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2014/3/6 第 17 回 若手科学者による プラズマ研究会 嶋村耕平 (D3) 、 ジョセフオフォス、小紫公也 東京大学新領域創成科学研究科 先端エネルギー工学専攻 小泉宏之 東京大学先端科学技術研究センター. レーザー誘起プラズマにより生成する衝撃波を 利用した宇宙推進器の研究. 発表 内容. レーザー推進機の推力発生機構解明 流体可視化・プラズマ診断 エネルギー変換に関する研究成果 まとめ. レーザー推進 ( 地上宇宙間 ) と2つの推進 方式. 圧力変換方式 ( Myrabo )
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2014/3/6 第17回 若手科学者による プラズマ研究会 嶋村耕平(D3)、ジョセフオフォス、小紫公也 東京大学新領域創成科学研究科 先端エネルギー工学専攻 小泉宏之 東京大学先端科学技術研究センター レーザー誘起プラズマにより生成する衝撃波を利用した宇宙推進器の研究
発表内容 • レーザー推進機の推力発生機構解明 • 流体可視化・プラズマ診断 • エネルギー変換に関する研究成果 • まとめ
レーザー推進(地上宇宙間)と2つの推進方式 • 圧力変換方式 (Myrabo) • レーザープラズマにより誘起される衝撃波を推力に変換(Pulse Detonation Engine 作動) • 大気の推進剤利用が可能 • 推進剤供給ポンプシステム等が不要となり、シンプルなシステム • 熱変換方式 (Kare, Parkin等) • レーザーやマイクロ波で推進器下部の熱変換器を加熱 • 水素等推進剤が加熱され、ノズルを用いて加速・排気 地上打上げイメージ図 • 地上からのエネルギー供給 • 複雑なシステムは地上,メンテナンス容易 • 高ペイロード比、簡素な推進器の実現 • レーザー推進コストは化学推進の1/10 SSTO: single-stage-to-orbit
PDE作動は熱変換型に比べて高効率 Energy Conversion Thrust Generation Air Intake • PDEはエントロピー生成量が高く、熱効率に優れたサイクル Ignition Thrust • LSD (laser-supported detonation) によってレーザーエネルギーは圧力波へ変換 LSD Wave Blast Wave Laser 4→1 2→4 1→2 1 PDE型レーザー推進器サイクル デトネーションサイクル(0→4)は定圧燃焼サイクル(0→4’’)より高効率(熱量同じ)
衝撃波面 プラズマ Laser LSD Laser LSD維持後 「レーザー駆動デトネーション」とは • LSD • プラズマが衝撃波面に追随して伝播 • レーザーは衝撃波の近傍のプラズマに吸収され、レーザーは効率的に爆風波エネルギーへ変換 面積当たりレーザー強度の減少 • LSD維持後 • プラズマと衝撃波面が離れていく • レーザーから爆風波へのエネルギー変換はない • レーザー照射時間は数マイクロ秒程度、伝播速度は数km/s • 瞬間的に高温、高圧な現象のため定量的な測定が困難で、検証すべき実験結果が存在しない
高速・高分解能計測の必要性 • 極めて高速かつ非定常なデトネーション計測に対応した以下の3つの計測手法を確立 • ナノ秒オーダーの瞬間現象を測定可能な検出器(ICCD)を使用し、TTL回路でこれら実験系を同期 • レーザーシャドウグラフ法: • 衝撃波・プラズマの伝播履歴を密度変化から可視化 • 2波長マッハツェンダー干渉法: • 中性粒子密度、電子密度を干渉縞の移動量から得る • プラズマ発光分光計測法 • プラズマのスペクトル線から電子温度を得る
炭酸ガスレーザーの発振特性 • 炭酸ガスパルスレーザーはレーザー推進研究に最も広く使用されている • 波長10.6 um, 10J 発振。ビーム分布はガウシアンとトップハット • デトネーション限界は1-2 us, 5 usまでレーザー発振
レーザーシャドウグラフ法 5 mm 衝撃波 プラズマ ターゲット シャドウグラフ法 レーザーシャドウグラフ構成図例* 手法:気体の密度変化による光の影を投影して撮影 応用例:屈折率の急激な勾配のある衝撃波の観察に有用
マッハツェンダー干渉計について マッハツェンダー干渉計構成図例* 手法:光路を2つに分けて、位相差(干渉縞)を作る 応用例:流体の可視化、圧力測定等に有用
集光ミラー CO2 Laser@10 J ビーム スプリッタ ミラー ミラー テストチャンバ ミラー 473nm 785nm ビームスプリッタ
ビーム スプリッタ バンドパスフィルタ ミラー 473nm ミラー 785nm ミラー ICCD カメラ
プラズマ発光分光計測法 波長380-600 nmにおけるスペクトル分布
プラズマ内部診断結果の例 Laser • 干渉実験から得られた中性粒子と電子の密度及び、分光実験から得られた電子温度の結果 • カメラ露光時間はすべて100ns. • 様々な形状と実験条件においてプラズマ密度・温度を調べた Shock Shock 電子密度、温度、中性粒子密度分布
エネルギー変換に対する疑問 • どれだけのエネルギー変換が可能なのか? • エネルギー変換効率は? • 変換効率はどのように決まるのか? • どのようにエネルギーは変換されているのか? • 燃焼現象とそもそも何が違うのか? • レーザーでデトネーションはどのように駆動しているのか?
爆風波へのエネルギー変換(1/2) レーザーエネルギーの変換内訳 レーザーエネルギーから爆風波への変換プロセス • 爆風波へのエネルギー変換効率は波長10 mmで40%程度 (Mori, 2004) • デトネーションの伝播限界がエネルギー変換効率を決めている • デトネーション限界以下で、照射されるレーザーエネルギーは損失 • このLSD限界を特定し、よりパルスに対して長い時間維持できれば効率が上がる
固体レーザー(1mm)発振時のエネルギー変換効率 (2/2) • 従来は米国スターウォーズ計画に利用されてきた10mmレーザーを利用想定したレーザー推進の研究が進められてきた • レーザー核融合に使用されている波長帯は大出力化の開発が目覚ましい • 通常短波長ではレーザーの吸収効率が悪く、エネルギー変換効率も下がると考えられてきたが、固体レーザーの有用性が確認された 固体レーザーと炭酸ガスレーザーの比較 固体レーザーの開発ロードマップ
エネルギー変換に対する疑問 • どれだけのエネルギー変換が可能なのか? • エネルギー変換効率は? • 変換効率はどのように決まるのか? • どのようにエネルギーは変換されているのか? • 燃焼現象とそもそも何が違うのか? • レーザーでデトネーションはどのように駆動しているのか?
衝撃波近傍で1023 m-3程度の電子密度を確認 プラズマの輻射による種電子が衝撃波前方に生成している 放電面の伝播がデトネーションを駆動していることが明らかに。 燃焼反応駆動衝撃波とレーザー駆動の違い(1/2) Trigger Push 燃焼駆動デトネーションの1次元伝播 Filipe Carvalho,2012
電子電離と輻射計算による伝播速度(2/2) • プラズマの輻射強度を分光実験の結果を利用し、速度を計算。 • 別のシャドウグラフ実験との結果が計算結果と一致した。 ガス 波長 11mm Air 1mm Argon 分光実験 1mm Air シャドウグラフ 1次元の放電面での輻射計算 実験と解析の速度を比較
研究結果のまとめ • 発振波長によらずエネルギー変換効率は約40% • ガラスレーザーは核融合等で利用され、開発が進められている。 • 短波長は吸収効率が悪いが、変換効率に影響は無かった。 • 衝撃波と放電波面の伝播 • 衝撃波に先行して放電面が伝播している。 • 放電波面の伝播速度は電離反応と輻射輸送から説明可能 B. Wang,et al, “Energy conversion in a glass-laser-induced blast wave in air,” J. Appl. Phys., vol. 108, no. 12, Dec, 2010 K. Shimamura et.al, Internal Structure of Laser Supported Detonation Waves by Two-Wavelength Mach-ZehnderInterferometer. J. appl. Phys. 109 (2011) K. Shimamura et.al,. Precursor ionization and propagation velocity of a laser-absorption wave in 1.053 and 10.6 μm wavelengths radiation, IEEE Transactions on Plasma Science, Oct. 2014 (Accepted)
セミナー内容 • レーザー推進機に関する研究(25-30分) • レーザー推進研究の必要性 • エネルギー変換の実験的研究 • エネルギー変換効率, 伝播メカニズム, • JAXA, 他大学との共同研究(2分) • 今後の研究方針(8分)
イオンエンジン内部のプラズマ診断 月崎竜童 他, マイクロ波放電式イオンエンジンμ10の推力増強と準安定中性粒子の空間密度分布との関係, 日本航空宇宙学会論文集, Vol. 60, No. 3, pp. 141 – 147, 2012. はやぶさに搭載されたイオンエンジン ・エンジン内部の形状や推進剤投入方法による推力向上が目的 ・各種分光法を利用し推進器内部のプラズマ状態を把握 一部写真はJAXAホームページより引用
大学間協力研究 • パルスプラズマスラスターのプラズマ診断(独:シュツッツガルト大学) • 発光分光法や干渉法で推進器内部のプラズマ温度・密度を計測 • 主にドイツ人院生への実験指導を担当 T. Schonherret al., “Characteristics of plasma properties in an ablative pulsed plasma thruster,” Physics of Plasmas, vol. 20, no. 3, pp. 8, Mar, 2013. • レーザー推進器連続発振による推力低下(名古屋大学) • 連続パルス動作における換気不良と推力低下の関係を解明。 • 主に学部生への実験指導を担当 • 超音速航空機の抗力低減(帝京大学) • レーザー誘起衝撃波で航空機先頭の流れを制御。 • 東大柏の極超音速風洞を利用し、主にレーザー発振やシュリーレン可視化実験の学部・院生を指導を担当。
セミナー内容 • レーザー推進機に関する研究(25-30分) • 宇宙開発とレーザー推進研究 • 高速・高分解能計測の必要性 • エネルギー変換に関する研究成果 • JAXA, 他大学との共同研究(2分) • 今後の研究方針(8分) • 電磁デトネーション型エネルギー変換器の研究
今後の移動体への電力伝送は小型軽量受電システムが必須今後の移動体への電力伝送は小型軽量受電システムが必須 • 電気自動車や電車が再評価されているように近年「電気駆動」が注目 • 電力伝送技術は、航空宇宙機等の高ペイロード比(初期重量に対する貨物質量)化に向けた有力な手段 • 移動体へのエネルギー伝送にはアンテナは不向き(高効率な反面、大面積を要し搭載が容易ではない) 模型飛行機への電力伝送実験 ジェット機を飛ばすのには膨大な量のアンテナやパネルが必要 (京都大学生存圏99’) 一部写真はJAXAホームページより引用
「電磁デトネーション型エネルギー変換器」の可能性「電磁デトネーション型エネルギー変換器」の可能性 特徴 • エネルギー供給源は外部にあるためコンパクトかつ簡素なシステム • レーザーは指向性が高く、長距離伝播向き 最終的なアウトプット • 電磁デトネーション変換システムの商業利用の検討(航空機、離島間、惑星間エネルギー伝送) • レーザーロケットによる宇宙大量輸送システムの設計・開発への応用 航空機への応用 本島と遠く離れた離島へ 新惑星探査のエネルギー源 一部写真はJAXAホームページより引用
研究期間内に何をどこまで明らかにするのか • 変換効率の限界は何によって決まるのか? • 変換器の効率特性の解明 • デトネーションの伝播で放電面が常に先行しその先頭における種電子の生成が、変換効率の限界を決めると考えられる • 放電面先頭や境界付近においては非平衡性が強くなり、正確な伝播限界を知るのには数値計算コードが必要 • 変換効率を上げるためには? • 作動ガスの最適化による変換効率向上 • 放電面の伸長はプラズマからの輻射輸送で決まる • 希ガスは核電荷が大きいため輻射強度が高く、電離しやすく、放電面の進展を長く保つことが期待できる
研究計画・方法 • 輻射流体モデルの構築と数値シミュレーション • 長距離伝播する輻射、中距離輸送を担う流体、そして微視的スケールの原子過程と多階層のモデル • 輻射輸送は名大・酒井准教授のLine by line法を、流体と原子過程の計算はJAXA(現山口大)・葛山助教授のコードをベースに開発中。 • デトネーションの伝播を1次元,2次元の順に再現、検証する • 希ガスを利用した作動ガスの変換効率測定(東大との共同研究) • 繰返し作動する変換器の効率向上を目指す • 繰返発振レーザーと小型チャンバ(購入予定)を利用したエネルギー変換効率の測定@筑波大 • 単作動での各種プラズマ診断計測機器を利用したエネルギー変換のメカニズム解明@東大
研究計画・協力関係フローチャート(1/2) 平成26年度 1D輻射流体コードの開発 レーザーデトネーションの伝播限界の解明 1D輻射流体コードの検証 平成27年度 平成28年度 2D輻射流体コードの開発 レーザーデトネーションの伝播限界の解明 希ガス中での変換効率の測定@東大(筑波大)
研究計画・協力関係フローチャート(2/2) 平成29年度 希ガス中での変換効率の測定@東大(筑波大) レーザーデトネーションの伝播限界の解明 2D輻射流体コードの検証 小型軽量なエネルギー変換器、推進器の提案、変換器モデルの実験的検証 電磁デトネーション物理モデルの提案・検証 平成30年度 レーザーロケットによる宇宙大量輸送システムの設計・開発への応用 電磁デトネーション変換システムの商業利用の検討 最終的なアウトプット
Laser Propulsion 電磁デトネーション型エネルギー変換器の描く未来予想図 Space transportation!! Deep space exploration Airplane Isolate island
研究期間内に何をどこまで明らかにするのか(2/2)研究期間内に何をどこまで明らかにするのか(2/2) • 変換器の効率向上への施策(2/2) • 連続発振時の吸気不良の改善 • これまでの実験で、連続作動時の吸気不良が確認された • 強制吸気機構を取り付けた実験においても尚不十分で、放電の種電子が取り残され異常放電が起きていることが原因 • 印加磁場で電子が排出できれば常に単パルス作動のように圧力波への変換が期待できる。 磁場によるプラズマの膨張促進 圧力波発生メカニズムと吸気
研究計画・方法(2/2) • 外部印加磁場を利用した単・連続パルス実験(筑波大or東大、名大・佐宗研との共同研究) • コーン型ノズル内部にネオジウム磁石を設置 • 単パルス実験(東大)で磁石の形状や数を最適化する。 • 連続パルス実験でどれだけ吸気不足が改善されるのかを弾道振子法で計測(名大) ネオジウム磁石搭載のコーン型ノズル 弾道振子法式による効率計測実験図
2波長マッハツェンダー干渉法 屈折率変化 + m-3 一定 m-3 m-3 波長に依存 比屈折率と波長の依存性 • 屈折率変化は中性粒子、イオン、電子の影響を受ける • 2種類の波長のプローブ光で電子密度の項のみ引き出す
プラズマの発光分光診断 原子分子過程に基づく正しい解釈 プラズマの発光 励起状態の占有密度 分光器 原子分子データ プラズマの巨視的な特性 (電子温度・密度、ガス温度等)
パラメータ3:レーザー波長 • 2. LSD伝播速度に与えるパラメータの影響 • 発光分光法で電子密度、温度を測定 • エッシェル分光器を使用 • ミラー、レンズで分光器に集光 • 炭酸ガスレーザーと同じF値で比較 • アルゴン、空気雰囲気
波長:発光分光結果 波長λ = 390-600 nm • 2. LSD伝播速度に与えるパラメータの影響 Gas: Air 10.6 mm Gas: Air 1.05 mm Gas: Ar 1.05 mm
レーザー波長が密度温度に与える影響 • 2. LSD伝播速度に与えるパラメータの影響 • 電子密度は1024 m-3程度、電子温度は数eV程度であった。 • ガラスレーザーの結果は密度、温度共に炭酸ガスレーザーより高い
2章まとめ • 2. LSD伝播速度に与えるパラメータの影響 • 膨張エンタルピー損失 • 損失による影響で3次元では同じレーザー強度でも遅い • 2次元密度分布は1次元より低く、損失が影響している • 雰囲気ガスの電離エネルギー • LSD伝播速度に関してはほとんど影響を与えない • 電子密度分布、温度分布共に衝撃波背後にピークを持つ • 衝撃波背後1mm程度でレーザーを完全に吸収する • レーザー波長 • 炭酸ガスレーザーはガラスレーザー比べてLSD伝播速度は速い • ガラスレーザーの温度・密度は炭酸ガスレーザーに比べて高い
3.光電離モデルによるLSD伝播速度の解析 • 関連論文 • 既刊 • 嶋村他 2波長マッハツェンダー干渉法を用いたレーザー支持爆轟波構造の解明,日本航空宇宙学会論文集 58, 323 (2010) • K. Shimamura, et al, Internal Structure of Laser SupportedDetonation Waves by Two-Wavelength Mach-ZehnderInterferometer, J. Appl. Phys. 109, 084910 (2011) • 準備中 • K. Shimamura, et al, Precursor ionization and propagation velocity of a laser-absorption wave in 1.053 and 10.6 μm wavelengths laser radiation, J. Appl. Phys.
LSD伝播と電離波面の物理について 3.光電離モデルによるLSD伝播速度の解析 • 2波長マッハツェンダー干渉法によってデトネーション内部の電子密度を測定した(左図) • 衝撃波近傍で1023 m-3程度の電子密度を確認した。 • 種電子が衝撃波前方に存在している Fig. (left)Time varying of electron density distribution (middle)Image of interferometer and LSD inside. (right) NEW LSD model K. Shimamura et.al, Internal Structure of Laser Supported Detonation Waves by Two-Wavelength Mach-ZehnderInterferometerJ. appl. Phys. 109 (2011) • 電離波面が衝撃波を追い越して伝播している
3章目的、概要 3.光電離モデルによるLSD伝播速度の解析 • 本章目的 LSD波面における電離反応、光電離による種電子生成から電子雪崩による電子数密度の増加という一連の流れを定量的に評価し、LSD伝播速度を解析的に求める • アプローチ • ストリーマ放電の進展における光電離モデルを利用 Y.P.Raizer, Spark discharge, ch.3, A.A.Kulikovsky, J.Phys.D 33,1514, 2000 • 電子密度・温度を分光結果から利用した • LSD伝播速度に影響を与えるレーザー波長の結果と解析結果を比較
定常一次元LSD伝播と光電離(i) 3.光電離モデルによるLSD伝播速度の解析 • 電離波面の進展を一次元定常系での電子の増加から求める • 電子の増加率と電子密度の収支から半実験式を導出 • LSD先頭の電子密度,バルクの電子密度、レーザー吸収帯長さ、電離周波数を実験結果や解析から求める。 • LSD伝播速度半実験式: • Za:レーザー吸収帯長さ • n:電離周波数 • ne: 電子密度
定常一次元LSD伝播と光電離(ii) 3.光電離モデルによるLSD伝播速度の解析 • レーザー吸収帯長さは電子密度・温度の関数として求まる • 逆制動放射で加速された電子エネルギーが電離エネルギー以上で衝突電離を起こすと仮定すると、電離周波数は • バルクでの電子密度は分光実験結果を利用した • LSD先頭の電子密度は輻射光子流束とLSD伝播速度から求めた
光電離による種電子の生成 3.光電離モデルによるLSD伝播速度の解析 • 電離エネルギー以上の真空紫外波長域の光子を制動放射から見積る • 輻射輸送を考慮し、LSD先頭での光子流束を求めた
実験と解析:LSDの伝播速度とレーザー強度の関係実験と解析:LSDの伝播速度とレーザー強度の関係 3.光電離モデルによるLSD伝播速度の解析 • デトネーション限界近くのLSD伝播速度と解析解を比較した。 • 実験結果は実線で、解析結果はプロット+エラーで示した • 異なる実験条件において,実験結果と解析結果が一致するのが確認できる。 ガス 波長 11mm Air Analysis 1mm Argon 1mm Air Experiment
3章まとめ 3.光電離モデルによるLSD伝播速度の解析 • LSD伝播速度を光電離、電離反応モデルを提案 • レーザー波長や雰囲気ガス,照射レーザー強度によらず一致 • レーザー強度や電界、プラズマの輻射によってレーザーデトネーションの伝播が説明できることが明らか • 実験や数値計算によるプラズマ温度・密度が必要不可欠