定数
エネルギーの量子化とボルツマン分布 ○並進運動エネルギーの間隔は,kBTよりも狭い。 分子はどの準位にも 均等に分布できる ○振動運動エネルギーでは,ほとんどの分子が最低エネルギー準位に存在する。 エネルギーの等分配の法則が成立する。
問6 エネルギーの量子化に関する記述の正誤問6 エネルギーの量子化に関する記述の正誤 振動運動のエネルギーは大きく,高温にならないと励起されない。 振動運動 並進運動
問92 図は、水素分子のモル熱容量(定容熱容量Cv,m)と温度との関係を表す。の温度依存性に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。ただし、この温度依存性に、水素分子における電子運動は関与しないと仮定する。Rは気体定数(J∙mol-1∙K-1)を表す。問92 図は、水素分子のモル熱容量(定容熱容量Cv,m)と温度との関係を表す。の温度依存性に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。ただし、この温度依存性に、水素分子における電子運動は関与しないと仮定する。Rは気体定数(J∙mol-1∙K-1)を表す。 1 100 K より低い温度では、水素分子が液化しているため、定容熱容量は低い値を示す。 2 100 K より低い温度での定容熱容量は、水素分子の並進運動のみが寄与する。 3 298 K における定容熱容量は、水素分子の並進運動エネルギー、回転運動エネルギー、振動運動エネルギーより求められる。 4 温度の上昇に伴い水素分子が、回転運動、振動運動のエネルギー準位へと分布できるようになり、定容熱容量が増大する。 5 10,000 K においては、水素分子の開裂が起こるため、定容熱容量が高い値を示す。