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犯罪心理になれよう 第10回. 行動計量学研究分野 B3 山本倫生. 文献. 犯罪学への招待 守山正 西村春夫 著 付録 犯罪学的研究の方法 6.予測. 本日のテーマ. 犯罪の予測パート2 以前お話した犯罪の予測についての補足 予測の対象場面 計量的予測法の作成と予測項目 犯罪予測のこれから. 犯罪予測. 歴史については以前紹介したので略。 元々、日本の経験科学的犯罪学は、グリュック夫妻の非行の早期予測法がもたらされたことから始まった。 客観的計量的方法 点数法、加重失点法、予測的属性分析法、重回帰分析法など. 犯罪予測(続). 否定論
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犯罪心理になれよう 第10回 行動計量学研究分野 B3 山本倫生
文献 • 犯罪学への招待 守山正 西村春夫 著 • 付録 犯罪学的研究の方法 6.予測
本日のテーマ • 犯罪の予測パート2 • 以前お話した犯罪の予測についての補足 • 予測の対象場面 • 計量的予測法の作成と予測項目 • 犯罪予測のこれから
犯罪予測 • 歴史については以前紹介したので略。 • 元々、日本の経験科学的犯罪学は、グリュック夫妻の非行の早期予測法がもたらされたことから始まった。 • 客観的計量的方法 • 点数法、加重失点法、予測的属性分析法、重回帰分析法など
犯罪予測(続) • 否定論 • 青少年は善と悪の間をフラフラしているのだから、将来の非行行動については読み取れない。 • 肯定論 • 規則的な拡大発達があるだろうから、予測は可能である。
予測の対象場面 • 個人の予測 • 集団単位の予測 • コミュニティ、社会、国家単位の予測 • 犯罪・非行の発達に関する理論の妥当性を検証する一つの方法を提供 …の以上4つが考えられる
1.個人の予測 • 親、学校の職員、専門家が個人について将来に関し、何かしらの意思決定をする場合。 • 初めて非行するか、再犯するかなど • 家庭、学校、警察、刑務所、量刑などで使える • ①計量的予測表を対象者に実施して予測、②発達犯罪学やコホートの研究の所見、予測表の結果、診断者の経験を織り交ぜて、総合的診断方式で予測
2.集団単位の予測 • その集団にはどの程度の予防的方策を実施すべきかを考える場合。 • あるタイプの集団は、将来どの程度の者が、どんな種類の犯罪をするかについて、説明資料を提供。 • 例:住宅団地の子どもの非行化率はA,B,C,Dの四つの要因で予測すると、予測の精度は85%になる
3.コミュニティ、社会、国家単位の予測 • 地域での、将来の犯罪の増減を知りたい場合。 • ここでの犯罪は犯罪率で表される指標である。
4.理論の妥当性検証のための一つの方法を提供4.理論の妥当性検証のための一つの方法を提供 • 予測研究が有用だとしたら、それは犯罪・非行の原因に関する理論の妥当性を調べるのに使えるからである(ファーリントン, 1976)
計量的予測法の作成と予測項目 • 科学警察研究所作成の予測表(6ヶ月予測)を例に • 計量的予測法のために • 被験者の選定と調査 • 再非行の追跡 • 予測法の試案作成 • 試案の試験的実施 • 試案の予測能力の検討 • 予測法の完成 …以上6段階を経る
①被験者の選定と調査 • 調査適格の対象少年が検挙されしだい、調査票の回答を求めること • 予測項目の候補となる80項目 • 担当警察官が記入する項目と少年が回答する項目がある
②再非行の追跡 • 調査された少年の氏名は作成の警察署に6ヶ月間留め置かれる • 調査後6ヶ月経過したところで、再非行のあった少年の氏名が科警研に通報される
③予測法の試案作成 • 調査対象者を再非行群と非・再非行群に分ける • 両群間で差異のあるものの中で10項目前後何回か選ばれ、そのつど、数量化Ⅱ類の判別分析にかけて検討 • 最終的に予測法試案用紙が作られる
④試案の試験的実施 • 試案用紙を再び警察で実施し、記入された試案用紙は科警研に送られる
⑤試案の予測能力の検討 • 6ヶ月後再非行の有無が科警研に通報されたら、試案がどの程度正確に再非行を予測できたかの検証
⑥予測法の完成 • 最終的に予測項目が決定される • この予測法は科警研報告防犯少年編の論文の段階にあり、実際は使われていない • 次スライドに記載
予測7項目レンジ • 過去1年間の家出(あり、なし) 70 • 現在一緒にいる父母(祖父母、実父か実母、実父母、継養父母) 67 • 過去1年間の怠学(月2回以上、月1回以下、なし) 63 • 年齢(14歳、15、16、17、18-19) 59 • 非行の罪種(自動車盗・バイク盗、恐喝・強盗、暴行・傷害・脅迫、以下略) 43 • 家族間の問題行動の有無(あり、なし) 33 • 非行の動機(憂さ晴らし、とくになし、自己消費、その他、友人と面白くやるため) 17
数量化理論 • 数量化理論 • 林知己夫により提唱されたカテゴリーデータを対象とした多変量解析手法。 • 数量化Ⅰ類~Ⅳ類の4種類ある
数量化Ⅱ類 • カテゴリーデータを説明変数として群を判別する。ダミー変数を用いる判別分析と等価な解析手法 • 説明変数Xi(i = 1, 2, …, p)がそれぞれmi個の選択肢を持つ。各選択肢が選ばれれば1、選ばれなければ0をとるような∑mi個の変数Cij(i = 1, 2,…, p; j = 1, 2,…, mi)を定義する。
数量化Ⅱ類(続) • ここで各カテゴリーに特定の数値aij(i = 1, 2, …, p; j = 1, 2, …, mi)を割り当て、S = ∑∑aijCijというサンプルスコア(判別値)を計算して各ケースがどの群に属するかを判別しようと考える。 • ただし、各説明変数において1個ずつカテゴリーを消去した判別分析を行う。 • 各カテゴリーに与える数値は、各説明変数ごとに平均値が0になるよに正規化されて利用される。
現在の犯罪予測 • グリュックの一般少年の早期非行予測は、日本の犯罪学に驚きを与え、追試が多数なされた • が、その後客観的な計量的予測は人気が無い • 当たらなかった場合の害悪の大きさに対する配慮 • 確率の数字で予想することへの心理的抵抗(全人間的に総合的に予測すべきであり、数字での予測は人間を断片化するという見解がある) • 予測法がそれほど完璧でないことへの懐疑
犯罪予測の未来 • 予測の精度を飛躍的に上げ、完全な予測法の完成は現在簡単には望めず、計量的予測法を正面切って使うのは困難 • 穏やかな予測は今後も発展していくだろう
穏やかな予測 • 計量的予測表を実施して個人を得点で決めつけずに、その結果を予測的情報として使う • その知見を主観的総合的予測の補強に使う • 発達的、追跡的な研究法に使用 • リスク因子の考え方
まとめ • 予測には客観的な計量的予測と主観的な総合的診断法がある • 科警研でも予測の研究がなされている(再非行予測) • 現在、予測は人気が無いが、穏やかな予測は今後も発展していくであろう
感想 • やっぱり犯罪予測は人気が無いことに落胆 • でも科警研でも研究していたことになぜか親近感がわく • 予測法の精度が上がればもっと人気も出るのではと思ってみたりする • 本文中に誤り(誤植)発見!