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臨床福祉論. 我が国における臨床ソーシャルワークの可能性. A事例. 小6 女子、不登校 個人開業 家族をセットにして扱っている。ワーカーは、話しやすい雰囲気、聴く雰囲気をその場に作り出して、父、母、Aの感情表出を促していった。Aの母への甘えの欲求を満たすことがカギであった。不登校の原因は身体症状にあり。感情の表出がブロックされているが、そのエネルギーは消えないので表出する必要がある。それが頭痛という器官言語によって表出されている。これを言語で表現することが必要になってくる。それが進むと身体症状が消滅する。 目的的な感情表出.
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臨床福祉論 我が国における臨床ソーシャルワークの可能性
A事例 小6 女子、不登校 個人開業 家族をセットにして扱っている。ワーカーは、話しやすい雰囲気、聴く雰囲気をその場に作り出して、父、母、Aの感情表出を促していった。Aの母への甘えの欲求を満たすことがカギであった。不登校の原因は身体症状にあり。感情の表出がブロックされているが、そのエネルギーは消えないので表出する必要がある。それが頭痛という器官言語によって表出されている。これを言語で表現することが必要になってくる。それが進むと身体症状が消滅する。 目的的な感情表出
臨床ソーシャルワークは、ソーシャルワークのカウンセリングサービスである。臨床ソーシャルワークは、ソーシャルワークのカウンセリングサービスである。 「臨床ソーシャルワーク」は“Clinical Social work” の訳語である。 カウンセリングの専門的バックグラウンドについて見る。 ソーシャルワークについて概観してみる 1. ケースワーク、グループワーク、コミュニティワーク 2. ソーシャルワークのミクロ実践、メゾ実践、マクロ実践 ソーシャルワーク(ミクロ実践)の「つなぐ機能」、「カウンセリング機能」 臨床(クリニカル)ソーシャルワークの定義 「臨床」(クリニカル)という用語について 臨床ソーシャルワークの独自性はどこにあるのだろうか。→この講義のテーマでもある。 簡単に歴史を振り返ってみる。
臨床ソーシャルワークの定義(ドルフマン) 「いくつかのテキストは、臨床ソーシャルワーカーと学校、刑務所、診療所、児童保護サービスなどで実践している人とを区別している。しかしながら、このテキストでは、 臨床ソーシャルワーカーをクライエントの生活の質を向上させるためにカウンセリング技術と治療方法を用いて、クライエント(個人、家族、小グループ)に直接に働きかけるよう専門家として養成されたソーシャルワーカーと定義する。 彼らは多くの異なる環境で活動している。」(ドルフマンp.49 脚注) R.A.ドルフマン著 西尾祐吾・上續宏道共訳『臨床ソーシャルワーク-定義、実践そしてビジョン-』
臨床(クリニカル)という用語について 元々は医学用語。基礎研究に対し、ベッドサイトでの実践を意味していた。心理学と臨床心理学も同じ関係。ソーシャルワークにもそれを適用した。当初は精神医学領域で実践するソーシャルワークを指していたときもあった。現在も残っているという。(前著 「訳者あとがき」より) 「ソーシャルワークのカウンセリング」というドルフマンの定義が一般的だと考える。「ソーシャルワーカーのダイレクトサービス」という言い方もある(山下)。
簡単に歴史を振り返ると・・。 イギリスCOS→アメリカ リッチモンド 診断主義、機能主義、ケースワークの統合。ホリス、パールマン。 3方法としてそれぞれに発展。 統合化。システム理論、ジェラリスト・アプローチ。ミクロ、メゾ、マクロ実践。 臨床ソーシャルワークはケースワークに端を発する。ソーシャルワーク統合化に伴い、新たにクリニカル・ソーシャルワークとして規定し直す必要が出てきた。ソーシャルワーカーのダイレクト・サービスとも呼ばれている。 日本では、戦後の事。ドロシー・デッソー、本出祐之、黒川昭登。ホリスに影響を受ける。
国際ソーシャルワーカー連盟(IFSW)のソーシャルワークの定義より国際ソーシャルワーカー連盟(IFSW)のソーシャルワークの定義より ソーシャルワークは、人と環境についての全体論的なとらえ方に焦点を合わせた様ざまな技能、技術、および活動を利用する。ソーシャルワークによる介入の範囲は、主として個人に焦点を置いた心理社会的プロセスから社会政策、社会計画および社会開発への参画にまで及ぶ。 この中には、人びとがコミュニティの中でサービスや社会資源を利用できるように援助する努力だけでなく、カウンセリング、臨床ソーシャルワーク、グループワーク、社会教育ワークおよび家族への援助や家族療法までも含まれる。
臨床ソーシャルワークの人間観-その独自性と特徴-臨床ソーシャルワークの人間観-その独自性と特徴- キーワード「全体としての人間」「環境の中の個人(person in environment)」「個人と環境とその相互作用」「生理・心理・社会」「生理・心理・行動・認知・社会」 「生理・心理・社会」 オープンシステム
オープンシステム 人間には成長力がある。内部に実現傾向、自己実現傾向を有する。 その力によって、常に環境と関わり、自らも変化し、環境を作り上げていく。適切な 社会関 係があればその力が自らの力によって発現されていく。
クライエント 「社会関係に問題を持つ」 social dysfunction 不登校、非行、犯罪、うつ、摂食障害、多動、 アスペルガー、リストカット、出社拒否、多問題家族、 などなど 「生活上の困難」と呼ぶ方がよいかもしれない。
N事例 小2、男子、不登校 小学校低学年で起きる不登校は、乳幼児期、特に乳児期の母子関係未成立による母子分離不安(不安定性愛着)にその原因が求められる(黒川)。本事例では、母、父、本児と面接する中で母子関係の再構築を試みた。本児は、退行(赤ちゃん帰り)をし、充分に満足することによって基本的信頼感を取り戻し、自立、登校へと成長していった。
不登校に関する参考文献 黒川昭登『不登校カウンセリング』朱鷺書房 黒川昭登『不登校へのメッセージ』朱鷺書房 黒川昭登『母とともに治す登校拒否-母子分離不安の治療研究』岩崎学術出版社
不登校の問題について 怠学と閉じこもり 学校が原因か 母子分離不安型、思春期型身体症状、「登校心身反応」といってよい現在着目すべきは母子関係 現在増えている問題は同根である。青年期以降の閉じこもり、出社拒否、うつ摂食障害、家庭内暴力、リストカット喘息、アトピー多動、自閉傾向?
さらに事例 一家のカウンセラーになっていくC事例 個人のみに働きかけることも多い思春期、成人期と年齢が高くなると個人だけの面接になるD事例
バイスティックの7原則 1. 個別化・・・・・・・・・「一律いっぺんの画一的な扱いはされたくない」 2. 感情の目的的表現・・・・「自己の感情をありのまま表現したい」 3. 統制された情緒的関与・・「自分の表出した気持ちに共感して欲しい」 4. 受容・・・・・・・・・・「ありのままの自分を受け入れてほしい」 5. 非審判的態度・・・・・・「責めたり裁いたりされたくない」 6. クライエントの自己決定・「自分のことは自分で決めたい」 7. 秘密保持・・・・・・・・「語った秘密を誰にも口外しないでほしい」 (黒川昭登『臨床ケースワークの基礎理論』p.253)
C. R. Rogersの成長促進的態度の3条件「成長促進的心理風土」 以下の質を持つ援助者の人間関係が一定期間継続するとクライエントが本来持っている成長への潜在力が解放される傾向がある。 援助者が 1. 「一致」・・体験(感情・情動)と気づきと表現が一致している 2. 「無条件の肯定的配慮」・・その関係においてクライエントがどんな 感情を持とうと肯定的な気持ちが起きていること。 3. 「共感的理解」・・クライエントの経験について内部的準拠枠にもとづ く感情移入的理解を経験していること。 • (カール・R・ロジャーズ著/畠瀬直子訳『人間尊重の心理学』 第6章より)