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半導体量子井戸における 光誘起ファラデー回転と励起子非線型効果 東京工業大学大学院 理工学研究科物性物理学専攻 学籍番号　 00M02214 橋本　佑介 指導教官　：　南　不二雄　教授

半導体量子井戸における 光誘起ファラデー回転と励起子非線型効果 東京工業大学大学院 理工学研究科物性物理学専攻 学籍番号　 00M02214 橋本　佑介 指導教官　：　南　不二雄　教授. ファラデー回転. ファラデー回転とは誘電体中を直線偏光が透過したときにその偏光面がファラデー回転角 θ F だけ回転する現象である。. n ＋ ：右円偏光における屈折率 n － ：左円偏光における屈折率 ｌ：試料の膜厚 ω ：角周波数. 目的. ファラデー回転 スピン状態の観測に有効な方法. 希薄磁性半導体

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半導体量子井戸における 光誘起ファラデー回転と励起子非線型効果 東京工業大学大学院 理工学研究科物性物理学専攻 学籍番号　 00M02214 橋本　佑介 指導教官　：　南　不二雄　教授

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Presentation Transcript

  1. 半導体量子井戸における 光誘起ファラデー回転と励起子非線型効果 東京工業大学大学院 理工学研究科物性物理学専攻 学籍番号　00M02214 橋本　佑介 指導教官　：　南　不二雄　教授

  2. ファラデー回転 ファラデー回転とは誘電体中を直線偏光が透過したときにその偏光面がファラデー回転角θFだけ回転する現象である。 n＋：右円偏光における屈折率 n－：左円偏光における屈折率 ｌ：試料の膜厚 ω：角周波数

  3. 目的 ファラデー回転 スピン状態の観測に有効な方法 希薄磁性半導体 Cd1-xMnzTe, Ga1-xMnzAs 等 不純物半導体 Doped GaAs等 ファラデー回転 未解明 励起子スピン状態 励起子遷移 真性半導体を用いて 励起子のみによる光誘起ファラデー回転を観測

  4. 実験系： 光源：fs Ti-sapphire レーザー ファラデー回転角分解能：1ｍ度 温度：5Ｋ 実験方法 サンプル： GaAs(8nm)/Al0.3Ga0.7As(8nm) MQWs

  5. ポンプ光： 波長： hh励起子共鳴波長 (788.75 nm : 1.572eV) 線幅： 12 nm レーザーのスペクトル プローブ光： 波長： 785～795nm間で可変 線幅： 0.3nm

  6. 光誘起ファラデー回転 励起光円偏光依存性 n＋：右円偏光における屈折率 n－：左円偏光における屈折率 ｌ：試料の膜厚 ω：角周波数

  7. 光誘起ファラデー回転 光子エネルギー依存性

  8. 光誘起ファラデー回転 光子エネルギー依存性 励起子密度：2.3×1010[cm-2] 顕著な光子エネルギー依存性 この結果はローレンツモデルを用いたフィッティングで説明できるだろうか

  9. ローレンツモデルを用いた解析 ローレンツモデルを用いると 振動子強度 共鳴波長 線幅 円偏光で励起すると σ＋状態とσ－状態で パラメーターに違いが生じる J=1 J=－1 σ+ σ− 吸収スペクトルより求めたパラメーターに 円偏光励起による影響を考慮して n＋およびn－を計算

  10. ローレンツモデルを用いた解析

  11. 光誘起ファラデー回転光子エネルギー依存性 hh 励起子準位を考慮に入れた解析 フィッティング結果 f+－ f－= 2 % ω0＋ － ω0－= 0.013meV 1.567eV　および 1.573eV 付近の信号は 説明することができなかった。

  12. Eｘ Eｘ 2励起子状態 hh 励起子のみでは説明不可 同じサンプルを用いた四光波混合実験から 2励起子状態の存在が予想されていた 2励起子状態とは 2つの励起子が 結合した状態 エネルギーダイアグラム この２励起子状態を考えたフィッティング

  13. 光誘起ファラデー回転光子エネルギー依存性 hh 励起子、２励起子状態を考慮に入れた解析 hh 励起子の共鳴エネルギーが分離 束縛2励起子状態が生成 非束縛2励起子状態が生成

  14. 光誘起ファラデー回転光子エネルギー依存性 hh 励起子、２励起子状態を考慮に入れた解析 だけど本当に２励起子状態は 存在するの？ 透過スペクトルを観測して確認

  15. 過渡的吸収スペクトル偏光依存性 ポンプ光：σ＋　プローブ光：σ＋ hh 励起子共鳴エネルギー（1.572eV）より 高エネルギー側で吸収がUP 非束縛2励起子状態を確認

  16. 過渡的吸収スペクトル偏光依存性 ポンプ光：σ＋　プローブ光：σ－ hh 励起子共鳴エネルギー（1.572eV）より 低エネルギー側で吸収がUP 束縛2励起子状態を確認

  17. まとめ GaAs / AlGaAs 量子井戸における 光誘起ファラデー回転を観測した 光誘起ファラデー回転が hh励起子共鳴エネルギーに最大の回転角を示す、顕著な光子エネルギー依存性 光誘起ファラデー回転の 光子エネルギー依存性から、 hh 励起子共鳴エネルギーの分離 束縛2励起子準位 非束縛2励起子準位 を見出した

  18. 光誘起ファラデー回転光子エネルギー依存性 時間変化 6psから96psまで10ps刻みに表示 hh 励起子による光誘起ファラデー回転が 早く緩和

  19. 光誘起ファラデー回転時間依存性 プローブ波長変化 hh 励起子の スピン緩和および エネルギー緩和で説明 束縛2励起子状態 　緩和時間：27ps hh 励起子の共鳴エネルギーが分離 　緩和時間：およそ10ps

  20. 光誘起ファラデー回転光子エネルギー依存性 フィッティングパラメーター hh 励起子 　振動子強度 ＝ f0 　線幅 ＝ γ0 　共鳴エネルギー ＝ 1.5716 eV ⊿E0＝ 0.016 meV 束縛2励起子準位（励起子分子） 　振動子強度 ＝ 0.025 × f0 　線幅 ＝ γ0 　共鳴エネルギー ＝ 1.5688 eV 非束縛2励起子準位 　振動子強度 ＝ 0.016 × f0 　線幅 ＝ γ0 　共鳴エネルギー ＝ 1.5734 eV 励起子分子結合エネルギー：2.8 meV

  21. 光誘起ファラデー光子エネルギー依存性 励起強度変化 励起強度で規格化

  22. 光誘起ファラデー回転 hh 励起子共鳴波長における励起強度依存性

  23. hh 励起子および束縛２励起子状態による 光誘起ファラデー回転の励起強度依存性 束縛２励起子状態による光誘起ファラデー回転 低励起強度で飽和

  24. 光誘起ファラデー回転光子エネルギー依存性 励起子密度：2.3×1011 [cm-2] 　励起子密度　　　束縛2励起子状態の線幅 2.3×1010 [cm-2]1.2×γ0 2.3×1011 [cm-2]1.4×γ0 多体効果によるブロードニング ファラデー回転角が小さくなる

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