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患者安全と医療関連感染予防: 認定看護師 の役割と手指衛生. 北海道医療大学 看護福祉 学部 塚本 容子. 本日の講義内容. 患者安全と医療関連感染 感染管理認定看護師の責務と役割 手指衛生について 演習:手指衛生. 患者安全と医療関連感染. 術後創の離開. 患者安全 Culture of Safety. 術後出血. 輸血による反応. 出産による児への外傷. 脅威. 与薬ミス. 転倒. 医療関連感染. 患者安全と医療関連感染. 図:入院患者対 10 万件に対しての発生数
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患者安全と医療関連感染予防:認定看護師の役割と手指衛生患者安全と医療関連感染予防:認定看護師の役割と手指衛生 北海道医療大学 看護福祉学部 塚本 容子
本日の講義内容 • 患者安全と医療関連感染 • 感染管理認定看護師の責務と役割 • 手指衛生について • 演習:手指衛生
患者安全と医療関連感染 術後創の離開 患者安全 Culture of Safety 術後出血 輸血による反応 出産による児への外傷 脅威 与薬ミス 転倒 医療関連感染
患者安全と医療関連感染 図:入院患者対10万件に対しての発生数 Nationwide Inpatient Sample, 2004, Agency of Healthcare Research and Quality,一部改変
院内感染 Nosocomial Infections病院感染 Hospital-acquired Infections医療関連感染 Healthcare-associated Infections 医療サービスを受ける過程で感染源に曝露することにより発症する感染症 患者のみならず、医療従事者、訪問者にも起こり得る
数字で見る米国での医療関連感染 • 急性期の病院に入院した 10 %の患者は医療関連感染を発症 • 年間約100万例の医療関連感染 • これら100万例の内、4分の1はICUにて起こっている。 • 年間約9万人は医療関連感染で死亡。 • これは、急性期病院での死亡原因第 5 位
どのような医療関連感染が多いのか? 尿路感染症 手術部位感染症 その他 血流 感染症 肺炎 図:1990年から1996年における感染部位別医療関連感染発生頻度 Burke,J. :Infection Control-A problem for patient safety, The New England of Journal of Medicine, 347;7, 651-656,2003
医療関連感染予防における目標 医療関連感染(HAI)の発生や伝播を予防、またコントロールすることにより • 患者をHAIから守る。 • 職員、訪問者および院内の他の人々をHAIから守る。 • HAIによる病院の経済的損失を防ぐ。
SENIC (Study on the Efficacy of Nosocomial Infection Control)Project • 1974年に開始、3フェーズ、CDC(米国疾病予防センターのプロジェクト • 目的 • 感染管理プログラムとサーベイランスが院内感染を減少させているか? • 感染管理プログラムと院内感染率の現状 • 感染管理プログラムとその関連要因
SENIC Projectの結果 • 以下の4つの事柄が感染管理プログラムに含まれると院内感染率が約30%減少する。 • サーベイランスの実施とその結果に基づいた感染防止対策の実施 • 250床に一人の割合でICPが存在する • 研修を受けた病院疫学者(Hospital Epidemiologist)が存在すること • SWIs(Surgical Wound Infections)に関して:実際にオペを担当している外科医に感染率を報告する
感染管理(制御)から感染予防へ Infection Control からInfection Preventionへ
Targeting Zero Campaign ゼロを目指したキャンペーン 患者安全 ≠ 医療関連感染の減少 患者安全 = 医療関連感染をゼロに
医療費が支払われない状況 • 術後、体内に異物を残してしまった場合 • 輸血ミス • Stage III, IVの褥創 • 転倒 • カテーテル関連尿路感染 • 血管カテーテル関連血流感染 • 手術部位感染による:縦隔感染 • 医療施設内でのDVT発生
標準予防策の復習 全患者が対象となる! 血液、体液、喀痰、尿、便などのすべての湿性生体物質は感染性がある、すなわち病原体を含んでいる可能性があるとみなして対応するということ
具体的には・・・ すべての患者に対して 標準予防策(standard precautions)を! 確認されていない感染源(患者が未検査の場合など)から生じる院内感染のリスクを軽減する
1.血液 2.体液、分泌物(膿、喀痰)、排泄物(便、尿) 3.創のある皮膚 4.粘膜 ・汗は含まれない 標準予防策の対象 全患者の
標準予防策の実践 全患者が対象となる! 湿性生体物質に触れた後は手洗いを励行し、あらかじめ触れる恐れのあるときは、手袋、ガウン、マスク、ゴーグルなどのバリアプリコーションの着用をするというのが基本
感染対策の現状と質問 処置時には手袋は着用しているが、他のPPEは着用していない マニュアルはあり、方法もわかっているが行う時間がない 口腔ケアでPPE着用が必要か、口腔内の細菌を知りたい
手の細菌はどれくらい? 手には3800個のブドウ球菌が存在している 普通の石鹸と流水での細菌減少数 アルコール擦式消毒剤での細菌減少数
手指衛生 短時間で行え、確実な方法 擦式アルコール剤の使用と実施方法
擦式アルコールの効果 CNS CNS Bacillus sp Bacillus sp CNS 使用前 擦式アルコール剤使用後
手袋の着用 細菌検出75% 細菌検出9%
ガウンの性質 防水性のものを着用する 1.患者ケア時に、湿性生体物質が飛び散って、白衣 につきそうな時に着用する。 2.綿製ガウンは感染防止の有効性が期待できない。 3.気管吸引や褥瘡の洗浄などでは、汚染度の強い 湿性物質が飛散するのでマスクとともにガウン の着用が必要。
職業曝露とは? 職業曝露は「職員の業務遂行の結果、生じ得ることが十分に予測される血液あるいは潜在的感染性を有する他の物質との皮膚、眼、粘膜への接触、あるいは非経口での接触」 米国職業安全保健管理局(OSHA)の定義 自らの感染を防ぐ=身を守ること 標準予防策の徹底!!
口腔の微生物は? ヒトの口腔の各部位における菌の分布 数値(%) 人間の口腔細菌は約780種類の細菌が生息
手洗いをしないで口腔ケアを受ける患者は? 医療従事者の汚染された手(病原体が生息している)で口腔ケアを行われる 口腔ケアは口腔内の清浄?それとも汚染? 口腔ケアを受ける対象(緩和ケアの対象) 易感染者(日和見感染) 感染したら重篤化する!
標準予防策をしないで口腔ケアを行う看護師は?標準予防策をしないで口腔ケアを行う看護師は? 患者の口腔ケアの最中、 ・患者が咳きこんだら・・・ ・出血があったら・・・ 目・口・鼻に 血液、体液が入る可能性がある!
さて!問題1 同じ患者さんの複数箇所を処置するときは、手袋交換だけでよい
さて!問題2 細菌、ウイルスは目にみえないのでないので、必ず流水での手洗いが必要である
さて!問題3 患者さんの健康な皮膚に触れる時は手洗いのみで充分である
さて!問題4 サクションをする時は、手袋とマスクだけでよい
さて!問題5 口腔ケアをする時は、手袋を着用していればよい