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第二課  自然との出会い

第二課  自然との出会い. 第二課 自然との出会い. 北村昌美(きたむら まさみ、 1926 - )は、現在、山形大学名誉教授 、鶴岡市森林文化都市研究会長。 1926 年兵庫県生まれ。京都大学農学部卒業。農学博士。山形大学農学部教授、同学部長、ドイツ・フライブルク大学客員教授を歴任。森林経理学・比較森林文化論が専門。 主な著書に、『森林と日本人―森の心に迫る』(小学館)、『森林と文化―シュヴァルツヴァルトの四季』(東洋経済新報社)、『森を知ろう、森を楽しもう』(小学館)、共著に、『森林計測学』(養賢堂)、『森を見る心』(共立出版)、『草原の思想・森の哲学』(講談社)など。.

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第二課  自然との出会い

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  1. 第二課  自然との出会い

  2. 第二課 自然との出会い 北村昌美(きたむら まさみ、1926- )は、現在、山形大学名誉教授 、鶴岡市森林文化都市研究会長。 1926年兵庫県生まれ。京都大学農学部卒業。農学博士。山形大学農学部教授、同学部長、ドイツ・フライブルク大学客員教授を歴任。森林経理学・比較森林文化論が専門。 主な著書に、『森林と日本人―森の心に迫る』(小学館)、『森林と文化―シュヴァルツヴァルトの四季』(東洋経済新報社)、『森を知ろう、森を楽しもう』(小学館)、共著に、『森林計測学』(養賢堂)、『森を見る心』(共立出版)、『草原の思想・森の哲学』(講談社)など。

  3. 第二課 自然との出会い  「森を知ろう、森を楽しもう―森林彩時記」(小学館ライブラリー) [新書] 北村昌美著 この書籍は、人間がスピード化、機械化と様々なことに便利、快適さを追いつづけた現在、忘れていた四季折々の自然に触れる感動と自然の知恵、そして共に生きる人間の暮らしを再発見させてくれ、大きくは今の「地球・自然」を見直すきっかけをくれる一冊である。

  4. 第二課 自然との出会い 水上勉(みずかみ つとむ、1919-2004)は日本の小説家。福井県生れ。 少年時代に禅寺の侍者を体験する。立命館大学文学部中退。戦後、宇野浩二に師事する。1959(昭和34)年『霧と影』を発表し本格的な作家活動に入る。1960年『海の牙』で探偵作家クラブ賞、1961年『雁の寺』で直木賞、1971年『宇野浩二伝』で菊池寛賞、1975年『一休』で谷崎賞、1977年『寺泊』で川端賞、1983年『良寛』で毎日芸術賞を受賞する。『金閣炎上』『ブンナよ、木からおりてこい』『土を喰う日々』など著書多数。

  5. 第二課 <新しい言葉> 1.雪国の春はブナ林の芽吹きから始まると言ってよい。もちろん細かく見ればブナの緑に先駆けてマルバマンサクが咲き、タムシバ(ニオイコブシ)が咲く。 ブナ林: 温帯に見られる落葉広葉樹林の典型的なものである。

  6. 第二課 <新しい言葉> 1.雪国の春はブナ林の芽吹きから始まると言ってよい。もちろん細かく見ればブナの緑に先駆けてマルバマンサクが咲き、タムシバ(ニオイコブシ)が咲く。 マルバマンサク: マンサクの語源については、二つの説があり「まんず咲く」と「満作」である。

  7. 第二課 <新しい言葉> 1.雪国の春はブナ林の芽吹きから始まると言ってよい。もちろん細かく見ればブナの緑に先駆けてマルバマンサクが咲き、タムシバ(ニオイコブシ)が咲く。 タムシバ: 田虫葉、温帯から暖帯の山地に生育し、早春に白い6弁花を葉に先立って咲かせる。別名を「ニオイコブシ」といい、花には芳香がある。花はコブシに似るが、コブシが花の下に葉が一枚ついているのに対し、タムシバは花の下に葉がないので見分けは容易である。 葉はコブシの葉が広倒卵形であるのに対し、 タムシバは広披針形または長楕円形で、かつタムシバの方が細長い。

  8. 第二課 <新しい言葉> 1.雪国の春はブナ林の芽吹きから始まると言ってよい。もちろん細かく見ればブナの緑に先駆けてマルバマンサクが咲き、タムシバ(ニオイコブシ)が咲く。 コブシ: 辛夷、早春に他の木々に先駆けて白い花を梢いっぱいに咲かせる。別名「田打ち桜」。

  9. 第二課 <新しい言葉> 2.あるかなきかのこの新緑に、長く厳しい冬に耐えてきた雪国の人は心のときめきをおさえることができない。  あるかなきか: [連語]あるのかないのかわからないほどに、かすかなようす。また、存在が意識されないほど存在価値のないようす。 ○有るか無きかの星明かりを頼りに歩いた。 ○会社では有るか無きかの人物である。 ○太陽の光を柔らかく遮ったり、障子1枚向こうのほのかなあかりで足下を照 らしてくれたりする。あるかなきかという日本人の美意識にしっくりなじむ淡い 光を演出する。

  10. 第二課 <新しい言葉> 2.あるかなきかのこの新緑に、長く厳しい冬に耐えてきた雪国の人は心のときめきをおさえることができない。  ときめき: 胸がときめくこと。 ○乙女のころの胸のときめきを再び感じた。 ○海岸で働く彼を見かけた瞬間、彼女の心のときめきは激しくなった。 ○「萌えキャラ」とは、見た人が心のときめきを覚えるようなかわいらしいキャラ クターを指す。

  11. 第二課 <新しい言葉> 3.このときめきをあからさまにするのはもう少し待とう、そういった心境だと言えばいいだろうか。 あからさま: [形動]包み隠さず、明らかなさま。また、露骨なさま。 ○彼は不満をあからさまに顔に出した。 ○そんなあからさまな言い方をするものじゃない。 ○ここまで不正が明らかにされては、今後の選挙であまりにあからさまな不正 は行えなくなってくるだろう。

  12. 第二課 <新しい言葉> 4.そのころには林内の根雪もほとんど消えて、つつじ類をはじめ、低木類が林床を飾るのである。 根雪: 解けないうちに雪がさらに降り積もって、雪解けの時期まで残る下積みの雪。 ○昨朝の大雪により残った雪も溶け切れずにあちらこちらで根雪になっていま した。 ○葉は初霜ころに散り、落葉から10日ほどで初雪、1カ月で根雪になる、と言 われる。 ○「今日は屋根雪が落ち、道を塞いだという相談が多い」と市職員は話してい る。

  13. 第二課 <新しい言葉> 4.そのころには林内の根雪もほとんど消えて、つつじ類をはじめ、低木類が林床を飾るのである。 つつじ: 常緑または落葉性の低木、まれに小高木もある。よく分枝し、枝や葉に毛がある。春から夏、白・紅・紫色などの漏斗形で先の5裂した花が咲く。

  14. 第二課 <新しい言葉> 4.そのころには林内の根雪もほとんど消えて、つつじ類をはじめ、低木類が林床を飾るのである。 林床: りんしょう。森林の地表面。光が林冠により遮られるため、耐陰性の強い植物や菌類などが生育。 ○高さ20メートル前後の弱々しい木がうっそうと繁茂し、日光が林床に届かず、下草の ない地面はゴツゴツで固かった。 ○マメ科は吸蜜昆虫と共進化したので、普通は明るい所に生育するが、この種は暗い 林床に生える。 ○光合成をせず太陽光を必要としない腐生植物で、薄暗い林床で透明感のある白色 が目立つため、「ユウレイタケ」の別名もある。

  15. 第二課 <新しい言葉> 5.天の摂理とは、まさにこのようなことを言うのではなかろうか。 摂理: ① 自然界を支配している法則。 ② キリスト教で、創造主である神の、宇宙と歴史に対する永遠の計画・配慮のこと。神はこれによって被造物をそれぞれの目標に導く。 ○猛禽類が他の鳥を捕らえて食べようとするのは「自然の摂理」だ。 ○信徒の中には、原爆を「神の摂理」と受け止める者もあった ○技術の発展によって農業の近代化が図られてきましたが、同時に、「自然の 摂理」という越えられない壁があることもはっきりしてきました。

  16. 第二課 <新しい言葉> 6.その厳かなたたずまいといい、また風雪に耐えるけなげな姿といい、ブナ林が真の迫力を見せるのに、冬に勝る季節はないであろう。 けなげ: 【健気】心がけがよく、しっかりしているさま。特に、年少者や力の弱い者が困難なことに立ち向かっていくさま。 ○「父親に関する意識調査」を行ったところ、家族のために懸命に働き、自分 は少ないお小遣いでやりくりするという健気な父親像が見えてきます。 ○戦後は、親を亡くした子どもが靴磨きをして生活費を稼ぐ健気な姿が街角で よく見かけられ、その子どもたちはシューシャインボーイと呼ばれました。

  17. 第二課 <新しい言葉> 7.また自然に対して研ぎすまされた感性を持っているのも事実である。 研ぎ澄ます: ①刃物をよくといで切れるようにする。また、鏡をよくみがいて曇りのないように する。 ②心の働きを鋭くする。 ○圧倒的なアメリカの大自然が、家出した少年の孤独と葛藤を研ぎ澄ます。 ○バーテンダーとして経験を積んだ今、豊かな自然に囲まれた「田舎」のほう が、味覚や感受性を研ぎ澄ますことができ、客とも深く一生のお付き合いが できると感じている。

  18. 第二課 <新しい言葉> 8.実際に見たこともない植物なのに、スグリとかアラセイトウなどという名前はよく目にするものである。 スグリ: 原産はヨーロッパと西アジアである。日本への渡来は明治初期で、北海道、東北地方など夏期に冷涼な地域での栽培に適する。

  19. 第二課 <新しい言葉> 8.実際に見たこともない植物なのに、スグリとかアラセイトウなどという名前はよく目にするものである。 アラセイトウ: 南ヨーロッパ原産で原産地では多年草であるが、日本では秋蒔き一年草として扱う。

  20. 第二課 <新しい言葉> 9.日本の物語に登場する森の植物は、その種類も数もしれたものである。 知れる: [動ラ下一][文]し・る[ラ下二] ① 他の人の知るところとなる。知られる。 ○この秘密はみんなに知れては困る。 ○中国の家電製品は現在、世界一の生産量を誇っているが、世界家電市場で 名の知れた中国ブランドが少ない。

  21. 第二課 <新しい言葉> 9.日本の物語に登場する森の植物は、その種類も数もしれたものである。 知れる: [動ラ下一][文]し・る[ラ下二] ② 知ることができる。自然にわかる。判明する。 ○あんなことをするなんて、気がしれない。 ○気心が知れているため、特に話し合うことはなかった。休憩では2人で椅子 を並べ、それぞれ本を読んで過ごすことも多かった。

  22. 第二課 <新しい言葉> 9.日本の物語に登場する森の植物は、その種類も数もしれたものである。 知れる: [動ラ下一][文]し・る[ラ下二] ③大したことではないとわかる。それほどではないと見当がつく。 ○一人の力は知れているので、経営トップをはじめ周りの人たちをいかに巻き 込むかということも重要だ。 ○手技に頼った製法では生産量はたかが知れている。高品質のものを大量に 作るには、機械化と創意工夫が必要だ。

  23. 第二課 <新しい言葉> 10.宅配便で運んだ手間を省いている竹紙は、なかなか味があって、素人が漉いたのでも、筆ののりがいい、岩絵の具のすばらしいにじみと鮮やかさも格別だ。 乗り: ①乗り物などに乗ること。また、その人。 ○50人乗りのバス。 ○方向が同じ者どうしでタクシーに乗りあう。

  24. 第二課 <新しい言葉> 10.宅配便で運んだ手間を省いている竹紙は、なかなか味があって、素人が漉いたのでも、筆ののりがいい、岩絵の具のすばらしいにじみと鮮やかさも格別だ。 乗り: ②つりこまれること。調子づくこと。また、音楽のリズムなどにうまく合うこと。 ○適度な弾力のあるスープのりの良い麺です。 ○ノリの良い曲でみんなの気持ちを盛り上げることができる。 ③絵の具・白粉などの付きぐあい。 ○この紙は絵の具の乗りが悪い。 ○これでキメを整え化粧のりの良い、すべすべの肌に整えます。

  25. 第二課 <新しい言葉> 11.そこらあたりに、頑固な個性があるような気がするのである。 うまく言えないが、まぜて一人前の紙になるあたりがおもしろい。 若狭あたりでは、ほとんどの家は適当な藪を持っていて……竹を使って親 しんできた。 辺り: ①ある地点の周囲。ある範囲の場所。付近。周り。 ○彼らは辺り構わず大きな声で話している。 ○1羽がエサ探しや毛繕いをするともう1羽が首をあげて辺りを見回している。 ○真冬に花を咲かせるロウバイの甘い香りが辺り一面に漂い、訪れた人々を楽しませ ている。

  26. 第二課 <新しい言葉> 11.辺り: ②場所・時・人・事柄・数量などをはっきり示さずに、婉曲に言い表す語。多く、名詞の下に付いて接尾語的に用いる。 ㋐そのへん。一帯。近所。○横浜辺りで遊ぶ。 ㋑そのころ。その時分。○次の日曜辺りに桜が咲くだろう。 ㋒たとえば…など。 ○明治の作家では漱石辺りが読みたい。 ○あの困難な仕事に1人で取り組む辺り、彼はなかなか野心家である。 ㋓その程度。 ○県代表辺りまでなれるだろう。○千円辺りの品物。

  27. 第二課 <新しい言葉> 12.尺八の音色が美しいのは、生れてずうっとためた音を、人の息に誘われて引き出すからだ、と言った人がいた。 尺八: 名称は、標準の管長が一尺八寸であることに由来する。中国の唐を起源とし、日本に伝来したが、その後空白期間を経て、鎌倉時代~江戸時代頃に現在の形の祖形が成立した。

  28. 第二課 <新しい言葉> 13.日本の場合は、根こそぎ地の皮をめくるみたいに、竹を切り殺して、造成に取りかかる。 根こそぎ: 根まで抜き取ること。 ○樹木と草を根こそぎ取り除き、山や河川敷を含めて表土をどけると、大量の 汚染ごみが生じます。 ○被害を受けた地域では、強風の影響で根こそぎ倒れた木が、道路をふさい で通行できない状況になった。 ○単なる一工場の移転ではなく、サプライヤーを含めた「ものづくり体制」が根 こそぎ海外に移転しまう。

  29. 第二課 <新しい言葉> 13.日本の場合は、根こそぎ地の皮をめくるみたいに、竹を切り殺して、造成に取りかかる。 造成: 意図してつくること。こしらえること。 ○川原湯温泉の風情が残るように、どの宿からもダム湖が見えるように造成を 進めました。 ○市内に造成中の工業団地(敷地面積約3万平方メートル)を12年7月をめど に取得する。 ○静岡県では、お茶を観光魅力のひとつと位置づけ、「お茶摘み体験」「お茶 講座」や、「全国茶サミット」といったイベント見学を盛り込むなど、お茶につい て多角的に楽しめる体験型の旅行商品を造成しています。

  30. 第二課 <新しい言葉> 14.そこに、成都のようないくつかの竹の生木をかたまりとした、歩道も、アプローチもない。殺風景だ。 アプローチ: [名](スル) ①近づくこと。接近。 ○好意をもった異性に対する積極的なアプローチが、恋人づくりの鍵である。 ○相手からアプローチされて ・仲よくしている男の子に告白されることが多く、 付き合うにしても断るにしても、友だちが減ってしまう。

  31. 第二課 <新しい言葉> 14.そこに、成都のようないくつかの竹の生木をかたまりとした、歩道も、アプローチもない。殺風景だ。 アプローチ: [名](スル) ②対象とするものに迫ること。また、その方法。 ○iPhoneアプリは若者をはじめとした様々なユーザー層にアプローチします。 ○本書は、憲法学や環境社会学など多様なアプローチで裁判や政策を再検 証し、アイヌ政策のあるべき方向を探った貴重な研究だ。 ○中国外務省は、EUの禁輸措置に関する質問に文書で「単純に圧力をかけ、 制裁を課すのは建設的なアプローチでない」と表明した。

  32. 第二課 <新しい言葉> 14.そこに、成都のようないくつかの竹の生木をかたまりとした、歩道も、アプローチもない。殺風景だ。 アプローチ: [名](スル) ③建物・施設への導入路。 ○計画では、鐘へのアプローチを彩る2500個のキャンドルに点灯し、鐘を鳴 らす。 ○実際の家の設計では玄関を南に設けると家の中の全てがアプローチから丸 見えとなったことが多い。

  33. 第二課 <新しい言葉> 15.在所の藪のありかはだいたいわかっているので、そこの持ち主の長男で、戦死した同級生のことや、……などまで思い出されてくる。 在所: ①人が住んでいる所。また、物が存在する所。ありか。 ②郷里。くにもと。 ○そのころ、在所ではほとんどの家が野菜は自給でした。 ○6年間勤めたサラリーマン生活に見切りをつけた梅津さんが、生まれ在所で、 農園を借りて野菜作りを始めた。

  34. 第二課 <新しい言葉> 15.在所の藪のありかはだいたいわかっているので、そこの持ち主の長男で、戦死した同級生のことや、……などまで思い出されてくる。 在所: ③都会から離れた地方。田舎。ざい。 ○在所から野菜を売りにくる。 ○母の在所はビックリするくらいの田舎で、周りはみな専業農家というか、見渡 す限りの耕地という土地です。

  35. 第二課 <新しい言葉> 15.在所の藪のありかはだいたいわかっているので、そこの持ち主の長男で、戦死した同級生のことや、……などまで思い出されてくる。 ありか: 【在処・在所】物のある場所。人のいる場所。所在。居所。 ○少年記者タンタンはひょんなことから古い帆船の模型を手に入れるが、マス トに隠された羊皮の紙には、海賊の財宝のありかが示されていた。 ○論評を読むおもしろさは、書き手との紐帯(ちゅうたい)のありかを体感でき るところにある。 ○原発問題は、推進/反対という二元論的対立ではなく、問題のありかを冷 静に、そして丹念に探ります。

  36. 第二課 <言葉の学習> 1.~ながら 「いつもながらの春の訪れとは言いながら、どうしてこうも順序を間違えず、次から次へと植物たちは動き出すのであろうか。」 「やっているうちに、ものも言わぬ竹ながら、何やかや教わるものが多い。」 ながら【乍ら】 ①動詞・動詞型活用語の連用形に付く。二つの動作・状態が並行して行われる意を表す。 ○自宅には帰らず、良子さんの身を案じながら病院に泊まった。 ○生徒たちは、みんなで話し合いながら進行していく授業を楽しんでいるようだ。 ○撮影した写真や動画は、単純ではあるが、みんなと一緒にワイワイ言いな がら見ると非常に楽しい。

  37. 第二課 <言葉の学習> 1.~ながら ながら【乍ら】 ②名詞、動詞型活用語の連用形、形容詞型活用語の連体形などに付く。内容の矛盾する二つの事柄をつなぐ意を表す。…にもかかわらず。…ではあるが。 ○あれだけの才能がありながらいつも貧乏だ。 ○安蘭さんと大和田さんは対照的な姉妹ながら、どちらもとても魅力。 ○サラリーマン夫婦とその子供から成る「核家族」が一軒の家に暮らすようになり、その 「狭いながらも楽しい我が家」に「私室」は形成されてきた。

  38. 第二課 <言葉の学習> 1.~ながら ながら【乍ら】 ③体言、副詞、動詞型活用語の連用形などに付く。ある状態のままにある意を表す。…のまま。…のとおり。 ○修希ちゃんは生まれながら心臓病を抱えていた。 ○来店客からは「昔ながらの暮らしや風景がそのまま残っている」という声をよく聞く。 ○いつもながら、この著者の小説はページをめくる手を止めさせないが、本書は、恋愛、 友情、という普遍的なテーマを、じつに繊細に扱っている。

  39. 第二課 <言葉の学習> 1.~ながら ながら【乍ら】 ④体言・副詞などに付く。そろってそのまま、同じ状態にある意を表す。全部。…とも。それごと。 ○彼は富と健康を二つながら持っている。 ○娘は3人ながら結婚しました。 ○尊皇と開国の気風とが入り交じった明治初期に生を受けた吉田茂は、戦前と戦後を 通じて日本の国家的栄光と西洋、特に英米との協調を二つながらに実現する道を探 り続けた。

  40. 第二課 <言葉の学習> 2.下(した)+動詞連用形・名詞 「林業にとってはやっかいな真夏の下刈りという作業も、雑草や小低木からみれば、とんでもない迷惑なことである。」 下刈り: 植林した苗木の生長をよくするため、樹木の下の雑草や雑木を刈り取ること。 ○森林の下刈りや間伐を進めれば、日当たりがよくなって木の成長を促す。 ○収益が出れば下刈りなど山の経営費用にも充てることができる。

  41. 第二課 <言葉の学習> 2.下(した)+動詞連用形・名詞 した【した】 [接頭] 名詞の上に付いて、前もってするという意を表す。「―準備」「―調べ」 ○願書はコピーして下書きしてから記入するといいそうだ。 ○下見は受験当日と同じ曜日に 事前にインターネットの路線図サイトなどで所 要時間や交通費を確認した上で、実際に下見をしておくとよいでしょう。 ○鶏モモ肉は一口大に切って、塩、こしょう、酒で下味をつけ、でんぷんをまぶ してカラリと揚げます。

  42. 第二課 <言葉の学習> 2.下(した)+動詞連用形・名詞 か【下】 [接尾]名詞に付いて、そういう状態のもとにある、その中でのことである意を表す。「戦時―」「意識―」 ○この映画は、黒木さんが少年期を過ごしたえびの市を舞台に戦時下の人々 を描いた。 ○稽古場には、立ち位置や役割を早急につかんでいる者もいれば、無意識下 にわが道を突き進んでしまっている者もいる。

  43. 第二課 <類語の学習> 滲む(にじむ)・染みる(しみる)・浸透する。 滲む ①液体が物にしみて広がる。 ○包帯に血が滲む。 ○紙の文字が滲む。 ②液体がうっすらと出てくる。 ○目に涙が滲む。

  44. 第二課 <類語の学習> 滲む(にじむ)・染みる(しみる)・浸透する。 染みる ①液体や気体が他の物に移りついて、次第に深く広がる。また、にじんで汚れる。 ○味が染みる。 ○匂いが染みる。 ○汗の染みた下着。 ②液体や気体などの刺激を受けて痛みを感じる。しむ。 ○消毒薬が傷口に染みる。 ○歯に染みる。 ③心にしみじみと感じる。しむ。 ○親切が身に染みる。 ④好ましくない気風の影響を受けて、その傾向をもつようになる。そまる。 ○悪習に染みる。

  45. 第二課 <類語の学習> 滲む(にじむ)・染みる(しみる)・浸透する。 浸透する ①水などが、しみとおること。 ○雨水が地下に浸透する。 ②思想・風潮・雰囲気などがしだいに広い範囲に行きわたること。 ○新しい生活様式が国民に浸透する。

  46. 第二課 <類語の学習> 滲む(にじむ)・染みる(しみる)・浸透する。 [共通する意味] 「血の染みた(滲んだ)手ぬぐい」「汗の染みた(滲んだ・浸透した)シャツ」のように、液体がものに濡れて広がる意では相通じて用いられる。

  47. 第二課 <類語の学習> 滲む(にじむ)・染みる(しみる)・浸透する。 [使い分け] 【1】「滲む」は、ものについた液体がその部分から周囲に散り広がる意を表わすのに対して、「染みる」は、液体がそのものを通って内部に及んでいく意を表わす。 【2】「滲む」は、「額に汗がにじむ」「絵の具の色がにじむ」「落ちた涙で字がにじむ」「涙で街灯がにじんで見える」「涙がにじみ出る」のように、液体が内部から表面に出てくる意も表わす。

  48. 第二課 <類語の学習> 滲む(にじむ)・染みる(しみる)・浸透する。 [使い分け] 【3】「染みる」は、「薬がしみる」「煙が目にしみる」「寒さが身にしみる」「煮物は味がしみるのに時間がかかる」のように、感覚を刺激する意や、「身にしみる話」「心にしみる音楽」のように、深く心に感じる意でも使われる。「沁みる」「浸みる」とも書く。 【4】「浸透」は、もともと液体がしみとおることをいうが、転じて、ある考え方などが人々の間に自然にだんだんと広まることをいう。人の心にしっかりとしみ込んで定着するような場合にしかいわないので、「うわべだけの友好ムードが広まる」はいえるが、「うわべだけの友好ムードが浸透する」は不自然である。

  49. 第二課 <類語の学習> 滲む(にじむ)・染みる(しみる)・浸透する。 [対比表]

  50. 第二課 <練習> 一、次の文の下線部を辞書で引いて日本語で説明した上、全文を中国語に訳しなさい。 1、こうして、日本人は桜の開花から散り終わる時まで、自然の摂理のままに楽しんでいる。 2、レオナルドの絵画作品は、どれもみな、数学的、幾何学的なロジックに則(のっと)っている。特に「最後の晩餐」と「モナ・リザ」は、遠近法の極致とも言える。 3、ヨン様の声を聞き入るため静まり返った会場からは一斉に拍手が起こった。 4、このように経済的困難にあるとき、政治家は国民すべての要望に耳を傾けるべきだ。 5、集団移転では、移転先の宅地は公費で造成されるが、建物は被災者の自己負担となる。

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