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19 ・食文化 と地域性. 2011.11.22. 青山 ・文化人類学. 前回まで のまとめ. 「明治になって洋食文化が日本に入ってきた」というのは、もう少し細かくみると、いくつかの段階があったということがわかる 明治 20 年代 …… ほとんどは「外食」として 明治 30-40 年代 …… 徐々に自分たちで作り始めるが、まだ不器用で不格好な部分が多い=「試行錯誤」の積み重ね 大正 - 昭和戦前 …… 試行錯誤にだいぶ慣れて自分たちで工夫できるようになる
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19・食文化と地域性 2011.11.22.青山・文化人類学
19・食文化と地域性 前回までのまとめ • 「明治になって洋食文化が日本に入ってきた」というのは、もう少し細かくみると、いくつかの段階があったということがわかる • 明治20年代……ほとんどは「外食」として • 明治30-40年代……徐々に自分たちで作り始めるが、まだ不器用で不格好な部分が多い=「試行錯誤」の積み重ね • 大正-昭和戦前……試行錯誤にだいぶ慣れて自分たちで工夫できるようになる • 1950-60年代……自分たちの手で作らず「買ってくる」という選択肢が登場し、あっという間に広まる=「購買消費型」社会 • 1980年代以降……なんでも買って済ませるのが当たり前になる=「飼いねこ」化が進行する • 基本的に全国で早い遅いはあってもこの流れは同じ……統合化・統一化への流れ
19・食文化と地域性 食文化の統一化と多様性 • テレビなどのメディアによって全国の食文化は徐々に統一化されてきてはいる • 一方で、各家庭ごとの試行錯誤は、全く失われたかというとそうではない……cf. 前回インプレ&初回授業(各家庭ごとに異なるきんぴらの味) • 家庭ごとのほか、地域ごとにも、決して多様な食文化が完全に失われたわけではない
19・食文化と地域性 東京から長崎に行ってけっこう驚いたもの
19・食文化と地域性 特別な行事の時の地域伝統食 • お正月(年末年始)など、特別な行事のときの食には、まだまだ地域性は強くみられる • このほか「観光」という切り口でみると、より意図的に地域独特の食文化は強調されるし、新しいものも作られている cf. B-1グランプリ • 地域差が顕著な例としては「お雑煮」を第一に挙げることができる(次スライド&配付資料)
19・食文化と地域性 お雑煮の多様性
19・食文化と地域性 地域ごとの食文化・家庭ごとの食文化 • お雑煮を例にとると、それは地域ごと・家庭ごとにおそらく継承されてきたのだろうと推測される • 部分的には、明治よりもさらに遡るルーツもあるだろうし、比較的最近に追加された要素もあるだろう • 特に、1950-60年代以降、さまざまな地方から都市へ流れ込んできた若者(=みなさんのおじいちゃん・おばあちゃん、お父さん・お母さん)は、異なる地域同士で結婚することがあたりまえになった • 関東出身のお父さんと関西出身のお母さんとの間で繰り広げられる(繰り広げられた)雑煮文化争い……雑煮の多様化&画一化 • 一方で、購買消費型文化の浸透は、流通する商品に縛られて画一化する一方で、「これまでとはちょっと違ったお雑煮を作ること=お雑煮の試行錯誤」のハードルを下げた……雑煮の画一化&多様化
19・食文化と地域性 文化を支える単位(1) 血縁 kinship network
19・食文化と地域性 文化を支える単位(2)地縁 local network
19・食文化と地域性 文化を支える単位(3) 社縁 association network
19・食文化と地域性 個人が所属する集団 • ひとはさまざまな集団に所属している=さまざまな文化と関わっている