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第11回:地理的犯罪 分析(2) フィラデルフィア市警察の” COMPSTAT” 会議 わが国での GIS の展開 科警研での研究の沿革. 「犯罪・非行の社会学」資料. ニューヨーク市警察局の“ COMPSTAT”. 実務への適用事例:. 毎週木曜日朝に開催 (約2時間) 副長官以下の大幹部と、地区署長らの現場責任者が対面して討議 2名のオペレータが犯罪情勢地図を投影. 2004/09/02 に見学、ビデオ撮影. フィラデルフィア市警察の COMPSTAT 会議. 出席者と着席位置. Screen. Chief Inspectors
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第11回:地理的犯罪分析(2) フィラデルフィア市警察の”COMPSTAT”会議 わが国でのGISの展開 科警研での研究の沿革 「犯罪・非行の社会学」資料
ニューヨーク市警察局の“COMPSTAT” 実務への適用事例:
毎週木曜日朝に開催(約2時間) 副長官以下の大幹部と、地区署長らの現場責任者が対面して討議 2名のオペレータが犯罪情勢地図を投影 2004/09/02に見学、ビデオ撮影 フィラデルフィア市警察のCOMPSTAT会議
出席者と着席位置 Screen Chief Inspectors (Special Op. Bureau) (Detective Bureau) (Narcotics Bureau) (Patrol Bureau) Unit Commanders (Special Victims) (Homicide) (Internal Affairs) …etc… Deputy Commissioners (Internal Affairs) (Admin. & Train.) Narcotics Captain District Captain 1st. Deputy Commissioner Division Inspector Commissioner GIS Operators
コムスタット会議の基礎資料 出席者全員に配布 8/20(金)-26(木)のデータを、9/2(木)の会議で使用 その前週、過去28日、前年同期と対比した一覧表 “COMPSTAT Report”
正面の大スクリーンに投影 2名のオペレータがその場で操作 犯罪類型別発生地点+重点対策地点 Safe street corners Priority corners GISによる犯罪情勢地図
COMPSTATの「4つの柱」 正確でタイムリーな情報収集 迅速な人員配置 有効な実施計画 厳格なフォローアップと評価 同じ情報(=考える材料)をもとに議論 幹部の情報リテラシーが必須 データの新鮮さが肝要 各部門の担当者が同席 エピソード:12th. District Captain vs. Narcotics Captain 意思疎通の不足が暴露 → システム/テクノロジーより運用面に要注目 要留意点
Henry, V. E. “The COMPSTAT Paradigm” 副題:「警察活動におけるマネジメント・アカウンタビリティ」 COMPSTATの貢献: 警察活動自体によって犯罪が「減らせる」との認識+そのためにどうするかを真剣に検討 管理のための管理を排除→リスクに挑む姿勢を称揚→裏打ちとしての説明責任 COMPSTATの本質
現場の分析担当者向けのマニュアル 「55の小さなステップ」で手順を解説 分析担当者を、現場警察活動に中心的な役割の一つと位置づけ IT・地図描き能力より、「地域の犯罪問題のエキスパート」であれと指摘 科警研で翻訳作業中 「問題解決のための犯罪分析」
わが国の状況(1) • 最近まで:「空間データ基盤」の立ち後れ ☆米国など:Spatial Data Infrastructureの確立 • 転機:阪神淡路大震災 (1995) • 死者約6,000人、負傷者約 40,000人 • 前年のロスアンゼルス大地震では、“FEMA”がGISを活用
阪神淡路大震災後の新たな進展 GIS関係省庁連絡会議:「基盤形成期から普及期へ」 ISO/TC211:空間データの国際標準化 「数値地図2500」の刊行 総務庁統計局の「センサス・マッピング・システム(“CMS”)」 → GISの実用化が見えてきた わが国の状況(2)
地理情報システム関係省庁連絡会議 • H7.9月:課長級・関係18省庁 • H8.9月:局長級・22省庁 • H8.12月:国土空間データ基盤の整備及びGISの普及の促進に関する長期計画 • H8~10:基盤形成期 • H11~13:普及期 • 国土空間データ基盤の標準化と先導的整備 • H11. 3月:国土空間データ基盤標準および整備計画 • 各省庁では普及期における取り組みに係る実施計画
CD-ROM版の安価なディジタル地図 「空間データ基盤」としての位置づけ 数値地図2500
国勢調査データがGISで利用可能に 町丁字単位での集計も 事件データとの「重ね合わせ」が可能 現在、技術的問題点などの詰めを実施中 総務庁統計局の“CMS”
わが国の「空間情報科学」研究の中心拠点 1998年4月、東京大学に設置 初代所長岡部先生と共同研究を実施 2005年3月から「柏キャンパス」へ →科警研のすぐそば 空間情報科学研究センター
犯罪対策閣僚会議(H15/12月) 「国民への犯罪情報・地域安全情報の提供」を明記 「地理情報システムによる犯罪情勢分析」がその基礎 「犯罪に強い社会の実現のための行動計画」
(H18/3/28 意見具申) 総合科学技術会議「分野別推進戦略」(1)
(H18/3/28 意見具申) 総合科学技術会議「分野別推進戦略」(2)
コンピュータ室(K606:床面積100㎡、24時間空調)に設置コンピュータ室(K606:床面積100㎡、24時間空調)に設置 入出力室・CPU室・データ保管室に区分 テンキー・カードキーによるセキュリティ ハードウェア 各種サーバ群(事件データ、空間データ) ソフトウェア 統計ソフトウエア(SAS、SPSS、S-Plus) GISソフトウエア(ArcGIS9.2、SIS/SDK) 空間統計、空間分析(SpaceStat、CrimeStat) 分析機器・ソフトウェア
分析事例 • ひったくり多発地区の推移 • 犯罪密度地図の作成 • 住宅対象侵入窃盗の被害率の住宅種別比較 • 国勢調査の世帯数データの活用 • 空間的な統計分析 • 都市の街並みと犯罪発生との関係 • 大縮尺住宅地図データの活用 • 犯罪不安調査 • 社会調査の実施と「体感治安地図」の作成
振興調整費・知的基盤:空間情報科学の確立のための空間情報のデータベース化振興調整費・知的基盤:空間情報科学の確立のための空間情報のデータベース化 「社会的事象の時空間変動パターンのモデル化に関する研究開発」を担当 科警研特別研究(H13-15): 「地理情報システムを応用した身近な犯罪の効果的防止手法に関する研究」 科警研での取り組み: 犯罪多発地点の地理的分布 に関する研究
目的 • 犯罪の地理的分布と都市環境との関連を • 地理情報システム(GIS)を用いて分析し • 客観的データにもとづく防犯対策の推進に資する
データ • 東京23区内で平成8年~12年に発生し、警察に認知された刑法犯 956,556件
方法 • 階層型アドレスジオコーディングによる、大量の事件データのマッピング • カーネル密度推定による、事件発生地点の「密度」の算出 • グリッドサーフェス(格子面)間演算による、分布パターンの安定性・変化の分析
カーネル関数 半径=「バンド幅」 カーネル密度推定 グリッド・サーフェス(格子面)
カーネル関数とバンド幅 • 半径hの外部: • 半径hの内部: dij:発生地点から参照点までの距離 Wi:Weight at the point location Ii:Intensity at the point location (Quartic Kernel Functionの場合:Levine 1999による)
カーネル密度法の利点 • その地点での発生の有無にかかわらず、全領域で密度の推定が可能 • 密度の「高さ」を直接表現可能 • クラスター法より、選択肢・パラメータが少ない→ 恣意性混入の余地が小 • 複数の変数の分布の関連をモデル化可能(Levine, 1999) • 分布パターンの時間的変化の分析が可能(Williamson, 1999)
1996 2000 増減 グリッドサーフェス間演算
ひったくり多発地区の推移の分析 • データ:東京23区内で平成8年~12年に発生した、ひったくり事件 21,127件
結果 • 午後の時間帯(12-17時)の増加が著しい