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天体写真の撮り方. 関本 康行. 2005 年7月9日 福井県大野市 自然保護センター. 天体写真の種類. 1.星景写真(風景と星空). カメラを三脚に固定させる。30分~1時間の露出。 地上の風景(木、山等と星座の動きをマッチさせること。 撮影自体は簡単であるが、いい作品にするには、かなりのセンスが要求される。. 天体写真の種類. 2.星野写真(星座). 赤道儀に同架し、自動追尾しながら星座の全体像を写しこむ。 広角レンズ、魚眼レンズ、標準レンズを使用。 極軸をしっかりあわせれば、ガイドは必要なく、ノータッチガイドが可能。. 天体写真の種類.
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天体写真の撮り方 関本 康行 2005年7月9日 福井県大野市 自然保護センター
天体写真の種類 1.星景写真(風景と星空) カメラを三脚に固定させる。30分~1時間の露出。 地上の風景(木、山等と星座の動きをマッチさせること。 撮影自体は簡単であるが、いい作品にするには、かなりのセンスが要求される。
天体写真の種類 2.星野写真(星座) 赤道儀に同架し、自動追尾しながら星座の全体像を写しこむ。 広角レンズ、魚眼レンズ、標準レンズを使用。 極軸をしっかりあわせれば、ガイドは必要なく、ノータッチガイドが可能。
天体写真の種類 3.月・惑星の拡大撮影 FRC-300 + XP24 + ToUcamPro FS102 + XP24 + ToUcamPro アイピースで拡大した画像を撮影する。 最近の主流はWEBカメラで撮影し、Registaxで合成と画像処理(ウエーブレット処理)を行う。 特に木星は自転が速いので短時間で撮影する必要がある。
天体写真の種類 4.星雲・星団の直焦撮影(冷却CCD) M1 : FRC-300 + SBIG ST-8XE(AO-7) M57 : C11 + SBIG ST-8XE(AO-7) 赤道儀に搭載した天体望遠鏡で撮影する。 冷却CCDカメラで撮像し、カラー合成を行う。 ガイドはAO-7ガイドで行っている。
天体写真の種類 5.星雲・星団の直焦撮影(銀塩写真、一眼デジタル) Borg76ED+NikonD70(IR改) Pentax105SDHF(x0.77) 銀塩69カメラ E200 赤道儀に搭載した天体望遠鏡で撮影する。 眼視ガイド、オートガイドでガイド撮影を行う。
直焦点撮影の方法 • 銀塩/デジ一眼による直焦撮影 手順1.三脚の設置 手順2.赤道儀の設置 手順3.望遠鏡の搭載 手順4.カメラを取り付け、バランスを合わせる 手順5.極軸を合わせる 手順6.ピントを合わせる 手順7.撮影対象を導入する 手順8.ガイドの準備、ガイドの開始 手順9.シャッターを開ける 手順10.規定の露出時間でシャッターを閉じる
直焦点撮影の具体的手順 1.三脚の設置 ・できれば、コンクリート/アスファルトの硬い地面に設置する。 ・夜の場合は、北極星を見ながら三脚の向きを決定する。 ・明るい時から設置するなら、方位磁石で磁北の右7度方向に向ける。 ・赤道儀によっては水平出ししなければならない。 ・タカハシNJPの場合は水平出ししなくてもよいが、板片とアジャスターで 水平出しを行っている。(極望内に北極星を入れやすくするため)
直焦点撮影の具体的手順 2.赤道儀の設置 ・三脚に赤道儀を搭載する。 ・ウエイト軸にウエイトを取り付け。 ・鏡筒プレート、鏡筒バンドも取り付けする。
直焦点撮影の具体的手順 3.望遠鏡の搭載 ・望遠鏡を搭載する。 ・ファインダーやガイド鏡も取り付ける。 ・電源や各種接続ケーブルを取り付けて接続する。 ・必要があればパソコンも設置。 ・ニュートン反射や、VISAC、εなど、スパイダーのある鏡筒については、スパイダーの向きもきっちりと決める。(北を上にした場合の構図で、+にするかXにするか)
直焦点撮影の具体的手順 4.カメラを取り付け、バランスを合わせる ・バランスはカメラを取り付けて実際の撮影状態で取ること。 ・この写真(↑)ではカメラではなく、対象確認用のアイピースがついているが、バランスとる場合は、カメラに付け替える。 ・オフアキガイダーと上部には、ST-237AのCCDヘッドも搭載。
直焦点撮影の具体的手順 5.極軸を合わせる(NJP,EM10の場合) ・NJP,EM10は、極軸体に水準器が内蔵されており、これで水平出しを行う。 ・榎本司さん作のPOLAR2001(パソコンソフト)で北極星の位置を表示させて、 この位置に北極星を合わせるように、極軸を合わせる。 ・EM200やGPDなど、赤道儀単体で北極星の時角計算できるものはそれに従う。 正確に極軸を合わせることは非常に重要である。
直焦点撮影の具体的手順 ・←は三ツ星の69カメラと専用ナイフエッジテスター(ピントくるじゃん) 円形ナイフエッジ、これで恒星像を切ってピント出しを行う。 ・←は手製のナイフエッジテスターで、カメラのフィルムレールに置いて直接ナイフを切る。(フィルム装填前にしかできない) 6-1.ピントを合わせる(銀塩の場合) ピントは一番重要 ・ナイフを切る方向に切れるなら後ピン、逆に切れるなら前ピン。 ・ピントが合う位置では真っ黒になる。
直焦点撮影の具体的手順 ・背面の液晶モニタは小さすぎて役に立たない。 ・パソコンと連動してパソコン画面で星像を確認しないと正確なピントは出ない。 ・フード前面に十字スパイダーを装着。(割り箸でもよい) ・USBケーブル等でカメラとパソコンを接続し、カメラからシャッターを切ってパソコン上に画像を表示させる。古庄氏のFlyeyeLoupeCSというソフトが便利である。 6-2.ピントを合わせる(デジ一眼の場合) 正確なピント合わせは非常に重要である。
直焦点撮影の具体的手順 6-3.ピントを合わせる(その他) ・気温によってピント位置が変動するので、温度計と気温のモニターは必要。 ・銀塩なら、一枚撮影する度に合わせ直すくらいの覚悟でやること。 ・気温とピント位置の関係のデータをとりためておくと、気温の変動を見ながらピントをずらせるが、ヘイコイド式の接眼部でないとできない。 ・湿度にも注意、湿度75%で夜露にやられる。ヒーターを準備。
直焦点撮影の具体的手順 7.対象の導入 ・銀塩撮影なら自動導入装置は必要はない。 ・星図とにらめっこして、近くの基準星から目盛環で座標をずらせば入ってくる。 ・スカイセンサーやテンマなど、自動導入装置があれば、さらに便利。 (パソコン上で対象確認、構図取り、自動導入が全部行える)
直焦点撮影の具体的手順 8.ガイドの準備、ガイドの開始 ・近年では眼視ガイドよりもオートガイダーで自動ガイドすることが多い。 ・赤道儀がビクセンならAGA-1、タカハシならST-V,ST-4,ST-5C,ST-237Aを使う。 ・キャリブレーションを通してオートガイドを行なう。 ・ガイドにはガイド鏡ガイドと、オフアキガイドがある。 ・ガイド鏡ガイドは、ガイド鏡を用意すること、重量が増えることがデメリット。 どんな撮影システムにも適応できるのがメリット。 ・オフアキガイドは、ガイド鏡のたわみを心配しなくてよい、重量が軽くなるのがメリット 光路長をそれなりに要求すること、ガイド星が限られることがデメリット。
直焦点撮影の具体的手順 9.シャッターを開ける 10.規定の露出時間でシャッターを閉じる ・銀塩の場合、 コダックのE200なら、F2.8で15分~20分が適正露出となる。 増感も踏まえて露出するが、望遠鏡なら最低でも30分~1時間は必要 Hαの赤い散光星雲を狙うならフィルムはE200が最適。 ・デジ一眼の場合 ISO感度は800でいける F値にもよるが、5分前後(F4)、15分から20分(F8)の露出時間 最低4枚(2枚でもなんとかなるが)はコンポジット合成すること ダーク処理が必要なので、古庄氏のRAPが便利 ノイズリダクション機能のあるカメラもあるが、RAPでノイズ処理したほうがきれい Hαの赤い散光星雲を狙うならフィルター改造するしかない
最後に ・銀塩でもデジ一眼でも暗い空でないとダメ ・熊の出ないことを祈って山奥に遠征 ・夜通し撮影する場合は無理をしないこと (車は注意、眠い場合は寝ること) ・いい作品が撮れたら、雑誌に応募しよう ・全国の撮影者と交流して技術を磨こう