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初等中等教育向け「 GIS 研修プログラム」. 講義. 授業への GIS 活用のヒントと 実践事例の紹介. GIS って使えるの・・? : 授業で GIS を使った先生たちの声. 調査したことを書き込んだり皆で同じ画面を見られるので、 同じ場所でも、異なる見方があることを実感したり、自分が 住んでいる地域に対する関心が高まる と思います 。 (藤沢市 公立 小学校教員). 地図の表す範囲や高さ表現などを自由に変えることができるため、児童の 授業への集中度が高まり 、生き生きと自発的に取り組むようになりました。 (横浜市私立小学校教員).
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初等中等教育向け「GIS研修プログラム」 講義 授業へのGIS活用のヒントと 実践事例の紹介
GISって使えるの・・? : 授業でGISを使った先生たちの声 調査したことを書き込んだり皆で同じ画面を見られるので、同じ場所でも、異なる見方があることを実感したり、自分が住んでいる地域に対する関心が高まると思います。 (藤沢市公立小学校教員) 地図の表す範囲や高さ表現などを自由に変えることができるため、児童の授業への集中度が高まり、生き生きと自発的に取り組むようになりました。 (横浜市私立小学校教員) 文字から画像、紙地図からデジタル、ものごとを読み取る力を増すにはGIS的な考えが今後大切になってくると思います。 (大阪府私立高等学校教員)
GISを使った授業の2つのパターンと効果的に活用できる7つの場面GISを使った授業の2つのパターンと効果的に活用できる7つの場面 GIS提示型授業 GIS実践型授業 教員が作成したGIS教材を児童や生徒に一斉に見せながら授業を進めるパターン 児童生徒自身がGISを操作しながら、考えたり話し合ったりする授業のパターン 1.見せる 2.考えさせる 3.理解を促す 4.発見させる 5.分析させる 6.振り返って 次につなげる 7.調べたことを 表現させる
授業におけるGIS活用事例にみた主なテーマ 防災 その他 安全安心 まちづくり 人口動向 資源保存 地域経済 地域福祉 食文化 歴史文化 生物の生態 自然環境 ●主に11のテーマでGISを活用した授業が展開されています
授業におけるGIS活用事例の紹介 1.歴史文化「地域の史跡調べをしよう」 ・地域歩きのルートに沿って調べた結果を地図に書き込む、発見したことを仲間と話し合う :小学校の社会及び総合的な学習の時間の授業 類似事例: 「冬の通学路状況調査」 2.防災「津波からの安心・安全避難マップを作ろう」 ・様々な地図を重ね合わせて学校や通学路を書き込む、安全な避難ルートを考える :中学校の社会科地理的分野/総合的な学習の時間の授業 類似事例: 「自作デジタルハザードマップ」 3.人口動向「地域の人口問題を考えよう」 ・提示されたテーマに関連する統計データを複数選び、塗り分け図を作る、結果を発表する :高校地理Bの授業 類似事例: 「店舗の立地を考える」 4.学校事務への活用「家庭訪問マップを作る」 ・アドレスマッチングを用いて生徒の自宅をマッピングし、家庭訪問ルートを考える ・見学旅行の軌跡
1.歴史文化 「地域の史跡調べをしよう」
「地域の史跡調べをしよう」 -授業の概要と進め方- ・地域歩きのルートに沿って撮った写真を地図に貼る、調べた結果を地図に書き込む :小学校の社会及び総合的な学習の時間の授業 【目的】 地域の史跡調べを行い、現在と昔(例えば江戸時代)の地域の様子との違いや共通点などに気づきながら、歴史的な出来事を身近に感じ、地域の成り立ちとの関わりについて考えます。 【事例】 神奈川県藤沢市 /小学校 /総合的な学習の時間 【使用ソフト】 地図太郎 【作業】 1.グループでフィールドワークを行い、史跡の写真を撮ったり、発見したことをメモ書きする ⇒ 発見したことを書き取る習慣を身につけます 2.調べた結果(写真や発見メモ)をGISに書き込む ⇒ 歩いたルートや発見した史跡を思い出し、地図上で確認します ⇒ GIS提示型では先生が一括して写真の張り付けを行います。 GIS実践型では児童が書き込みを行います。(※小3ごろから可能) 3.発見したことをグループ内で話し合う ⇒ 仲間の意見を見たり、地図に表現することで新たな発見を導きます GIS 提示型 GIS 実践型
「地域の史跡調べをしよう」 -発見したことを地図上に書き込み共有する- ・児童同士で情報の共有ができるので、そこから新たな発見をしたり、話し合いが進みます。 ・操作を一つ覚えると「次はこれをしてみよう」という意欲が高まり、自主的に作業を進めるようになります。 「こんなところも歩いた」と思い出しながら作業 調べた結果をみんなで共有 児童が作成した史跡の位置と写真 授業実施者)藤沢市立村岡小学校的場康弘教諭
「地域の史跡調べをしよう」 -発展:地域への理解を深める- ・関連すると思われるデータを重ねることで、地域の歴史文化への理解を深めます。 (応用)この機能を使って、修学旅行のグループ行動の行程検討や、家庭訪問ルートの検討や児童情報の整理も行うことができます。(→p22,23) 「昔の道」と「昔の村境」の地図を重ねてみる 史跡のある場所と昔の道や村境が重なることを発見 昔の道と村の境に史跡の位置を重ね合わせた図 授業実施者)藤沢市立村岡小学校的場康弘教諭
類似事例:「冬の通学路状況調査」 -地域課題を考える- ・日々の通学時に、通学経路上で問題があると感じた場所を携帯電話のカメラで撮影してメール送信し、GISソフトで地図を作製。 ・班ごとに提言をまとめ、発表会を実施。プレゼンテーション資料作成の際、主題図も作成しました。 滝川市役所内にて、除排雪に関する展示会を開催。社会参画や地域貢献についても考える 携帯電話で簡単 写真を携帯メールで送信 コンピュータ教室での作成作業と生徒のレポート 完成した通学路調査マップ 授業実施者)北海道滝川高等学校小野寺徹教諭
2.防災 「津波からの安心・安全避難マップを作ろう」
「津波からの安心・安全避難マップを作ろう」「津波からの安心・安全避難マップを作ろう」 -授業の概要と進め方- ・様々な地図を重ね合わせ、学校や通学路を書き込む :中学校の社会科地理的分野/総合的な学習の時間の授業 【目的】 地震や津波への関心が高まっていることから、「今できること」に注目し、万が一に備えるための正しい知識を身につけ、地域への関心を高め、地域に貢献できることについて考えます。 【事例】 神奈川県藤沢市 /中学校 /総合的な学習の時間 【使用ソフト】 地図太郎、Google EarthTM 【作業】 1.津波について理解するための教材を見せたり、地域のハザードマップを見せてから、危ないところ、安全なところはどこか、考えさせる。 ■提示型 2.Google EarthTMに標高データを重ね合わせた地図や、過去の災害履歴を書き込んだ地図を生徒に提示する。 3.自宅や通学路は安全なのか、どこに逃げたら安全か考えて話し合う。 ■実践型 2.教員が提示した地図に、自宅・学校・通学路を書き込む。 3.一時避難場所とそのルートを設定し、自分たちの津波の際の避難マップを作成する。なぜそこを選んだのか、考えをまとめて発表する。 ⇒ 地図に表現した結果を確認し、1の自分たちの考えを振り返ります。 ⇒ グループ内で話し合い、次の災害でどう行動するべきかを考えます。 GIS 提示型 GIS 実践型
「津波からの安心・安全避難マップを作ろう」「津波からの安心・安全避難マップを作ろう」 -様々なデータを重ね合わせて地域を知る- ・標高図、ハザードマップなどの地図を重ね合わせたり、過去の災害記録を入力することで、様々な角度から地域の安全について考えることができます。 ・生徒は避難場所を決めることの重要性と家庭や近所と連携をとることの大切さなど、新たな発見をします。 3Dには子どもたちから「すごい!」の声 高い場所、高い建物はどこかを探す ハザードマップに過去の災害記録を入力する 「昔はここまで津波がきたんだね」 「川沿いは海から遠くても標高が低い」ことを発見 Google EarthTMに標高データを重ねる 授業実施者)藤沢市湘洋中学校東桂子教諭
「津波からの安心・安全避難マップを作ろう」「津波からの安心・安全避難マップを作ろう」 -みんなで考えた地域の安心安全マップを作成する- ・自宅や通学路など「日常的に自分がいる場所」と標高図の重ね合わせやフィールドワーク結果などを基に、いろいろな角度から安全な避難ルートを考えます。 ・印刷して、家庭に持ち帰り、家族で共有することができます。 みんなの意見を取りまとめて地域の津波避難安心安全マップを作成 生徒が作成した津波避難安心安全マップ 授業実施者)藤沢市湘洋中学校東桂子教諭
類似事例: 「自作デジタルハザードマップ」 -被災地と地元の比較展示- ・東日本大震災の被災地(福島県南相馬市)に標高データと津波の到達線を重ねた地図を作成し、GoogleEarthTM上に表示。 ・地元(富士市)の地図と比較する内容の地図を作成し、文化祭と市役所の防災展にも出展し、多くの市民に注目されました。 Google EarthTMに標高データと津波到達点を重ね合わせ 被災地写真と対応させる 貼り合わせて展示作品を作成 授業実施者)静岡県立吉原高等学校伊藤智章教諭
3.人口動向 「地域の人口問題を考えよう」
「地域の人口問題を考えよう」 -授業の概要と進め方- ・提示されたテーマに関連する統計データを複数選び、塗り分け図を作る、結果を発表する :高校地理Bの授業 【目的】 自分達が住んでいる市町村単位の統計から人口問題を捉える教材を作ります。ミクロな視点からの発見と、生徒たちの探求活動を通じて、地域が抱える人口問題について考えます。 【事例】 静岡県 /高等学校 /地理B 【使用ソフト】 MANDARA 【作業】 1.インターネットで出生率の地域差に関係がありそうなデータを探し、表計算ソフトにまとめます。 2.出生率の地域差に関係がありそうなデータを選びます。 3.地図の重ね合わせの機能を使って、出生率の地域差を表現する地図を作成します。市町村別の出生率の地域差と、それぞれの人口増加率との関連性を考えます。 4.考えた結果をレポートにまとめ、発表します。 ⇒ 仲間の発表を聞いて、様々な分析の視点や効果的な地図への表現方法を学びます。 GIS 提示型 GIS 実践型
「地域の人口問題を考えよう」 -データを使って地図上に表現する- ・生徒が調べたデータをパソコンに入力し、地図上に表すことで、地域差が一目でわかります。 ・地域差が相手に伝わるにはどういう凡例分けや色分けが良いかを考えます。 地域差を効果的に表現するため、凡例分けや色などを工夫 生徒が作成した県内市町村別出生率の塗り分けた図 授業実施者)静岡県立吉原高等学校伊藤智章教諭
「地域の人口問題を考えよう」 -複数の情報の関連性を発見し、効果的に表現する- ・1つの画面で地図の重ね合わせができるので、地域差や複数のデータの関係性など、新たな発見にも繋がります。 ・生徒は、初めは手当たり次第に地図の重ね合わせを行っていましたが、次第に「仮説」を立てて議論を始めるようになります。 さまざまなデータから出生率と関係がありそうなものを自分で選択 データ間の関係性が一目でわかるように凡例を工夫 出生率と関連のあるデータ(人口増加率)を重ね合わせて塗り分けた図 授業実施者)静岡県立吉原高等学校伊藤智章教諭
類似事例:「店舗の立地を考える」 -複数の情報から関係性を発見し、次の行動を考える- ・コンビニエンスストアの立地に関係するさまざまな情報を重ね合わせた図を提示。 ・どうしてそのような立地になっているのか、新たに出店するとしたらどこが良いかを議論します。 コンビニエンスストアとよく通る道 【生徒作成】 コンビニエンスストアと駅、ポスト等のランドマークを重ね合わせた例 【生徒作成】 授業実施者)藤沢市湘洋中学校東桂子教諭
4.学校事務への活用 「家庭訪問マップを作る」
「家庭訪問マップを作る」 -アドレスマッチングの学校事務への活用- ・アドレスマッチングを使って家庭訪問マップを作り、家庭訪問のルートづくりやメモに活用します。 住所録 アドレスマッチング ルートづくり 家庭訪問マップ
「見学旅行の軌跡」 -修学旅行で使う- ・修学旅行で生徒にGPSを持たせて研修コースの軌跡や写真を地図上に表示し、報告集の作成に活用。 ・携帯電話の写メールと位置情報の送信で、生徒の安全把握などに役立てます。 地図と写真を活用して、オリジナルの研修マップを作成 京都自主研修のルートマップ 実施者)北海道滝川高等学校小野寺徹教諭
まとめ: 授業にGISを使うための7つのポイントまとめ: 授業にGISを使うための7つのポイント ①GISを活用する目的を明確にしましょう ②初めは「GIS提示型授業」で活用するところから始めてみましょう ③紙地図や地球儀と連携させて、GISの良さを活用しましょう ④他の教科等とも横断的に協力・調整して活用しましょう ⑤GISを小学生にも操作させてみましょう ⑥GISを教科以外にも使ってみましょう ⑦児童生徒の発達段階に応じてGISを活用していきましょう
参考:事例集、手引きの紹介 ●紹介した事例の詳細は、GISの活用事例集を参照ください。 ●また、授業実践に向けたノウハウや参考情報は、「教員向け GIS活用の手引き」や「Webサイト等の情報源の紹介」を参照ください。 ◇国土交通省国土政策局「GISホームページ」 → http://www.mlit.go.jp/kokudoseisaku/gis/gis/kyoiku/index.html (Google, Google Earth, Google マップ は、Google, Inc. の商標または登録商標です。)