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2005/03/04. 中央走行方式バス導入による. 効果の事後評価. 名古屋大学大学院環境学研究科 加藤 博和 名古屋大学工学部 ○清水 一大 名古屋大学大学院環境学研究科 福本 雅之 名古屋大学大学院環境学研究科 竹下 博之. 背景. モータリゼーションの弊害を緩和するための 「競争力の高い公共交通網の整備」の必要性. 新たな基幹的公共交通サービスの1つとして. 基幹バスシステム. 道路中央にバスレーン を設置. → 左折車両、駐車車両の影響がなく高速運行を可能に. → 都市全体への基幹的公共交通の整備を可能に.
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2005/03/04 中央走行方式バス導入による 効果の事後評価 名古屋大学大学院環境学研究科 加藤 博和 名古屋大学工学部 ○清水 一大 名古屋大学大学院環境学研究科 福本 雅之 名古屋大学大学院環境学研究科 竹下 博之
背景 モータリゼーションの弊害を緩和するための 「競争力の高い公共交通網の整備」の必要性 新たな基幹的公共交通サービスの1つとして 基幹バスシステム 道路中央にバスレーン を設置 →左折車両、駐車車両の影響がなく高速運行を可能に →都市全体への基幹的公共交通の整備を可能に 低廉な建設費(3億円/km)
基幹バス新出来町線 高性能 東部郊外 名古屋都心と東部郊外を結ぶ路線 都心部 1985年4月30日運行開始 市交通局と名鉄バスが共同で運行 1日利用者数24,898[人/日](H.14) 市幹線バス平均6,700[人/日] 表定速度19[km/h] 市バス平均13[km/h]
背景 しかし!! 国内の追随事例はない その理由として・・ ・導入に制度的問題がある ・評価は導入後2、3年の分析にとどまり、長期にわたる分析がない ・有効性を定量的にアピールできていない
研究の目的 ・中央走行方式バス導入による利用者や沿線地域に与えた効果の定量的な評価
本研究の位置付け ≪従来の分析≫ 関係主体によって評価が分かれている →客観的な視点で分析
分析項目 1.レーン設置で道路の性能(容量・速度)は 1.下がったのか 2.沿線にバス利用を促しているのか 3.沿線に人を呼び込めたのか 4.遅れることなく定時に来るのか
1.道路の性能(容量) 道路を通過できる人数(=道路断面通過可能人員)で比較 自動車の通過可能人員は大きく減るが、全体で見れば通過可能人員は増加している 容量に関して道路の性能が向上している
1.道路の性能(速度・輸送量) 旅行速度・通過人員の関係 〈H.11 道路交通センサス〉 道路 新出来町線(40km/h制限、自動車のみ) 新出来町線 ピーク時平均旅行速度[km/h] 全体平均 19.8km/h 名古屋市内の片側3車線道路 全体平均3,543人/h 速度・輸送量共に平均値並 →レーン設置による速度への影響は少ない →基幹バスを含めると、多くの人の移動が可能に
2.沿線と利用者数の関係(バス利用率) ・実際のバス利用者と平均値の乖離を見る →沿線にバス利用をどのくらい促すか 平均ポテンシャルの推計:バス路線乗車人員説明モデル (1997,名古屋市) Y(乗車人員[人/日]) = 0.29005Xi : バス停勢力圏居住人口[人] +0.52395Xii : バス停勢力圏通学者(集中側)[人] +858.495Xiii : 乗り換え接続駅地下鉄降車人員[人/日] (自然対数変換) +595.872Z2 : 実質系統長[km/本] +6586.02Si : 年間運行回数[本/年]/バス停勢力圏居住人口[人] (自然対数変換) -28998 : 定数項
左上にあるほど実際の利用者数が推計値より多い(バス利用率が高い)左上にあるほど実際の利用者数が推計値より多い(バス利用率が高い) 右下にあるほど実際の利用者数が推計値より少ない(バス利用率が低い) 利用者数の実績値と平均値 沿線ポテンシャルに対する利用者数は多い (2000年度) 基幹構想路線 (一般バス路線) 新出来町線には沿線にバス利用を 促す効果があることがうかがえる
開業時にはバス停付近の人口上昇が見られる 3.沿線の人口増加率 沿線人口(バス停500m圏)と周辺人口(500m-1000m圏)の10年人口増加率 開業後は周辺地域より減少率は小さいもののバス停付近の人口が減少している 沿線地域 +4.55ポイント差 周辺地域 +1.67ポイント差 人を呼び込む効果はあったが、住民を固定するまでには至らなかった
4.定時からの遅れ 都心部方面行き(上り) 朝ピーク時(2005年1月25日7:30-9:00) 東郊線に比べ車線数が少ないにも 関わらず、定時からの遅れが少ない
まとめ 1.バス専用レーン設置により自動車利用者の 1.道路断面通過可能人員は減るがバスも含めた 1.道路全体の通過可能人員は増加する 2.中央走行方式バスの利用者数は沿線ポテンシャル 2.から推計されるバスの平均乗車人員より多い 3.中央走行方式バスの沿線の人口増加率は 3.周辺地域に比べ高いが人口を呼び込めていない 4.中央走行方式バスは、定時からの遅れが少ない