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MU レーダー観測強化システム. 山本 衛 1 , 津田 敏隆 1 , 橋口 浩之 1 , 中村 卓司 1 , 山本 真之 1 、佐藤 亨 2 、深尾 昌一郎 1 1 京都大学生存圏研究所 2 京都大学大学院情報学研究科. MU レーダーシステムの変遷. 1981-1984年度 MU レーダー建設 1984年11月 全システム完成 1992年度: MU レーダー実時間データ処理システム データ取得システム・制御系統の更新 1996年度: MU レーダー高速並列レーダー制御システム 電源部、送受信モジュールを改修・更新
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MUレーダー観測強化システム 山本 衛1, 津田 敏隆1,橋口 浩之1,中村 卓司1, 山本 真之1、佐藤 亨2、深尾 昌一郎1 1京都大学生存圏研究所 2京都大学大学院情報学研究科
MUレーダーシステムの変遷 • 1981-1984年度 MUレーダー建設 • 1984年11月 全システム完成 • 1992年度: MUレーダー実時間データ処理システム • データ取得システム・制御系統の更新 • 1996年度: MUレーダー高速並列レーダー制御システム • 電源部、送受信モジュールを改修・更新 • 2003年度: MUレーダー観測強化システム • 変復調器のディジタル化 • データ取得システム・制御系統の更新 • 送受信モジュールの改修・更新 これまでで最も大規模なシステムの改修・更新
フィルムをデジタル化する(受信系を超多チャンネルデジタル系統にする)フィルムをデジタル化する(受信系を超多チャンネルデジタル系統にする) レンズを磨き、表面のコーティングを補修する(アンテナケーブルの損失を軽減し高感度化) 光学系の狂いを補正する(送受信系統の高感度化、特に偏波切替えリレー等の機能を改良) MUレーダー観測強化システム(高度IT大気レーダーシステム) ● IT化による効果(高級カメラの例で説明) カメラでたとえるならば、レーダーのアンテナはレンズに、信号処理系は光学系に、 またフィルム面は受信機に対応する。 高解像度のIT・MUレーダーに生まれ変わる
●その結果、乱流等の精密構造を観測できる。●その結果、乱流等の精密構造を観測できる。
アンテナ系(ケーブル、バランおよびアンテナ素子) 475x2=950本の直交八木アンテナについて、約300本の放射器を取替え(開口2500m^2に相当)。伝送ロスの軽減を図るアンテナ系(ケーブル、バランおよびアンテナ素子) 475x2=950本の直交八木アンテナについて、約300本の放射器を取替え(開口2500m^2に相当)。伝送ロスの軽減を図る 機械式リレーを除去: 完全電子化 右旋円偏波に限定 動作安定性を確保、伝送ロスを軽減 MUレーダーシステムの改良・変更点 (アンテナ・送受信モジュール) 現状 (1) アンテナアレイ 475組の直交八木アンテナ 開口面積: 8330m^2 (2) 偏波切り替え 機械式リレーを使用 直線、右旋・左旋円偏波 • 偏波切換器 • 全数(475個)について、偏波切換リレーを取り外し、セミリジッド同軸ケーブルに置き換える。改善幅 2.4 dB • 電力増幅器 • 性能劣化している部品等を新品と交換。 改善幅 0.5 dB • 高周波ケーブルおよび放射器 • VSWR 1.5以上の高周波ケーブル/放射器を新品と取換え(計283組) 改善幅 0.88 dB (片道 0.44 dB) • 全体の感度改善幅 3.78 dB
超多チャンネル受信システムを導入 29チャネル(25群+4系統)の デジタル受信機 レーダーイメージング観測 占有周波数帯幅を 3.5 MHz に拡大 最小パルス幅: 0.5 μ秒 対応する高度分解能: 75 m MUレーダーシステムの改良・変更点 (変復調部) 現状 (1) 受信システム 4チャンネルアナログ受信機 (2) 高度分解能: 150 m 占有周波数帯幅: 1.65 MHz 最小パルス幅: 1 μ秒 • その他 • GPS同期観測正確な正秒からの観測スタート • Spano符号対流圏モードと成層圏モードの融合 • パルス変調パターンの柔軟性新しいIS観測モードの開発 • FDI観測機能(5つの周波数をIPP毎に切替) • RASS観測機能(受信周波数オフセット) • ドップラースペクトルの一部分のみの転送機能 • データ取得・処理量の増大
ディジタル 変調器 (変更部分) ディジタル 復調器(29ch) (変更部分) データ処理装置・レーダー制御器 (変更部分) システム導入後のMUレーダーブロック図 アンテナ給電ケーブル及びアンテナ放射器の約30%を新品と交換。 全送受信モジュールについて偏波切替回路を更新し、右回り円偏波固定とする。 既存4ch 各群から計25ch 変調器・復調器をディジタル化する。それに伴いデータ処理・レーダー制御用計算機が更新される。
ビデオ信号 (I成分) A/D変換 (20MHz) ディジタル フィルタ 間引き 処理 レンジサンプ リング(1MHz) IF信号 (5MHz) ディジタル フィルタ 間引き 処理 レンジサンプ リング(1MHz) ビデオ信号 (Q成分) ディジタルLO信号 cosine: 0, +1, 0, -1, 0, sine: -1, 0, +1, 0, 1 アナログ信号 ディジタル信号 ビデオ信号 (I成分) アナログ フィルタ A/D変換 (1MHz) レンジ サンプリング IF信号 (5MHz) A/D変換 (1MHz) レンジ サンプリング ビデオ信号 (Q成分) アナログLO信号 (cosine & sine 成分) ディジタル受信機とは? ディジタル受信機 下記の問題点がなく、しかもチャンネル毎の特性を 揃えやすい アナログ受信機 I成分とQ成分の強度差が残り、 直交性も不完全 フィルタ特性を整えるのが困難 (特に位相特性) 直流オフセットをゼロにできない
ネットワークを用いて制御とデータ転送を行う(データ用1000BaseT)ネットワークを用いて制御とデータ転送を行う(データ用1000BaseT) SIO/PIO 制御 MU レーダー 信号処理・データ処理システム(1) データ処理計算機 CPU: Pentium 4 2.0GHz メモリ: 4 GB ハードディスク: 146 GB×5台 =730 GB 磁気テープ: DDS4 (容量 20~40GB/本) (転送 2.4MB/秒) SDLT (容量 160~320GB/本) (転送 16MB/秒) インターフェース: 1000BaseT×6系統 SIO (RS-232C)×1系統 PIO (16bit I/O)×1系統 OS: LINUX (RedHat 8.0J) 各受信ch毎にブロックマスタCPUを設ける ユニットマスタCPUがCPU群を統括する
信号処理・データ処理システム(2) レーダー信号処理プログラムの変遷 • MUレーダー(初期システム) 境界層レーダー(BLR) 1号機 (UNIX化) • MUレーダー実時間データ処理システム SバンドBLR • LTR (=WINDAS) 赤道大気レーダー MUレーダー観測強化システム
新システムによる観測例 (RASS観測) 周波数Offset:なし アナログ合成ch 周波数Offset:なし デジタル合成ch RASSエコー (折り返し1回) データ解析: 古本 淳一
時間分解能: 32s FDI (Capon法) 時間分解能: 32 s SNR 新システムによる観測例 (干渉計観測) データ解析: G. Hassenpflug
時間分解能: 4 s FDI (Capon法) 時間分解能: 4 s SNR 新システムによる観測例 (干渉計観測) データ解析: G. Hassenpflug
3次元干渉計観測の原理 Yu and Palmer, 2001
MUレーダー観測強化システム 一式 (a) 超多チャンネルデジタル受信システム部 (b) 低損失信号伝送部 最新のIT技術を応用したデジタル受信機を、世界最高性能のMUレーダーに適用し、 IT・MUレーダーを実現する。空間時間分解能が向上させた、この高感度レーダーを長時間、安定動作させ、大気諸現象の微細な内部構造を立体的イメージング観測し、地球環境変化の基礎過程の解明に貢献する。 地上から超高層に広がる大規模(マクロ)な地球大気環境は、実はミクロな大気現象(乱流・波動等)で定まることが明らかになりつつある。ミクロ大気プロセスを理解するには、近年急速に進展しているレーダーによる立体可視化の技術を活用することが重要である。 既存のMUレーダーの機能を基礎に、多系統の受信信号系統(475基の半導体化送受信機)を超多チャンネルデジタル化し、ソフトウェアによる高度信号処理を行いうる高性能のIT大気レーダーを世界に先駆けて完成させることは、地球環境変化研究上、速やかに着手すべき重点課題である (概算要求の説明資料より抜粋)
MUレーダー観測強化システム (a) 超多チャンネルデジタル 受信システム部 (b) 低損失信号伝送部
信楽MU観測所の整備に関する概算要求の経緯 信楽MU観測所の整備に関する概算要求の経緯 (1)1981-1984年度MUレーダー建設 1984年11月、MUレーダー完成 (2)1992年度: 実時間データ処理システム (3) 1997年度概算要求(1996年4月提出) 高速並列レーダー制御システム ● 1996年度補正予算で導入 (電源部、送受信モジュールを改修) 1998年度概算要求 (1997年4月提出) 光・レーダー複合観測システム ● 1999年度 研究基盤重点設備費で レーダー・ライダー複合計測システムを導入 (4)MUレーダー観測強化システム (連続観測支援システム) 1999年度概算要求 (1998年4月提出) 不採択 2000年度概算要求 (1999年4月提出) 不採択 ● 2001年3月、補正予算で可搬型レーダー(赤道大気レーダー)を建設 2001年度概算要求 (2000年4月提出) 不採択 2002年度概算要求(2001年4月提出) 不採択 2003年度概算要求(2002年4月提出) ● 2002年度の補正予算でMUレーダー観測強化システムを導入 2004年2月MUレーダー観測強化システム完成
MUレーダー超多チャンネル受信機の構成 注: 受信29chのうち1ch分を示す。ソフトウェア処理はブロックマスタCPUで行われる。
アナログ信号 ディジタル信号 ディジタル変調器 サンプリング周波数 1 MHz 4 MHz 20MHz CICフィルタ +補間処理 アナログ LPF FIRフィルタ D/A変換 パルス変調パターン信号 (+1, -1, 0の組合せ) IF信号 (5MHz) ディジタルLO信号 (20MHz) 0, +1, 0, -1, 0, … 送信・受信フィルタの特性を完全に揃えることが可能。