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前回授業の補足説明 企業(非金融法人企業)部門の資金過不足 企業の貯蓄=企業所得 =企業収益の内部留保+減価償却 なぜ、企業所得に減価償却を含めて、資金過不足を計算するのか? 減価償却 固定資産の年々の資本減耗分を事業のための費用として処理すること 本来的には企業の所得ではない. 国民経済計算( GDP 統計)のやり方に合わせる 国民経済 計算も部門毎の資金過不足(資金循環統計)も経済全体の状況を捉える統計 G ross Domestic Product (国内 総 生産)=国内の生産活動で生み出された付加価値(=所得) の 総額
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前回授業の補足説明 • 企業(非金融法人企業)部門の資金過不足 • 企業の貯蓄=企業所得 • =企業収益の内部留保+減価償却 • なぜ、企業所得に減価償却を含めて、資金過不足を計算するのか? • 減価償却 • 固定資産の年々の資本減耗分を事業のための費用として処理すること • 本来的には企業の所得ではない
国民経済計算(GDP統計)のやり方に合わせる • 国民経済計算も部門毎の資金過不足(資金循環統計)も経済全体の状況を捉える統計 • Gross Domestic Product(国内総生産)=国内の生産活動で生み出された付加価値(=所得)の総額 • 付加価値(=所得)を計算する時、生産額から中間投入物は差し引くが、減価償却(資本減耗)は差し引かないので、減価償却の分も含まれている • 企業にとって利用可能な資金という観点 • 原材料費等は実際の現金の支出を伴う費用であるが、減価償却費は費用ではあるが、現金支出を伴っておらず、その資金は企業が自由に使える。
証書・証券の流れ • 直接金融(→)と間接金融(⇒) 間接証券 本源的証券 金融仲介 機関 資金不足 主体(企業) 資金余剰 主体(家計) 本源的証券 ・
投資信託も間接金融 • ○投資信託の仕組み 資金 投資 投資家 投資信託 証券市場等 収益分配 投資収益
投資信託 (不足主体) 企業 (余剰主体) 投資家 有価証券 投信受益証券 証券市場 ・投資信託における資産変換 ある程度大きな金額の証券を発行して資金調達したい企業 のニーズと、小口資金を多くの企業に分散投資したい投資家の ニーズとのギャップを、資産変換を通じて埋める
○証券化も間接金融(資産変換が行われている)○証券化も間接金融(資産変換が行われている) ・資産変換: 債権譲渡 (優先債と劣後債) (不足主体) 債務者企業 企業向貸出 負債・資本 企業向貸出 A B S (余剰主体) 投資家 証券市場 借入証書 銀行・ノン バンク SPC(特別 目的会社) ・Special Purpose Company ・Asset Backed Security(資産担保証券)
直接金融において証券会社は、本源的証券の発行体と投資家直接金融において証券会社は、本源的証券の発行体と投資家 の間で仲介的役割を果たしている。⇒間接金融との違いは何? • 銀行と証券会社 間接証券 本源的証券 金融仲介 機関 資金不足 主体(企業) 資金余剰 主体(家計) 銀行等 証券会社 本源的証券
(金融仲介機関ではない) • 資金調達主体が発行した証券を資産変換することなく、そのまま投資家に販売しているだけ • 証券会社: • 銀行・投資信託委託会社: • 本源的証券を原料として、間接証券という資金提供者向けの製品に加工(資産変換)している。
○証券化における資産変換 ・ • ・ サブプライム住宅ローンの証券化RMBS(住宅ローン担保証券) • ・RMBSを再度証券化した CDO(債務担保証券):ABSCDO IMF. Global Financial Stability Report April 2008 p.60
優先劣後構造:証券化によって発行される複数の証券に弁済の順序付けが行われること優先劣後構造:証券化によって発行される複数の証券に弁済の順序付けが行われること • 優先劣後構造の数値例 • 格付のランク付けを以下のように仮定する • 格付:発行される債券のデフォルト(債務不履行)リスクの評価・ランク付け • A:1年間のデフォルト確率1%未満 • B:1%~6% • C:6%以上 • ローンaとローンbをプールして証券化する • ローンa、ローンb共に返済期限が1年後で、元利返済額が共に1000万円 • 共にデフォルト確率5%、両者に相関がない(統計的に独立)、デフォルトした場合返済額はゼロ • ローンa、b共に格付はB
・ローンa、bをプールした全体の元利返済状況は、・ローンa、bをプールした全体の元利返済状況は、 以下の 4つのケースとなる。
ローンa、bをプールして、それを裏付け担保とする証券化を考える。ローンa、bをプールして、それを裏付け担保とする証券化を考える。 • 証券化により優先債と劣後債の2種類の • 優先債:担保資産からのキャッシュフローを優先的に1000万円を受け取ることのできる権利 • 劣後債:優先債への支払いが行われた後、1000万円を受け取ることのできる権利 • 優先債のデフォルトはケース④のみ、デフォルト確率:0.25% ⇒ • 劣後債のデフォルトはケース②、③、④で発生、デフォルト確率9.75% ⇒
・優先債のキャッシュフロー 99.75%の確率で1000万円 0.25%の確率で0円 格付:A ・ローンのプールと優先劣後構造 SPCのB/S ローンa 優先債 プールされ たローン 劣後債 ローンb ・劣後債のキャッシュフロー 90.25%の確率で1000万円 9.75%の確率で0円 格付:C ・ローンa、b の キャッシュフロー 95%の確率で1000万円 5%の確率で0円 格付:B ・キャッシュフロー 90.25%の確率で2000万円 9.5%の確率で1000万円 0.25%の確率で0円
証券化における資産変換 • 個々の企業の借入証書が証券化SPCを通じて、より信用度の高い証券(優先債)とより信用度の低い証券(劣後債)とに資産変換されている: • 優先債はローリスク・ローリターンを望む銀行・保険・年金等に販売され、劣後債はハイリスク・ハイリターンを望むファンド等に販売される:
・優先債:ローリスク・ローリターン 劣後債:ハイリスク・ハイリターン・優先債:ローリスク・ローリターン 劣後債:ハイリスク・ハイリターン • ローンa、bそれぞれの元本を900万円、金利を100万円とする(1年後に元利1000万円を受け取れる)。 • 優先債、劣後債をそれぞれ10枚に分ける • 1枚100万円を受け取ることのできる権利 • 優先債1枚=97万円、劣後債1枚=83万円で売出す • 債券発行総額:97万円×10+83万円×10 =1800万円:ローンの元本総額
優先債: • 利率=(100-97)/97=0.0309(3.09%) • 期待収益率=(0.9975×100万円+0.0025×0円)÷97万円 • =1.0284 (2.84%) • デフォルト確率: 0.25% • 劣後債: • 利率=(100-83)/83=0.2048(20.48%) • 期待収益率=(0.9025×100万円+0.0975×0円)÷83万円 • =1.0873 (8.73%) • デフォルト確率: 9.75%