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仮想世界の政策論. 2007年2月 駒澤大学 グローバル・メディア・スタディーズ学部 山口 浩. 本日のメニュー. 「仮想世界」としてのオンラインゲーム 「仮想」であるということの意味 「娯楽」を超えて 「政府」の役割 仮想世界における「政策」 「国内」政策 「国際」政策 「歴史観」でみてみる. 1 「仮想世界」としてのオンラインゲーム. 2 月 2 日、プレイベントとして開催 協力:デジタルハリウッド 藤本徹氏が アメリカから参加. 「仮想世界」としてのオンラインゲーム. オンラインゲームは「仮想世界」 人物 アイテム、周辺環境 社会・経済制度
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仮想世界の政策論 2007年2月 駒澤大学グローバル・メディア・スタディーズ学部 山口 浩
本日のメニュー • 「仮想世界」としてのオンラインゲーム • 「仮想」であるということの意味 • 「娯楽」を超えて • 「政府」の役割 • 仮想世界における「政策」 • 「国内」政策 • 「国際」政策 • 「歴史観」でみてみる
1 「仮想世界」としてのオンラインゲーム • 2月2日、プレイベントとして開催 • 協力:デジタルハリウッド • 藤本徹氏がアメリカから参加
「仮想世界」としてのオンラインゲーム • オンラインゲームは「仮想世界」 • 人物 • アイテム、周辺環境 • 社会・経済制度 • 交流 目的は「娯楽」 現実世界 仮想世界
「仮想」とは • 英語の「virtual」 • Being actually such in almost every respect • Computer Science Created, simulated, or carried on by means of a computer or computer network • 国語辞典では • (1)仮に想定すること。 • (2)文法で、実際はそうでないことを前提として推量することを表す言い方。 「実際には存在しない」というニュアンス 「事実上存在するのと同じ」「ネットワークの中の」
意味のある「仮想世界」 • そこで働き、交流し、自己実現する場所 • 物理的、社会的状況から切り離された場所 • 「もう1人の自分」でいられる場所 • 「自分の居場所」という自覚
「娯楽」を超えて • ゲームが「ゲーム以上」の存在に • 人々の行動にインセンティブを与える機能 • 人々の間のコミュニケーションを媒介する機能
戦闘・競争 対モンスター 対プレーヤー 経済活動 生産・加工 売買・サービス オンラインゲーム内の活動 • コミュニケーション • チャット • グループ
戦闘・競争 対モンスター 対プレーヤー 経済活動 生産・加工 売買・サービス オンラインゲーム内の活動 いずれもカギは「コミュニティ」 • コミュニケーション • チャット • グループ 現実上の意義 交流は「現実」
「ゲームで何できる?」 • これまでは「作り手」の問題 • 技術的可能性の追求 • ユーザーはそれを使うだけ • これからは「使い手」の問題でもある • 「プラットフォーム」として • 一段上のレイヤーへ
「セカンドライフ」の特徴 • 自由度の高さ • アバター、アイテム、職業、目的、活動 • 創造性を生かすしくみ • 「プラットフォーム」 • 多様性 • 可能性 • コミュニティの質の高さ • 「対話」だけがコミュニケーションではない
ウェブで何する? • 「リアルでやること」なら何でも • 機能上はもう可能なものも • あとは「人がどう使うか?」 活動の幅 ここに何が来る? インターネット Second Life オンラインコミュニティ 一般的なMMORPG SNS オンラインショッピング 表現の幅
さまざまな仮想世界 人々、領域、活動、資源配分、マネーの流れ、帰属意識
「意味のある」仮想経済 現実世界 仮想世界 人物、領域、アイテム、通貨 オンラインでの活動の範囲が拡大 中間領域の拡大 現実の価値の流れを伴うように 交流・取引実感
オンラインゲームって何? • インターネット上のコンテンツ オンラインゲーム インターネット
オンラインゲームって何? • ポータルサイトのコンテンツ オンラインゲーム ポータル インターネット
オンラインゲームって何? • ポータルサイトの中のコンテンツの1つ 情報 物販 コミュニティ オンラインゲーム ポータル インターネット
オンラインゲームって何? • ウェブサービスの1つ 情報 物販 コミュニティ オンラインゲーム 掲示板 ブログ 他のネットサービス ポータル インターネット
オンラインゲームって何? • インターネット上のメディアの1つ 情報コンテンツ・広告 情報 物販 コミュニティ オンラインゲーム 掲示板 ブログ 他のネットサービス ポータル インターネット
オンラインゲームって何? • インターネット内の「経済圏」の1つ 情報コンテンツ・広告 情報 物販 コミュニティ オンラインゲーム 掲示板 ブログ 他のネットサービス ポータル インターネット
オンラインゲームって何? • インターネット上の「プラットフォーム」・・? 情報コンテンツ・広告 ネットサービス ネットサービス ゲーム 掲示板 ブログ 他のネットサービス ポータル オンラインゲーム インターネット
3D空間であることの意味 • Immersive Media(没入型メディア) • なぜ3Dグラフィックを持つようになったのか 吾輩は猫である。名前はまだ無い。どこで生れたかとんと見当がつかぬ。
新さんの問い「何と呼ぶか?」 • 「Liveサービス」(Microsoft泉水氏) • 「Synthetic World」(Castronova) • 「Platform」(Linden Lab) • 「Online Community」「Virtual World」「Metaverse」・・ • 山口的には・・「Virtual World」か「Online Platform」かはたまた「Immersive Media」か?
2 仮想世界における「政策」 • ゲーム会社はゲーム世界の「政府」 • 仮想世界の「中」での政策 • 仮想世界と現実世界の「間」での政策
「政府」が与えたもの • 神話 • 「世界」の存在意義 • 使命 • 人はそこで何をすべきか • 社会基盤 • インフラ • 秩序 • やっていいこと悪いこと
「政府」の責任 • 「国民」の身体・財産を守る • 「国内」での犯罪行為を取り締まる • 何が「犯罪」かは「国」が決める
「歴史観」 • 大きな流れ • 無秩序→秩序 • 統制→自由 • 揺れ動きつつバランスをとる • 人が「豊か」になる方向へ
「鎖国」の思想 • 外部に対して閉ざすことで秩序を維持 • 外部との「交易」の禁止 • 「外国人」流入の禁止 • サーバ間「鎖国」も • 禁止するなら実効性ある取り締まり体制 • 守れないルールは秩序の崩壊を招く • 「禁酒法」が「闇の勢力」の跋扈を招いた 「抜け荷」の増加
CESAガイドライン • 「オンラインゲーム運営ガイドライン」(2007年1月) • 情報の周知 • 悪意のある第三者により個人情報・プレイデータが盗まれるケース等の情報を適宜告知し、ユーザーが安全にプレイできる環境を注意喚起する。 • 不正行為を定義 • サービス提供会社は、事前に各オンラインゲーム内の不正行為の定義を明示した上で運営に臨むものとする。なお、オンラインゲーム内での「不正」はオンラインゲームデザイン等に基づきサービス提供会社が定義するものであり、当協会はこれを尊重する。 • 対処方針 • オンラインゲームで発生した不正行為については各運営企業の判断により対処及び事実関係を整理した上で状況を確認、事態の収拾にかかる期間などを利用者へ適宜情報提供する。
「楽市楽座」の思想 • 活動の自由度の拡大が創意工夫を誘発 • 「民の栄え」が「国の力」 • すべての場所がそうである必要はない
「Station Exchange: Year One」 • SOEが2005年7月、EverquestIIに設置した公設RMT市場 • SOEのJohn Smedley社長のコメント • “ . . . there is a significant demand for a secure, sanctioned online marketplace where players can enhance their gaming experience by spending real dollars.” • 経済統計の整備は「政府」の責任 • 「政策」の基礎、「国民」への説明責任
「内政干渉」の排除 • 教育に効果 • 犯罪を防ぐ • 子どもを守る
シリアスゲームとして • 「シリアスゲーム -教育・社会に役立つデジタルゲーム」 藤本徹 著、東京電機大学出版局 (2007年2月20日刊行)
アカウント登録時の入力事項 (某社の場合) • メールアドレス • 氏名 • 生年月日 • 性別 • 住所 • 電話番号 • 利用約款への同意 • 保護者の許可の確認(16歳未満の場合)
アカウント登録時の入力事項 (某社の場合) • メールアドレス • 氏名 • 生年月日 • 性別 • 住所 • 電話番号 • 利用約款への同意 • 保護者の許可の確認(16歳未満の場合) メールアドレス以外は虚偽でもわからない
携帯電話契約時の本人確認 • 携帯電話不正利用防止法による本人確認書類(次のうちいずれか) • 運転免許証 • 日本国パスポート • 住民基本台帳カード • 健康保険証+公共料金領収証または住民票 • 学生証+健康保険証または住民票または外国人登録証明書 • クレジットカード+健康保険証または住民票または外国人登録証明書 • 外国人登録証明書+外国パスポート • 身体障害者手帳または療育手帳または精神障害者保健福祉手帳
携帯電話契約時の本人確認 クレジットカードも • 携帯電話不正利用防止法による本人確認書類(次のうちいずれか) • 運転免許証 • 日本国パスポート • 住民基本台帳カード • 健康保険証+公共料金領収証または住民票 • 学生証+健康保険証または住民票または外国人登録証明書 • クレジットカード+健康保険証または住民票または外国人登録証明書 • 外国人登録証明書+外国パスポート • 身体障害者手帳または療育手帳または精神障害者保健福祉手帳 ならば携帯電話を認証・決済に使えばいいのではないか
子どもに関するリスク • RMTにまつわるリスク • 仮想通貨・アイテムをとられてしまう • ID、パスワードの管理が甘い • 金銭をあまり持たないため被害は比較的少ない • 他人の仮想通貨・アイテムをとってしまう • 規範意識の欠如 • むしろこちらのほうがこわいのではないか
「不正」は「裏技」ではない • 子どもはRMTで売り手 • 買う金を持ってない • 売り手として不正に走ることを阻止すべき • オフラインゲームの「裏技」とはちがう • 人をだますと犯罪になることも • 完全に取り締まるのは難しい
CESAガイドライン(2007年1月) • 子どもを守るための規定 • 保護者の関与 • 不明な点は保護者の同意を得て実行(未成年) • 個人情報提示は保護者の同意を得る(15歳以下)
アメリカの事例 • 保護者による監視ができるしくみ(Second Life) • 子どもと大人のゾーンを分ける • 子どものアカウント登録時に大人のクレジットカード情報とメールアドレスを登録する • 保護者の求めで子どもの活動状況を知らせる • 保護者による設定(Xbox360) • 子どもがオンラインゲームを使用できるか • 子どもがオンラインでプレイする相手 • 子どもが利用できるゲーム、アイテムの種類 • 保護者に「関与」を勧める
“For Parents . . ” (Linden Lab) • 私たちは、お子様方が「セカンドライフ」をお楽しみいただくにあたり、保護者の皆様の積極的な関与をお勧めします。 • お子様に、「セカンドライフ」の中の世界を見せてもらい、お子様がそこでどんな社会的、創造的活動をしているのかをいつも教えてもらえるように頼んでみてください。 • 「ティーン・セカンドライフ」に入ることができる大人は管理者に限られていますので、お子様のキャラクターを保護者の皆様が直接操作することはお控えください。 • しかし、もしお子様の「セカンドライフ」経験をお楽しみいただけましたら、ぜひご自分でもアカウントをとって、大人向けの「セカンドライフ」でお楽しみください。
現実世界と同じ • まず大人が学ぶ • 子どもを守るのは大人の責任 • 悪い見本にならない • 子どもが何をしているか見守る • その「遊び場」がどんなところか知っておく • 何をしているかを把握する • 子どもと対話し、きちんと教育する • していいこと、いけないことを話し合う • 決まりを作って守らせる
現実世界と同じ • まず大人が学ぶ • 子どもを守るのは大人の責任 • 悪い見本にならない • 子どもが何をしているか見守る • その「遊び場」がどんなところか知っておく • 何をしているかを把握する • 子どもと対話し、きちんと教育する • していいこと、いけないことを話し合う • 決まりを作って守らせる 「親子でオンラインゲーム」キャンペーン“楽しく、安全に”
ありがとうございましたE-mail: hiroshi.yamaguchi@tokyo.nifty.jpURL: http://laboratory.h-yamaguchi.net/http://www.h-yamaguchi.net/