260 likes | 370 Views
- 風のなかで、繰り返してさしつかえないか -. − とくに波が鉛直に伝わることについて− (対流圏で作られたものが成層圏に流入してエネルギーなどを運ぶことが可能) 対流圏の東西非一様な擾乱が、結構波として表現が可能 < − これは1章の中のいくつかの論文の図から推測 −> と言う事で波動による気象力学の認識が、ある部分では可能であろう. 後の話しの関係上(成層圏での非線型の働きについて),おもに鉛直方向の性質を述べる事になる.波が作られる場所の相互作用でもいいはず.熱だと全運動量は保存するように,山なら Drag を考える事.ただし対流圏は複雑でよくわからない..
E N D
-風のなかで、繰り返してさしつかえないか- −とくに波が鉛直に伝わることについて− (対流圏で作られたものが成層圏に流入してエネルギーなどを運ぶことが可能) 対流圏の東西非一様な擾乱が、結構波として表現が可能 <−これは1章の中のいくつかの論文の図から推測 −> と言う事で波動による気象力学の認識が、ある部分では可能であろう. 後の話しの関係上(成層圏での非線型の働きについて),おもに鉛直方向の性質を述べる事になる.波が作られる場所の相互作用でもいいはず.熱だと全運動量は保存するように,山ならDragを考える事.ただし対流圏は複雑でよくわからない. 第4章:重力波と赤道波 4−1 局所的な現象を記述する基礎方程式のまとめ ここでは地球の回転に比べはやい運動について議論する。 図をみると1日より速い現象としては積雲やメソ現象とかがのっている。ここらあたりが対象となる。さらに空間軸を眺めると水平スケールはよく頑張って1000kmくらいまでである。このことは地球の半径に比べ短いことを示している。 メソ現象 積雲 現象の分解図(Hartmannの教科書から)
そのことにより球面上の運動方程式から、コリオリ力の項、地球半径の入っている項、及び外力を落とすと、以下の方程式になる。局所的なデカルト座標が使える.そのことにより球面上の運動方程式から、コリオリ力の項、地球半径の入っている項、及び外力を落とすと、以下の方程式になる。局所的なデカルト座標が使える. 局所的な運動を記述する方程式を書き下した。最近は計算機の発達により適当な境界条件と初期条件により方程式を直接に解くことが行われる。但し水を含ませ、数値積分をおこなっている。 (1) (2) 数値実験の例 Fovell, Durran and Holton, 1992: Numerical simulations of convectively generated stratospheric gravity waves. J. A. S. , 49, 1427-1442. −>対流からの重力波生成の問題を解いている。 <−高さに依存する基本状態(基本の風も含む) (3) 連続の方程式は (4) 熱力学の方程式は,とりあえず断熱の場合を考察するので (5) 理想気体の状態方程式は (6) 及び温位と密度、圧力の関係 (7) 以上が基礎方程式である。 updraftによるmechanical forcingがあり、成層圏で重力波が見える。 補足:重力がないときの線形波動は音波である.
ここでは波動現象を考察するので、波動の振動の周期は中緯度で,1日くらいよりは短い。但し、例えば赤道域に存在する Kelvin波は周期が1日より長いにも関わらず、本質はこれから議論する重力波なので、周期が1日より長いにも関わらず重力波として考察する。これは赤道に近いと回転があまり効かない為であろう。コリオリ項がf=2Ωsinφで緯度φがゼロになる.また現象によく現れるのでそのような話しが多い. 赤道域の重力波:鉛直波長2-3km、水平波長2000kmくらいの重力波と考えられている。Tsuda et al., 1994, J. G. R. 平均的温度構造図 −> まあ等温大気でもいいであろう? 4−2 基本状態 1章で平均的な温度の鉛直分布を示した.ここでは,そのようなものを基本状態として,それからのずれの運動としての線型論(微小な振幅の擾乱)の話しになる. 基本状態として何を選ぶか? 高さに依存した温度もあるが,ここでは等温の静止大気を選ぶことにする。 −>そのように基本状態を選ぶと、ものごとが見やすくなる(式の処理として)。
運動がないのだから(1)と(2)の左辺は0になっている。右辺も0になっていないといけないから圧力の東西、南北方向の勾配は0でないといけない。すなわち水平方向の圧力差はない。運動がないのだから(1)と(2)の左辺は0になっている。右辺も0になっていないといけないから圧力の東西、南北方向の勾配は0でないといけない。すなわち水平方向の圧力差はない。 次に鉛直方向のバランスをみてみる。左辺は0であるから、また静力学平衡の式が現れた。だから基本状態である静止した等温大気は静力学平衡になっている。基本状態を表すのに 0 の下つき添え字を用いることにすると、等温大気の時は、 等温の静止大気も運動方程式を満足しないといけない。 (9) (10) (8) ここでp00は地上の気圧を示す。密度も同様である。 次に等温大気の場合の温位を見てみる。温位の定義式から温位も高さの関数である。 <ーここで右辺1項がゼロ 温位は高さの増加関数である。だから等温大気は安定(1章を参照)であることがわかる。 温位の対数の鉛直微分は、(11) この値は高さによらず一定である。Sは安定度。図は大気のN2である。前に述べたように対流圏と成層圏で異なる。これを今は一定として議論を進める。一定にすると擾乱について鉛直の構造も簡単に解けるからである。 z 対流圏と成層圏で変化した時? step的に変化する例をあと(惑星波動)で話す,図のように だいたいとんでいるようなN2である.またそれぞれが一定とすれば解きやすい −>圏界面にtrapされた波が作られる例がある。 <−つなぐ, 圧力と変位が連続
コメント:音波を含むこと、あとは鉛直方向に重力が働いていることで,重力波が存在出来ること。コメント:音波を含むこと、あとは鉛直方向に重力が働いていることで,重力波が存在出来ること。 大気中でなぜ重力波が存在しえるのか? という線形波動論をおこないたい。そのための線形の摂動方程式を導く。重力波は前節に述べた基本状態につけ加わる微小擾乱と仮定する。重力波に伴う場の量についてはしばらく上付きのプライムをつける。すると各々の物理量は以下のように表現される。 (12) 4−3:基本状態(いまは等温大気の仮定)のまわりの微小擾乱 ここでT0は一定であり他の基本量は高さのみの関数である。速度については基本状態は静止しているので上つきプライムの量のみである。ここで簡単のために南北方向の風成分はないとし、また南北方向には一様と仮定する。だからプライムの量は のように東西、高さ、時間の関数である。 (12)を(1)に代入して基本量は普通の大きさの量、上つきプライムの量は微小量として、プライムの量の積の項は無視すると以下のようになる。 (13) 次に温位、圧力、密度の関係は(7)式の微小量の関係式として 鉛直方向の運動方程式は、 (14) 次に連続の方程式は以下のようにかかれる。(15) 又はさらに変形して (17) 熱力学の摂動方程式は (16)
これで必要な式はすべて表された。ここで今の場合等温であるので音速は一定である。温度の擾乱については密度、圧力がわかれば、摂動についての理想気体の状態方程式から導かれる。すなわち(18) から温度擾乱は導かれる。 以下の量を用いて式を変形する。 その時、線形ということで、 x-方向に伝播する音波の式 を用いて上の式を変形していくと、 (19) 単振動の式 (20) 従属変数にかかる係数はすべて一定である。また線形の微分演算であるので、変数分離の方法を使おう。圧力と鉛直 mass fluxを次のような形に分離してしまう。ここで線形の波動についてよくやるように複素表示をおこなう。実際の物理量は例えば Real Part のみを選ぶことはよく承知していると思います。 (21) そして東西波数 k, 振動数 wの1つの波のモードのみを議論する。あと一般的な擾乱については線形だから重ねあわせの原理ですべて話しは終る。但し原理的にです。実際は重ねて絵を描いてみないとなかなか全体像は掴みにくい ー> だからフーリエ分解か? (21)を(19)と(20)に代入すると、
となる。上式からさらに圧力を消去すると次の式になる。(22) ここで であることに注意して欲しい。 ここで風速の高さ方向の振幅変化に注意しよう(鉛直風でも東西風でも同じである)。exp(imz)のとき、それは exp (z / 2H)のように高さとともに大きくなることである。例えば地上で10 cm/sの風速は100kmになるとH=7kmとして127m/sにもなる。 次に(22)を以下のように変換する(速度場がexponential に増大する形になっている)。(23) ( ) このように変換するとW(z)について以下の式が導かれる。 (24) 上の式から(中括弧の中は一定値)、W(z)を以下のような波形に仮定すると (24)から以下のような式が得られる。 (25) この式が内部重力波の分散式と呼ばれるものである。この式より例えば、ある東西波数 k(一番簡単な例としてk=2π / Lx ( Lx は波長)のsin 形の山を考えてみよう)、振動数ω(もしsin 形の山がある速度(位相速度)c で動くとすれば ω = c k となる)を決めると、等温大気中に(いまの場合、地球は回転していないと仮定している)、鉛直にも波数 mの波動として(ある条件のもとで、m2>0のときのみ)伝わることを意味している。この鉛直に伝播する内部重力波が大気の角運動量のバランスに重要な役割を果たす話しはあとで述べることにしよう(たんに伝播するだけではない!)
T0 = 239 K の等温大気のときN2=4x10-4, cs2 / 4H2 =4.9x10-4なる値をもつ(H=7km, cs=310ms-1 )。図に重力波の分散式の定性的な分布を示した。横軸は cs2 k2 , 縦軸は ω2 , 図の中の数値は cs2m2 を示す。但し、N2=4 , cs2 / 4H2 =4.9 として図は書いている。 外部波(exp(-nz)的)と内部波(exp(imz))の違いの概念図。Holton(1992)より。ただし、この図は山で生成された波の例。 実線部(m2>0の領域)が内部波( internal wave ) 、破線(m2<0の領域)の部分が外部波 ( external wave ) と呼ばれるものである。定義からわかるように、内部波とは鉛直方向に伝播する波(exp imz の形をもっている)のことであり、外部波とは鉛直方向に伝播しない波(exp (-nz) のような形をもっている)のことである。 式(25)の右辺から推測されるようにm2が正になるためには ω2 >cs2 / 4H2 、またはω2 < N2 のときである。図をみて内部重力波が2つの領域にわかれているのはそのためである。振動数の大きい領域での内部波は ω2 >cs2 / 4H2 なる不等式からわかるように音波(高周波内部重力波)である。一方 ω2 < N2 領域は(低周波?、または普通の?)内部重力波である。 N2 = 4 x 10 -4の周期は 5.2 分、cs2 / 4H2 =4.9 x 10 -4の周期は 4 .7 分である。対流圏は10分くらい。 観測例:岩井、阿部(1997、天気):昭和基地で観測された短周期振動。周期が10分、T=260Kの等温大気として、水平波長が5km程度だった重力波のよう。外部モードとして、exp(-nz)とした時、n-1=2.6kmになる。下層にtrapされている波。この波はshear不安定で生成されたようである?
台風で生成された重力波:(Dhaka et al. 2003)94年、9月29-30日、台風26号:信楽(35N, 136E)でのMUレーダー観測の結果 の式で音速のかかった項のみ残す(右辺の第一項をおとす、音速がはやいと思う) すると、 4−4:重力波 対流圏では激しい対流 成層圏に重力波の振動がみられる。見積もってみると、水平波長が30km、鉛直波長が3kmで周期が50分程度の重力波が見られる。 から (26) 図に重力波の分散式の結果をのせる。他の数値は同じにとってある。圧縮性の内部重力波の部分はなくなっている。ω の大きい所は大きな変化がある。しかしながら ωの小さい内部重力波の部分はそれほど変更を受けていない。
−>Nastrom and Gage(1985, J. Atmos. Sci.) Aircraftによる観測で、対流圏界面あたりの観測: 水平スケールに対応したスペクトルなどをながめ、波動として考えると、相対的に水平波長の長い重力波の方が短い波長の波より気象学的に重要のようである。 ここでは比較的水平波長の長い重力波の考察をおこなう。 左図は対流圏の時間的なエネルギー・スペクトルの一例。アラスカ、8kmの高さ。横軸は上が周期、下が振動数である。下の横軸の矢印は浮力振動数である。79年夏の観測、右は86kmの高度。 対流圏の観測によるとエネルギーはレッド・ノイズ的なスペクトルをもっている。(Balsley and Carter, 1982, G. R. L.)。レーダー観測による。 4−5:水平波長の長い重力波(長波) 数100kmでスペクトルの傾きが変わっていることに注意、Rossby波的と重力波的?
衛星観測で見積もられた下部成層圏の重力波の水平スケール、Preusse et al., 2004, 1000km程度のスケールが卓越、中高緯度はスケールがより小さい。 Sato(1994)の重力波の観測例:信楽(35N, 136E)にあるMUレーダー、1986-1993の期間。統計的に鉛直波長 2〜3km,水平は数100 kmのものがよく見える(下部成層圏) .ひらべったい重力波が卓越しているようである。 水平波長 鉛直波長
観測例:Koch et al. (1993, Mon. Wea. Rev. ) Lx=150km、周期が2時間程度の重力波:この重力波はshear不安定でできているらしい。また、5km高度にcritical level(5章)があるらしい。East Montana での観測、1981年July 11-12 Vincent and Reid(1983) --水平波長数10km程度が卓越(中間権高度では)、Adelaide, Australia (35S, 138E)でのHF Doppler観測。 鉛直波長は数km程度のものがよく観測される(これは大気の厚さが約100km程度であることと、観測方法によるのであろう?)。重力波の分散式 (26) を思い出そう。そうすると水平波長が100km程度より長ければ(26)の中で k2 の項を落としてもよいことがわかる。これから以降はこのような波を主に考察する。k2 の項を落とすことはもとの基礎方程式ではどのような近似になるか?それは鉛直方向の運動方程式において静力学平衡の仮定をすることである。 bimodal primary mode second mode 1章の log-p座標での式を使い、線型方程式を書くと(東西・鉛直の2次元のみ),(27) 圧力偏差(上)と対応した速度偏差(下) 見積もられた波の性質 メソ現象の中に重力波が多く内在しているようである。 この式からいつものように分散式を導くと, (28)
内部重力波はいろいろな原因(例えば風が山岳にあたって出来る、または基本場の不安定)によって作られる(波の生成の問題は次の章で述べる)。一般的には対流圏において作られ、成層圏に上方伝播している。あるときは、大振幅の波となりそれが原因でまた別の波が成層圏で作られ下方に伝わることもあろう。いろいろの所に重力波はあるが、全貌はよくわかっていない。 内部重力波はいろいろな原因(例えば風が山岳にあたって出来る、または基本場の不安定)によって作られる(波の生成の問題は次の章で述べる)。一般的には対流圏において作られ、成層圏に上方伝播している。あるときは、大振幅の波となりそれが原因でまた別の波が成層圏で作られ下方に伝わることもあろう。いろいろの所に重力波はあるが、全貌はよくわかっていない。 この節では上方伝播しつつある内部重力波の構造をみる。伝播の方向はよく知られているようにエネルギーの伝播方向により決定される。またそれは知られているように群速度で表される(例えばランダウの流体力学)。いまの場合に東西、鉛直方向の群速度は 4−6:内部重力波の鉛直構造について の形として, (29) 東西風等にはH の項を無視して、 この式を長波の重力波に適用しよう。長波の分散式を k , mで 各々微分すると 上式を整理すると、 (30) のように表される。 東および上方にエネルギーが伝播していく内部重力波の構造:太い実線は変位、東西風が正(負)のとき、鉛直風は正(負)。東西風が最大のところで高圧。温度構造も理解出来る。右にうごかすと(東方伝播しているから)、位相は下向きに動いているように見える。こんな形で運動する 以下のような波の形にすると(k,m,ω正として)上方伝播する 表現された波動の位相は東に伝播し、下に伝わります。ところが群速度の式をみると上向きということになります。この場合、鉛直方向には位相の向きとエネルギーの伝播する向きが反対ということになります。 いま簡単に上向き伝播の重力波の構造をみるためにスケール・ハイトに比べ波長が短い場合を仮定する。鉛直速度は以下の形を仮定する。
熱帯域の慣性重力波: Kawatani et al. (2003, G. R. L. )、周期は1日である、ITCZからつくられたもの、モデル結果 簡単のために基本状態の密度は一定としよう、ただし安定成層はしているとする.また長波を仮定する. 4−7:慣性重力波について これまでのように(南北方向も含むこと) の形を仮定すると,分散式として 上層に周期1日の下方伝播が見える または これからわかるように が よりゆっくり振動するとき,鉛直には伝播しない. 赤道は鉛直に伝播しやすい事がわかる 大西洋に南西の波状構造が見える水平スケール1500km程度のもの
下方伝播 上方伝播 Tsuda et al. (1994):熱帯域で前に示した図 対流圏では上下同じよう 慣性周期は3.8日、周期は2日で、k=l としてL=2000kmとすると、鉛直波長はLx=2km程度になり、上図に対応している。 対流圏では水平波長は短い(数100km)。
1995年4月:周期20時間、鉛直波長3.5km near 22km c=-10~-20m/sの西向き慣性重力波。水平波長は1000km 程度。 Sato et al. (1997, G. R. L. ):(中緯度、35N, 136E)MUレーダー観測 伝播の方向にx軸をとると、ーiωv+fu=0でuとvは90度ずれている。大きさの比は振動数とコリオリ振動数の比になる ー>u, vがそのようになっている。
4−8:赤道波について のような球面上の東西方向の線形運動方程式で、赤道 β- 平面の近似をおこなう。 として、 を導入する。ここで、β = 2.29 x 10 -11 s-1m-1 である。 等価深さについて: 式は 上の連続の式と熱力学の式から, 左辺の1、2項が水平の演算子,第3項は鉛直の演算子になっていて,それらが等しいから変数分離定数を通して比例関係にないといけないであろう(変数分離可能)。そこで,として の形とすれば,水平運動方程式はそのままで,
残りの式は のようになる。方程式の左辺は水平演算子のみ、真ん中は鉛直演算子のみで、それらが比例定数を通じて等しい式のようにする。 それぞれの式は となる. は等価深さ(変数分離定数)で、 の深さの浅水方程式の連続の式と同じ形をしている. 浅水波の問題として赤道波の分散式をもとめる: 赤道β面での浅い海の波の様子、ただし上図では H が平均深さになっている。 これまでと同様にして、 の形を仮定する(南北方向は係数βy があるので残す)。
vのみの式に変形すると の式が導かれる。y=∞でゼロなる解をもとめる。境界条件を満たすためには、トビトビの固有値になる ー> この方程式には重力波だけではなくて、赤道Rossby波も含まれる。 赤道波全体の分散式の図:n=-1は特別例(v=0の解)。 下図は n=0, k=0.5の西向き波動(Rossby-重力波) 西に伝わる波 Rossby-重力波 Rossby波 東に伝わる波 横軸は東西波数、縦軸は周波数。n は南北の波数、大きくなるほど南北の構造は複雑になる。この図ではω負が東進波 Rossby-重力波のシグナルらしい
N2が一定の時,これまでと同様に n =1 西向き重力波 とおけば, となり,これは鉛直波長と等価深さの関係式になる. シグナルをスペクトル解析したもの(波数、周期)。緯度は2.5S 3時間ごとのGMS赤外データの解析(Takayubu, 1994, J. M. S. J. )1982/1983 DJF で緯度4.5S-5.5S、1.0-3.5dayのfilterあり、西に伝わるn=1重力波と言われている ある部分が1つの分散式にのること。 線は h=20mの対応した分散式。対流圏はN=1x10−2の値とすると,鉛直波長は−>10km程度となる.熱帯は17km程度の高さ. − >熱の放出を考えれば、hを小さくすること(浅い海の波の位相速度に対応)は可能である(波の生成とからんで次章ですこしのべる)
これを積分してy-方向の構造のみをみてみるとこれを積分してy-方向の構造のみをみてみると (34) 長波の内部重力波の代表的な例として赤道ケルビン波について述べておこう。前図のn=-1についてである。上のvの式からはでてこない。 東西の運動方程式から、 (31) 赤道ケルビン波について ここで k > 0 ,ω > 0 ならば東方伝播の波であり、このときは y が無限のとき0に収束。一方 ω < 0 のとき波は西方伝播の波となるが、y が無限のとき振幅は無限となり物理的ではないので西方伝播のKelvin波は存在しない。とにかくKelvin波は重力波の1つであることがわかる。 同様に南北方向の線形の運動方程式は (32) v=0 なる解である。v=0とすると(31)はこれまでの2次元重力波の方程式と全く同じである。南北方向の運動方程式はいわゆる地衡風バランスの方程式(コリオリ力と圧力傾度力がバランス)となる。 (32) だから (34) 波の形を仮定すると(31)から だから南北の運動方程式は (33) 赤道ケルビン波の構造
Kelvin波: Suzuki and Shiotani, 2002, ISSVC abstract Kelvin波はこの様に構造が簡単のためかどこにでも存在し(海の中から100kmの高さの大気まで)、いろんな所で重要な役割を果たしている。例えば言葉の羅列ですが、QBO(下部成層圏)、Semi-annual Oscillation(成層圏界面、中間圏界面)、Intraseasonal Oscillation(対流圏)、海の中、に重要な役割を果たしている。波の例として解析されたKelvin波について述べておく. ケルビン波の観測例: 図は赤道下部成層圏のケルビン波の時間−高度断面図(上が東西風で下が温度)。1963年の夏、場所はカントン島(南緯3度)。ただし、上下図の時間軸がずれていることに注意。周期が15日くらいの振動が見える。上層でQBOの西風がおりつつある。 100hPaでの温度の波数ー振動数スペクトル。15S-15Nの平均。1990-1999年の間で解析。Kelvin波に対応したシグナルが見れる。ECMWFデータ
100hPaでの温度 1月 経度 OLR 南北に広い領域 東西風 Kelvin波の季節性:上:100hPaでの温度の季節・経度断面図。この高度では経度0度付近がシグナルが強い、5S-5Nの1990-1999年の平均。中:OLRの季節・経度断面図。15S-15Nの平均。下:東西風の季節・経度断面図
Kelvin波の経度依存性: 経度 ケルビン波温度の経度・高度断面図。季節変化、1月、4月、7月、10月。70hPa付近が最大の値をもっている。5S-5Nの平均
★赤道上部成層圏の中のKelvin波についての観測: −>Coy and Hitchman(1984, J. Atmos. Sci.): 熱帯の40日振動:インド洋から西大平洋に東に伝播する振動、構造の1部がKelvin波的になっている。 赤道である部分はKelvin波的に見える。Hayashi and Golder, 1988, J. Atmos.Sci. から、 図:k=2の温度擾乱。100mbあたりから波群がでている, 位相は下向き,群速度は〜2.8km/day,40km近くまで,それ以上は見えない,吸収されているよう.位相速度も同程度である.鉛直波長は15km程度,周期は6日位 基本流 =-10m/s程度がある時は を使って,周期は6日を入れ,東西波数は2を入れて鉛直波長を評価してみると,15kmになる. 鉛直群速度は と表されるから,これで鉛直群速度を評価すると3.1km/dayとなる 上の評価は観測と矛盾しないと言う事でこの波動はKelvin波と考えられている。
★海洋中にもある Kelvin波の例:Wakata (2001, J. O.) 海洋の赤道にそった基本状態、東西流と浮力振動数2 東に伝播しているものがKelvin波と考えられている。右図はその振幅の鉛直分布、下図は南北分布、流れのためにいびつな構造(南北にガウス型をしていないところがある)をしているようである。