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電磁気学Ⅲ講義

電磁気学Ⅲ講義. 単元7~8. 電子・光システム工学科 2年次後期.選択2単位. 磁化と透磁率の関係 磁石の単位体積あたりの蓄積エネルギ ヒステリシス損. 単元7(1/34). 第7単元 磁石 のもつエネルギ. 磁石のもつ磁気の原因. ・磁気の原因は電子や原子核のスピン ・磁極の定義. 磁石の電磁気学性質. 単元7(2/34). 今日の講義の要点. 磁気の発生原因と磁性. 磁気の原因と、電子・原子核のスピン 磁化と磁気モーメント 磁極の定義 磁区と磁性( Barkhausen 効果). 磁性体の電磁気性質. 磁化と透磁率

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  1. 電磁気学Ⅲ講義 単元7~8 電子・光システム工学科 2年次後期.選択2単位

  2. 磁化と透磁率の関係 磁石の単位体積あたりの蓄積エネルギ ヒステリシス損 単元7(1/34) 第7単元磁石のもつエネルギ 磁石のもつ磁気の原因 ・磁気の原因は電子や原子核のスピン ・磁極の定義 磁石の電磁気学性質

  3. 単元7(2/34) 今日の講義の要点 磁気の発生原因と磁性 • 磁気の原因と、電子・原子核のスピン • 磁化と磁気モーメント • 磁極の定義 • 磁区と磁性(Barkhausen効果) 磁性体の電磁気性質 • 磁化と透磁率 • 常磁性体、反磁性体、強磁性体 • ヒステリシス(Hysteresis) 磁石の磁界とエネルギ • 磁石内外の磁界 • 磁石に蓄えられる磁界のエネルギ(単位体積当たりのエネルギ) • ヒステリシス損

  4. 単元7(3/34) Weberによる分子磁石説 磁石は小さな磁石の集まりで構成 • 1840年頃、鉄のような強磁性体が小さな磁石の配列で磁気を発生すると提唱 • 分子磁石は今日の磁区に対比 分子磁石がバラバラな方向に向いていると、互いに磁性を打ち消し合って中性になり、磁性が現れない 分子磁石 外部からの磁界や変形で分子磁石が一方向に揃うと強い磁性を示し、全部揃うと、磁性は飽和する

  5. 単元7(4/34) Ampereによる分子電流説 ′ 磁石は分子中の円形電流が原因 • 1830年頃、Ampéreは分子電流説を提唱 • Ampéreの右ネジの法則からヒントを得たと推測 • 今日では電子、原子核のスピンによる磁気モーメント 磁石の構成分子 電流で発生した磁界 分子の表面に流れる回転電流 電流の進行(図緑矢印)に対して、右手で図のように輪を描き、右ネジの回転と進行に磁界と電流のベクトルを対応:右ネジの法則

  6. 単元7(4/34) Ampereによる分子電流説 ′ 磁石は分子中の円形電流が原因 • 1830年頃、Ampéreは分子電流説を提唱 • Ampéreの右ネジの法則からヒントを得たと推測 • 今日では電子、原子核のスピンによる磁気モーメント 水素原子のモデル

  7. 単元7(4/34) Ampereによる分子電流説 ′ 磁石は分子中の円形電流が原因 • 1830年頃、Ampéreは分子電流説を提唱 • Ampéreの右ネジの法則からヒントを得たと推測 • 今日では電子、原子核のスピンによる磁気モーメント スピンは、物質に磁界を加え、得られた光のスペクトルから発見 同じエネルギ状態 同じエネルギ状態 電子は右回りと左回りの2通りのスピンがあり、同一のエネルギをもつ

  8. 単元7(4/34) Ampereによる分子電流説 ′ 磁石は分子中の円形電流が原因 • 1830年頃、Ampéreは分子電流説を提唱 • Ampéreの右ネジの法則からヒントを得たと推測 • 今日では電子、原子核のスピンによる磁気モーメント スピンは、物質に磁界を加え、得られた光のスペクトルから発見 違うエネルギ状態に移動 違うエネルギ状態に移動 磁界を加えると電子は右回りと左回りの2通りのスピンのエネルギ状態が回転軸ずれ(才差運動)で分かれる。 このエネルギ変化を光吸収・発光で観測 S

  9. 単元7(5/34) 講義の要点 磁気の発生原因と磁性 • 磁気の原因と、電子・原子核のスピン • 磁化と磁気モーメント • 磁極の定義 • 磁区と磁性(Barkhausen効果) 磁性体の電磁気性質 • 磁化と透磁率 • 常磁性体、反磁性体、強磁性体 • ヒステリシス(Hysteresis) 磁石の磁界とエネルギ • 磁石内外の磁界 • 磁石に蓄えられる磁界のエネルギ(単位体積当たりのエネルギ) • ヒステリシス損

  10. 単元7(6/34) 磁化 磁化は磁性を発生させる能力 • 分子電流に相当する、磁気発生原因の電流を磁化電流と仮想 • 磁化電流によるAmpéreの右ネジ方向の磁力に関するモーメントを磁気モーメント:M (モーメント=軸方向を保つ能力  単位:Wbm 〔=Nm/(A/m)〕(トルク/磁界の強さ)  ※分子磁石のそれぞれの磁気モーメントは中性ではバラバラな方向 • 外部の磁界で、分子の磁気モーメントが磁界方向に向くベクトルを磁化ベクトル:J 単位:A/m 磁気モーメント:M 磁化ベクトル:J 磁化電流

  11. 単元7(7/34) 講義の要点 磁気の発生原因と磁性 • 磁気の原因と、電子・原子核のスピン • 磁化と磁気モーメント • 磁極の定義 • 磁区と磁性(Barkhausen効果) 磁性体の電磁気性質 • 磁化と透磁率 • 常磁性体、反磁性体、強磁性体 • ヒステリシス(Hysteresis) 磁石の磁界とエネルギ • 磁石内外の磁界 • 磁石に蓄えられる磁界のエネルギ(単位体積当たりのエネルギ) • ヒステリシス損

  12. 単元7(8/34) 磁石の磁極の定義 磁力線(磁束線)の出るところ(極)をN、あるいは+ • Ampéreの右ネジの法則で定義 (右優位説にもとづくと推測される) • 北極を指す方向をN極と名付け、これを+極と定義 磁気モーメントMの先端はN極、末端はS極 北極(North Pole)なのに磁極はS極 北極方向を指す=N(North)極 磁化ベクトル 南極(South Pole)なのに磁極はN極

  13. 単元7(9/34) 講義の要点 磁気の発生原因と磁性 • 磁気の原因と、電子・原子核のスピン • 磁化と磁気モーメント • 磁極の定義 • 磁区と磁性(Barkhausen効果) 磁性体の電磁気性質 • 磁化と透磁率 • 常磁性体、反磁性体、強磁性体 • ヒステリシス(Hysteresis) 磁石の磁界とエネルギ • 磁石内外の磁界 • 磁石に蓄えられる磁界のエネルギ(単位体積当たりのエネルギ) • ヒステリシス損

  14. 単元7(10/34) Weberによる分子磁石説 磁石は小さな磁石の集まりで構成 • 1840年頃、鉄のような強磁性体が小さな磁石の配列で磁気を発生すると提唱 • 分子磁石は今日の磁区に対比 分子磁石がバラバラな方向に向いていると、互いに磁性を打ち消し合って中性になり、磁性が現れない 分子磁石 外部からの磁界や変形で分子磁石が一方向に揃うと強い磁性を示し、全部揃うと、磁性は飽和する

  15. 単元7(11/34) 磁性体内の磁区 磁石は小さな磁区の集まりで構成 • 鉄のような強磁性体は、小さな磁石の配列(磁区)の磁性の方向で磁気を発生 • 外部磁界によって、磁区内の鉄分子の磁気モーメントが特定方向に並ぶ 磁気モーメントがそろう=磁化ベクトルが発生 磁区 外部からの磁界や変形で磁区の磁気モーメントが一方向に揃うと強い磁性を示し、全部揃うと、磁性は飽和する 磁気モーメントの変化により光の偏光が変化し、磁区の変化を色の変化で観察 偏光顕微鏡 金属薄膜の偏光顕微鏡映像

  16. 単元7(11/34) 磁性体内の磁区 磁石は小さな磁区の集まりで構成 • 鉄のような強磁性体は、小さな磁石の配列(磁区)の磁性の方向で磁気を発生 • 外部磁界によって、磁区内の鉄分子の磁気モーメントが特定方向に並ぶ 磁気モーメントがそろう=磁化ベクトルが発生 磁区 外部からの磁界や変形で磁区の磁気モーメントが一方向に揃うと強い磁性を示し、全部揃うと、磁性は飽和する N S 磁気ベクトル 磁気モーメントの変化により光の偏光が変化し、磁区の変化を色の変化で観察 偏光顕微鏡 金属薄膜の偏光顕微鏡映像

  17. 単元7(12/34) 磁区と磁性の変化(Barkhausen効果) 磁気モーメントの向きは不連続に変化 • 磁界を加えて磁区の変化を観察すると、時間的に不連続に変化 • 1919年、Barkhausenは、この変化をスピーカからの音で観察 電子回路の雑音の原因 拡大してみると

  18. 単元7(12/34) 磁区と磁性の変化(Barkhausen効果) 磁気モーメントの向きは不連続に変化 • 磁界を加えて磁区の変化を観察すると、時間的に不連続に変化 • 1919年、Barkhausenは、この変化をスピーカからの音で観察 電子回路の雑音の原因 磁性体 Po・Po ・Po・・・・

  19. 単元7(13/34) 講義の要点 磁気の発生原因と磁性 • 磁気の原因と、電子・原子核のスピン • 磁化と磁気モーメント • 磁極の定義 • 磁区と磁性(Barkhausen効果) 磁性体の電磁気性質 • 磁化と透磁率 • 常磁性体、反磁性体、強磁性体 • ヒステリシス(Hysteresis) 磁石の磁界とエネルギ • 磁石内外の磁界 • 磁石に蓄えられる磁界のエネルギ(単位体積当たりのエネルギ) • ヒステリシス損

  20. 単元7(14/34) 磁化 磁化は磁性を発生させる能力 • 分子電流に相当する、磁気発生原因の電流を磁化電流と仮想 • 磁化電流によるAmpéreの右ネジ方向の磁力に関するモーメントを磁気モーメント:M (モーメント=軸方向を保つ能力  単位:Wbm 〔=Nm/(A/m)〕(トルク/磁界の強さ)  ※分子磁石のそれぞれの磁気モーメントは中性ではバラバラな方向 • 外部の磁界で、分子の磁気モーメントが磁界方向に向くベクトルを磁化ベクトル:J 単位:A/m 磁気モーメント:M 磁化ベクトル:J 磁化電流

  21. 単元7(15/34) 磁性体の透磁率 磁性体が磁石になる原因・程度 • 磁化ベクトルJ A/m は磁性体の磁化の程度を表す。 磁化の程度=磁荷の発生しやすさ=分極の程度 外部磁界による磁性体の磁化を、磁気モーメントの変化でみると

  22. 単元7(15/34) 磁性体の透磁率 磁性体が磁石になる原因・程度 • 磁化ベクトルJ A/m は磁性体の磁化の程度を表す。 磁化の程度=磁荷の発生しやすさ=分極の程度 外部磁界による磁性体の磁化を、磁気モーメントの変化でみると N S

  23. 単元7(15/34) 磁性体の透磁率 磁性体が磁石になる原因・程度 • 磁化ベクトルJ A/m は磁性体の磁化の程度を表す。 磁化の程度=磁荷の発生しやすさ=分極の程度 外部磁界による磁性体の磁化を、磁荷(磁化ベクトルに対応)の発生でみると 外部磁界の磁束線に平行でない磁気モーメントは、互いに打ち消し合って外に磁荷として現れない N S

  24. 単元7(16/34) 磁性体の透磁率 磁性体が磁石になる原因・程度 • 磁化ベクトルJ A/m は磁性体の磁化の程度を表す。 磁化の程度=磁荷の発生しやすさ=分極の程度 外部磁界による磁性体の磁化を、磁荷(磁化ベクトルに対応)の式でみる 磁性体内の単位面積当たりの磁荷密度 σ Wb/m2は、外部磁界の磁界の強さ H A/mによるものと、磁性体の磁化ベクトル J A/m の和になる この部分は磁性体の透磁率 磁荷密度 σ Wb/m2は、磁束密度 B T そのものであるので ここで磁化ベクトル J A/m は外部磁界を加えることで誘発されたので、それを物質で決まる磁化率 χ を用いて J=χH と表すと

  25. 単元7(16/34) 磁性体の透磁率 磁性体が磁石になる原因・程度 • 磁化ベクトルJ A/m は磁性体の磁化の程度を表す。 磁化の程度=磁荷の発生しやすさ=分極の程度 外部磁界による磁性体の磁化を、磁荷(磁化ベクトルに対応)の式でみる 磁性体内の単位面積当たりの磁荷密度 σ Wb/m2は、外部磁界の磁界の強さ H A/mによるものと、磁性体の磁化ベクトル J A/m の和になる 磁荷密度 σ Wb/m2は、磁束密度 B T そのものであるので 物質の比透磁率(単位はない)

  26. 単元7(17/34) 講義の要点 磁気の発生原因と磁性 • 磁気の原因と、電子・原子核のスピン • 磁化と磁気モーメント • 磁極の定義 • 磁区と磁性(Barkhausen効果) 磁性体の電磁気性質 • 磁化と透磁率 • 常磁性体、反磁性体、強磁性体 • ヒステリシス(Hysteresis) 磁石の磁界とエネルギ • 磁石内外の磁界 • 磁石に蓄えられる磁界のエネルギ(単位体積当たりのエネルギ) • ヒステリシス損

  27. 単元7(18/34) 常磁性と反磁性 磁性体の磁性は磁化率の値で定まる • 常磁性: 磁化率が正で、値が1に近い場合 • 反磁性: 磁化率が負(μs<1)(一般に値は1に近い) 磁化率が1に近い値の場合、 磁性体内の磁束密度 B ∝ 外部磁界の磁界の強さ H 常磁性体 反磁性体

  28. 単元7(19/34) 強磁性体 磁化が外部磁界で大きな値になってすぐに飽和 • 強磁性体は、磁化率が1より非常に大きい。 • 外部の磁界の強さに影響されず、小さい値で飽和する(一定値になる) 磁化率が1に近い値の場合、 磁性体内の磁束密度 B ≒ μ0×χH               B≒μ0J → (一定値) B=μ0Jの値で飽和 強磁性体

  29. 単元7(20/34) 講義の要点 磁気の発生原因と磁性 • 磁気の原因と、電子・原子核のスピン • 磁化と磁気モーメント • 磁極の定義 • 磁区と磁性(Barkhausen効果) 磁性体の電磁気性質 • 磁化と透磁率 • 常磁性体、反磁性体、強磁性体 • ヒステリシス(Hysteresis) 磁石の磁界とエネルギ • 磁石内外の磁界 • 磁石に蓄えられる磁界のエネルギ(単位体積当たりのエネルギ) • ヒステリシス損

  30. 単元7(21/34) 強磁性体の透磁率ヒステリシス 磁気モーメントの大きい強磁性体は一度方向を変えると元に戻りにくい • 分子磁石同士が群れになり、分子磁石同士が引き合う。 引き合うことで大きな磁化モーメントになることで、戻りにくくなる。 • 戻りにくいことは、外部磁界の増減で、磁性体の磁束の変化が同じように変化しない=履歴現象(Hysteresis) Wahrburgが発見、Ewingが命名 • 磁化モーメントの大きな強磁性体にとくに顕著に発生 飽和後、正方向の外部磁界を減少 正方向の外部磁界を増加 やがて飽和 残留磁束密度(残留磁気) 保磁力 始めて正方向の外部磁界を加え、増加 外部磁界を負方向に増加 やがて飽和 負方向の外部磁界を減少

  31. 単元7(22/34) 強磁性体の透磁率ヒステリシス Hysteresis現象の顕著な磁性体の一つはFerrite • Fe2O3酸化第2鉄とBaCO3炭酸バリウムあるいはSrCO3炭酸ストロンチウムを主原料として粉末冶金法により製造 • Ferriteは、純鉄の911℃以下の温度領域にある鉄の相(組織) • 770℃を超えると常磁性体に変化 急激な変化で、μsが非常に大 保磁力が大で、昔、メモリに利用 北川工業(株)製品

  32. 単元7(23/34) 講義の要点 磁気の発生原因と磁性 • 磁気の原因と、電子・原子核のスピン • 磁化と磁気モーメント • 磁極の定義 • 磁区と磁性(Barkhausen効果) 磁性体の電磁気性質 • 磁化と透磁率 • 常磁性体、反磁性体、強磁性体 • ヒステリシス(Hysteresis) 磁石の磁界とエネルギ • 磁石内外の磁界 • 磁石に蓄えられる磁界のエネルギ(単位体積当たりのエネルギ) • ヒステリシス損

  33. 単元7(24/34) 磁石内外の磁界 磁石内には逆方向の磁力線が発生 • 磁石の端にだけ磁荷が発生し、内部は正負が中和されて磁荷は現れない • 磁石の極からは磁力線が外に出入りすると同時に、 磁石内部にも+極から-極に磁力線が発生 • 磁石内部の磁力線は、外部磁界の磁力線と逆方向で、それを減じる(減磁力) 今、考えやすいように磁石をトロイダル形(ドーナッツ形)とする磁石内外の磁界の強さを求める。 磁石内 ギャップ内 Ampereの周回成分の法則

  34. 単元7(24/34) 磁石内外の磁界 磁石内には逆方向の磁力線が発生 • 磁石の端にだけ磁荷が発生し、内部は正負が中和されて磁荷は現れない • 磁石の極からは磁力線が外に出入りすると同時に、 磁石内部にも+極から-極に磁力線が発生 • 磁石内部の磁力線は、外部磁界の磁力線と逆方向で、それを減じる(減磁力) 今、考えやすいように磁石をトロイダル形(ドーナッツ形)とする磁石内外の磁界の強さを求める。 磁石内 B を求める ギャップ内 Ampéreの周回成分の法則

  35. 単元7(24/34) 磁石内外の磁界 磁石内には逆方向の磁力線が発生 • 磁石の端にだけ磁荷が発生し、内部は正負が中和されて磁荷は現れない • 磁石の極からは磁力線が外に出入りすると同時に、 磁石内部にも+極から-極に磁力線が発生 • 磁石内部の磁力線は、外部磁界の磁力線と逆方向で、それを減じる(減磁力) 負符号になる=外部磁界と反対方向の磁界の強さ 磁石内 磁石内外の磁界の強さを求める ギャップ内 磁石内は外部磁界と逆方向、 この逆方向の磁界の強さを減磁力と呼ぶ

  36. 単元7(24/34) 磁石内外の磁界 磁石内には逆方向の磁力線が発生 • 磁石の端にだけ磁荷が発生し、内部は正負が中和されて磁荷は現れない • 磁石の極からは磁力線が外に出入りすると同時に、 磁石内部にも+極から-極に磁力線が発生 • 磁石内部の磁力線は、外部磁界の磁力線と逆方向で、それを減じる(減磁力) 負符号になる=外部磁界と反対方向の磁界の強さ L>>d のとき、磁石内部の磁界の強さはほとんど0 磁石内 ギャップ内 L>>d のとき、磁界の強さは磁石の外、空中にだけになる 磁石内は外部磁界と逆方向、 この逆方向の磁界の強さを減磁力と呼ぶ

  37. 単元7(25/34) 減磁力の定性的説明 磁石内には逆方向の磁力線が発生 • 磁石の端にだけ磁荷が発生し、内部は正負が中和されて磁荷は現れない • 磁石の極からは磁力線が外に出入りすると同時に、 磁石内部にも+極から-極に磁力線が発生 • 磁石内部の磁力線は、外部磁界の磁力線と逆方向で、それを減じる(減磁力) これらは互いに相殺して中性になり、外からは磁荷が見えない 外部磁界の磁力線 磁石内部のNからSに向かう磁力線=減磁力 N S 磁石N極から出る磁力線 磁石S極に入る磁力線

  38. 単元7(26/34) 講義の要点 磁気の発生原因と磁性 • 磁気の原因と、電子・原子核のスピン • 磁化と磁気モーメント • 磁極の定義 • 磁区と磁性(Barkhausen効果) 磁性体の電磁気性質 • 磁化と透磁率 • 常磁性体、反磁性体、強磁性体 • ヒステリシス(Hysteresis) 磁石の磁界とエネルギ • 磁石内外の磁界 • 磁石に蓄えられる磁界のエネルギ(単位体積当たりのエネルギ) • ヒステリシス損

  39. 単元7(27/34) 静電界中に蓄えられる場の静電エネルギ(復習) 誘電体中の微小体積も+-の電荷密度をもつ帯電体 • 誘電体中の微小体積は帯電体 → 微小体積も静電エネルギを蓄える • 帯電体と同じ計算方法で、+と-の微少電荷を電界の強さで生じるチカラに抗して、誘電体微小体積に運ぶ仕事 W J を求める 下図の微小体積を+-両極を持つ帯電体として、蓄えられる電気エネルギ W J を計算

  40. 単元7(27/34) A面とB面の電位の差 ΔV:微小部分の体積 静電界中に蓄えられる場の静電エネルギ(復習) 誘電体中の微小体積も+-の電荷密度をもつ帯電体 • 誘電体中の微小体積は帯電体 → 微小体積も静電エネルギを蓄える • 帯電体と同じ計算方法で、+と-の微少電荷を電界の強さで生じるチカラに抗して、誘電体微小体積に運ぶ仕事 W J を求める

  41. 単元7(27/34) 静電界中に蓄えられる場の静電エネルギ(復習) 誘電体中の微小体積も+-の電荷密度をもつ帯電体 • 誘電体中の微小体積は帯電体 → 微小体積も静電エネルギを蓄える • 帯電体と同じ計算方法で、+と-の微少電荷を電界の強さで生じるチカラに抗して、誘電体微小体積に運ぶ仕事 W J を求める ΔW/ΔVは、単位体積当たりの静電エネルギ、ΔwJ/m3 微小電荷ΔqC がこの微小体積表面にQ C まで蓄えられるように無限の彼方から運んでくるとき、この微小体積中の電界の強さ E は、0からEV/m まで積分

  42. 単元7(27/34) 静電界中に蓄えられる場の静電エネルギ(復習) 誘電体中の微小体積も+-の電荷密度をもつ帯電体 • 誘電体中の微小体積は帯電体 → 微小体積も静電エネルギを蓄える • 帯電体と同じ計算方法で、+と-の微少電荷を電界の強さで生じるチカラに抗して、誘電体微小体積に運ぶ仕事 W J を求める ΔW/ΔVは、単位体積当たりの静電エネルギ、ΔwJ/m3 微小電荷ΔqC がこの微小体積表面にQ C まで蓄えられるように無限の彼方から運んでくるとき、この微小体積中の電界の強さ E は、0からEV/m まで積分

  43. 単元7(28/34) 静磁界中に蓄えられる磁界のエネルギ 静磁界中の微小空間も+-の磁荷密度をもつ磁性体 • 静電界中に蓄えられるエネルギと同じ計算方法で、+と-の微小磁荷を磁界の強さで生じるチカラに抗して、微小空間体積内に運ぶ仕事 W J を求める 下図の微小体積を+-両極を持つ磁性体として、蓄えられる磁気エネルギ W J を計算

  44. 単元7(28/34) A面とB面の電位の差 ΔV:微小部分の体積 静磁界中に蓄えられる磁界のエネルギ 静磁界中の微小空間も+-の磁荷密度をもつ磁性体 • 静電界中に蓄えられるエネルギと同じ計算方法で、+と-の微小磁荷を磁界の強さで生じるチカラに抗して、微小空間体積内に運ぶ仕事 W J を求める

  45. 単元7(28/34) 静磁界中に蓄えられる磁界のエネルギ 静磁界中の微小空間も+-の磁荷密度をもつ磁性体 • 静電界中に蓄えられるエネルギと同じ計算方法で、+と-の微小磁荷を磁界の強さで生じるチカラに抗して、微小空間体積内に運ぶ仕事 W J を求める ΔW/ΔVは、単位体積当たりの磁気エネルギ、ΔwJ/m3 微小磁荷ΔmWb がこの微小体積表面にm Wb まで蓄えられるように無限の彼方から運んでくるとき、この微小体積中の電界の強さは、0からH A/m まで積分

  46. 単元7(28/34) 静磁界中に蓄えられる磁界のエネルギ 静磁界中の微小空間も+-の磁荷密度をもつ磁性体 • 静電界中に蓄えられるエネルギと同じ計算方法で、+と-の微小磁荷を磁界の強さで生じるチカラに抗して、微小空間体積内に運ぶ仕事 W J を求める ΔW/ΔVは、単位体積当たりの磁気エネルギ、ΔwJ/m3 微小磁荷ΔmWb がこの微小体積表面にm Wb まで蓄えられるように無限の彼方から運んでくるとき、この微小体積中の電界の強さは、0からH A/m まで積分

  47. 単元7(29/34) 磁性体中に蓄えられる磁界のエネルギ 磁石(磁性体)中の蓄積エネルギはB-H曲線の積分で表示 • 磁石中に蓄えられるエネルギは、積分式、 この部分が外部磁界を加えて磁性体内で増加した磁束密度 外部磁界による磁性体の磁束増加を考える BがHの増加により増す場合、w>0で磁石内に蓄積 BがHの減少で減る場合、w<0で、磁石内の磁区は蓄えたエネルギを放出して元の方向に戻される

  48. 単元7(30/34) 講義の要点 磁気の発生原因と磁性 • 磁気の原因と、電子・原子核のスピン • 磁化と磁気モーメント • 磁極の定義 • 磁区と磁性(Barkhausen効果) 磁性体の電磁気性質 • 磁化と透磁率 • 常磁性体、反磁性体、強磁性体 • ヒステリシス(Hysteresis) 磁石の磁界とエネルギ • 磁石内外の磁界 • 磁石に蓄えられる磁界のエネルギ(単位体積当たりのエネルギ) • ヒステリシス損

  49. 単元7(31/34) 強磁性体の透磁率ヒステリシス 磁気モーメントの大きい強磁性体は一度方向を変えると元に戻りにくい • 分子磁石同士が群れになり、分子磁石同士が引き合う。 引き合うことで大きな磁化モーメントになることで、戻りにくくなる。 • 戻りにくいことは、外部磁界の増減で、磁性体の磁束の変化が同じように変化しない=履歴現象(Hysteresis) Wahrburgが発見、Ewingが命名 • 磁化モーメントの大きな強磁性体にとくに顕著に発生 飽和後、正方向の外部磁界を減少 正方向の外部磁界を増加 やがて飽和 残留磁束密度(残留磁気) 保磁力 始めて正方向の外部磁界を加え、増加 外部磁界を負方向に増加 やがて飽和 負方向の外部磁界を減少

  50. 単元7(32/34) ヒステリシス損 交流磁界でのB-H曲線のHysteresis現象は磁性体の磁界エネルギ損失 • 三角波の電流をコイルに流し、磁性体に磁界(磁界の強さ: H )を加え、磁性体内に発生した磁束密度 B の時間変化率に比例する電圧 e を電磁誘導の法則で検出 • e の信号をコンデンサと抵抗で積分し、磁束密度に比例した信号を得る (オシロのY軸に加える) • H に比例する三角波の電流は電気抵抗で電圧として検出(オシロのX軸に加える)

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