1 / 1

Astro-E2 搭載 X 線 CCD(XIS) 裏面照射型チップの性能評価

山口 弘悦、中嶋 大、松本 浩典、鶴 剛、小山 勝二(京都大学理学研究科)、他 XIS チーム  Email:hiroya@cr.scphys.kyoto-u.ac.jp. Astro-E2 搭載 X 線 CCD(XIS) 裏面照射型チップの性能評価.

Download Presentation

Astro-E2 搭載 X 線 CCD(XIS) 裏面照射型チップの性能評価

An Image/Link below is provided (as is) to download presentation Download Policy: Content on the Website is provided to you AS IS for your information and personal use and may not be sold / licensed / shared on other websites without getting consent from its author. Content is provided to you AS IS for your information and personal use only. Download presentation by click this link. While downloading, if for some reason you are not able to download a presentation, the publisher may have deleted the file from their server. During download, if you can't get a presentation, the file might be deleted by the publisher.

E N D

Presentation Transcript


  1. 山口 弘悦、中嶋 大、松本 浩典、鶴 剛、小山 勝二(京都大学理学研究科)、他XISチーム Email:hiroya@cr.scphys.kyoto-u.ac.jp山口 弘悦、中嶋 大、松本 浩典、鶴 剛、小山 勝二(京都大学理学研究科)、他XISチーム Email:hiroya@cr.scphys.kyoto-u.ac.jp Astro-E2搭載X線CCD(XIS)裏面照射型チップの性能評価 Abstract:X線天文衛星Astro-E2(2005年打ち上げ予定)に搭載されるX線CCDカメラ(XIS)は、当初4台全てに電極側からX線を入射させる表面照射型(FI)を採用する予定だったが、今年に入って4台中1台ないし2台はX線を電極の反対側から入射させる裏面照射型(BI)を用いることに変更された。ClやZnの特性X線を用いてBIチップの量子効率を測定した結果、96%@2.6keV、34%@8.6keV であり、FIチップの88%@2.6keV, 54%@8.6keV と比較すると電極層でのX線吸収がなくなる分、低エネルギーのX線に対する検出効率が大きく改善されていることがわかった。また、55FeX線源を用いて測定したBIチップの高エネルギーバンドでのエネルギー分解能は〜135eV@5.9keV と、FIチップとほとんど等しい値を示した。  一方でBIチップは低エネルギーX線を電極から遠い点で吸収するため、入射によって生じた電荷の拡散がFIに比べて大きくなる。この拡散の影響や、低エネルギーX線の検出効率を考慮すると、解析法や解析パラメータを最適化する必要が生じる。今のところ、イベント閾値を超えたピクセルを中心とした3×3ピクセル内の電子雲のパターンからX線イベントを認識し、そのパターン内に含まれる電子数から入射X線のエネルギーを算出する「Grade法」を用いて解析を進めているが、BIは低エネルギーX線の検出効率が大きく、イベントの広がりも大きいため、イベント閾値やスプリット閾値をFIに比べて低く設定する必要がある。本講演ではこれらのパラメータの最適値についての議論を行い、その他に読み出しノイズや、Bad column、Hot pixelの分布などについての解析結果を報告する。 1. X線CCDカメラ XIS 4. データ解析 1024 pixel X線CCDは撮像・分光にバランスのとれた、X線天文学における最も標準的な検出器 ‥‥ ASCA(日)、Chandra(米)、XMM-Newton(欧)に搭載された Astro-E2衛星(2005年打ち上げ予定)には4台のXISが搭載 ‥‥ 精密な位置決定ができる唯一の検出器 ・読み出しノイズ ‥‥電子回路起源のノイズ(放射能起源ではない) CCDの実際のピクセル数よりも多く      読み出しを行うことにより測定 露光領域 A B C D 1024 pixel CCDからの信号は256columnずつの4つのsegmentで別々に読み出される(右図)。左図はBI0で55Feのデータを取得中の各segmentの読み出しノイズの時間変動。 BI0, BI1ともに、どのsegmentも常に1.5-2ADU程度で安定していた。(データ取り始め数frameは除く) seg A seg B seg C seg D readout noise (ADU) 蓄積領域 読み出し口 ・Bad column ‥‥正しく転送が行われないcolumn      転送方向にtailを引くためGrade          法でふるい落とされる 各チップ各segment毎に Bad columnの数を右表にまとめた。 > 512 pixel → long < 512 pixel → short Astro-E2 衛星    CCDカメラ XIS CCD素子 longのうち大半は1024 pixel (column全体) に達する。 Bad column 2. FI CCDとBI CCD FI CCD seg B, seg C が視野の中心近くになるので、その意味でBI1がBI0に勝ると言える。しかしながら、 どちらも1024columnに対して高々20columnに満たないので、観測に深刻な影響は及ぼさない。 軟X線 硬X線 電極 FI (表面照射型):電極側からX線が入射 エネルギーの低いX線にとって電極部が 遮蔽物になる → 低エネルギーで検出効率が低い BI (裏面照射型):電極の反対側からX線が入射 → 低エネルギーでの検出効率向上 但し、電子雲が広がるため  エネルギー分解能は悪化 ・Hot pixel ‥‥常に高い波高値 (PH) を示すpixel      格子欠陥などの理由が考えられる。このようなpixelは観測には使えない。 FIでは正常な場合より2000ADU以上高いPHを示すpixelが数個あったが、 BIではこのようなものは見られなかった。その代わりに常に数10ADU程度高いPHを示す pixel (warm pixelと呼ぶ) がいくつか見られた。詳細については現在調査中。 光電吸収 BI CCD ・イベント閾値 (event th.)、スプリット閾値 (split th.) の最適化 軟X線 硬X線 Grade法 X線イベント ‥‥ grade0, 2, 3, 4, 6(左図)  黒いpixel ‥‥‥ event th.を超えたpixel  灰色のpixel ‥‥ split th.を超えたpixel これらより大きく広がったイベント → grade7(X線と見なさず除外) 電極 event th.の最適値は、BIチップがどれだけ低エネルギーのX線まで吸収できるかで決まる ‥‥京都大は高エネルギーのcalibrationを担当しているので単独では決められない → 大阪大、マサチューセッツ工科大の実験結果から最適値を決定 → event th. = 20 split th.については、ここでは京都大の結果だけから最適化を行う ‥‥取得したデータを各特性X線ごとに、いろいろなsplit th.を用いてイベント判定し、    検出効率、エネルギー分解能の変化を見る 上:両者の検出効率の比較 赤:BI CCD、 黒:FI CCD 右:SNR IC443を20ksec観測したときに 得られるスペクトルのシミュレーション (FI, BIともに1台あたり;赤:BI 黒:FI) 一般に‥‥ split th.が小さすぎる → 検出効率低下 (grade7が増えるため) split th.が大きすぎる → エネルギー分解能低下 (本来広がったイベント    をgrade0にみなすため) 検出効率 (%) エネルギー分解能 (eV) 3. 京都大 実験システム 左写真中央の真空チェンバ内にXISを設置。 XISには右側のチェンバからのX線または中央のチェンバ内、右側からのビームラインとは別の場所に設置されている55FeからのX線を照射できる。 写真左部および右下部に設置されたSSDはX線強度とスペクトルの校正用。 例:split th.と検出効率/エネルギー分解能の関係   上から、BI0-Fe, BI0-Zn, BI1-Fe, BI1-Zn 全データを総合して、 最適値を決定 → split th. = 14 ・検出効率、エネルギー分解能の測定   上の閾値を用いてイベント抽出し、そのスペクトルから検出効率とエネルギー分解能を測定   測定は全特性X線のデータに対して行った。下表にその   一部を示す。表はBI0のもの。(BI1と大きな差はない) 右側のチェンバからは、Al(1.5keV), Cl(2.6keV), Ti(4.5keV), Fe(6.4keV), Zn(8.6keV), Se(11.2keV)の特性X線および連続X線が得られる。つまり、京大では1.5keV以上のX線データの取得を行う。これより低エネルギーのX線に関しては、グレーティングを用いた大阪大の実験システムで取得し、両者の結果を合わせて応答関数を作成することが最終目標となる。 BIチップには2台のFlight modelが用意されており、 それぞれBI0、BI1という名前が付けられている。 京都大では、BI1のデータを6/4から6/9の6日間で、 BI0のデータを6/14から6/18の5日間でそれぞれ 取得した。 分解能はFIとほとんど同じ値を示した。(表の値はFWHM) (FI:ΔE〜130eV) 抽出された55Feのスペクトル (BI0) 5. まとめ ・ASTRO-E2に搭載用CCDカメラ(XIS)BIチップの性能評価を行った。 ・スプリット閾値等、各種解析パラメータを最適化。 ・検出効率は低エネルギー側でFIよりも優れる。 ・エネルギー分解能はFIとほぼ同じ値を示した。 BIとしては過去最高のレベルを達成。 右図:X線照射中のXISのイメージ(一部) 白く見えるのがX線イベント

More Related