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「子ども主体の話し合う・学び合う授業実践力の向上を目指して 」

「子ども主体の話し合う・学び合う授業実践力の向上を目指して 」. 丸 野 俊 一 ( 九州大学 理事・副学長 ). いま、 なぜコミュニケーション (対話)を中心にした教育が重要か. ものの見方/考え方 /価値観の多様化. 異文化(異質性) との出会い. 問題発見/解決型の 学び のスタイル. 自己表現力/議論 (創造的対話)力の欠如. 状況に開かれた知. 「あいまい」知の世界 (複雑/多様化). ・コミュニケーション の 重視    ・学習者 中心の学び ・学ぶ 過程の 重視         ・他者 の目を通した自己の思考過程の可視化

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「子ども主体の話し合う・学び合う授業実践力の向上を目指して 」

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  1. 「子ども主体の話し合う・学び合う授業実践力の向上を目指して」「子ども主体の話し合う・学び合う授業実践力の向上を目指して」 丸野俊一 (九州大学理事・副学長)

  2. いま、なぜコミュニケーション(対話)を中心にした教育が重要かいま、なぜコミュニケーション(対話)を中心にした教育が重要か ものの見方/考え方 /価値観の多様化 異文化(異質性) との出会い 問題発見/解決型の 学びのスタイル 自己表現力/議論 (創造的対話)力の欠如 状況に開かれた知 「あいまい」知の世界 (複雑/多様化) ・コミュニケーションの重視    ・学習者中心の学び ・学ぶ過程の重視         ・他者の目を通した自己の思考過程の可視化 ・協働構成による知の構築・・・・・・・

  3. コミュニケーションとは 「自分なりの思いや考えや体験を、他者に分かるようなことばで表現し、その表現に対する他者の反応や振る舞いを推論、解釈しながら、話し手ときき手が一緒になって、互いの考え、気持ち、疑問を分かり合っていく行為」 ・相互の考え/見方の違いを認め合う ・相互に心を開く⇒双方向性の営み ・相手の立場に立つ ・ことばや表情の裏にある気持ち/意図を読み取る ・やりとりの技術

  4. ダイアローグ(Dialogue:対話)とは 語源:Dialogos ・「dia」は「~を通して」という意味であり「二つ」という意味ではない ・「logos」とは「言葉」という意味であるが、「言葉の意味」(考え)と捉える ある目標に向かって、複数の者が共に思考し、新たな考えを創出していく「絶え間ない探究のプロセス」 (協働による知の協創の過程) ・視点が異なれば、考えや思考する範囲は異なる ・考えの繋ぎ・擦りあわせ・編み直し ・参加する者が互いの思考過程を映し出す鏡 ⇒思考過程の可視化 ・多様な考え・思考の混乱・淀み・葛藤・堂々巡り ⇒Creative Chaos(創造的混沌)

  5. B 社会的協働構成ゾーン C(A↔B) C’(A’↔B’) A A 図.ダイアローグの中でのダイナミックな省察的思考 (丸野,2004) 多様な対話:教材との対話 自己内対話 他者間対話(直接的・間接的) 状況との対話   ⇒鳥瞰的視点(Audience Awareness)   ⇒社会的メタ認知

  6. 認知科学が見出してきた深い学びと伝統的な授業実践での学びの違い (sawyer,2006に追加・改作:丸野,2006) 伝統的な授業実践での学び(知識伝達主義) 知識を深く学習する(認知科学からの知見) ・他者から与えられるものを自分の頭で処理し、 理解する受動的な存在であると、 学習者を見なす ・教授=学習を“伝導”あるいは“器”メタファーで例え、学習の過程とは、 個人の頭の中に閉じた営みであると見なす ・学習者は、 新たに習う教材を既に知っている事象に  関連づけない ・学習者は、 新たに習う教材を繋がりのない細切れな  知識として扱う ・学習者は、事実を記憶したり、“どうして、なぜ”その手続 きを用いるかを理解することなく、 (盲目的に) 実行する ・学習者は、 教材の中で出会ってきた事象と異なる新しい 考えに意味を見出すのが困難である ・学習者は、事実や手続きを、全てのことを知っている権威 者から授けられる、 静的な (動かしがたい) 知識として扱う ・学習者は、 白分自身の学習の目的や学習方略に省察を 加えることなく、記憶する ・他者との協働構成によって、 “意味を創出/追究する''能動的な存在であると、学習者を見なす ・教授=学習を“足場作り”あるいは“説得”メタファーで例え、学習の過程とは状況に開かれた社会的活動であると見なす ・深い学習は、 学習者が既有の知識や経験に、 新しい考えや概念を関連づけることによって生じる ・深い学習は、 学習者が知識を相互に関連した概念システムに統合することによって生じる ・パターンや基底に流れている原理を探索することによって深い学習が生じる ・学習者が新しい考えを評価しそれらを結論に関係づけることで深い学習が生じる ・深い学習は、“知識とは(他者との) 対話の過程を通して創出されるものである ”という学習者の理解からもたらされるし、また批判的に議論の論理を吟味・検証することから生じる ・学習者が自分の理解について省察を加えたり、 自分の学習過程を省察することから、深い学習がもたらされる The Cambridge Handbook of The Learning Sciences:R.Keith Sawyer(2006);Cambridge University Press. 注)“足場作り”あるいは“説得‘’メタファーとは、次のようなものである;意味を追究し、新たな知識を構成していくのは、あくまでも学習者自身であると想定する。 そして、 学習者は予め素朴概念や誤概念を持って授業に参加するので、 教授者は学習者が正しい意味や概念を構成できるように、 始めはいろいろ手がかりを与えサポートしたり、納得させたりするが、最終的には学習者が単独で学習出来るように、学習過程の責任性をも学習者に移していくという考えである。 それに対して“伝導''ないし“器”メタファーとは、学習者の頭や心の中は、知識や概念が教師から注がれ満たされることを待つてぃる、空つぼの容器である。教師の役割は、 如何に効率良く、 その容器の中に知識や概念を詰め込むか、 伝えるかにある。

  7. Learning Pyramid* Lecture 5% 10% Reading 20% Audio-Visual 30% Demonstration 50% Group Discussion 75% Practice 90% Teaching Others *NTL(NationalTraining Laboratories)が、平均学習定着率(Average Learning Retention Rates)を調査し、モデル化したもの

  8. 教授活動の効率性 5 4 3 授業に対する意欲・関心 2 教師の利便性 1 対人関係コミュニケーションの深まり 思考・理解の深まり 教師は,話し合う・学び合う授業の利点を どう認識しているか?(丸野,2002) 伝達中心 話し合い中心                                            

  9. 教師の“観”で授業が異なる

  10. 図 授業スタイルに反映される各教師が抱いている   さまざまな側面についての「観」・「信念」図 授業スタイルに反映される各教師が抱いている   さまざまな側面についての「観」・「信念」 注)考え・気持ちをつなげる手段としての言語観の重要性 他者に対して:「待つ・受容する」行為・現象 「沈黙」の意味 自己に対して:「熟考・反省・探求し続ける」行為・現象

  11. どの理論的考えに依拠するかによって教授・学習のとらえ方が異なるどの理論的考えに依拠するかによって教授・学習のとらえ方が異なる (Shuell,1996を丸野,2005が改作) 行動主義的考え方 認知的構成主義の考え方 社会的構成主義の考え方 ・事実、スキル、概念の獲得 ・訓練、実践を通して生じる ・個人の頭の中で生じる ・浅い処理や手続的なものを含む ・積極的構成と先行知識の再構成(構造化) ・既有知識に新しい知識を結合する多様な機会や過程を通して生じる ・他者や環境との相互作用を通して生じる ・深い処理を含む ・社会的に定義されている知識・価値の協同構成 ・社会的に構成されている機会を経て生じる ・他者や環境との相互作用を通して生じる ・重層的な内容、手続(学習の仕方)、解釈(どんな意味や価値があるか)の処理を含む 学ぶとは ・情報を伝達する ・より完全な理解に向けての思考を促したり、誘導する ・(生徒)と一緒に知識を構成する ・学習についての取り組み方のレパートリーを拡大する 教授とは ・一人の大人として予め想定されている ・主要な知識の源 ・管理者/指導者 ・時間通りの課題完成を励ます ・誤った答えを正す ・多くの熟達した技能をもった人 ・ある知識の源(生徒、材料、環境とともに機能する) ・促進者/誘導する人 ・意味のある考えや材料や他者と相互作用するための機会をつくり出す ・考えや誤った概念に耳を傾ける ・多くの熟達した技能をもった人 ・ある知識の源(生徒・材料・環境とともに機能する) ・促進者/誘導する人/一緒に参加する人 ・意味のある考えや材料や他者と相互作用する ための機会を生徒と一緒に構成する ・知識について異なる解釈を協同構成する: 社会的に構成されている概念に耳を傾ける 教師とは 仲間の役割とは ・通常は考慮されない ・必ずしも考慮されないが、考えを刺激 したり、質問したりする ・通常は、知識構成過程の一部を担う ・集団での間主観的立場で知識の定義に貢献する ・情報を受動的に取り入れる ・作業する人 ・積極的に聞く人、指示に従う人 ・時間通りに作業を完了させる ・心の中で積極的に構成する ・生み(創り)だす人、構成する人 ・積極的に考える・理解する・説明する・ 質問する人 ・他者や自己が一緒になって積極的に協同構成する ・生み(創り)だす人、構成する人 ・積極的に考える・説明する・解釈する・質問する人 ・理解する・質問する・説明する・協同構成する・ 社会的文脈を考える 生徒の役割とは

  12. 教師主導の伝達型授業と子ども主体の対話型授業との違い教師主導の伝達型授業と子ども主体の対話型授業との違い (Dillon,1994を改作,丸野2003) 特微 主な話し手 典型的なやり取り 予測できる順序 全体のペース 質問 答え 評価 子ども同士の話し合い中心 生徒が半分あるいはそれ以上話す 質問-答え形式ではない ・教師と生徒が混ざり合って陳述や質問  を繰り返す 明確な順序性はない(教師-生徒,生徒-先生,生徒-生徒の混ざり合い) 頻繁ではなく,長い,ゆっくりしたやり取り  質問そのものとして尋ね,生徒は質問した事象について知識を利用したり,新しいものを得る ・決定できない,決定可能な,決定され ているものあるいはそうでないもの  (あらかじめ決定されていない) ・異なる生徒には異なる答え" “同意/不同意” ・生徒または教師によって" 教師による伝達中心 教師が2/3あるいはそれ以上話す 質問-答え形式 ・教師が質問(生徒から教師へはなし) ・生徒が答える ・教師が評価(そして次の質問) (この質問-答え-評価のサイクルが繰 り返される) 教師が話し次に生徒が答える順序性 頻繁に短い,早いやり取り 尋ねられる時は質問そのものとしてではなく,知っている答え(知識)を示すために ・あらかじめ決定されている正しいもの  /誤ったもの ・すべての生徒にとって同じ正しい答え “正しい/誤り” ・教師によってのみ

  13. 「学び合う」学びを育む授業を創るには(1) <授業観の見直し>「学び合う」学びを育む授業を創るには(1) <授業観の見直し> 教師主導の「知識伝達型」授業 子ども主体の「話し・学び合う」授業  ・教師も子どもも,教え手であり学び手=教師と子どもとの協働構成→「並び合いの関係」「役割が流動的に変化」 ・教師は教え手,子どもは学び手(暗黙の上下関係:役割固定) ①教師と子どもの役割 ・授業とはダイナミックに揺れ動く筋書きのないドラマ ②授業の進行とプランの関係 ・授業とは教師の予め想定したプラン通りに進めるもの ・重要な知識や法則を教える場に加え,「学び方を学ぶ」場 (問題の解決過程を味わい/深め/広める場,誤り体験が保証される場) ・知識伝達/正解を教える/重要な概念や法則を理解・記憶させる場 ③授業という場の役割 ④子どもや教師が経験する学び ・知識貯蔵型(記憶中心)の学びのスタイルが子どもに定着→「自律性,主体性」が育まれ難い ・相互に消耗感が漂う(「驚く,喜ぶ,わくわく,発見する」機会が少ない) ・個人の頭の中に閉じた知の営み(個人プレーの世界) ・(「子どもに学ぶ」(教師)/「他者に学ぶ」(子ども同士)機会の少なさ)→「新たな自己発見/自己創出に繋がり難い」(教師も子どもも) ・ 平均的なクラスの子どもを中心にした授業に成り易い ・問題解決/発見型の学びのスタイルが子どもに育つ  →「自律性,主体性」が育ち易い ・挑戦心の芽生え(「驚く,喜ぶ,わくわく,発見する」機会の多さ) ・他者との関係性の中に開かれた知の営み  (「子どもに学ぶ」(教師)/「他者に学ぶ」(子ども同士)機会の多さ)→「新たな自己発見/自己創出に繋がる」(教師も子どもも) ・一人一人の個を大切にした授業の営み

  14. 「教材分析を行う視点」の見直し(2) 子ども主体の「話し・学び合う」授業 教師主導の「知識伝達型」授業 ◎双方向(教師/子ども)からの位置づけ =“教えるもの”“考えさせる道具/手段”としての教材 ◎教師の視点のみからの位置づけ  =“教えるためのもの”としての教材 ・現実世界におけるものごとの成り立ちや営みを考えさせることが目的。    ・教材とは:「現実世界の一つのモデル」「子どもの“心/思考の世界”を教師に知らしめ,授業の営みを豊かにする重要なコミュニケーションの手段」 ・教師の視点からのみでなく,子どもの視点に立った教材分析 →授業前に,既に子ども達との対話を想定した教材分析:「実体験や日常生活の具体的な場面にどう結び付けるか」「何を準備すべきか」「誰が何処で“つまずき”易いか」などの視点が新たに加わる ・教材内容を教えることが目的となり易い →分析の視点:「何が含まれているか」「何を教えなければいけないか」 「そのためには何を考えるべきか」「何を準備すべきか」など) →教材の中に閉じた授業の営みになり易い(日常性との結びつきの欠如) ①授業の目的と教材との関係 ・教師の“ものさし”による教材解釈を先行させる →「~でなければならない」「~にちがいない」(must beの世界)の姿勢で子どもに関わることに繋がり易い →自分の考えに合うもののみを,子どもの反応から拾い集める ②優先される考え ・状況に応じて,教師の“ものさし”は横におき,あるいは離れ,まずは子ども達の“ものさし”に耳を傾けるという関わりの姿勢に繋がり易い →「~かもしれない」(may be の世界)の姿勢で子どもに関わる →自分の考えに合うもののみというより,むしろ子どもの考えを大切にする ③授業の中に生かされる子どもの個性 ・子どもの個性的な感じ/考え方を巧く授業の中に生かせない (子どもたちが消極的に授業へ参加) ・子ども達の個性的な感じ/考え方を巧く授業の中に生かし易い (子どもたちが能動的に授業へ参加)

  15. 対話を支える心理的/談話的風土づくり(3)対話を支える心理的/談話的風土づくり(3) (1)「基本的な態度」作りは日頃の学級作りの中で   ・「評価を気にせず,自由に,何でも言い合える」    ・「一人一人の考えを大切にする」    ・「異なる考えを認め合う」    ・「互いに心を開き,助け合う」    →「心と心」の通う信頼関係(安心できる対話空間) (2)対話を深める・広める上で「実際に役立つ技能や態度」は, 具体的な授業実践の文脈の中で    ・「自他の考えを比較しながら聞く」    ・「納得するまで自分の考えにこだわってみる」    ・「他者の考えを認め,自分の考えを変える勇気」    ・「根拠を持って発言する」    ・「他者の考え(自分の以前の考え)を繋げ,絡めながら話す」    ・言葉で表現されるものだけではなく、体全体が語るものを感じ取る    (沈黙が意味するものへの深い省察)など   二つの側面の技能や態度に支えられ,“子ども達は,自由に活き活きと   思考する,安心して揺らぎを感じる,多様な視点からの挑戦“が可能

  16. 活動に応じた ルールの予測・読み取り (子ども・学級の把握) 対話を支えるルールの共有は授業の中で ルールの意味(いつ・どのように・なぜ)を共有 授業の体験の中で ルールが明確化され, 意味づけられる. ルールに支えられた 対話の実現 ルールに 支えられたやりとり (ルールの顕在化) 学級に存在している ルール (授業内/外で構成) やりとりを支えているルールを言葉にして明確化・意味付ける 話し合いの文脈 (教科・教材・課題)

  17. 3つの視点からの対話(4) (1)教材との対話:   教材の中に語られている状況やもの/著者になってみる事で感じられる/見えてくるものと向かい合う。  (2)自己内対話:   教材や他者の考えを手がかりにして,“これまでの自分の考えの曖昧性や問題を見直す,あるいは自分はいま何が分かり,何が分かっていないかについて考える。 (3)他者間対話:   授業の営みの過程では,同じ教材を介して,自分とは異なる考えや感じ方をする他者に出会う。「なぜそのような考えが生み出されてきたのか」「本当に同じなのか/異なっているか」について,他者との間で直接的に(時に間接的に)関わりながら考える。 ・創造的緊張(creative tension):「疑問」「不思議さ」「迷い」「葛藤」「淀み」 ・創造的混沌(creative chaos):混沌→精緻化・秩序化→新たな知の誕生

  18. 3位相での循環的な自己省察的思考 授業前でのメタ認知的・省察的思考 授業過程でのメタ認知的・省察的思考 授業後でのメタ認知的・省察的思考

  19. 変容していく授業スタイル 変容していく授業スタイル ( ( A A → → B B ・・ ・・ X X ) ) 現時点での授業スタイル 現時点での授業スタイル A A 授業実践前 授業実践前 授業実践過程 授業実践過程 授業実践後 授業実践後 Pre Pre – – reflection reflection Reflection in action Reflection in action Post Post – – reflection reflection ( ( ) ) ( ( ) ) ( ( ) ) ・授業プラン、教材分析 ・授業プラン、教材分析 ・子どもとの対話 ・子どもとの対話 ・自己との対話 ・自己との対話 ・授業の営み(展開)に ・授業の営み(展開)に etc etc … … ・児童との仮想的対話 ・児童との仮想的対話 対する評価、修正 対する評価、修正 ・教材との対話 ・教材との対話 ・状況との対話 ・状況との対話 協働構成による授業実践 協働構成による授業実践 教材 教材 教材 教材 教材 教材 教材 教材 教材 教師 教師 教師 児童 児童 児童 教師 教師 教師 児童 児童 児童 教師 教師 教師 児童 児童 児童 授業スタイルA 図 図 . . 3位相でのメタ認知的 3位相でのメタ認知的 な省察的思考 な省察的思考 (丸野 (丸野 ,2007 ,2007 ) ) 注)初めは現授業スタイル 注)初めは現授業スタイル A A (実線による流れ) (実線による流れ) に依拠しながら授業実践を展開していくが、 に依拠しながら授業実践を展開していくが、 実体験を繰り返す中で変容していく授業スタイル( 実体験を繰り返す中で変容していく授業スタイル( B B ・・ ・・ X X ) ) (点線による流れ) (点線による流れ) 。 。

  20. 「学び合う」授業の実践力を高めるには 学習スタイルⅡ 学習スタイルⅠ メンタル・モデル Monitoring in Action Monitoring in Action 授業実践 授業実践 (現実の状況展開) (現実の状況展開) Post- monitoring Post- monitoring 実践後の省察 実践後の省察 授業実施計画 授業実施計画 方針・方略 方針・方略 メンタル・モデル メンタル・モデル Pre-monitoring Pre-monitoring 注)自分一人では、有能さの罠(competency traps)からの脱却、すなわち、学習スタイルⅡを自発的にとることは困難なために、他者の目を通して支援する。

  21. 投企的方略と待つ姿勢 間の重要性 関わりの姿勢 状況の中に立ち現われる知 投企的方略・・・・・・・

  22. 「論理科学モード」と「ナラティブモード」の違いBruner,J.(1986) Actual minds, possible worlds • 論理科学モード (logico-scientific mode) • 抽象性 • 普遍性 • 原理原則 ==>必然性 (人は法則の基に生きる) • ナラティブモード (narrative mode) • 具体性 • 個別性 • 事例  ==>偶然性 (人は多様な可能性に         開かれている)

  23. 知の社会的構成主義 新たな認識の起源は“他者や状況との関わりの中に拓かれている” 投企的方略:状況に身を任せる (状況の中に立ち現われてくる知)    関わりの志向性      Must be==> May be           ↓           Serendipity(偶然の出会いの中での気づき・発見)      「差異敏感性」  「意味敏感性」  「価値敏感性」 未知なる世界を探究する人々は地図を持たない旅人である?

  24. 心理的距離の取り方で授業が変わる 子どもたちの知識水準と教材との距離 子どもとの関わりの距離   (状況依存的な責任性の移譲) 授業過程での自己の感情との距離・・・・

  25. ・子ども相互の連携の欠如 ・自主性の欠如 ・ Reflection/Monitoring を行う余裕のなさ ・過剰なhelp-seeking ・問題点が見えない ・全体が見えない ・Reflectionの欠如 近すぎる ・子ども相互の連携 ・挑戦の意欲/自主性の発揮 ・Reflection/Monitoring ・適切なhelp-seeking ・柔軟な状況依存的対処 ・焦点が明確 ・鳥瞰的視点 ・十分なReflection 最適距離 ・子ども任せ/無責任 ・課題の不明確さ ・Reflectionの必要性の欠如 ・個/全体が見えない ⇒介入のタイミングの混乱 ・すべきことがわからない ・教師への不信感 ・やる気の欠如 ・Reflection/Monitoring の必要性の欠如 関係性の中で揺れ動く“最適な心的距離” teacher student 心 的 距 離 (干渉) (寛容) (放任) 遠すぎる

  26. 関係性の中で揺れ動く「心理的距離」(丸野2005)関係性の中で揺れ動く「心理的距離」(丸野2005) 心理的距離 教材の難易度と子どもの知的水準との間の距離 意図やプランと実践の中に立ち現れる感情反応との間の距離 子どもとの間での責任性の取り方の距離 注)ここでは、教師の取る心理的距離に焦点をあてて整理した。教師の子どもに対する3側面での最適な心理的関わりの距離と、子どもたちの創造的な学びの活性化との間には“車の両輪の関係”が成り立つ 。

  27. 新たな枠組み の獲得 枠組みの 内在化 Collaboration 他者との関係によって拓かれる自分 ・理論と実践の融合への挑戦 ・計画-実践-反省のサイクル ・経験の中での学び(投機的学び) Trial and Error 教師の成長過程 教師の成長過程 枠組みの 揺らぎ/脱却 無知/限界の 気づき/受容 再構成 既成の枠組み への固執 教師の学び ビデオからの学び 教材分析からの学び 講話からの学び 研修のプロセス

  28. 子どもの考えを繋げ・擦りあわせ・新たな知を紡ぐまでの熟達過程モデル子どもの考えを繋げ・擦りあわせ・新たな知を紡ぐまでの熟達過程モデル

  29. 21  教師  児童 モデル0:教師主導の授業-教師自身のゴールに乗せていく- ・知識を伝えることがゴール(=誤りからの学びの欠如) ・自分のゴールに都合の良い考えのみを拾い上げる ・子どもの考えにより添えない  =視点が固定的:状況に応じた柔軟さがない ・子ども同士の意見に繋がりがない

  30. 22  教師  児童 モデル1:子どもの発言に繋がりがない-子どもの意見に振り回される- ・子どもと一緒になって授業構成する姿勢 ・どこに自分が展開しようとしているのか、ゴールが見えない ・子どもの考えを聞く視点が不明確 ・教師が個々の子どもの意見に振り回されている ・子ども同士の意見につながりがない ・子どもとの間に適切な距離がとれていない。

  31. 23  教師  児童 モデル2:子どもの発言に繋がりがない-子どもの意見を授業に活かし始める段階- ・場当たり的に教師のゴールが動くため全体として意見を整理できない ・類似した意見をひろい集める(パートごとに教師がつなげる) ・パート相互につながりがない ・子どもとの間に固定された一定の距離をとり始める。

  32. 24  教師  児童 モデル3:教師を媒介とした子ども同士の局所的繋がり -二者間の繋がり- ・ゴールの揺れ動き→各意見を相互に関連づけられない ・子ども主体の部分的な意見の繋がり(時に教師の介入:Revoicing) ・特定の子どもの発言に応じた柔軟な関わり(子どもに寄り添う) ・子どもとの間で適切な距離の調整が生じ始める. ・子どものやりとりを見守る/つなげる第3の視点としての教師の役割

  33. 25  教師  児童 モデル4:子ども同士による局所的繋がり-子ども主体の三者間の繋がり- B C A ・ゴールの揺れ動き→場面相互を関係づける教師の視点の欠如 ・やりとりを見守る/つなげる第3の視点として子どもが主体的に関わる  →子ども同士の学び合いの始まり ・教師は場面に応じて子どものやりとりに柔軟にかかわる  →Responsibilityの配分/移譲 ・子どもとの間で適切な距離の調整 ・学び方を学ぶ,問題発見/解決,自己/他者発見

  34. 26  教師  児童 モデル5:子どもと教師の共同構成による全体的繋がり C B A ・全体的視点から場面相互が関連づけられる ・子どもと教師が一体となった共同構成の始まり ・教師は場面に応じて子どものやりとりに柔軟にかかわる  →Responsibilityの配分/移譲 ・子どもとの間で適切な距離の調整 ・学び方を学ぶ,問題発見/解決,自己/他者発見  →子どもと教師が相互に学ぶ

  35. 27  教師  児童 モデル6:共同構成による新たな知の創造 B A C ・全体的視点から場面相互が関連づけられる ・子どもと教師が一体となった共同構成による知の創造 ・教師は場面に応じて子どものやりとりに柔軟にかかわる  →Responsibilityの配分/移譲 ・アイデア/トピック間で柔軟に適切な距離を調整 ・学び方を学ぶ,問題発見/解決,自己/他者発見  →子どもと教師が相互に学ぶ

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