1 / 34

逐次的構造変化による 多状態 DNA 機械と その二次構造設計

逐次的構造変化による 多状態 DNA 機械と その二次構造設計. 萩谷研 修士2年 上嶋 裕樹 uejima@is.s.u-tokyo.ac.jp. 目次. 技術的背景と既存研究 分子レベルの multi-state machine (CREST, JST) 分子機械の二次構造設計の概要(中間発表分) 二次構造変化経路の予測 アゾベンゼンを利用した DNA 二重鎖形成の 光制御 まとめと今後の課題. 技術的背景と既存研究. 技術的背景と既存研究 分子レベルの multi-state machine (CREST, JST)

Download Presentation

逐次的構造変化による 多状態 DNA 機械と その二次構造設計

An Image/Link below is provided (as is) to download presentation Download Policy: Content on the Website is provided to you AS IS for your information and personal use and may not be sold / licensed / shared on other websites without getting consent from its author. Content is provided to you AS IS for your information and personal use only. Download presentation by click this link. While downloading, if for some reason you are not able to download a presentation, the publisher may have deleted the file from their server. During download, if you can't get a presentation, the file might be deleted by the publisher.

E N D

Presentation Transcript


  1. 逐次的構造変化による 多状態DNA機械とその二次構造設計 萩谷研 修士2年 上嶋 裕樹 uejima@is.s.u-tokyo.ac.jp

  2. 目次 • 技術的背景と既存研究 • 分子レベルのmulti-state machine (CREST, JST) • 分子機械の二次構造設計の概要(中間発表分) • 二次構造変化経路の予測 • アゾベンゼンを利用したDNA二重鎖形成の光制御 • まとめと今後の課題

  3. 技術的背景と既存研究 • 技術的背景と既存研究 • 分子レベルのmulti-state machine (CREST, JST) • 分子機械の二次構造設計の概要(中間発表分) • 二次構造変化経路の予測 • アゾベンゼンを利用したDNA二重鎖形成の光制御 • まとめと今後の課題

  4. 3’ DNAの二次構造と熱力学モデル(1) • nearest neighborモデル (Zimm et al., 1964) • 隣接した塩基対やmismatchの組によるstackingエネルギー等を加算する。 • folding問題 (Zuker et al., 1981) • inverse folding問題 (Hofacker et al., 1994) • fold関数を評価関数とする探索問題 folding 5’ 3’ TTC…GCA 塩基配列(一次構造) inverse folding 5’ 二次構造

  5. DNAの二次構造と熱力学モデル(2) • sub-optimal構造の探索 (Wuchty et al., 1999) • mfe+δ以下の自由エネルギーの構造(sub-optimal構造)を,網羅的に見つける。 • partition functionの計算 (McCaskill, 1990) • 構造の出現頻度の計算 • Vienna RNA Package(各アルゴリズムの実装)(Hofacker et al., 1994) • 二次構造間のエネルギー障壁の予測(Flamm et al., 2000)

  6. DNA computing • DNA分子による分子レベルの超並列計算 (Adleman, 1994) • DNA nanotechnology(DNA nanomachine) • molecular tweezer(Yurke et al., 2000) • DNAのB-Z遷移に基づくDNA motor (Seeman et al., 1999) • bistableな二次構造を持つRNA塩基配列の設計 (Flamm et al., 2001)

  7. 分子レベルのmulti-state machine • 技術的背景と既存研究 • 分子レベルのmulti-state machine (CREST, JST) • 分子機械の二次構造設計の概要(中間発表分) • 二次構造変化経路の予測 • アゾベンゼンを利用したDNA二重鎖形成の光制御 • まとめと今後の課題

  8. 逐次的に状態変化する分子機械 入力1 2 1 …… 3 3 入力2 1 2 入力3 …… 3 3 1 …… 2

  9. 分子機械の設計目標 • DNA oligomerの投入により,連続したヘアピン構造が逐次的に開裂動作する分子機械 • 既存の二次構造設計との違い • 単一の配列ではなく,複数種類の配列の複合体による,構造変化を前提とする二次構造(分子機械の二次構造設計) • 複数の安定な構造をもちうる,大規模な二次構造(適切なsub-optimal構造の出現頻度の考慮) • 構造変化経路に強く依存する分子機械の二次構造(構造変化経路の考慮)

  10. 分子機械の二次構造設計の概要(中間発表分)分子機械の二次構造設計の概要(中間発表分) • 技術的背景と既存研究 • 分子レベルのmulti-state machine (CREST, JST) • 分子機械の二次構造設計の概要(中間発表分) • 二次構造変化経路の予測 • アゾベンゼンを利用したDNA二重鎖形成の光制御 • まとめと今後の課題

  11. 分子機械の動作特性に基づく二次構造設計 • 分子機械の動作の本質を単純な規則に還元し,それをみたす配列セットを設計する。 • 連続ヘアピン構造の逐次的開裂モデルでは,次の性質が保たれることを検証する。 • 順序性:ヘアピンが端から順番に開裂する性質 • 選択性:ヘアピンがそれに適合するoligomerによってのみ開裂する性質

  12. 出現頻度を考慮すべき適切なsub-optimal構造とは出現頻度を考慮すべき適切なsub-optimal構造とは 自由エネルギー δ mfe 二次構造 sub-optimalな二次構造の集合 出現頻度を考慮する構造 目標構造

  13. 分子の構造変化経路 自由エネルギー • ΔG1の最小化⇒構造変化の高速化 • 妥当な変化経路の予測が必要 • 局所最適最短経路 • 大域最適最短経路 • 大域最適経路 ΔG1 ΔG2 二次構造

  14. 二次構造変化経路の予測 • 技術的背景と既存研究 • 分子レベルのmulti-state machine (CREST, JST) • 分子機械の二次構造設計の概要(中間発表分) • 二次構造変化経路の予測 • アゾベンゼンを利用したDNA二重鎖形成の光制御 • まとめと今後の課題

  15. 構造変化の最適経路 • 課題:配列評価に構造変化経路を用いるには,十分に高速で正確な経路予測が必要。探索空間が広いので単純な探索は使えない。 • 局所最適最短経路 • 初期構造から最終構造への最短経路に限定し,各1段階の構造変化の自由エネルギー増加が最小になるように経路を生成していく。 • 大域最適最短経路 • 初期構造から最終構造への最短経路をM-H法 (Morgan et al., 1998) に従って生成し,そのうちΔG1が最小のものを近似解とする。

  16. MorganとHiggsによる構造変化経路予測アルゴリズムMorganとHiggsによる構造変化経路予測アルゴリズム (Bの)塩基対のうち,incompatibleな(Aの)塩基対の数が少ないものから作っていくようにする。

  17. oligomerが割り込むときの山の高さ・谷の深さ M-H法で質のよい経路が線形の時間で求められるようになった。⇒配列設計に使えるようになった。 (α) (β) ΔG1 ΔG2 山の高さΔG1 > B (= 4.0kcal/mol) かつ谷の深さΔG2 < V (= 3.0kcal/mol)

  18. グラフに対するアルゴリズムに変換 塩基対は頂点,依存関係は辺 ⇒ 二部グラフになる Aの頂点を1つ消す。 その頂点から出ていた辺を消す。 Bの頂点のうち,辺の出ていないものがあれば,それを消す。 以上を繰り返して,全ての頂点が消えるまで続ける。 6 7 8 9 10 1 2 3 4 5 BA

  19. M-H法で山の高さが最小にならない例 8 9 10 11 12 13 14 1 2 3 4 5 6 7 M-H法による経路山の高さ = 5 別の経路山の高さ = 4 BA

  20. 例に対応する二次構造 (B) (A) 89101112 1234 13 5 6 7 14

  21. 構造変化経路予測により得られた知見 • ヘアピン構造の開裂のような単純な構造変化では,局所的最適化も大域的最適化に似た経路を見つける。(ただし最短経路に限定) • 単純なエネルギー地形である。 • 塩基対の個数のみに着目したM-H法は,効率よく性質のよい経路を見つける。 • 二次構造の自由エネルギーは塩基対の個数により近似できる。 • M-H法の二部グラフを連結成分に分解することにより,よりよい経路を生成するようにアルゴリズムを改良できる。

  22. アゾベンゼンを利用したDNA二重鎖形成の光制御アゾベンゼンを利用したDNA二重鎖形成の光制御 • 技術的背景と既存研究 • 分子レベルのmulti-state machine (CREST, JST) • 分子機械の二次構造設計の概要(中間発表分) • 二次構造変化経路の予測 • アゾベンゼンを利用したDNA二重鎖形成の光制御 • まとめと今後の課題

  23. DNAへのアゾベンゼンの導入 DNAに挿入されたアゾベンゼンの状態により,hybridizationの安定度が変化する。(Asanuma et al., 1999)

  24. アゾベンゼン込みhybridizationのモデル化 • 課題:アゾベンゼンを含むDNA二重鎖のモデルはまだない。どのようなモデルが物理的に妥当か。また計算に適しているか。 • アゾベンゼンがstacking中に存在することにより,そのstacking energyを変化させている。 • 局所的なstacking energyの変化 • その他いくつかの仮定をして,普通のhybridizationの自由エネルギーから,アゾベンゼンによるエネルギーの変化量を推定した。 • transの場合とcisの場合それぞれ

  25. アゾベンゼンのVienna RNAへの導入 • 課題:ライブラリの持つ一般性を失わず,かつ計算の効率を落とさないで,いかに単純にアゾベンゼンを扱えるようにすることができるか。 • 入出力ではアゾベンゼンをXと表し,あたかも1つの特殊な塩基であるかのように扱う。 • ただしそれは塩基対を作らない塩基である。 • 内部では(1塩基bulgeなどではなく)stacking energyの局所的な変化として扱う。

  26. アゾベンゼン込みhybridizationに関連するプログラムの試作アゾベンゼン込みhybridizationに関連するプログラムの試作 • アゾベンゼンをいくつかインターカレートしたDNA/RNA分子で,アゾベンゼンがtransのときとcisのときで,最小自由エネルギーの二次構造が異なるような塩基配列を設計する。 • 入力:2つの互いに異なった二次構造(S1, S2) • 出力:アゾベンゼンをインターカレートしたDNA/RNA分子の塩基配列 • 配列の条件:アゾベンゼンがtransのときS1が最小自由エネルギー構造となり,cisのときS2が最小自由エネルギー構造となる。

  27. cis trans アゾベンゼンによりbistableな二次構造を持つ配列の例 CUUGUGGCUUGUXUUGAAGCCGGUCCUAGACGGGCCGCAAG

  28. まとめと今後の課題 • 技術的背景と既存研究 • 分子レベルのmulti-state machine (CREST, JST) • 分子機械の二次構造設計の概要(中間発表分) • 二次構造変化経路の予測 • アゾベンゼンを利用したDNA二重鎖形成の光制御 • まとめと今後の課題

  29. まとめ(1) • 対象となるシステムに合った,配列設計方法の定式化。 • 特に選択性と順序性の定義。 • 各最適化を行なう,自動配列設計プログラム"DNAhairpin"の実装。 • 大域最適最短経路の予測を含む。 • 設計した配列のDNAを利用し,連続ヘアピン構造の逐次的開裂の実験が北大で行なわれつつある。

  30. DNAhairpin • 連続したヘアピン構造の逐次的開裂モデル用の二次構造設計プログラム • 熱力学計算にはVienna RNA Packageを利用 • 分子機械の動作特性,選択性と順序性に基づいて配列を評価する。 • partition functionを利用し,適切な二次構造の熱力学的出現頻度を計算する。 • 適切なsub-optimal構造の出現頻度総和の計算 • 構造変化経路予測によるエネルギー障壁の高さに基づき,配列セットの最適化を行う。

  31. 配列セットの例 madrid:41% time ./DNAhairpin * ##4.510002 2.820000 ordinality min barrier height: 4.510002 ordinality max valley depth: 2.820000 ((((((((((((((((((((.......)))))))))))))))))))) GGCGTCTTATCTAGGGATCGCTTATGACGATCCCTAGATAAGACGCC -23.340000 AACCGTGGTGTAGGGTTAGGCATAGATCCTAACCCTACACCACGGTT -23.270000 CTGCTCGTTTGATTCGTCTCACGACTGGAGACGAATCAAACGAGCAG -23.400000 selectivity (open): 0.424054 0.825627 selectivity (closed): 0.331199 0.689463 ordinality: 0.006577 0.667005 52.76u 0.00s 0:53.13 99.3% madrid:42%

  32. まとめ(2) • アゾベンゼンを含むDNA分子のhybridizationに関するモデルの提案と,Vienna RNAへの実装。 • アゾベンゼンによりbistableな構造をもつ配列を設計するプログラムの試作。

  33. 今後の課題 • 配列最適化基準を,より一般の二次構造設計に適用できるように定式化。 • 別の二次構造設計にも対応できるように,プログラム実装を一般化(ライブラリー化) • 配列最適化基準の妥当性の検討。 • 生物化学実験との比較 • 計算機シミュレーション • モンテカルロ法 • 計算理論的な解析 • 構造変化経路のより詳細な解析と,エネルギー障壁以外の要素も利用した反応の最適化。

More Related