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「東海第 2 原発と千葉ーー千葉から廃炉に向けて運動をどうつくるか」. 小林正弥 2012/ 1 /21 平和への大結集・千葉 憲法講座. 最新原発事故( 2010 年 1 月 20-21 日). 柏崎刈羽原発:制御棒1本の動作が不良 ( 毎日新聞 1 月 21 日 ( 土 ) 高濃度汚染水2リットル漏れる … 福島第一原発( 読売新聞 1 月 21 日 ( 土 ) 中部電力:4報告書、152カ所データ誤記載 浜岡原発安全性評価など ( 毎日新聞 1 月 21 日 ( 土 )10 時 30 分)
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「東海第2原発と千葉ーー千葉から廃炉に向けて運動をどうつくるか」「東海第2原発と千葉ーー千葉から廃炉に向けて運動をどうつくるか」 小林正弥 2012/1/21 平和への大結集・千葉 憲法講座
最新原発事故(2010年1月20-21日) • 柏崎刈羽原発:制御棒1本の動作が不良 (毎日新聞1月21日(土) • 高濃度汚染水2リットル漏れる…福島第一原発(読売新聞1月21日(土) • 中部電力:4報告書、152カ所データ誤記載 浜岡原発安全性評価など (毎日新聞1月21日(土)10時30分) • もんじゅ制御棒に不具合=動作試験で一時動かず―保安院、1カ月後に公表(2012年1月20日)
東海第2原発の最新事故 • 東海第2原発で火災 放射性物質漏洩なし(2011.7.6) • 漏れた水は22・4トン 東海第2原発(2011.10.26 ) • 東海第2原発:廃棄物処理建屋で白煙 セラミックフィルターの予熱器部分から(毎日新聞 - 2012/01/13) • 日本原子力発電(原電)は十九日、東海第二原発(東海村)の原子炉圧力容器内で燃料集合体を覆っている金属製カバーの台座に六十六カ所のひび割れが定期検査で見つかったと発表した。個数や状態が原電の安全基準値内にとどまっており、問題ないとしている。(2012年1月20日)
千葉県の被災状況 • 県内被害状況 • 浦安の液状化現象:ライフラインの途絶 • 放射性物質の土壌汚染マップ: • http://savechild.net/archives/9426.html
土壌汚染マップ • 土壌汚染マップ:」 http://matome.naver.jp/odai/2131468288290995401 • 群馬大の早川由紀夫教授が半径約200kmの汚染マップ作成 出典livedoor.r.blogimg.jp • 福島県東部の汚染が激しい • 福島県東部では、かなり深刻な汚染である事が分かります。また、北は岩手、南は東京都、千葉県まで汚染範囲。
文科省モニタリング(毎日新聞、2011年9月29日) 文科省モニタリング(毎日新聞、2011年9月29日) • 千葉県では柏、流山、我孫子、松戸市にまたがる10平方キロほ どの一帯で、セシウム134と137を合わせると、福島県内の比較的汚染が少ない地域に匹敵する1平方メートルあたり6万~10万ベクレルが測定された。 • 柏市は、周辺よりも放射線量が高い「ホットスポット」と指摘されており、土壌のセシウム沈着量でも確認された。…これらの地域では、事故後に放射性物質を含む雲が風で運ばれ、雨が降った際に地表に沈着したとみられる。
首都圏にも危険性 • 首都圏3000万人避難の最悪シナリオ(3月末ー4月初め):4つの原発の冷却機能が回復せず、核燃料の全面的メルトダウンが進んだ場合(田坂広志) • 葛飾区など東京東部も。 • 世田谷区の高放射線量→ラジウムと判明 • 船橋 ふなばしアンデルセン公園→毎時1.55マイクロシーベルト • 横浜市ストロンチウム検出
汚染作物 • 香取市、旭市などの青果、出荷停止 • にもかかわらず、市場で流通:ホウレンソウ、サンチュ • 福島などの汚染牛肉の県内流通 • チェック体制は充分か? • 風評被害
巨大地震発生確率 • 「M9巨大地震」発生確率30%…政府“地震本部”が算出(2011.11.25) • 衝撃的な予測結果が出た。政府の地震調査研究推進本部(地震本部)が、東日本大震災の震源域に近い三陸沖から房総沖の日本海溝寄りのスポットで、今後30年以内にマグニチュード(M)9級の地震が30%の確率で発生すると公表した。50年以内では発生確率は40%にまで上昇するという。首都圏でのM9級の大地震の発生がより現実味を帯びてきた。…予測範囲をM6・7からM7・6の地震にまで拡大すると、三陸沖北部と茨城県沖では、それぞれ90%の高確率で地震が起きるという試算も出た。
太平洋岸、特に千葉・茨城誘発地震の危険性 • 東海・東南海・南海地震の三連動型巨大地震と誘発性直下型地震のリスク:太平洋岸 • 琉球大学・木村政昭名誉教授がいまいちばん警戒が必要なのは、千葉と茨城で起きる直下型地震だという。 • 「茨城や千葉は以前から、近いうちにM6を超える地震が起きるのではないかと予想されていました。こうしたエリアでは、かなり危険性が強まっているといえるでしょう」
房総沖地震の可能性 • 今回の大地震の震源域の南にある房総半島沖を震源とした大地震が起こる可能性がある。東京大学地震研究所の大木聖子助教「今回の地震は同じプレート内で起こっているんです。最初の震源地から北へ、南へとドミノ倒しのように広がったんです。房総沖はいま、その倒れてきたドミノを頑張って支えている状態で、いつ倒れてもおかしくない。だから房総沖に大きな地震が起こっても不思議ではないんです」、同旨、京都大学名誉教授の川崎一朗氏。※ 女性セブン2011年3月31日・4月7日号
伊豆大地震の危険性 • 巨大地震“北伊豆”が危ない?東大地震研チームが分析(2011.11.30) • 東京大学地震研究所の研究チームが分析した断層の調査結果が波紋を広げている。東日本大震災の影響により、全国11カ所の活断層で地震発生率が震災前の10倍以上に上昇しているというのだ。最も活発化したのが70倍の動きを示した「北伊豆断層帯」。かつて、ここを震源とするマグニチュード(M)7・3の内陸直下型地震が起き、大きな被害を出した。再び大地震の危機が迫っているのか。
原発地図 • 福島第2原発 • 千葉近辺:茨城・東海村 東海原発(日本原子力 発電株式会社):日本初 の商業用原子炉(1965 -1998)、現在は廃炉プロ ジェクト。 • 東海第2 1978開始、33年運行
東海第2原発の事故 • 2010年管理区域外への放射性物質の放出 • 東北地方太平洋沖地震 • 2011年3月11日、原子炉が自動停止した。常用の外部電源も停止したことから、非常用ディーゼル発電機3台を起動して運転に必要な電源を確保したが、津波によってディーゼル発電機用海水ポンプが故障したため、残るディーゼル発電機2台で原子炉冷却に必要な電源を確保した。その後外部予備電源が回復し、3月15日0時40分に原子炉水温度が100℃未満の冷温停止状態となったことを確認した。その間は注水と、水蒸気を逃がすための弁操作の綱渡り的な繰り返しで、冷温停止までにかかった時間も通常の2倍以上であった。 • しかし、高さ6.1m(想定津波5.7m)の防波壁に到達した津波の高さは5.4mで、工事中のため防波壁には穴が開いていた。その穴から入った海水によって、全3台の海水ポンプが水没(2台は水深が低かったため稼動)し、非常用ディーゼル発電機1台も停止した。原子炉は冷却し続けられたが、もう少し波が高かったら、全ての電源が潰滅し、福島第一原発と同じ状態になっていたという。日本原電は、「(冷却機能が全て失われた)福島第一の事態になった可能性は否定できない」と述べている。
続き • 2011年管理区域外への放射性物質の放出 • 地震があった同日の2011年3月11日21時50分頃(JST)。複合建屋(非管理区域)蓄電池室2Bにあるドレンファンネルからの溢水。当該サンプ内の廃液が非管理区域へ逆流し、漏洩したものと判断した。その後、放射性物質を含む廃液を放水口から放出した。 • また3月13日には使用済燃料プールおよびサイトバンカープールの溢水が確認されている。 • 茨城県が2007年10月に出した「津波浸水想定」に基づき、東海第二発電所では対策を実施。冷却用海水ポンプを守るため、従来あった3.3mの防護壁に加えて、側面にも2.8mの壁を設けた。津波は5mと福島第一原発の半分以下だったこともあるが、ポンプや電源は一部浸水したものの、冷却を継続できた。 • 対策をしていなかったら、福島原発のようになった危険性?
東海村長の提案(10月11日) • 村上達也村長が細野原発事故担当相、中川正春文科相と会談 • (1)30キロ圏内に約100万人が居住する(2)東京から110キロの首都圏にある-などを理由に、東海第2原発の廃炉を求める。原発立地自治体の首長が廃炉に言及するのは異例。 • 国が新たな原子力規制機関を早期に整備するよう要求。機関の名称も「安全」ではなく「規制」の文言を入れるべきだと求め • 一方、現行の国内9電力会社による地域独占体制の解体と発送電分離は不可欠と指摘。日本原子力発電を準国策会社とし、国内全ての原発の運転・管理を行うことを提案した。
東海村議選 • 村議選は今回、5人が引退を決め、現職15人と新人6人が立候補の準備を進めている。 村上村長は昨年10月、細野原発相と面会した際、定期検査中の東海第二発電所の「廃炉」を提案した。12月の定例記者会見では「自分は脱原発のアドバルーンを上げた。候補者も意見を出してもらいたい」と、再稼働の是非が争点になることを望んだ。 しかし、村議会では「原子力を推進する議員有志の会」に15人が加盟し、原発推進派が大勢を占める。村上村長に共感する新人の出馬表明が相次ぐことも予想されたが、新人6人の中で「脱原発」を掲げるのは少数。
続 • 村議会の勢力図に大きな変化を与えるような動きに発展しておらず、立候補予定者が少ないこともあり、原発問題を巡って活発な論議になるかは不透明だ。 村上村長は会見の場で「私は政党を作り、明確に同じ考えを持つ仲間と政治活動をしているわけではない。立候補者にはそれぞれの思いがあり、強引に多数派工作をしていくのは難しい」とも述べた。(読売、1月13日) • 明日、投票。
自然エネルギー • 千葉県:再生可能エネルギー供給量:全国35位 • 再生可能エネルギー自給率 全国44位 • ただ、風力発電量 全国11位 • 孫正義:自然エネルギー協議会、全国で35県、首都圏でも栃木・群馬・埼玉・神奈川は参加しているにもかかわらず、千葉県は不参加。(北海道、岩手県、秋田県、山形県、福島県、栃木県、群馬県、埼玉県、神奈川県、富山県、山梨県、長野県、静岡県、愛知県、三重県、関西広域連合(滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、和歌山県、鳥取県、徳島県)、奈良県、島根県、岡山県、広島県、山口県、香川県、愛媛県、高知県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県)
思考ツールとしての哲学 • 科学史・科学哲学:実証主義的科学観に対する批判。 • 科学技術:価値中立的という偏見。経路依存性 • 実際には、科学技術の発展は、時代の価値観・世界観に左右されるし、逆に影響もする。 • 例:マンハッタン計画 ナチズムとの対抗、その後、原爆投下に対する科学者の反省。 • 科学倫理:特に最先端の科学で必要 • これを震災やエネルギー問題について考える。
公共哲学:理想主義的現実主義 • 公共性:時空間的拡大 • 当為(べき論)と現実(ある論) • 哲学的鍵概念:「現実主義的現実主義」(現実肯定・追認)との「理想主義的理想主義」(空想的)の二項対立に対して、理想を現実の中で可能な限り実現しようという考え方。 • 原発問題:「原発推進派(産業のためには原発が必要)対 反原発派(原発の危険性)」という構図 感情的対立 →脱原発、縮・超原発(?)
哲学と民主主義 • 正義についての哲学的議論:実質的価値に関わる。しかし、哲学的な合意は存在しない。 →民主主義的決定との関係 →哲学的熟議民主主義 民主主義の質的向上
科学技術と公共性 • 科学:価値・世界観が関係→人文社会科学の洞察も入れる必要 • 実質的価値のアプローチ:主流派科学 対 対抗的科学、市民科学の潮流 エコロジー問題などで文明論的科学技術批判(理想主義的理想主義?) • プロセス的アプローチ:多様な考え方→公共性(公開性、公益性)を実現するための対話
科学技術と民主主義 • 科学技術は専門家にしかわからないという想定ー現実主義的現実主義に強力。人々が決めるべきことではなく、専門家に任せるべき。 • 専門家の間で決着のつかない問題に対してどうするか? • 他方、知識・情報のない人々の民主主義的決定→衆愚政の危険 • 社会学:リスク社会論(ベック、ギデンズなど)→熟議民主主義の試み
コンセンサス会議 • 佐々木毅・金泰昌編『公共哲学8 科学技術と公共性』(東京大学出版会、2002年)。 • コンセンサス会議:デンマーク 1986年から テクノロジー委員会→3日間などの市民パネル(専門家の説明、市民パネルと専門家の議論、市民パネルの議論とレポートの公表):エキスパートと市民 • 科学の公共的了解、STS(Science,Technology and Society)学会
日本での試み • 日本:遺伝子治療(1998)、インターネットテクノロジー(1999)、遺伝子組み換え農作物(農水省)、「市民が考える脳死・臓器移植」(ディープダイアローグ)、北海道GMコンセンサス会議、ナノトライなど • 小林伝司:2種類の専門家(ピュア・サイエンス、臨床の専門家)、素人、公共性を媒介する第3者の必要性
熟議民主主義 • 篠原一『市民の政治学ーー討議デモクラシーとは何か』(岩波新書) • 討議制意見調査(フィシュキン)、計画細胞 (ドイツ)、市民陪審制(アメリカ)など。1970年代、特に1990年代から。 • 日本 教育:文部科学省(リアル熟議)
哲学的熟議民主主義 • 熟議民主主義+哲学=対話型講義 • 原発問題をめぐる熟議型講義 • 0616 科学未来館のスタッフ:賛成派と反対派のプレゼン • 対話型講義+市民の熟議=熟議型講義 • 議論の公表
エネルギー問題の熟議民主主義 • 核分裂エネルギーの問題性 • 代替的エネルギーの問題:自然、火力・石油、 • 今後の原発やエネルギー政策は?:サンデルの提示した2つのシナリオ:原発維持か、安全性のための生活様式の変化か? • 「あなたは自然エネルギーのために、一日110円を払いますか?」(未来館、未来設計会議、2011-7ー16)
原発を巡るエネルギー論争1:量 • 量的に不足するか? • 短期的問題:揚水発電、火力発電の最大稼働、自家発電など。夏場も節電でしのげるのでは? • 今年の夏を越えたので、決着。節電をすれば、大丈夫:総括が必要。
原発論争2:コスト • 原発のコストは実際に安いか? • :推進側の主張 モデル • 反対派の主張 実際にかかった費用から • →客観的検証の必要性(中間整理) • 現在、議論が進展中。エネルギー・環境会議「コスト等検証委員会」賠償費などの算入について、意見対立
原子力発電は高コスト?(未来館プレゼン) 政府が根拠にしているコスト計算 出典:電気事業連合会; モデル試算による各電源の発電コスト比較 有価証券報告書を基に計算したコスト 出典:再生可能エネルギーの政治経済学(大島堅一)
コスト等検証委員会の試算 • これまでは計算に含まれていなかった廃炉や事故の損害賠償費用などが新たに発電コストに加えられたため、原発の1キロワット時あたりの発電コストは8.9円~9.5円(70%稼動時)と試算された。これは2004年の試算の5.9円のほぼ倍にあたるもので、これまで原発が他の電源種よりも安いとされてきた根拠が崩れた格好だ。その一方で、再生可能エネルギーについては現状では太陽光が30.1円~45.8円、風力が9.9円~17.3円と原発や既存の火力発電よりも高いコストが算出されたが、同時に2030年頃から技術革新によって再生可能エネルギーの発電コストは急速に下がるとの試算も発表された。…大島氏は、「ところどころ異論はあるが、概ね必要なコストは含むことができた。フェアな議論ができたと思う」と、委員会の結論に一定の評価を与えた。
野田政権の方針 • 減原発は維持 • 文科省:副読本 原発記述ほぼ一掃、放射能教育のみに。 • 経済発展、来夏までには原発再稼働 • もんじゅ、再起動、核燃料サイクル維持? • 昨年末の「収束」宣言:時期尚早 • 原則40年で廃炉、ただ60年まで可能:危険性
図解:原発をめぐる中庸? • 理想主義(的理想主義) • 反原発 中庸(本来) • 現実主義的理想主義 • 脱原発 • 理想主義的現実主義 • 減原発 • 現実主義? • 中庸(野田政権)? • 原発推進 • 現実主義(的現実主義)
問い • 1.原発は、①反原発(即時なくすべき)、②脱原発(段階的廃止)、③減原発(やめるかどうかは検討)、④原発維持・推進(安全性確保は前提) • 2.再稼働を認めるかどうか? • 3.東海村長の提案 ①東海第2原発の廃炉? 再稼働? • 4.原子力規制機関の設置 • 5.自由化、送発電分離など:今後の電力体制(地域独占、送発電分離など)は、どうするか? • 6.公共的会社(機関)に原発を。電気の公共性?
問い(続):原発と自然エネルギー • 自然エネルギーはどこまで推進すべきか? • 千葉県として、エネルギーの自給自足(永続地帯)を目指すべきかどうか? • このための財源はどうするか? 県民税を増税すべきか?
問い1・2 • もしかすると、電力は量的にも足りるかもしれないし、コストでも原発は安くないかもしれないーーこれなら脱原発は当然 • 仮に、量的にも厳しいし、経済的・コスト的には原発の方が他の発電方式より安いと仮定してみよう。ーー道徳的ジレンマの出現。 • この場合、原発を推進するのは正義に適うか? • 仮に不正義でも、すぐに止められるか? 理想主義的現実主義 再稼働を認めるか?
問い3:特に危険な原発は? • 浜岡、東海第2:再開? 廃炉? • 太平洋岸 • 再開しなくとも、使用済み核燃料棒がある限り、危険。対策の必要性。 • 核燃料サイクル:高速増殖炉もんじゅ、6カ所村再処理工場
問い5:原発の運営体制 • 自由化、地域独占打破、総括原価方式廃止 • 送発電分離
問い6:原発、電気の「公共性」 • 民間会社に任せてよいか? コスト面を重視して安全性を軽視する危険性。 • 公共的会社(機関)に原発を。電気の公共性?
原発は正義か?:実質的価値問題 • 環境正義=環境保全+社会的公正:環境人種主義批判(有害廃棄物処理場がアフリカ系などマイノリティー地域に) • エコロジカルな正義論へ • 功利主義的:経済成長 対 環境破綻リスク • リバタリアニズム:電力自由化論 • ロールズ的:分配問題(=環境正義) • コミュニタリアニズム的:共通善としての環境保全
暴走する原発のジレンマ • 暴走する路面電車:5人 対 1人、橋の上の人を突き落とす? • 暴走する原発:メルト・ダウン、カタストロフィー 対 ベント、汚染水放出、海水注入(廃炉) • 一億人の便益 対 十万人の犠牲?
また事故が起きれば多くの人が家を失う 福島第一原発から30 km圏内の人口:14.1万人 避難所への入所者数:5,612人(6月9日現在) 1億人の便利のために10万人に 犠牲を強いるようなことが、 現代の民主主義国家で許されていいのだろうか (科学未来館の反対派プレゼンより引用)
内容:正義とは? • 正義:福利型(結果としての幸福)、自由型(義務としての自由)→美徳型(目的としての美徳、善) • 功利主義批判:帰結主義 • 義務論批判:①リバタリアニズム(市場原理主義、自由原理主義) 自己所有権 • ②リベラリズム ロールズ、無知のヴェール、他者への無関心、合理的選択、正義の2原理(基本的自由・格差原理)、福祉国家
コミュニタリアニズム • 善(倫理性、精神性)と共(共通性):共通善 • アリストテレス:目的論、美徳 • テイラー、マッキンタイア、ウォルツァー • エツィオーニ:コミュニタリアン・ネットワーク • 特定の共同体の多数派主義ではない。 • 特定の共同体を超えた、共通善の探求 • 原理と実例(判断)との往復運動(弁証法)
功利主義の問題 • 量的に計算できるか? • 予測困難、不確定性 • 少数者を犠牲にする危険性
功利主義の問題 • 科学技術の推進→経済発展→人々の「幸福・福利」の総和の増大 • そもそも、数量化困難。コスト計算が無理。(政府のエネルギー・環境会議の検討における意見対立) • 原発事故:危険性はゼロではない。 • 事故の際のコスト:将来予測(確率計算)困難 • 原発周辺の人々に多大の犠牲:少数者の犠牲 • 功利主義的に肯定できないのでは? • 原発のみならず、科学技術全般について。
子ども、原発作業員の被曝限度 • 本来:1ミリシーベルト • 20ミリシーベルトまで認める→小佐古東大教授辞任 • →1ミリシーベルトを目標に。 • 作業員:本来、100ミリシーベルト • 福島原発 250ミリシーベルトに • 500ミリシーベルトへの再引き上げを検討。 • 11月に戻す方針を発表(14日)。ただし、新規作業員にも一定の条件下では250シーベルトを認める。
原発をめぐる政官財学(報)癒着 • 電力体制:国策を遂行する私企業! • 国家=公=官(通商産業省・保安院)、私企業(+業界団体、財界)、政治家、原発学者(原子力村)の癒着構造。 • 例:九州電力のやらせメール問題、保安院の中部電力、四国電力へのやらせ依頼ーー体質 • 政財官学癒着による事故:不正義そのもの • 保安院の独立をはじめ改革の必要性。