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電気自動車の特性に合わせた 充電設備の最適配置の研究. 2009 年 2 月 23 日. 笠井雄亮 東京大学工学部システム創成学科 知能社会システムコース. 目次. 序論 1.1 研究の背景 1.2 研究の目的・アプローチ 充電スタンド最適配置・電気自動車 (EV) 仕様策定 2.1 Input :準備するデータ 2.2 レンタカー EV 仕様策定 2.3 充電スタンド最適配置 2.4 Output : EV 導入効果 ケース 1 : EV の価格が与えられた場合 ケース 2 :宅配デポに必ず充電スタンドを配置する場合 結論と今後の展望. 2. 2.
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電気自動車の特性に合わせた充電設備の最適配置の研究電気自動車の特性に合わせた充電設備の最適配置の研究 2009年2月23日 笠井雄亮 東京大学工学部システム創成学科知能社会システムコース
目次 • 序論 1.1 研究の背景 1.2 研究の目的・アプローチ • 充電スタンド最適配置・電気自動車(EV)仕様策定 2.1Input:準備するデータ 2.2 レンタカーEV仕様策定 2.3 充電スタンド最適配置 2.4Output:EV導入効果 • ケース1:EVの価格が与えられた場合 • ケース2:宅配デポに必ず充電スタンドを配置する場合 • 結論と今後の展望 2 2
1.1 本研究の背景 背景 • モータリゼーションによりCO2排出量は更なる増加、電気自動車(EV)の導入フィージビリティは高い • 充電スタンド数とEVの電池容量とのバランスが重要 • レンタカー業:利用客は増加傾向 対象 観光に利用される交通機関の内訳 スタンド 電池容量 3 3
1.2 本研究の目的・アプローチ • 充電スタンドの配置問題を解く • EVに搭載するリチウムイオン電池(LIB)の容量の策定 • 全体の最適化シミュレーション CO2削減効果やコストを定量的に評価し、 環境志向都市のグランドデザイン手法を提案 都市サンプルとして沖縄本島の例を分析 • 島嶼県・レンタカー利用観光客大 4
2.0 研究の流れ 1 2 3 4 2. レンタカーEV仕様策定 3. スタンド配置 1. Input 設置場所候補の抽出 EV化台数 (25,000台) • EV仕様の策定 • 充電可能確率 • 安全率 • 1日走行距離 充電スタンドの配置 設置場所最適化 スタンド数配分 電池容量 4. Output CO2削減・コストの評価 5 5
1 2 3 2.1Inputデータ 4 i. ii. • 地理に関する統計データ • 人口 • 観光ルート • 充電スタンド設置場所候補データ • 候補属性・住所 • EVに搭載するLIBのスペック • 車両重量ベース • 車両重量により電池容量は変化 iii. 6 6
1 2 3 2.2 レンタカーEV仕様策定 4 • スタンド最大間隔DMAX • 1日走行距離RDavg • 安全率Rs(=1.3) • エアコン等周辺機器の影響の考慮 • 充電可能確率Pc 搭載すべき電池容量分の 航続距離SD NC:充電スタンドが1日に処理できるEV数 NEV:EV合計台数 走行距離・スタンド配置より電池容量を定める 7 7
1 2 3 4 主な観光ルートと道路延長 • レンタカーの1日走行距離RDavgを約72km/日と推測 出典: まっぷるマガジンD8 沖縄ドライブベストプラン'08、昭文社、pp.30-51, 85-94、2007
1 2 3 2.3.1 設置場所候補 4 充電スタンド設置場所候補 計 1,102箇所 沖縄本島 那覇市 9 9
1 2 3 2.3.2 スタンド配置の評価指標 4 3つの評価関数FによるポイントPiのランク付け • 密集度 F1=CrPi • EV潜在利用台数 F2=DifPi • 充電スタンド利用コスト F3=CoPi Pi Dil Rl 10 10
1 2 3 2.3.3 スタンド最適配置アルゴリズム 4 • 設置場所の最適化 • 初期配置関数Fx、最適化関数Fyを指定 Fx 初期配置 Fyi=a Fyj=b Fy 最適化 1 ランク付け順 If a<b then 3 2 近傍のポイントを探索 更新停止まで継続 • スタンド数配分 • EV潜在利用台数DifPiの高いポイントから配分 11 11
1 2 3 2.3.4 スタンド設置場所最適化の例 4 最適化後の配置 初期配置 円/日 円/日 ポイント入れ替え 充電スタンド設置機数 12 12
1 2 3 2.4.1 レンタカー業界EV導入効果 4 EV1台イニシャルコスト(IC) 1台年間ランニングコスト 70%削減 CO2排出量削減効果 償却年数 58%削減
1 2 3 2.4.2 充電スタンドのIC(全体) 4 IC:全EV + 充電スタンド 極小値の発生 kWh当りのリチウムイオン電池価格 \100,000/kWh \5,000/kWh 14 14
2.4.3 充電スタンドの償却年数(全体) 1 2 3 4 償却年数: イニシャルコストを、ランニングコスト削減分・排出量取引額で償却する年数 極小値が移動 極小値 kWh当りのリチウムイオン電池価格 \100,000/kWh \5,000/kWh 15 15
3.EVの容量が与えられた場合 • レンタカー用EVの電池容量・LIB価格が与えられた場合 合計コスト-電池容量 スタンド設置数-電池容量 極小値 コスト最小電池容量-電池価格 一般の自治体において、時機を見てLIB価格により合計コストが最小となるEVの仕様・充電スタンドの設置数・設置場所を決定できる 16 16
4.宅配デポに必ずスタンドを配置する場合 • 宅配デポ18個所に充電スタンドを初期配置し、残る1,084箇所で充電スタンド設置場所の選択・最適化を行う イニシャルコスト 平均約2.1%削減 償却年数 平均約2.0%削減 イニシャルコスト・償却年数の改善効果 17 17
5. 結論と今後の展望 結論 • 一般の自治体の実情に沿った充電スタンドの最適配置シミュレータを構築し、沖縄本島を例として実装した • 業種別に、最適化された充電スタンドの配置に基づくEVの仕様設計法を示した • 最適なEV・充電スタンドの評価モデルを提案し、沖縄本島における最適なEV導入法を示した 将来性と今後の展望 一般の自治体における、各企業のEV最適導入シナリオの提示 18 18
Appendix 19 19
沖縄へのEV導入 宅配便取扱個数の推移 沖縄旅行に関するアンケート 観光客の利用する交通機関 20
宅配データベース 宅配A社の 全国月次宅配小口取扱個数実績 A社営業所(全国)の営業時間と 営業所数の関係 21 21
宅配デポ別の取扱積載量と1日走行距離 Input Output • EV化対象車:2t車と軽自動車(集配車) • 冬季繁忙期平日の積載量・安全航続距離を見積る 22 22
ボロノイ分割 ボロノイ分割の特徴 修正ボロノイ分割 23 23
ボロノイ分割結果 24 24
スタンド配置フロー Input Output 25 25
配置アルゴリズム 許容距離Dによる初期配置 • あらかじめ設置場所候補を沖縄本島全体に満遍なく配置することができ、最適化の計算時間を短縮する効用 初期配置例 26 26
最適化フローチャート スタンド設置場所最適化 スタンド数の配分 27 27
最適化の様子 円/日 円/日
宅配EV仕様策定 最大包含道路長 約200km • 修正ボロノイ分割による宅配領域 • 包含される道路長 • 1日走行距離の算出 • 包含される人口 • 車両数の配分 • 冬季繁忙期平日の1日取扱個数 • 最大需要時をもとに仕様策定 メール便との混載を想定 • 小口1個当り重量9.5kg • 車両重量確定 2t車最大積載量:1,700kg 走行距離・車両重量より電池容量を定める 30 30
宅配業EV導入効果 現状では宅配業は導入効果薄 2t車はハイブリッド車など、他のエコカーへの置き換えが現実的 イニシャルコストの変化 償却年数の変化 ※EVのみ 2t車1台→軽5台の置き換えを促進した場合 31 31
全体の投資回収年数 33
搭載するリチウムイオン電池 採用した理由 • TH!NK Cityの電池を含めた総重量が1397kgであり、A社が集配用軽自動車として使用しているホンダアクティバンの満載状態と比較しても妥当 • 主要緒元が公表されている他のEVと比べ、TH!NK Cityは一充電航続距離(満充電してから放電しきるまでに走行する距離)が170~180kmと長い値が示されている • の2点が挙げられ、宅配・レンタカー両方の需要を満たした仕様設計が行いやすい 出典: 技術者を応援する情報サイト「Tech-On!」 EnerDel社が電気自動車向けLiイオン2次電池ユニットを展示 電気自動車「Th!nk」に供給へ 2008年5月16日 http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20080516/151856/ 35 35
評価関数F1-密集度 「ポイントPiの密集度Cr」という指標を、異なる2ポイントPiとPj間の距離Dij (km) を基にして以下のように定義 (i=1~1102) ポイント間の距離が1/k(km) 以下の場合は二点を同一地点とみなす 36 36 36
評価関数F2-EV潜在利用台数 • ポイントPiの最近隣道路Rlが通過するk個の街区について、人口pを合計 • 沖縄県:2.085人につき1台保有 • 想定交通量ITl • 実際の交通量RTl • EV化する車両数25,360台(宅配360台、レンタカー25000台)が沖縄県自家用乗用車保有台数967,239台に占める割合・・・2.6% • EV潜在利用台数DifPi • 高速道路上のポイントについては、沿線人口と利用者層との相関がないとみられ、沿線人口を算出することの意味を見出せないため、 DifPi =100とし、RTl-ITl<0の場合はDifPi =0とする • 1より大きいほど物流・観光ルートとしての特性が強いと考えられる 出典:財団法人 自動車検査登録情報協会 http://www.airia.or.jp/number/mycar.html 37 37
評価関数F3-充電スタンド利用コスト • ドライバーがPiの最近隣道路Rlからそれて充電スタンドPiを利用する場合の負担額 • 「走行経費RCi」+「各ポイントへの走行時間の(金銭的)価値TCi」 Pi Dil Rl 出典: 「時間価値原単位および走行経費原単位(平成15年価格)の算出方法」、 国土交通省道路局 第1回道路事業評価手法検討委員会配布資料、 http://www.mlit.go.jp/road/ir/iinkai/1s.html 38 38
充電可能確率 NC:充電スタンドが1日に処理できるEV数 NEV:EV合計台数 急速充電時間:電気自動車1台あたり15分 車両の入れ替え時間:5分 合計20分:EV1台を処理するのに要する時間 →充電スタンド1台では1日72台のEVを処理できる計算 宅配車360台・レンタカー25,000台の計25,360台をEV化 →沖縄本島全体では最低352機の充電スタンドが必要 39
経済産業省の提示する電池の性能目標 出典: 新世代自動車の基礎となる次世代電池技術に関する研究会 「次世代自動車用電池の将来に向けた提言」、2006 40
スタンドの平均間隔・最大間隔 Fy=CrPi Fy=DifPi Fy=CoPi 41 41