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情報教育における生徒の自己効力とその関連要因

情報教育における生徒の自己効力とその関連要因. 兵庫教育大学大学院(院生) ○ 加藤靖志 兵庫教育大学連合大学院(院生)鬼藤明仁 宮川洋一 兵庫教育大学大学院  森山  潤 松浦正史 日本産業技術教育学会 第48回 全国大会(長崎). 研究の目的. 本研究の目的は,情報教育における生徒の自己効力とその関連要因を構造的に把握することである。. 情報教育の位置づけ.

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情報教育における生徒の自己効力とその関連要因

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  1. 情報教育における生徒の自己効力とその関連要因情報教育における生徒の自己効力とその関連要因 兵庫教育大学大学院(院生)○加藤靖志 兵庫教育大学連合大学院(院生)鬼藤明仁 宮川洋一 兵庫教育大学大学院  森山  潤 松浦正史 日本産業技術教育学会 第48回 全国大会(長崎)

  2. 研究の目的 本研究の目的は,情報教育における生徒の自己効力とその関連要因を構造的に把握することである。

  3. 情報教育の位置づけ  中学校技術科「情報とコンピュータ」及び高校情報科(情報A,B,C)の学習は、情報化社会で生活していく上で必要な「情報を適切に活用する能力」(情報活用能力)を養うことが目標とされている。 [情報活用能力]   ①情報活用の実践力   ②情報の科学的理解   ③情報社会に参画する態度

  4. 実践課題 しかし,授業では,次のような生徒の姿が見受けられる。 <問題とする生徒の姿> ○教師に操作方法を一つ一つ確認しなければ 進められない。 ○課題に対して、より工夫したり、難易度の高い課題に向かう姿勢が少ない。 ○習得した知識・スキルを他の場面(授業等)で応用しようとする姿勢が少ない。 ○「情報を収集すること」には積極的であるが、「情報を発信(発表)したり、処理 (まとめる)したりする」ことには消極的。 自信が持てない,他者依存的,チャレンジ精神や積極性のなさ 授業に対する自己効力の問題

  5. 自己効力(self-efficacy)とは ○様々な課題に対する遂行可能性の認知。 ○ある結果を生み出すために必要な行動をどの程度上手く行うことができるかという個人の確信。 ○学習行動の是非に影響を及ぼす心理的な要因の一つ。 ○自己効力の形成は,授業における主体的な学習に対する意欲や態度の向上を促進。 (A.Bandura.1977)

  6. 研究のアプローチ 1.中学生を対象に,「情報とコンピュータ」の授業に対する自己効力について,自由記述による調査を実施(以下,一次調査) 2.Pintrich ら(1990)の作成したMSLQ(Motivated Strategies for Learning Questionnaire)を「情報とコンピュータ」の授業に適用できるよう改編 3. 得られた自由記述を分類・整理し,予備質問項目を作成。中学生を対象とした調査を実施(以下,二次調査) 4.自己効力とその関連要因との因果関係を検討。

  7. 一次調査~尺度項目の作成~ • 調査対象:鳥取、島根県下の中学3年生258名(男子  129名、女子129名) • 質問項目:『情報とコンピュータ』の学習に対して,     「自信をもった」,「やってよかった」,「自分にもで     きそうだ」という気持ちになったのはどのようなとき     ですか? • 手続き:調査は,2005年2月~3月に実施した。調査後、     得られた回答を実験者5名と教職経験10年以上の     技術科担当教員4名を含む計9名で分類・整理し,     二次調査に用いる質問項目36項目を作成した。

  8. 予備尺度の妥当性と関連要因の検討 予備質問項目の基準関連妥当性の検討及びその関連要因として,Pintrich ら(1990)の作成したMSLQ(Motivated Strategies for Learning Questionnaire)を「情報とコンピュータ」の授業に適用できるよう,実験者5名と教職経験10年以上の技術科担当教員4名を含む計9名で修正し,準備した。 <改編したMSLQの因子構成>     「情報とコンピュータ」の学習における   ①自己効力(4項目)         ②学習方略(4項目)         ③教科の価値観(4項目)       ④実習不安(4項目)

  9. 二次調査 ~因子構造の分析~ • 調査対象:兵庫、大阪、鳥取、島根、滋賀、長野各府      県下の中学3年生631名(男子331名、女子300名)。 • 質問項目:      ①一次調査で作成した予備質問項目(5件法)      ②改編したMSLQ(5件法) • 手続き:調査は,2005年4月から5月に,各校の技術      科担当教員が実施した。

  10. 分析の手続き  ◇二次調査の結果は,以下の手続きで分析した。  ①予備質問項目に対するGP分析及び内的整合性の   検討。  ②両尺度に対する因子分析(主因子法+プロマック   ス回転)の実施。  ③両尺度を構成する各因子から因子負荷量の高い   項目を抽出し,基準関連妥当性を検討。  ④抽出した項目を用いて,両尺度各因子間の因果関係を,共分散構造分析で検討。

  11. 一次調査で作成した 予備質問項目 改編したMSLQ

  12. 結果と考察(二次調査) ◇全被験者631名に対し、有効回答616名、有効回答率97.6%であった。 ◇予備質問項目に対するGP分析の結果、36項目中35項目に尺度の弁別性が確認された。(1項目を棄却) ◇35項目に対する内的整合性を検討した結果,Cronbach's α係数=0.935が得られた。  因子分析(主因子法+プロマックス回転)

  13. F1 「応用期待感」因子 F2 「課題遂行感」因子 F3 「スキル習得感」因子

  14. 「自己効力」因子 「教科の価値観」因子 「実習不安」因子 「学習方略」因子

  15. 項目の選択・再編 ◇因子分析の結果に基づいて,    自己効力尺度・・・因子負荷量の高い4項目を抽出    改編したMSLQ・・・因子負荷量の高い2項目を抽出 ◇基準関連妥当性の検討 尺度全体及び各因子共に,有意な相関が得られた。

  16. 「課題遂行感」及び「スキル習得感」において,女子に比べて男子の水準が有意に高くなった。「課題遂行感」及び「スキル習得感」において,女子に比べて男子の水準が有意に高くなった。 女子よりも男子の方が,「情報とコンピュータ」の授業に対して,自己効力を形成しやすい傾向が示唆された。 自己効力尺度における性差

  17. 自己効力とその関連要因の因果モデル(全体)自己効力とその関連要因の因果モデル(全体)

  18. 自己効力とその関連要因の因果モデル(男子)自己効力とその関連要因の因果モデル(男子)

  19. 自己効力とその関連要因の因果モデル(女子)自己効力とその関連要因の因果モデル(女子)

  20. 教育実践への示唆 • 情報教育における自己効力の形成には,・・・   実習に対する不安を軽減させ,学習方略の形成を支援することが重要。   男子では特に,学習方略に裏付けられた課題遂行に対する見通しや自信を持たせることが重要。   女子では,実習に対して過度に不安感を抱かせないように配慮する一方で,教科に対する価値観を育むことが重要。

  21. まとめと今後の課題 • 情報教育における生徒の自己効力として、F1「応用期待感」因子、F2「課題遂行感」因子、F3「スキル習得感」因子が抽出された。 • 中学校段階では,「学習方略」の形成が自己効力の促進要因に、「実習不安」が阻害要因になることが示唆された。また,「教科の価値観」,「課題遂行感」、及び「スキル習得感」の形成が「応用期待感」を促進していることが示唆された。 • 今後は、本研究で得られた知見に基づき,具体的な学習指導方法を構想し,その効果を実践的に検証する必要があろう。

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