2010 2013
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京都大学宇宙総合学研究ユニット 成果報告サマリ (2010-2013 年度 ) PowerPoint PPT Presentation


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京都大学宇宙総合学研究ユニット 成果報告サマリ (2010-2013 年度 ). 浅井歩 、水村好貴 、 磯部 洋明 、 坂東麻衣 2013 年 12 月 16 日版. 共同研究実施の背景.

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京都大学宇宙総合学研究ユニット 成果報告サマリ (2010-2013 年度 )

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Presentation Transcript


2010 2013

京都大学宇宙総合学研究ユニット成果報告サマリ(2010-2013年度)

浅井歩、水村好貴、磯部洋明、坂東麻衣

2013年12月16日版


2010 2013

共同研究実施の背景

  • 宇宙研究は、広い分野の有機的連携を必要とする総合科学である。京大は宇宙関連の学術研究の総合力をもつ。そこで、2008年4月にJAXAと京大との間で連携協定を締結し、基礎から応用に至る、宇宙理工学のみならず人文社会系学術領域をも包含した融合的・学際的研究の各領域において、共同研究・研究協力を通して人材の交流・育成を行い、宇宙を舞台とする文化の創造と技術の融合を目指すことになった。

  • この連携協定締結を受けてJAXAとの連携推進のため、また京大内の異なる部局の接点から創生される新たな研究分野、宇宙総合学の構築のため、宇宙総合学研究ユニット(宇宙ユニット)が設置された。

  • 2010年4年には、宇宙総合学ISAS 連携研究部門を宇宙ユニットに設置し、ISASと宇宙ユニットとの共同研究「宇宙環境の総合理解と人類の生存圏としての宇宙環境の利用に関する研究」を進めることとなった。


2010 2013

共同研究全体としての目的

以下の2つの研究を重点的な課題として推進した。

(1)太陽物理学を基軸とした太陽地球環境の研究(理学分野)

  • 太陽全面のモニター観測と数値モデリングによる太陽-地球環境の予測モデルの開発と、その基礎となる太陽面爆発の発生、太陽風加速、太陽活動周期のメカニズムの研究を行う。また太陽物理学と大気物理学の連携により、太陽活動の高層大気への影響の研究を推進すると共に、太陽大気と地球・惑星大気の比較研究という新しいアプローチを開拓する。

    (2)宇宙生存圏に向けた宇宙ミッションデザイン工学に関する研究(工学分野)

  • 軌道工学、制御工学、推進工学、衛星工学等がベースとなり、それぞれの時期の有望な技術(シーズ)と、宇宙理学的目的(ニーズ)を融合して将来の先進的かつ時期を得たミッションの創出を目指す宇宙ミッションデザイン工学の研究を行う。そして、社会科学や経済学の視点からこれを拡張して、高度な技術社会の維持とより豊かな社会、更には宇宙生存圏への発展を目指す。


2010 2013

共同研究の予算と体制

  • 期間:H22-24年度の3年間

  • 予算:3000万円/年

    • 人件費に2400万円、物品等研究実施費に600万円

  • 体制:磯部洋明特定講師(理学)、浅井歩特定助教(理学)、坂東麻衣特定助教(工学)と併任教員(60名あまり)が共同研究に参加

    • 2012年秋に磯部特定講師が学際融合教育研究推進センターに異動(引き続き宇宙ユニット併任教員として共同研究には参加)、坂東特定助教が九州大学助教として異動

  • 共同研究期間が1年間延長

    • 将来的なISAS-大学連携を担うための宇宙ユニットの発展的継続のため、概算要求等の予算要求に向けた努力を条件として、1年間(H25年度)の延長が認められた

  • 期間:H25年度の1年間

  • 予算:2000万円/年

    • 人件費に1600万円、物品等研究実施費に400万円

  • 体制:浅井歩特定助教(理学)、水村好貴特定助教と併任教員が共同研究に参加


2010 2013

目的の達成度・成果のハイライト

(理学分野)

  • 宇宙空間(太陽系) のプラズマや磁場環境の擾乱源である太陽フレア・コロナ質量放出について、京大飛騨花山天文台を中心とする地上観測データや「ひので」衛星を中心とする太陽観測衛星のデータを解析した。また、電磁流体数値シミュレーションとの比較検討を行った。これにより、擾乱の発生と、その宇宙空間への影響の程度を予測するモデルを構築する上で必須となる基礎研究が格段に進展した。

  • 京都大学飛騨天文台やスペース観測による長期間の太陽全面モニター観測データと、京大で盛んに行われてきた超高層大気研究との連携を新たに図ることで、太陽活動が超高層大気に与える影響についての研究を開拓した。

  • 惑星間航行を行う探査機への太陽活動の影響予測という新しい視点から宇宙天気研究を推進し、将来の深宇宙探査機への宇宙天気アラートの基礎となる研究を行った。

    (工学分野)

  • 宇宙科学ミッション固有の厳しいシステム要求に対し、軌道工学を駆使することで、ソーラーセイル宇宙機による小惑星衝突回避ミッションの研究や、低推力宇宙機による小惑星衝突回避のための軌道設計法といった、ミッションデザインの研究を推進した。

    (理工融合分野)

  • 微粒子が惑星間(地球火星間)を移動する可能性について、数値シミュレーションを用いた定量的な評価を行った。これは、本共同研究の推進による新たに開拓された理工融合研究として、特筆すべき成果である。


2010 2013

1.地上観測と衛星観測による太陽衝撃波の研究

成果ハイライト

飛騨SMART望遠鏡によるHa線画像

Asai et al. 2012

数値モデリングとの比較


2010 2013

2.太陽紫外線長期変動とその高層大気への影響

成果ハイライト

前極小期と今極小期の極端紫外線の違い

前極小期(1996年7月)

今極小期(2009年7月)

コロナホールは明るい

地球高層大気への影響

(生存圏研究所の高層大気研究者との共同研究)

より長期の変動を調べるための地上観測データの活用


2010 2013

成果ハイライト

  • 3.主な成果:深宇宙探査期への宇宙天気予報

  • STEREO速報ムービーを見て、あかつき方向に影響を及ぼしそうな大きなフレアをモニター、速報メールを出し、あかつき運用に活用

Venus

Mercury

CME

A

B

SUN

あかつき太陽電池パネルの障害と原因となる太陽高エネルギー粒子イベントの定量評価

(ISAS工学Gとも共同研究)

Earth

Isobeet al. submitted to Space Weather


2010 2013

4.軌道工学を駆使したミッションデザインの研究

成果ハイライト

  • ソーラーセイル宇宙機による小惑星衝突回避ミッションの研究

  • 低推力宇宙機による小惑星衝突回避のための軌道設計法

Bando & Yamakawa 2012

DESTINY ミッションの軌道計画


2010 2013

成果ハイライト

5.惑星由来微粒子の地球火星間飛行に関する研究

太陽光圧、太陽風電場の力を考慮し、大きさや初速度を変えた1000万個以上の粒子軌道を計算

=> かなりの確率で地球/火星往来がありそう!?

研究手法

粒子の到達可能性

粒子

地球軌道

太陽光圧

火星軌道

粒子の飛行軌道

太陽風電場による力

太陽重力

太陽

太陽

杉山 2011年度京都大学工学部学士論文

星 2012年度京都大学工学部学士論文

Hoshi, Yamakawa, Kojima, Isobe, Bando to be submitted to N.


2010 2013

共同研究の宇宙科学コミュニティへのインパクト

  • 本共同研究で推進された太陽地球環境の基礎研究により、擾乱の発生とその宇宙空間への影響の程度を予測するモデルを構築する上で必須となる宇宙環境の総合理解が格段に進展した。これは宇宙利用の今後一層の発展にとって、大きく貢献するものである。

  • 本共同研究では、太陽系科学、地球惑星科学、地球環境科学など多くの関連分野との連携を促進することに貢献している。また地球周回衛星や、惑星間航行を行う探査機への太陽活動の影響予測など、衛星・探査機の設計・運用へのフィードバックとして貢献できるものである。

  • 地球接近小惑星の地球衝突回避・低推力多周回軌道による地球脱出等の複雑な要求に対応する軌道設計手法を構築し、近い将来の複雑な宇宙ミッションの要求に答える手法を提供した。

  • 本研究で検討した微生物の惑星間移動の可能性は、生命進化の歴史や今後の太陽系探査に大きな影響を与えるものである。また、実際の生命物質のやりとりを定量的に見積もるには、惑星からの脱出と大気圏突入過程、微粒子上における微生物の宇宙空間での生存可能性などの検討など、様々な分野の研究者を巻き込んだ研究に発展する可能性がある。


2010 2013

今後の展望

  • 共同研究期間は、当初H22-24年度の3年間とされたが、将来的なISAS-大学連携を担うための宇宙ユニットの発展的継続のため、概算要求等の予算要求に向けた努力を条件として、1年間(H25年度)の延長が認められた。

  • 本共同研究で進展が見られた、理工学から人文社会科学系まで含む学際的・総合的な宇宙研究と人材育成を担うとともに、JAXA/ISAS‐大学連携の「関西モデル」となるような組織を作ることを目的とした、H26年度の概算要求『宇宙開発利用を担うグローバル人材育成のための宇宙学拠点の構築』の申請提案がなされた。

  • 平成26年度申請提案が財務省への提案として提出されている。


2010 2013

宇宙開発利用を担うグローバル人材育成のための宇宙学拠点の構築

京都大学

国立大学の機能強化との関連性

事業の概要

「宇宙学」とは、人類の宇宙利用拡大に伴い発生する諸問題の解決に向け、「人類の生存・活動空間としての宇宙」をキーワードとした理学・工学・人文社会科学の多岐にわたる新たな学際的学問である。政府が定めた宇宙基本計画では、「宇宙利用の拡大」と「自律性の確保」が基本方針とされ、「大学における教育機能の強化」と「人文・社会科学分野も含めた人材の育成」が定められている。本事業はこの背景を踏まえ、宇宙総合学研究ユニットを基盤に「宇宙学拠点」を構築し、人類の活動空間としての宇宙環境の理解とその利用の拡大を図り、人文・社会的視点から社会的な課題の解決と人類生存に必要不可欠な中長期的ビジョンを描くための学際的、総合的な研究と国際的リーダーとして活躍し得る人材の育成を行う。さらに、組織改編を伴う新組織設置を目指す。

本事業で文理融合型の宇宙学拠点を構築し、宇宙開発利用を牽引することのできるグローバル人材を養成する

京都大学の教育機能の強化につながる

国立大学の機能強化

京都大学における文理融合型の新たな教育研究組織の再編成を目指す

学部の枠を越えた再編成

合致

合致

背景・緊急性

宇宙基本計画(平成25年1月)

大学改革実行プラン(平成24年6月)

・「大学における教育機能の強化」を推進

・「人文・社会科学分野も含めた人材の

育成」を推進

「国立大学改革」

大学の枠・学部の枠を越えた再編成等

人類生存圏の宇宙への急速な拡大

① 中国やインドなどの新興国の台頭

② 民間主導の宇宙開発利用の拡大

③ 宇宙産業の世界的な成長と我が国における停滞

日本の宇宙政策の方向転換(宇宙基本計画)

研究開発重視 → 宇宙開発利用拡大

・宇宙開発利用を支える人材不足

‣世界的な宇宙開発利用の推進に伴い、理工学分野の専門知識を持つ者だけでは解決できないような、

人文社会科学にもまたがる諸問題(倫理学的問題・法学的問題・社会学的問題)の発生

‣競争が激化する国際社会において競争かつ協力し合える国際的リーダーの不足

‣宇宙開発利用の中長期ビジョンの欠落

・宇宙産業の停滞

・宇宙環境の諸現象の未解明

国際関係、法、産業、倫理など様々なファクターが絡む宇宙開発利用に対応していくために、科学技術と人文社会的な知見と教養を兼ね備え、転換期を迎えている我が国と世界の宇宙開発利用を牽引することのできるグローバル人材を養成する。

課題

目的

① 京都大学は多様な研究者を抱えた総合大学であり、本事業で

 必要となる科学哲学・倫理学・科学史・社会学等の人文社会

 科学分野の研究者を多数擁している。

② 宇宙総合学研究ユニット(宇宙ユニット)では、これまでにも

 理学・工学・人文社会学の融合的・学際的教育研究活動を展開

 してきており、本事業を推進する基盤ができている。

③和歌山大学等の近隣大学とも連携し、西日本にも宇宙拠点を

 構築する。加えて、宇宙開発利用に資する最先端技術を有する

 京都や関西を中心とする地元企業と産学連携を行うことにより、

 宇宙産業を振興することができる。

本学の特色・強みとの関連性

効果(アウトプット)

人材育成

高い専門性と広い視野をもって人類社会の中長期的ビジョンを描くことのできる

グローバル人材

 ①新しい宇宙分野を切り拓くことのできる国際的リーダー

 ②高い人文社会的教養を身につけた専門的宇宙科学者、技術者、理系教員

 ③高い宇宙科学技術リテラシーを身につけた政策立案者、実務家、文系教員

喫緊で求められている出口

JAXAや大学、シンクタンク等の研究機関、国連、NASA、ESA等の国際機関等

学術界と宇宙開発利用の現場との橋渡しを行う国際的リーダーとして活躍

研究成果

新たな学際的研究分野である文理融合型「宇宙学」の創出

・衛星データを利用した防災、人文、フィールドワーク研究の新展開

・宇宙開発利用に伴う人文社会的諸問題の解決 等

社会的効果

宇宙の利用拡大にかかわる諸問題の解決・宇宙産業の振興への貢献

・地球環境と人類活動に影響を与える宇宙天気現象やスペースデブリ(宇宙ゴミ)

 問題の解決への貢献

・宇宙進出によるエネルギー問題や人口爆発などの社会問題の解決への貢献

・衛星データを利用した新産業の開拓・産業競争力の強化


2010 2013

共同研究成果サマリ


2010 2013

地上観測・衛星観測を用いた太陽フレア、コロナ質量放出の研究

浅井、磯部、柴田、一本、北井(宇ユ)、坂尾、清水(ISAS)、川手朋子、玉澤春史、高棹真介(京大理・院生)

 太陽フレア・コロナ質量放出は、宇宙空間(太陽系) のプラズマや磁場環境の擾乱を引き起こす源であり、それらの現象の理解は、宇宙天気予報の観点からも極めて重要である。京都大学・飛騨花山天文台を中心とする地上観測データや「ひので」衛星を中心とする太陽観測衛星のデータを解析した。また、電磁流体数値シミュレーションとの比較検討を行った。

(1) 太陽フレアに付随して発生する衝撃波現象の研究

 太陽フレアに付随して発生する衝撃波現象を詳細に調べた。またプロミネンス/フィラメント噴出現象と、衝撃波との関係を観測・数値計算の両面から検討した。2011 年8 月9 日のフレア(図)では、京都大学飛騨天文台SMART望遠鏡による彩層Ha線画像により、衝撃波面の伝播を追うことができた他、SDO衛星搭載の観測装置AIA などの極端紫外線観測データにより、衝撃波面とコロナ中を伝播する速い磁気流体波の波面なども同時に観測されており、それらの関係を詳細に示した。

図:2011 年8 月9 日のフレアに付随した衝撃波現象のEUV 画像(左) とHa線画像(右)(Asai, A., et al., 2012, ApJL, 745, L18)。


2010 2013

(2) 太陽フレアに伴うエネルギー解放機構の研究

太陽フレアに伴うエネルギー解放機構、特にフレアにおけるエネルギー解放機構である「磁気リコネクション」を、観測データに基づき詳細に調べた。これによりリコネクション領域付近のプラズマ塊の流入/流出の様子を明らかにすることに成功した。

また、高エネルギー電子からの放射を詳細に解析し、太陽フレアにおける粒子加速機構について調べた。2001 年4 月10 日のフレアに伴うフレアリボンで見られたHa線輝線の赤方偏移を京都大学飛騨天文台ドームレス太陽望遠鏡による観測データを用いて詳細に調べ、赤方偏移はフレアリボン内の至る所で見られるがフレアリボンの最も外側で特に強くなっていること、また赤方偏移の強さはHa線輝線の放射強度には依存しないことを初めて示すなどした。

[Reference]

Asai, A., et al. 2013, ApJ, 768, 87

Asai, A., et al., 2012, ApJL, 745, L18

Asai, A., et al. 2012, PASJ, 64, 20

Takasao, S., Asai, A., Isobe, H., Shibata, K., 2012, ApJL, 745, L6

Nakamura, N., Shibata, K., Isobe, H., 2012, ApJ, 761, 87

Kawate, T., Asai, A., Ichimoto, K., 2011, PASJ, 63, 1251

Lugaz, N., Downs, C., Shibata, K., Asai, A., et al., 2011, ApJ, 738, 127

Berger, T., Testa, P., Hillier, A., et al., 2011, Nature, 472, 197

Nishizuka, N., Shibata, K., 2013, PRL, 110, 051101

Shibata, K., Magara, T., 2011, Living Review in Solar Physics, 8, 6

柴田一成, 一本潔, 浅井歩, 日本物理学会誌, 2011, 66 巻, 12 号, 896-904

図:2001年4月10日に発生したフレアの、飛騨天文台ドームレス太陽望遠鏡によるHa線画像(Asai, A., et al. 2012, PASJ, 64, 20)。


2010 2013

あかつき-ひので-地上望遠鏡による太陽コロナ観測

磯部、浅井(宇ユ)、今村、坂尾(ISAS)、宮本、安藤(東大理・院生)、塩田(名大)、矢治(国立天文台)

 金星探査機「あかつき」が2011 年6 月から7 月にかけて、太陽をはさんで地球のほぼ反対側を通る外合をした機会を利用し、太陽コロナの電波掩蔽観測を実施した。これは「あかつき」から地上局に向けて送信された電波の振幅といそうの時間変動を分析することで太陽コロナの密度変動の空間スペクトルや速度などに関する情報を得るものである。

今回の外合では、太陽表面から0.5 太陽半径程度というこれまでにない近距離でのデータを取得することができた。また、あかつきの観測に合わせ、6 月24–27 日の間、「ひので」及び京都大学飛騨天文台で共同観測を行った。また、ハワイ・マウナロア天文台のコロナグラフ観測のデータも取得し、低部コロナの密度を導出することに成功した。

図:共同観測中のひのでX 線望遠鏡の軟X 線像。

図:あかつきの軌道

[Reference]

Imamura, T. et al., in prep.

今村、安藤、宮本、磯部、浅井、塩田、矢治、徳丸、JpGU 2012 Meeting, PEM28-02 (幕張)

Isobe, H., Asai, A., Imamura, T., Shiota, D., Yaji, K., Ando, H., Miyamoto, M., Hinode-6Meeting (英国)


2010 2013

太陽物理と大気物理の連携による超高層大気変動現象の研究

浅井、渡邉、磯部、上野、北井(宇ユ)、今村(ISAS)、林寛夫、新堀淳樹(京大生存研)、塩田大幸(名大)

太陽極端紫外線画像や太陽彩層画像などの解析により、地球の超高層大気に影響を及ぼす「太陽紫外線放射量とその要因」を把握し、また太陽活動周期における太陽紫外線放射量の変動とその超高層大気への影響を推定を目的とした。

 このために、太陽極端紫外線データなど太陽活動変動と超高層大気の地磁気静穏日変動(Sq場)の長期変動について比較解析を行った。これにより、太陽活動22/23の極小期(1996年ごろ)と23/24の極小期(2008年ごろ)に大きな相違が見られることを明らかにした。

1996年7月

2009年7月

白:1996年7月

赤:2009年7月

ディスクは暗い

  • 図:1ヶ月平均した太陽全面画像(30.4nm; SOHO/EIT)

[Reference]

Asai, A., et al., in prep.

Watanabe, H., et al., in prep.

Asai, A., Isobe, H., et al., JpGU 2013 Meeting, PEM05-15 (幕張)

Watanabe, H., Asai, A.,et al., JpGU 2013 Meeting, PEM05-13(幕張)

コロナホール

は明るい

図:左図の子午面(黄色線)に沿った放射強度


2010 2013

弱電離プラズマの磁気エネルギー散逸メカニズムに関する研究

磯部、柴田(宇ユ)、清水(ISAS)、K. A. P. Singh、A. Hillier、西田圭佑(京大理)

 「ひので」最大の発見の一つは、太陽の下層大気である彩層で、小規模フレアやジェットなど、コロナ中の太陽フレアと類似の磁気エネルギー解放現象と思われる活発な活動現象が起きていることであった。しかし、完全電離・無衝突プラズマであるコロナと違い、弱電離で衝突性プラズマである彩層で、どのようにして爆発的な磁気エネルギー解放が起きているのかについては、これまで研究がほとんどなく分かっていない。弱電離プラズマ中の磁気エネルギー散逸は分子雲や原始惑星円盤などの天体プラズマでも重要な物理過程であり、次期太陽観測衛星計画Solar-Cの主要なサイエンスターゲットの一つでもある。本研究では数値シミュレーションによる理論的研究と「ひので」のデータ解析から、弱電離プラズマの磁気エネルギー散逸メカニズムを探る。

[Reference]

Hillier, A., Berger, T., Isobe, H,. Shibata, K. 2012a, ApJ, 746, 13

Hillier, A., Isobe, H., Shibata, K., Berger, T. 2012b, ApJ, 756, 10

Hillier, A., Isobe, H. Shibata, K., Berger, T., 2011, ApJ, 736, L1

Hillier, A., Isobe, H., Watanabe, H. 2011, 63, 19

Hillier, A., Shibata, K., Isobe, H. 2010, PASJ, 62, 1231

Jiang, R.-L., Shibata, K., Isobe, H., Fang, C. 2011a, ApJ, 726, L16

Singh, K. A. P., Isobe, H., Shibata, K., et al., 2012a, ApJ, 759, 33

Singh, K. A. P., Isobe, H., Nishida, K., Shibata, K., 2012, ApJb, 760, 328

Singh, K. A. P., Shibata, K., Nishizuka, N., Isobe, H., 2011, Phys. Plasmas, 18, 1210

Takasao, S., Isobe, H., Shibata, K. PASJ , 2013, 65, 62

図: ひので可視光望遠鏡による彩層ジェットのCaII H 線像。下段は差分画像


2010 2013

深宇宙探査機への太陽放射線影響及び宇宙天気アラートの研究

磯部、浅井(宇ユ)、今村、豊田(ISAS)、羽田裕子(京大理・院生)、塩田(名大)

太陽フレア、コロナ質量放出(CME)に伴う高エネルギー放射線は宇宙機に深刻な影響を与える。地球側から見えない太陽面の影響をうける深宇宙探査機へ、太陽活動(宇宙天気)の情報を伝える研究は、これまでなされていなかった。2006 年末に打ち上げられた太陽観測衛星STEREO は、太陽周回軌道から太陽の裏側の情報も得ることができる。本研究ではSTEREO のデータを用いて金星探査機「あかつき」へ太陽活動の情報を提供することで「あかつき」の運用に資すると共に、将来の深宇宙探査機への宇宙天気アラートの基礎となる研究を行った。

図: STEREO 衛星によって観測された2011 年6 月4 日に発生したフレア・CME

[Reference]

Isobe, et al., in prep.

Hada, et al. in prep.

Isobe H., HadaY., AsaiA., Imamura T., Toyota H., et al., International CAWSES-II Symposium,


2010 2013

気球搭載型広視野MeVガンマ線望遠鏡の研究開発

水村、谷森、窪、高田(宇ユ)、水本(京大生存研)、澤野、松岡、古村、他(京大理)

MeVガンマ線は撮像観測および雑音除去が困難で、1990年代に活躍したCOMPTEL以後天文学としてほとんど進展がない。この状況を打破すべく、本研究では、事象毎に到来方向を決定でき、高い雑音除去能力を持つ広視野MeVガンマ線カメラの気球搭載モデルの研究開発・性能評価を行った。

  気球搭載型ガンマ線カメラの一部を除く組み上げを完了し、放射線源を用いた性能評価を実施した。従来型のカメラより 4倍以上の高コントラスト撮像能力を持つことを確認し、カニ星雲観測の要求性能の2倍近く良い角度分解能を発揮できることを示した。また、陽子ビームを用いて気球実験想定値の5倍高い雑音環境下で動作試験を行い、雑音除去能力が十分であることを実証した。  来年度以降、アメリカで気球実験を行いカニ星雲を観測予定で、その後、極域周回長時間気球に搭載して複数の天体の観測、および地球磁気圏からのガンマ線放射を観測予定である。これらはMeVガンマ線天文学進展の重要な礎となる。

気球搭載型ガンマ線カメラ

[References]

Mizumura, Y., Tanimori, T., Kubo, H., et al., submitted to JINST.

Sawano, T., Tanimori, T., Mizumura, Y., et al., accepted for publ. in JPSJ Suppl. Ser.

Takada, A., Tanimori, T., Mizumura, Y., et al., 2013, JINST, 8, C10023.

Mizumura, Y., Tanimori, T., Kubo, H., et al., 2013, The 4th Symposium on Polar Science.

高田淳史, 谷森達, 水村好貴, 他, 2013, 大気球シンポジウム.

ガンマ線源 3つの再構成画像


2010 2013

軌道工学を駆使したミッションデザイン

山川、坂東、柴田裕実(宇ユ)、山口(京大工・学生)、藤原顕、中村(神戸大)

 小惑星の地球衝突問題を意識した小惑星のサーベイ観測、および、探査計画が立案されつつある。近い将来に起こりうる地球衝突への解決手段を確立するため、ソーラーセイル宇宙機や低推力宇宙機など宇宙機の特性を生かし、小惑星と宇宙機の直接衝突により衝突回避するミッションの実現性について軌道工学の観点から検討を行った。

(1) ソーラーセイル宇宙機による小惑星衝突回避ミッションの検討

 ソーラーセイル宇宙機を慣性空間上に静止させることにより、小惑星との相対速度が増し、衝突回避しうる小惑星の数が大幅に増えることを示した。また、ソーラーセイルの性能に応じた小惑星衝突軌道の設計を行い、宇宙機-小惑星衝突時の相対速度、所要時間、小惑星軌道の軌道要素の変化を明らかにした。

(2) 低推力宇宙機による小惑星衝突回避のための軌道設計法

 小惑星の軌道は、観測精度や太陽輻射圧などの外乱による摂動の影響を受けやすく、不確定性が大きい。本研究では、低推力宇宙機の特性を生かし、軌道の情報に不確定性をもつ小惑星に対する衝突時の位置の誤差を減らす軌道制御手法を提案した。さらに、宇宙機-小惑星衝突時になす角度により決まる運動量伝達効率と低推力宇宙機の燃料消費量の関係を明らかにした。

[Reference]

M. Bando and H. Yamakawa, Journal of Astronautical Sciences, 2011, 58, 4, 569-581.

山口皓平, 山川宏, 第56 回宇宙科学技術連合講演会, 別府,2012.

M. Bando and H. Yamakawa, Transactions of the Japan Society for Aeronautical and Space Sciences, Aerospace Technology Japan, 2011-d-63.


2010 2013

小惑星探査ロボットの研究開発

坂東(宇ユ)、大須賀公一(大阪大)、望山洋(筑波大)

 本研究では、宇宙分野で有効な新たな技術の確立を目指し、地上のロボット研究など機械工学の分野の研究成果の宇宙分野への応用する試みとして、小惑星探査ロボットの研究開発を行った。小天体表面の予想される重力は微小重力で,地面の状態は硬いのか柔らかいのか,凹凸はどれ程なのか未知である。このような環境で可能な限り軽量,小型,低消費電力で微小重力下の移動を実現するために、小惑星探査ロボットのための駆動方式として「飛び移り座屈現象とゼンマイ」を応用した電源を必要としない「受動的駆動ユニット」を提案した。

図のような飛び移り座屈現象を応用した移動メカニズムについて数値解析と実験機により検討を行い、飛び移り座屈による移動方法が可能であること明らかとなった。今後の課題は具体的な機械設計(特にゼンマイの巻き上げ機構とリリース機構)と基礎実験である。

[Reference]

Osuka, K., Tadakuma, K., Mochiyama, H. and Bando, M., 2012, 22ndJAXA Workshop on Astrodynamics and Flight Mechanics.

大須賀公一, 望山洋, 坂東麻衣, 藤本英雄, 2011, 21stJAXAWorkshop on Astrodynamics and Flight Mechanics.


Destiny

深宇宙探査技術実験機DESTINYの研究開発

坂東(宇ユ)、ISAS・DESTINY WG(川勝、岩田(隆)、西山、竹内、山田、廣瀬、中宮、山本、島崎(研開本部)、他)

 深宇宙探査技術実験ミッションDESITNY ミッションは、将来の深宇宙探査の鍵となる先端技術を小型科学衛星3号機で実現することを目的に現在検討を進めているミッションである。軌道計画においては、様々な制約を考慮し、イオンエンジンの特徴を生かした軌道を設計し、また、共同研究を通じてDESITNY の軌道計画だけでなく、次のミッションをデザインする際の有用な軌道計画の手法を確立することを目的とした。

 本研究では、日陰、太陽方向により決まる制御可能区間を考慮した上で、DESTINY宇宙機の高度上昇フェーズの軌道設計を検討した。複雑な制約条件のもとで軌道最適化を行う手法を検討した。

[Reference]

坂東麻衣, Stefano,C., 川勝康弘, 2012, 第56 回宇宙科学技術連合講演会.

Bando, M., Nakamiya, M., Kawakatsu, Y., Hirose, C and Yamamoto, T., 2012, 13th ISCOPS.

坂東麻衣, 川勝康弘, 廣瀬史子, 中宮賢樹, 2011, 第55 回宇宙科学技術連合講演会.


2010 2013

新ミッション創出のためのアストロダイナミクスの研究

坂東麻衣、山川宏(宇ユ)、川勝康弘(ISAS)

(1) 低推力宇宙機による多周回軌道最適化手法の確立

 低推力宇宙機を用いた多周回軌道設計に対する解析的アプローチを用いた基礎研究を行った。フーリエ級数を利用した平均化方程式に基づく最適化について検討を行い(図)、多周回軌道最適化問題は、任意の制御入力の履歴の最適化は14 個のパラメータ最適化問題に帰着されることを示した。これにより、制約のある多周回軌道設計において、平均化方程式を利用した最適化が可能となり計算量の軽減が期待される。

(2) 小惑星近傍微小重力環境の力学解析および軌道設計法の検討

 小天体の力学環境の解析、特に剛体でつながれた2つの質点により近似できる形状の小惑星近傍の力学を解析した。さらにその結果を応用し、小惑星近傍にとどまり観測を行うための軌道の設計法を検討した。小惑星のパラメータ(質量、密度、形状、自転速度など)は一般に不確定性を多く含むため、平衡点の安定性を論じることが難しいが、制御工学的な解析を用いることで小惑星近傍の平衡点の安定性の小惑星パラメータに関するロバスト性などといった知見が得られると考えられる。

[Reference]

坂東麻衣, 大須賀公一,藤井隆雄,山川宏, 計測自動制御学会論文集, 2012, Vol. 38, No.7, pp.431-440.


2010 2013

微生物付着ダストの惑星間移動可能性の研究

磯部、山川、坂東、柴田、柴田、大野(宇ユ)、杉山雅、星賢人(京大工・学生)

 地球と火星、又は太陽系内の他の惑星や衛星の間には隕石を介した物質のやりとりの可能性が指摘されており、これらの隕石等に含まれる微生物も惑星間、又は恒星系間を移動していた可能性が考えられている。本研究では、(微生物が付着した)微粒子が惑星間(地球火星間)を移動する可能性について、数値シミュレーションを用いた定量的な評価を行った。

 シミュレーション結果(図)より、地球脱出粒子は粒子半径が小さいほど火星へ、火星脱出粒子は粒子半径が大きいほど地球へ到達しやすく、それぞれ出発から500 年間で0.2–0.7 % の程度の粒子がもう一方の重力半径内へ到達することが分かった。

 この結果は、太陽系の歴史において、生命関連物質の地球火星間のやりとりがあったことを示唆するものである。

図:シミュレーション結果の例。中央が太陽、内側の円が地球軌道、外側の円が火星軌道

を示す。

[Reference]

杉山雅、京都大学工学部2011 年度学士論文

星賢人、京都大学工学部2012 年度学士論文


2010 2013

人文社会系分野等の学際的研究の開拓

磯部、中野不二男、水谷雅彦、伊勢田哲治、鎌田東二、篠原真毅(宇ユ)、

岩田陽子(ISAS)、斎藤紀男(JAXA)、岡田浩樹(神戸大)、他

  • 宇宙倫理学

    • 宇宙開発利用に伴う倫理・社会的問題について検討を行った。これは、宇宙を考えることによる学術としての倫理学の新しい展開である。

  • 宇宙人類学

    • 宇宙進出の人類史的意義、宇宙開発利用の文化的問題を扱う研究分野であり、宇宙ユニットシンポジウムでの神戸大・岡田浩樹教授の講演をきっかけに研究がスタートした。

    • 宇宙人文学:衛星地球観測データを活用した人文学研究

    • 宇宙計画学:宇宙開発利用の将来計画、宇宙政策の研究

  • この他、宇宙を「活用した」教育プログラム(「宇宙箱舟」など)を開発した

[Reference]

磯部洋明, ”人類の宇宙進出の意義に関する検討”, 宇宙航空研究開発機構研究開発報告 JAXA-RR-11-006, 41-60 (2012)

岩田陽子, ”新たな宇宙時代到来に向けた道徳教育における課題”, 宇宙航空研究開発機 構研究開発報告JAXA-RR-11-006, 63-95 (2012)

岡田浩樹, ”宇宙への進出に関する人文科学的アプローチの検討”, 宇宙航空研究開発機構研究開発報告JAXA-RR-11-006, 15-38 (2012)

鎌田東二, ”宇宙体験と宗教体験, そして, 宇宙研究と宗教研究の間”, 宇宙航空研究開発機構研究開発報告JAXA-RR-11-006, 1-12 (2012)

木下冨雄他, 国際高等研究所, 宇宙航空研究開発機構編, ” 宇宙問題への人文・社会科学からのアプローチ”, 国際高等研究所報告書(2009)

水町衣里, 磯部洋明, 神谷麻梨, 黒川紘美, 塩瀬隆之, 堂野能伸, 森奈保子, ”教材としての宇宙:答えのない課題を扱う教育プログラム宇宙箱舟ワークショップ”, 宇宙航空研究開発機構研究開発報告印刷中


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