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裁判報告集会. 廃プラ施設周辺の 大気汚染物質とその有害性. 柳沢幸雄 東京大学大学院 新領域創成科学研究科. 循環型社会形成推進基本法に基づき、廃プラスチックのマテリアルリサイクルが進められている しかし、リサイクル工程で有害物質が放散することが指摘されている. プラスチックマテリアルリサイクル. プラスチック以外の異物 (金属など)を分離. 回収. 分別. 粉砕. 分離. 洗浄. 溶融. 成形. 再生品. 溶融. 成形. 200℃ 前後 有害な物質が放散する可能性. プラスチックの種類で分離 PVC を排除することが多い. 2.
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裁判報告集会 廃プラ施設周辺の大気汚染物質とその有害性 柳沢幸雄 東京大学大学院 新領域創成科学研究科
循環型社会形成推進基本法に基づき、廃プラスチックのマテリアルリサイクルが進められている循環型社会形成推進基本法に基づき、廃プラスチックのマテリアルリサイクルが進められている しかし、リサイクル工程で有害物質が放散することが指摘されている プラスチックマテリアルリサイクル プラスチック以外の異物 (金属など)を分離 回収 分別 粉砕 分離 洗浄 溶融 成形 再生品 溶融 成形 200℃前後 有害な物質が放散する可能性 プラスチックの種類で分離 PVCを排除することが多い 2
プラスチック溶融時の放散物質を調査 脂肪族やアルデヒドなどのVOCの放散を確認 施設から排出されると悪臭や健康被害を及ぼす恐れ 既往研究(Yamashita et al.): 廃プラスチックの溶融時における放散物質に関する研究 溶融実験(200℃) LDPE PP 3 PS 廃プラスチック
2004年8月にプラスチックマテリアルリサイクル施設が建設され、その後の稼動に一致して周辺住民が悪臭や健康被害を訴えた2004年8月にプラスチックマテリアルリサイクル施設が建設され、その後の稼動に一致して周辺住民が悪臭や健康被害を訴えた 関連があると思われる症状 眼、鼻、のど、呼吸器などの粘膜刺激症状 皮膚症状 調査対象地域 4
接地型逆転層が形成され、汚染物質が高濃度化しやすい接地型逆転層が形成され、汚染物質が高濃度化しやすい 調査対象地域:自然的特徴 クリーンセンターの煙は上空へ プラスチックマテリアル リサイクル施設 焚き火による煙は川に沿って住宅地へ 5
プラスチックマテリアルリサイクル施設周辺において、プラスチックマテリアルリサイクル施設周辺において、 VOCによる局所的大気汚染を評価する TVOC濃度と高さ方向の温度差のモニタリングにより、 VOC濃度と接地型逆転層の関係を調べる VOCの成分分析を行い、プラスチック溶融時に放散するVOCと比較する 調査の目的 8
調査地点および時期 A宅 134 m B宅 501 m 施設 施設
施設付近の住宅の屋外で、1~2週間程度連続測定施設付近の住宅の屋外で、1~2週間程度連続測定 調査方法:TVOC濃度と温度差モニタリング TVOCモニタ(吸引口) 温度センサ
施設付近の住宅の屋外で、1週間の間、午前10時と午後10時に1時間サンプリングして分析施設付近の住宅の屋外で、1週間の間、午前10時と午後10時に1時間サンプリングして分析 比較のため施設から2 km程度離れた沿道大気も同様に分析 調査方法:VOC成分分析 11
24時間を周期として夜間に濃度が上昇し、昼間に減少24時間を周期として夜間に濃度が上昇し、昼間に減少 A宅とB宅で同様の濃度変動 施設近傍のA宅のほうが高濃度 PID法によるTVOC濃度の結果(4月) A宅 134 m B宅 501 m 施設 12
逆転層が形成されている時間帯にTVOC濃度が上昇逆転層が形成されている時間帯にTVOC濃度が上昇 高さ方向の温度差とTVOC濃度の関係(4/15-16)
高さ方向の温度差とTVOC濃度の関係(1月) 冬季は逆転層の形成とともに濃度が上昇 14
高さ方向の温度差とTVOC濃度の関係(4月) 春先にも逆転層が形成され濃度が上昇 15
高さ方向の温度差とTVOC濃度の関係(6月) 梅雨の時期にも 冬季だけでなく継続的に逆転層が形成 16
施設近傍のA宅の濃度が高く、室内濃度暫定目標値を超過することがあった施設近傍のA宅の濃度が高く、室内濃度暫定目標値を超過することがあった VOC成分分析の結果:TVOC濃度(GCMS+HPLC) A宅 134 m B宅 501 m 施設 室内濃度暫定目標値 TVOC濃度(mg/m3) A宅 n=14 B宅 n=27 17
規制対象物質・未同定物質の割合(最高濃度時)規制対象物質・未同定物質の割合(最高濃度時) 規制対象物質 有害大気汚染物質に係る環境基準3物質 室内濃度指針値10物質 同定物質 標準混合液を用いて同定・定量した49物質 未同定物質 A宅 4/20 10:00 741 mg/m3 B宅 4/18 22:00 114mg/m3 沿道 5/19 11:09 173 mg/m3 規制対象物質の割合は低く、施設近傍のA宅では最も低い 対策と規制が不十分 毒性が未知の未同定物質は約4割を占め、健康影響が懸念 18
発生源が異なる A宅は廃プラ溶融時に近い GC/MSトータルイオンクロマトグラム(最高濃度時) A宅 134 m B宅 501 m 施設 A宅(4/20 10:00) B宅(4/18 22:00) 廃プラスチック溶融実験の 発生ガス分析結果(200℃) Yamashita et al. 沿道(5/19 11:09) 19
GC/MSのライブラリーにより化学構造を推計して分類GC/MSのライブラリーにより化学構造を推計して分類 A宅は PP・PEおよび廃プラ溶融時と同様、脂肪族やアルデヒドの濃度が高い PP・PEを中心とした廃プラの集積、燃焼を伴わない溶融工程が排出源 沿道は芳香族の濃度が高い 自動車排ガスの影響 B宅は中間的状態 排出されたVOCは広い範囲に到達 化学構造別の濃度(最高濃度時) 調査データ 溶融時データ(Yamashita et al.) 濃度(mg/m3) 放散量(mg/g) 放散量(mg/g) 20
飽和炭化水素系列は炭素数8~18のものが皮膚に対する刺激性が強いことが知られている飽和炭化水素系列は炭素数8~18のものが皮膚に対する刺激性が強いことが知られている 飽和アルデヒドは「感覚器への刺激性」が観察される 厚生労働省「(別添1 )室内空気汚染に係るガイドライン案について―室内濃度に関する指針値―」 より 脂肪族およびアルデヒドの毒性 A宅の屋外大気の脂肪族とアルデヒドは炭素数11と9をピークに分布 本地域の眼、鼻、のど、呼吸器などの粘膜刺激症状や皮膚症状の訴えの原因である可能性がある A宅における脂肪族とアルデヒドの炭素数別濃度 21
接地型逆転層の形成によりVOCによる局所汚染が生じている接地型逆転層の形成によりVOCによる局所汚染が生じている 施設近傍のTVOC濃度は高く、暫定目標値を超過した TVOC成分中の規制対象物質の割合は低く、未同定物質の割合が多いため健康影響が懸念される TVOCの組成は、脂肪族やアルデヒドが多く、プラスチックの集積・溶融工程から排出された可能性が高い 脂肪族およびアルデヒドは、粘膜刺激症状や皮膚症状の訴えの原因である可能性がある まとめ 22
補足:廃プラスチック内訳 23
施設の規模: 1年間12000 t(24時間操業) 廃容器包装プラスチックからリサイクルパレットを製造 竣工:2004年8月 2005年試運転10 t/day 2006年以降30 t/day 成型工程に脱臭装置あり,排風量: 6000 m3/h , 高さ: 16 m 壁付換気扇 排風量: 7000 m3/h×18 補足:施設データ:A 24
施設の規模: 1年間11728t, 53t/日(11時間稼動) 処理対象物:ペットボトル・プラスチック製容器包装 処理概要: 選別・圧縮梱包処理 竣工:2007年12月31日 排ガスTVOC濃度: 3000~6000 mg/m3,排風量: 31200 m3/h , 高さ: 16 m 補足:施設データ:B 25
補足:温度差閾値について 閾値0.0℃ 閾値0.1℃ 閾値0.2℃ 閾値0.3℃ 閾値0.4℃ 閾値0.5℃ 26
補足:PIDモニタとGC/MSについて A宅 B宅 VOCモニタとGC/MSの相関 PIDの各VOCに対する感度 27
8月の温度差(A宅 5.5 m) 20:00-6:00 28
8月の温度差(A宅 10 m) 20:00-6:00 29
8月の温度差(B宅 5.5 m) 20:00-6:00 30
8月の温度差(B宅 10 m) 20:00-6:00 31
8月の温度差(M団地 5 m) 20:00-6:00 32
8月の温度差(M団地 10 m) 20:00-6:00 33
6月以降は、 5.5-0.5の温度差を使用 (8月も) 6/179:30に移動 4月までのデータは、 GFの温度差を使用 6/1910:00に移動 元の場所は 問い合わせて見ます