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AMD 模型による 43 Sc の構造研究. 北大理 , 北大創成科学研究機構 A 吉田 亮 介 木村 真 明 A. Ⅰ. Introduction. Motivation :. ・シェル構造・・・原子核中の核子が平均場中を独立に運動する構造 ・クラスター構造・・・核子が部分系を作りその部分系同士が弱く相互作用する構造. 43 Sc が+パリティの低励起状態で α クラスター構造をもつかどうか調べる。. 43 Sc(3/2+) の第 1 励起エネルギー : 0.15MeV. 43 Sc shell 模型. 1g.
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AMD模型による43Scの構造研究 北大理 , 北大創成科学研究機構A 吉田 亮介 木村真明A
Ⅰ.Introduction Motivation : ・シェル構造・・・原子核中の核子が平均場中を独立に運動する構造 ・クラスター構造・・・核子が部分系を作りその部分系同士が弱く相互作用する構造 43Scが+パリティの低励起状態でαクラスター構造をもつかどうか調べる。 43Sc(3/2+)の第1励起エネルギー : 0.15MeV 43Scshell模型 1g 殻の間のエネルギー差が7~8MeVあるshell模型ではこの非常に小さな励起エネルギーを説明できない! 2p 7~8MeV 1f 19F(1/2-)の第1励起エネルギー : 0.11MeV 2s 1d 先行研究でクラスター構造をとることが分かっている。 1p 1s 43Scと19Fは似た特徴をもつ。19Fのように43Scもクラスター構造をとらないだろうか? Proton(Z=21)
○43Scと19Fの類似点と相違点 ・類似点 1. 配位が似ている。 8 8 α粒子 19F : s d殻 核子3つ(g s) , s d殻 核子4つ(1st ex. State) 43Sc : p f殻 核子3つ(g s) ,p f殻 核子4つ(1st ex. State) GS sd殻 2. 第1励起エネルギーが小さい。 19F : 0.11MeV , 43Sc : 0.15MeV 3. α thresholdからの第1励起状態が浅い。 19F : -3.9MeV , 43Sc : -4.7MeV 1. 周りの原子核と比べると19Fだけが非常に小さい 励起エネルギーを持つが43Scの場合、45Sc、45V、 47Vなども小さな励起エネルギーを持つため、 43Sc だけが特殊なわけではない。 2. sd殻とpf殻ではl s力に大きな差がある。 p1/2 P N 1st ex. State 19F ・相違点 20 20 GS pf殻 d3/2 P N ? 1st ex. State 43Sc
・F , Sc 同位体とその周辺核の第1励起エネルギー(実験値) N=14 N=14 N=10 N=12 N=12 Z=9 Z=11 N=10 Z=21 Z=23 N=30 N=28 N=28 N=30 N=26 N=26 N=22 N=24 N=22 N=24
Ⅱ.先行研究 • 19F : α –15N + t–16OでのCCOCM(Coupled Channel Orthogonality Condition Model)計算(Toshimi Sakuda , Fumiki Nemoto : PTP 62 5 ; 1979) + パリティ - パリティ +,-パリティともに実験とよく一致している。 特に-パリティでα-15Nの計算結果と実験結果がよく一致している。 ( )
・43Sc : α+ 39KでのOCM計算( Toshimi Sakuda , Shigeo Ohkubo : PR/C 57 1184 ; 1997 ) +パリティの のみ一致し、これ以外のレベルは実験とまったく一致していない。 特に、-パリティで基底状態の が励起状態の よりも深い位置にあることが問題。
Ⅲ. Formulation 模型としてAMD(Antisymmetrized Molecular Dynamics)を用いた。 ・A体系のHamiltonian : 核力は中心力と ls力(デルタ型 zero range LS力)を用いた。 2体の中心力は、 (Gogny) ・A体系の波動関数 : ・1粒子波動関数 : ・空間部分 : ・スピン部分 : ・アイソスピン部分 :
・パリティ射影 ・変分法 波束の中心 をパラメータとして変分をとることによって系のエネルギーが最小となるときの粒子の配位が求まる。 原子核の構造を仮定することなく粒子の配位を得ることができるので、shell構造とcluster構造とが共存する43Scの構造を調べるのに適している。
・ 4重極変形の変形度β 変形度βを拘束してエネルギーを求めるため、ハミルトニアン に拘束条件 を加えた。
・43Scの±パリティでのEnergy Surface Ⅳ. Result 43Sc(7/2-) : β=0.1 , E = -362.68MeV [実験値] -366.8MeV 43Sc(3/2+) : β=0.2 , E = 3.82MeV(-358.86MeV) [実験値] 0.15MeV +,-パリティともにβは小さな値となった。
・±パリティでの密度分布 ーパリティ β=0.10 , γ=58.7(Oblate) +パリティ β=0.20 , γ=0.72(Prolate) +,-パリティともにクラスター構造はもっていなかった。
・±パリティごとのEnergy Surface 変形度βが大きくなると、別のEnergy Surfaceへと変わり、原子核の構造が変化した。
・particle holeごとのEnergy Surface c c c c c c -パリティ: ground state , 2p2h(p,n) , 4p4h(pp,nn) +パリティ : 1p1h(p) , 3p3h(pp,n) , 5p5h(ppp,nn) 変形度が大きくなるにつれて、particle hole励起の構造に変化した。
・particle holeごとのEnergy Surface上での密度分布 ・-パリティ 2p2h(p,n) 4p4h(pp,nn) gs β = 0.41 , γ= 25.0 β = 0.10 , γ= 58.6 β = 0.30 , γ= 8.0
・particle holeごとのEnergy Surface上での密度分布 ・+パリティ 5p5h(ppp,nn) 3p3h(pp,n) 1p1h(p) β = 0.46 , γ= 21.1 β = 0.35 , γ= 17.7 β = 0.20 , γ= 0.72
・particle hole ごとのLS成分 gs 1p1h(p) -パリティ : -10.83 MeV +パリティ : -15.52 MeV protonが励起した分だけLS力は増加している。
Ⅴ.Conclusion ・1p1hはあらわれるが、エネルギーが高かった。従って、実験の3/2-に対応する状態が得られているわけではない。 ・計算した1p1h状態はクラスター構造をもっていなかった。 ・1p1hだけでなく、2p2h,3p3h,4p4h,5p5hなど、非常に多種多様な粒子空孔構造をもつ波動関数がえられた。粒子空孔の配位に応じて、変形度や密度分布が大きく変化している。 こうした状態は、43Scの励起状態に現れるのではないかと期待される。また、そのうちのいくつかは、40Ca等で発見されている超変形状態と関係しているのではないかと考えられる。