140 likes | 495 Views
ABC の概要とその有用性. 加登豊(神戸大学大学院経営学研究科教授) 清水信匡(桃山学院大学経営学部教授) 坂口順也(関東学園大学経済学部助教授) 河合隆治(桃山学院大学経営学部講師). 本報告の構成. 伝統的な原価計算の概要 伝統的な原価計算の問題点 ABC の意義と計算構造 ABC の有用性と導入のスケジュール. 伝統的な原価計算. 伝統的な原価計算(個別原価計算の場合) 費目別計算(発生した原価の分類) 製造直接費(直接材料費、直接労務費、直接経費) 製造間接費(間接材料費、間接労務費、間接経費)
E N D
ABCの概要とその有用性 加登豊(神戸大学大学院経営学研究科教授) 清水信匡(桃山学院大学経営学部教授) 坂口順也(関東学園大学経済学部助教授) 河合隆治(桃山学院大学経営学部講師)
本報告の構成 • 伝統的な原価計算の概要 • 伝統的な原価計算の問題点 • ABCの意義と計算構造 • ABCの有用性と導入のスケジュール
伝統的な原価計算 • 伝統的な原価計算(個別原価計算の場合) • 費目別計算(発生した原価の分類) • 製造直接費(直接材料費、直接労務費、直接経費) • 製造間接費(間接材料費、間接労務費、間接経費) • 製造直接費は製品ごとの消費量が判明するため、その消費の程度に応じて各製品に集計する→「直課」 • 製造間接費は製品ごとの消費量が判明しないため、一定の基準に応じて各製品に配分する→「配賦」 • 部門別計算(製造間接費の分類) • 部門個別費と部門共通費 • 製造部門費と補助部門費 • 製品別計算(製品:計算対象ごとの原価の集計)
直接材料費 直接労務費 材料費 労務費 間接材料費 間接労務費 直線は「直課」 原価と製品(計算対象)との関係が判明する 点線は「配賦」 原価と製品(計算対象) との関係が判明しない 製品別計算 費目別計算 伝統的な原価計算:簡易版 製品: 計算対象 製造間接費 直接経費 経費 間接経費
直接材料費 直接労務費 材料費 労務費 間接材料費 間接労務費 製造 部門費 補助 部門費 部門個別費 直線は「直課」 原価と製品(計算対象)との関係が判明する 点線は「配賦」 原価と製品(計算対象) との関係が判明しない 製造間接費 部門共通費 部門別計算 製品別計算 費目別計算 伝統的な原価計算:詳細版 製品: 計算対象 直接経費 経費 間接経費
製造間接費の相対的な増加 20世紀はじめ 現代 伝統的な原価計算の問題点 • 伝統的な原価計算の問題点 • 企業を取り巻く環境の変化 • 競争環境の熾烈化 • サポート・サービス活動の増加 • 伝統的な原価計算の問題 • 製品・サービス単位あたりの「正確な原価」を算定できない • 「原価低減に必要な情報」が計算システムから得られない ←製造間接費の「配賦」に起因する問題の顕在化
製造間接費 製造間接費 集計 集計:資源ドライバー コストプール 活動 配賦 集計:活動ドライバー 製品(計算対象) 製品(計算対象) 伝統的な原価計算 ABC ABCの登場と計算構造 • ABCの登場 • 伝統的な原価計算の問題(製造間接費の「配賦」にかかわる問題)を克服するための技法としてABC(Activity Based Costing:活動基準原価計算)が米国において登場する • ここでは「製品(計算対象)が活動を消費し、活動が資源を消費する」という基本理念のもとに製品(計算対象)に原価を集計する • ABCの計算構造(製造間接費の取り扱いについて)
簡易な計算例 • 計算例 • 各製品への製造間接費の集計額を計算する • 製造間接費の合計 :6,000,000円 • 製造間接費と活動ドライバーの内訳 • 伝統的な原価計算の場合(直接作業時間基準) • ABCの場合
簡易な計算例 • 伝統的な原価計算の場合 • 製造間接費配賦率 • 6,000,000円÷24時間=250,000円/時間 • 製品A • 1時間×250,000円/時間=250,000円 • 250,000円÷10個=25,000円/個 • 製品B • 23時間×250,000円/時間=5,750,000円 • 5,750,000円÷200個=28,750円/個
簡易な計算例 • ABCの場合 • 活動ドライバーごとの単位原価 • 組立活動:2,400,000円÷24時間=100,000円/時間 • 加工活動:2,100,000円÷21時間=100,000円/時間 • 段取活動:450,000円÷3回=150,000円/回 • マテハン活動:1,050,000円÷700個=1,500円/個 • 製品A • 100,000円×1時間+100,000円×1時間+150,000円×1回+1,500円×200個=650,000円 • 650,000円÷10個=65,000円 • 製品B • 100,000円×23時間+100,000円×20時間+150,000円×2回+1,500円×500個=5,350,000円 • 5,350,000円÷200個=26,750円
集計:資源ドライバー 集計 組立活動: 240万円 加工活動: 210万円 段取活動: 45万円 マテハン活動: 105万円 コストプール:600万円 配賦 集計:活動ドライバー 製品A: 25万円 @2.5万円 製品B: 575万円 @2.875万円 製品A: 65万円 @6.5万円 製品B: 535万円 @2.675万円 > < 「少量生産はコストがかかる」という現実を反映しない 「少量生産はコストがかかる」という現実を反映する 簡易な計算例 製造間接費:600万円 製造間接費:600万円 伝統的な原価計算 ABC
工場維持費 土地・建物費 照明光熱費 直接労務費 材料費 機械費 エネルギー費 プロセス・エンジニアリング費 製品仕様費 技術変更設定費 製品強化費 段取費 材料移動費 発注費 検査費 活動と原価の例 • 工場運営における運営費の例 設備維持活動 製品維持活動 バッチレベルの活動 ユニットレベルの活動
資源 原価作用因 活動 業績尺度 原価低減 ベンチマーキング 継続的改善 など 計算対象 価格決定 アウトソーシング 収益性分析 など ABCの効果 • ABCの効果 • 製品・サービス単位あたりの「正確な原価」が把握できる • 「原価低減に必要な情報」が計算システムから得られる 原価の割当 プロセス
ABCの導入ステップ • ABCの導入ステップ • プロジェクトの範囲、日時、目的を決定する • 事実を発見する • プロジェクトチームを編成し作業計画を策定する • 研修を実施する • アクティビティ関連の情報を収集する • アクティビティの付加価値をコード化する • アクティビティ・センターを設定する • 労務関連の費用を階層化する • 労務に関連しない費用を分類する • 原価作用因情報を認識し入手する • モデルを導入する • モデルを運用し、報告書を作成する