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支流. 本流. ・調査内容. 河道内の砂州において草本類、木本類が 生い茂り、 樹林化の進行事例が日本各地で報告されている。. 樹林化原因の 1 つ ― 土壌の粒径分布による差. 環境条件としての、土壌条件の違いによる植生分布,生長度を把握する. 砂州上の約 90 地点から土壌サンプルを採取 土は上層、下層に分けて採取し、同時に植物、リターも採集した. 有益な点. 問題点. ・河川における緑地の拡大 ・河川敷などの侵食抑制. ・ 洪水時の災害誘発、洪水流下 能力の低下による水面上昇 ・繁殖力旺盛な外来種樹木の侵入定着により在来植物の駆逐 ( 生態系の変化 ).
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支流 本流 ・調査内容 河道内の砂州において草本類、木本類が生い茂り、樹林化の進行事例が日本各地で報告されている。 樹林化原因の1つ―土壌の粒径分布による差 環境条件としての、土壌条件の違いによる植生分布,生長度を把握する 砂州上の約90地点から土壌サンプルを採取 土は上層、下層に分けて採取し、同時に植物、リターも採集した 有益な点 問題点 ・河川における緑地の拡大 ・河川敷などの侵食抑制 ・洪水時の災害誘発、洪水流下能力の低下による水面上昇 ・繁殖力旺盛な外来種樹木の侵入定着により在来植物の駆逐 (生態系の変化) 研究室に持ち帰り,土壌粒径,含水率,栄養塩,バイオマスを求める Fig.3Sediment with grain size Fig.4Sediment with grain size ・研究概要 ・分析内容 樹林化原因の1つ―堆積したリターによる土壌内栄養塩の促進 埼玉県熊谷市付近を流れる荒川中流部に位置する熊谷大橋上流の砂州で実施。 各リターを設置し、土壌への栄養塩の浸透していく過程やリターが腐敗していく過程を比較、考察していく。設置場所には、礫質土壌と細粒土壌を選択し、土壌条件の違いが与える影響にも着目する。定期的に土壌とリターのサンプルを回収して分析を行う。 Fig.1Sediment barin the Arakawa River Fig.2Forestation on the sediment bar Fig.7A look of samples 樹林化が進行している砂州において、樹林化の状況や拡大を把握し、その原因を解明して、今後の樹林化の動向を把握することを目的とする。 ・土壌内の栄養塩(TN,TP,TC),重量含水率 ・リター重量,リター内の栄養塩濃度(TN,TP,TC) Fig.6Kudzu Fig.3Salix.spp Fig.5Phragmites Fig.4 Robinia ・結果 砂州の等粒径線図 採取した土壌のD50(mm)粒径の値と、実際に自分で砂州を歩きGPSを用いて粒径境界線を引いた図を参考にして、これら2つのデータから等粒径線図を作成した。 Fig.8 Sediment grain size Fig.10Under the samples 作成した等粒径線図に植生分布を加える。 粒径の細かいエリアでは、植生が集中している。 粒径の荒いエリアでは、ほとんど植生がない。 Fig.9 Sediment grain size Fig.11Under the samples リター設置場所の上層と下層における粒径加積曲線。細粒土壌の地点では粒径1mm以下の割合が90%を占める。礫質土壌の地点では1mm以上の割合が70%を占める。 Fig.12粒径分布による栄養塩の違い リター設置前の土壌含水率。 粒径分布の違いからは、あまり差は見られない。 上層と下層では、下層の方が含水率が大きい値を示し、上層の1.5倍~3倍となっていた。 Fig.12Containing water in soil Fig.16TN Fig.17TN Fig.19TN 土壌とリターの窒素含有率。 細粒土壌の上層において、ヤナギのTN値が大きく上昇した。他の土壌は値を大きく変えたところはなかった。リターのTN値はヤナギが僅かに減少し、他の3種は設置前とほぼ変わらない値を示した。 設置前のリター重量を100%とした。ヤナギ、クズは減少が速く、リターが分解される進行速度が速い可能性がある。 Fig.15A decrease in weight Fig.18TN Fig.20TN ・考察、課題 粒径分布と植生分布から確かな相関が見られた。粒径の細かいエリア(砂)は、植生が集中しているが、逆に粒径の荒いエリア(礫)では、ほとんど植生がない。 また、粒径分布別に分けた土壌含水率からも、粒径が細かくなるにつれ含水率は大きい値を示しているので、粒径の細かいエリアは植物が生長しやすい環境であるということがわかる。これから、粒径分布毎の土壌栄養塩(TP,TN)も比較して、相関を深めていく。出水後、もう一度同じ調査を行い、砂州の粒径分布の変化を調査し、植物の植生、生長速度を把握する。今後、土壌粒径による植物の生長速度の差を本モデルに組み込むことで、樹林化の分布拡大、もしくは衰退の評価を進めていく。 土壌含水率は、リター設置後の方が全体的の上昇している。リター設置後は上層と下層の値にそれほど差は見られなく共に大きい値を示した。土壌の窒素含有率は細粒土壌のヤナギの値が大きく上昇していた。その原因として考えられるのは、細粒土壌の上層で一番栄養塩が浸透しやすい環境であったこと、リター重量減少率もヤナギが比較的大きい値を示し、リターの分解速度が速いと予測されること、リター自身の窒素含有率も僅かに減少していること,などが挙げられる。このヤナギは分解されるのが速く栄養塩の浸透が速いというのは、まだ仮説であり、証明できる段階ではない。そのため今後も、引き続き定期的に経過を調べていく必要がある。窒素以外の栄養塩要素としてリン含有率の変化も分析していく。