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コンビニの密度と人口密度の関係について. 野本裕太 酒井遼太郎 横田晴樹 本田光平. 目次. はじめに 第1章 都内のコンビニの分布 第2章 第1章で追及された範囲の分析・詳細 おわりに(総括) 参考文献. はじめに. 問題意識 (23区のコンビニの密度とその他の市の人口密度を対比). データ出所 1.人口、面積は東京都ホームページ 2.店舗数は「商業統計調査報告(卸売・小売業) 平成 19 年」東京都総務局. はじめに. ・既存研究
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コンビニの密度と人口密度の関係について 野本裕太 酒井遼太郎 横田晴樹 本田光平
目次 • はじめに • 第1章 都内のコンビニの分布 • 第2章 第1章で追及された範囲の分析・詳細 • おわりに(総括) • 参考文献
はじめに • 問題意識 (23区のコンビニの密度とその他の市の人口密度を対比) データ出所 1.人口、面積は東京都ホームページ 2.店舗数は「商業統計調査報告(卸売・小売業) 平成19年」東京都総務局
はじめに ・既存研究 小池光太郎(2007)「空間点分布を考慮したコンビニエンスストアの立地モデルの研究」中央大学大学院理工学研究科情報工学専攻修士論文 主な結論: 立川や八王子と大宮の店舗数は、理想的な商圏人口に相当する。 一方、横浜の店舗数は理想的な商圏人口よりも少ない人口に相当する。 問題点: ①研究対象は、都心ではなく、都心周辺の商業圏に限られている。 ②どうしてこの現象が発生されたのかについて原因説明がなかった。
はじめに • 研究目的 人口密度とコンビニ密度との関係、およびその原因を明らかにする。 ・研究方法
はじめに コンビニエンスストア(convenience store)とは? ①飲食料品を扱っている。 ②セルフサービスである。 ③売り場面積が30平方メートル以上250平方メートル未満である。 ④営業時間が1日14時間以上である。 ・経済産業省 商業統計での業態分類としての「コンビニエンスストア」の定義
はじめに コンビニの事業形態(ビジネスモデル) 『フランチャイズチェーン制』 ・本部と加盟店とが一対一の契約を交わしてチェーン化していくこと。 本部 (営業権、ノウハウ、指導、援助) 加盟店 (ロイヤリティ) サービス提供
はじめに • チェーン展開の様々な形態
はじめに • コンビニの立地と特徴 ・おおむね徒歩10分圏内 「徒歩1分=80メートル」 で換算して、店舗を中心に半径約800メートル以内の住民や勤務者を対象客とする小商圏対応の業態 ・コンビニ1店舗あたりの平均客数=約900人 ・お客の平均店内滞留時間=5分 ・お客の約80%が週に1回以上は来店する固定客
第1章 都内のコンビニの分布 • 東京都のコンビニの発展の歴史 1.最初の店舗:1974年5月15日、セブンイレブン豊洲店 2.店舗数の推移:23区と市部の変化 データ出所: 総務省統計局『商業統計』
1店舗あたりの年間販売額(百万円/店舗) 消費税3%から5% リーマンショック
第1章 23区のコンビニの分布 2.コンビニ密度の高い地域の特徴 ①動線 ・・・徒歩客が入店しやすい立地。 自宅→店舗→目的地または、目的地→店舗→自宅 ②商圏人口 ・・・1店あたり2000~3000人 ③道路状況 ・・・人、自動車とも速度が緩む場所。 ④施設との近接・・・駅,教育機関,勤務地,宿泊施設,公共施設,集積施設,観光スポットなど ⑤購買層 ・・・中所得者層が主体 ⑥ドミナント出店戦略との関係 (ある一定の地域に店舗を集中して出店することを言う)
ドミナント出店戦略の利点 ①独占的な印象をつけ、ほかのチェーンが出店しにくい状況を作る 良い立地の場所を早くおさえてしまえばほかのチェーンは出店しにくい。また、住んでいる人にとっても、近隣ではどこへいっても同じチェーンであれば、そこが馴染みの店になり、自然とそのチェーンのお店を選ぶようになる。 ②物流・周回コストの低減 配送回数が多いコンビニは、店舗ごとの距離が離れていたり、バラバラにあると配送に手間と労力が余計にかかる。 また、本部社員の周回等にかかるコストも低減できる。(コストは費用・時間) 例えば、いきなり四国や鹿児島などに1店舗出店しても、県民がセブンイレブンに対しての認知度がないのでCMを流さなければならず、1店舗の為だけに地元テレビ局とスポンサー契約をしなければなりません。それだと効率が悪いのでドミナント方式で出店しています。
ドミナント出店による集積の意義(補足1) • 商業集積はそれぞれ売り物の違うお店が混在して、競合しない程度の「すみ分け」が自然に行われる。 • もし、まったく同じ物を売っている同じお店が隣同士に出店したら、売上の分散が起こってしまう。 • 2店舗の合計売上は、2店分の規模を持つ1店舗がそこにあった場合よりは大きい。このように、「競合による売上の分散」と「集積による売上増加」は、同時に起こるのである。
ドミナント出店による集積の意義(補足2) • 積極的競合 「競合による売上の分散」と「集積による売上増加」は、同時起こる為、競合したとしても、その2店舗の合計売上は、競合が存在しない1店舗がそこにある場合よりは、明らかに大きくなります。そもそもその場所は、1件のコンビニが立っていた場所である為、コンビニを立てるには、もともと立地が適した場所であるということです。 全体的に商圏内の飽和感が著しい場合、フランチャイズ・チェーン本部としては、むしろ安全な出店策と判断できる場合があるのだ。 ex)オリジン弁当
第1章 23区のコンビニの分布 1.コンビニ密度の低い地域の特徴 • ・マンション・一軒家などといった住宅専用地域が多く存在している • (目立つ地域・・・世田谷区・練馬区・葛飾区・江戸川区) • ・購買層(所得階層別に見ると、中所得者層が主体となっており高・低所得者層の利用が少ない。)傾向。 • ・道路状況 ①通行量・・・少ない。 ②四つ角 ・・・交差点の手前 ③坂 ・・・坂が多くまたその途中 →町内が商業地域としての機能が薄い
23区別平均年収 区内の事業所は商業やサービス業、飲食店など、生活支援にかかわる業種の集積が大きく、小規模事業所が多い。 • 住民1人あたりの平均年収 01 _港区 1006.9(+60.3) 02 千代田 820.5(+9.8) 03 渋谷区 734.3(+29.8) 04 文京区 577.1(+10.8) 05 目黒区 576.2(+26.5) 06 中央区 576.0(+3.9) 07 世田谷 534.9(+12.7) 08 新宿区 509.8(+5.7) 09 杉並区 507.5(+36.3) 10 品川区 435.3(-8.3) 11 大田区 434.9(+8.3) 12 練馬区 420.7(-3.8) 13 豊島区 416.0(-3.8) 14 中野区 411.4(-1.2) 15 台東区 407.0(-5.1) 16 江東区 385.9(+2.3) 17 板橋区 375.6(-3.2) 18 江戸川 364.2(-6.7) 19 墨田区 358.1(-4.8) 20 _北区 356.6(-9.0) 21 荒川区 350.6(-7.5) 22 葛飾区 345.3(-8.6)23 足立区 338.2(-8.6) http://ime.nu/www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?bid=000001013124&cycode=0 高所得者層 中所得者層なのに? 低所得者層
住みやすさランキング 家賃の相場の安い区 • 首都圏 1位 世田谷区 2位 渋谷区 3位 杉並区 4位 新宿区 5位 目黒区 • 東京23区 1位 足立区 2位 葛飾区 3位 板橋区 4位 江戸川区 5位 練馬区 6位 北区 7位 荒川区 8位 豊島区 9位 大田区 10位 杉並区 http://home.adpark.co.jp/chintai/ranking/2011_15.html http://home.adpark.co.jp/chintai/ranking/2008_1.html
第1章 23区のコンビニの分布 • 東京都23区のコンビニの分布の特徴 3.店舗の密集は人口密度と必ずしも比例しているわけではない。 大田区・・・面積1位:59.46km² 人口密度:11355 (人/km²) コンビニ密度23位:4.7(店舗/km²) 千代田区・・・面積19位:11.64km² 人口密度:4057(人/km²) コンビニ密度1位:20.2(店舗/km²)
第2章 なぜ、千代田区にコンビニが集中するのか?第2章 なぜ、千代田区にコンビニが集中するのか? • 千代田区 見取り図
第2章 なぜ、千代田区にコンビニが集中するのか ?第2章 なぜ、千代田区にコンビニが集中するのか ? • 仮説1.昼夜間人口が関係しているのではないか? 1位 千代田区 2047.31% 1位 千代田区 20.2(店舗/km²) 2位 中央区 659.47 % 2位 中央区 20.0 (店舗/km²) 3位 港区 489.38 % 3位 港区 17.6 (店舗/km²) 4位 渋谷区 272.38% 4位 新宿区 17.4 (店舗/km²) 5位 新宿区 253.38% 5位 渋谷区 15.3 (店舗/km²) ⇒昼夜間人口比率とほぼ連動している。
それがどうコンビニと繋がるか? コンビニはあらゆる商品を取りそろえている 専門店よりも手が出しやすい小売店である
千代田区とそれ以外の土地の地価 コンビニが密集する地域 • 千代田区の平均地価 ¥4,672,253 • 中央区の平均地価 ¥4,552,830 • 港区の平均地価 ¥2,923,891 コンビニが少ない地域 • 江戸川区の平均地価 ¥355,883
第2章 なぜ千代田区にコンビニが密集するのか?第2章 なぜ千代田区にコンビニが密集するのか? 仮説3.千代田区の土地そのものの付加価値に密集しているのではないか?
千代田区の民有比率 • 民有比率(%)とは? ⇒民有地÷面積で表された指標の一種である。 千代田区 34.46% 目黒区 62.84% 葛飾区 50.80% 土地の多くが公益に使われている。
OECD調査 OECDは有給の労働と家事や買い物など無給の労働に費やす1日当たりの平均時間を調べた。調査対象は加盟29カ国。その結果、有給と無給を足した労働時間が最も長かったのはメキシコの9.9時間で、日本は2位の9時間だった。3位以下はポルトガル、カナダ、エストニア、オーストリアと続き、中国(8.4時間)が7位に入った。米国(8.3時間)は9位、インド(8.1時間)は13位、フランス(7.5時間)は26位だった。 反対に労働時間が最も短かったのはベルギーの7.1時間。有給労働の平均は4.6時間、無給労働の平均は3.45時間だった。有給労働だけでみると、日本が最長の6.3時間、デンマークが最短の3.75時間だった。
第2章なぜ千代田区にコンビニが密集するのか?第2章なぜ千代田区にコンビニが密集するのか? 仮説4.コンビニの販促条件が千代田区にマッチしているのではないか?
コンビニ業界の動向(1) スーパー
コンビニ業界の動向(1) コンビニの売り上げの6割が食品である コンビニ
コンビニ業界の動向(2) 食料品は生活必需品である為、 購入を断念する人が少ない • コンビニは他の小売業態に比べて不況に強い。百貨店・スーパー・コンビニの売上構成比は図表の通りだが、コンビニは売上の6 割強が食品であり単価も安い。食品といっても値の張る高級品ではなく、日常食べるものが中心である。 • コンビニは基本的に定価販売なので、景気が悪化すると客足が遠のくと思いがちだが、節約するにしても、これまで500 円の弁当を買っていたのをおにぎり2個とおかずにしようかというレベルで、衣料品や宝飾品のように、購入そのものを断念するということは少ない。外食するよりは安上がりなため、コンビニで購入した商品を家で食べる人も増えていること、小分けで販売されているので、無駄が少ないということも受けている。
現地調査52店舗 ※14時~15時の時間帯を見計らい数日かけて入客数調査 立ち読みなども含める コンビニ1件につき10分ずつ調査 昼間時は入客数が多く サラリーマンの比率が高くなることを予期し、 夕方は学校帰りの学生が多くなるためこの時間に設定
総括 ①コンビニ集積は、必ずしも土地の面積や地価の割合で決まるわけではない。 コンビニ密度は昼夜間人口比率とほぼ連動していて、日本人は海外と比べて、時間はないが、お金があるので、昼間に働く人や学生が多い都心にコンビニが集中している。 ②ドミナント方式によるマーケティング・経営戦略によってコンビニが集積している。
研究を終えて • この論文の意義 「コンビニはなぜ都市部に密集しているのか」という立地論に基づき原因を追究した結果人口密度と密接な関係を示していることが発見できた。 この論文の独創性 既存研究である小池光太郎(2007)「空間点分布を考慮したコンビニエンスストアの立地モデルの研究」では立川や八王子と大宮の店舗数は、理想的な商圏人口に相当する。 一方、横浜の店舗数は理想的な商圏人口よりも少ない人口に相当するが、私たちの研究は、東京都内に標準を置き比較しやすくまた、その原因についても人口密度と密接な関係を示している。人口の比率、産業の発展具合、昼夜の人口比率により、大きく店舗が拡大され、またドミナント方式によるマーケティング・経営戦略等によって左右される面もあることが今回の研究で明らかになった。
参考文献 • 小池光太郎(2007)「空間点分布を考慮したコンビニエンスストアの立地モデルの研究」中央大学大学院理工学研究科情報工学専攻修士論文 • 立地論入門 松原 宏(著) 古今書院 フランチャイズ制の導入、クリスタラーの「供給原理」集客構造(コンビニの空間分布)、配送構造について書かれている。