190 likes | 324 Views
トレース画像に対応可能な 電子透かしの提案. 木下研究室 200703020 工藤敬文. 研究に至った背景. 現在、無断転載やトレース等が問題になっており、漫画等も電子書籍化が進む中、これらに対する著作権保護が必要 電子透かしによる著作権保護. 研究目的. 他人の描いたイラストをトレースし、自分のイラストとして発表する、盗作行為による著作権侵害を防ぐ手段を考える。 トレース画像からも透かし情報が取り出せるような電子透かしの手法を考え、それによりトレースされた画像の著作権の保護. トレース画像について.
E N D
トレース画像に対応可能な電子透かしの提案 木下研究室 200703020 工藤敬文
研究に至った背景 • 現在、無断転載やトレース等が問題になっており、漫画等も電子書籍化が進む中、これらに対する著作権保護が必要 電子透かしによる著作権保護
研究目的 他人の描いたイラストをトレースし、自分のイラストとして発表する、盗作行為による著作権侵害を防ぐ手段を考える。 トレース画像からも透かし情報が取り出せるような電子透かしの手法を考え、それによりトレースされた画像の著作権の保護
トレース画像について • トレース画像とは、トレーシングペーパー等を使い、上からなぞることで正確に線を写しとったものである。 • 似たようなもので模写があるが、模写は手本となるものを見ながら描いたもので、なぞったものではない。 • トレース画像において、色彩までトレースすることは、まずない。
漫画・イラストの現状 • 現在ではイラスト、漫画もデジタル作業で行なわれることが増え、プロの漫画家であってもPCで作業をする人も増えている。 • 現在では彩色はほとんどドローソフトにより行なわれている。 • ドローソフトの発達により、画像のトレースが非常に容易に出来るようになっている。
電子透かしの現状 • 写真などの多値静止画像に対する電子透かしは多く提案されている • 画像投稿サイトなどが増え、インターネット上で多く公開されている漫画やイラスト等の二値の線画像に対する埋め込み手法はあまり検討されていない • 多値画像に比べ静止画像は冗長性が少ないため、埋め込みが難しい
電子透かしの現状 • 電子透かしの基本的な手法として、人の目には感知できないレベルで色彩を弄り、それにより透かし情報を生成する。 • トレースすることにより透かし情報を埋め込んだ色彩は全て消えてしまうため、情報を取り出すことは出来ない。
提案方式 • 色彩による透かし情報の埋込みが不可能であるため、色によらない電子透かしの手法を考える必要がある。 • トレースする場合に写しとるのは基本的に線画像部分のみである。 • これらを踏まえた上で、線画像の形に対して透かし情報を埋め込む手法を提案する。
提案方式の処理フロー 自由曲線による原画像の近似、補正 自由曲線の数式データへ透かし情報の埋込み、補正 トレース画像に対し自由曲線で近似 透かし情報の抽出
自由曲線 • 方向や曲がり具合を自由に調整出来る曲線 • 代表的なものにベジエ曲線、スプライン曲線などが挙げられる。
スプライン曲線 • 与えられた複数の点を滑らかに接続する曲線 • 区分方程式で表現されているため、一部を変更しても曲線全体に影響を及ぼさない等の性質がある。
ベジェ曲線 • PostScriptフォントなどで採用されている曲線。 • 特に3次のベジェ曲線が多く使われている。PHOTOSHOP等のドローソフトにも使われている。 • 一般的には両端以外の制御点を通らない。 • スプライン曲線を使用した場合、近似する際に手ぶれを敏感に捉えてしまう恐れがあるので、今回の提案方式では3次のベジェ曲線を採用する
ベジェ曲線 三次のベジェ曲線は図で示すように、4つの制御点で構成されており、両端の制御点は端点、外側の2点は方向点と呼ばれている。この方向点の位置により、曲線の形が決定される。
ベジェ曲線 数式で3次のベジェ曲線を表現すると t=0の時、x=x1、y=y1になり、 t=1の時、x=x4、y=y4になる。
遺伝的アルゴリズム • 遺伝的アルゴリズム(Genetic Algorithm:GA)は自然界にいる生物の進化過程を真似て、プログラムを「進化」させるシステムである。 • つまりプログラムが遺伝情報によって淘汰されつつ進化する。 ~アルゴリズム概略~ 1.たくさんのエージェント(プログラム)をランダムに生成 2.どのエージェントが優れているか劣っているかを評価する 3.残ったエージェントをランダムに組み合わせたり(交叉)一部を変えたり(突然変異)して次の世代を作る 4.これを何度も繰り返す
今回の研究では手始めに単純な一本の曲線を対象とし、処理フローの初め部分、自由曲線による原画像の近似、補正を目的とする。今回の研究では手始めに単純な一本の曲線を対象とし、処理フローの初め部分、自由曲線による原画像の近似、補正を目的とする。 • 端点は今回は固定のものとする。二つの方向点を操作することで、ベジェ曲線の適切な近似を求める
具体的な近似の方式として、原画像の線をまずN等分する。そして制御点の位置を決め、作成されたベジェ曲線もN等分する。具体的な近似の方式として、原画像の線をまずN等分する。そして制御点の位置を決め、作成されたベジェ曲線もN等分する。 原画像のX番目の点をA点、作成されたベジェ曲線のX番目の点をB点とする。 A点とB点の評価
1番目からN番目までを比べていき、距離間の絶対値の合計が最も0に近いものを近似するベジェ曲線として採用する。1番目からN番目までを比べていき、距離間の絶対値の合計が最も0に近いものを近似するベジェ曲線として採用する。 この処理をクリアするために、制御点の位置を決める必要性があるのだが、今回はGAを用いてベジェ曲線の最適解を模索させる。
結論 今後の課題として • 実際に線を何人かになぞってもらい、トレース画像をベジェ曲線で近似した際に、制御点の位置のズレがどの程度発生するか、そのデータ集計 • その結果により電子透かしの埋込み方式の決定 • 今回の場合は端点の位置を固定のものとしたが、最終的には線の近似をする際に端点を決める方法を考える必要がある。