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7 章. ハロアルカンの反応. 一分子求核置換反応と脱離. 5,5,5- トリクロロロイシン. 7–1 第三級ならびに第二級ハロアルカンの加溶媒分解. 加溶媒分解の例:加水分解 ( solvolysis: hydrolysis ). 2- メチル -2- プロパノール ( tert- ブチルアルコール). 2- ブロモ -2- メチルプロパン (臭素 tert- ブチル). 2- ブロモプロパン (臭素イソプロピル). 2- プロパノール (イソプロピルアルコール). メタノリシス. 2- クロロ -2- メチルプロパン.
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7章 ハロアルカンの反応 一分子求核置換反応と脱離 5,5,5-トリクロロロイシン
7–1 第三級ならびに第二級ハロアルカンの加溶媒分解7–1 第三級ならびに第二級ハロアルカンの加溶媒分解 加溶媒分解の例:加水分解 (solvolysis: hydrolysis) 2-メチル-2-プロパノール (tert-ブチルアルコール) 2-ブロモ-2-メチルプロパン (臭素 tert-ブチル) 2-ブロモプロパン (臭素イソプロピル) 2-プロパノール (イソプロピルアルコール) メタノリシス 2-クロロ-2-メチルプロパン 2-メトキシ-2-メチルプロパン
相対反応速度 相対反応速度 145 1 SN2 SN1 1 1 NaI アセトン H2O 0.0078 12 無視できる ぐらい小さい 1,200,000
a が 何かに変化する段階の速 度が最も遅い:律速段階 = rate determining step a/2 a/4 H-O-H 速い段階 a/8 a/16 + H-Br t 2t 3t 4t
7-2分子求核置換反応:SN1反応 加溶媒分解は一次の速度則に従う (first order kinetics) 反応速度 = k[基質] 律速段階は「基質」がカチオン中間体に変換される段階 くびれ 水の流れ 水の流れ 律速段階 = rate determining step 段階1 カルボカチオン = carbocation
段階2 水による求核攻撃 速い 1,1-ジメチルエチルカチオン (tert-ブチルカチオン) アルキルオキソニウムイオン(alkyloxonium ion) 強力な求電子剤 段階3 脱プロトン化 速い 2-メチル-2-プロパノール アルキルオキソニウムイオン 強酸
律速段階となる 遷移状態 オキソニウムイオン へ導かれる遷移状態 SN1反応のエネルギー ダイアグラム 中間体 小さいい活性化 エネルギー E 最終生成物へ導 かれる遷移状態 小さいい活性化 エネルギー 中間体 大きい活性化 エネルギー 反応座標
7-3SN1の立体化学 (R)-3-メチル-3-ヘキサノール H2O + 平面構造 アキラル sp3 電子の反発を最小に するため炭素はsp2 混成軌道に変化 (S)-3-メチル-3-ヘキサノール ラセミ体 1:1の割合
7-4 SN1反応に対する溶媒効果 相対速度 400,000 1 プロトン性溶媒による 遷移状態の安定化 極性溶媒は遷移状態を安定化 正の電荷と負の電荷 が分離している 負の電荷が分散している
7-4 SN1反応に対する脱離基の影響 脱離基の脱離能が大きく なるにつれて反応速度が 大きくなる 正の電荷と負の電荷 が分離している R—Xの加溶媒分 解の相対速度 メシラート トシラート トリフラート 反応速度大
7-4 SN1反応に対する求核剤の影響 反応速度は同じであるが 生成しない 律速段階 2-メチル-2-プロパノール ギ酸1,1-ジメチルエチル 反応速度は同じであるが 排他的に生成する SN1反応における求核剤の競争 HCOO–はH2Oよりは 優れた求核剤である
相対反応速度 相対反応速度 145 1 SN2 SN1 1 1 NaI アセトン H2O 0.0078 12 無視できる ぐらい小さい 1,200,000
7-5 SN1反応に対するアルキル基の影響 カルボカチオンの安定性は第一級,第二級,第三級の順に増す hyperconjugation 超共役による安定化 C+ C—H (tert-ブチルカチオン) カチオンの正電ポテンシャル図 (第一級) (第二級) (第三級) メチルカチオン エチルカチオン イソプロピルカチオン tert-ブチルカチオン
図7ー6 1,1-ジメチルエチルカチオンのX-線回折による結晶構造 Sp2混成であることを示す 通常の1.54Åより短い: 超共役のため 四つの炭素は同一平面上にある
弱い求核剤 プロトン性溶媒 SN1 優れた脱離基 非プロトン性溶媒 SN2 求核性の強い求核剤 優れた脱離基
求核置換反応 R—X + Nu–R–Nu + X–における R—X の反応性 表7ー2 R SN1 SN2 CH3 ● 溶液中では観測されない (メチルカチオンのエネルギー が高すぎる) ● よく見られる:よい求核剤と良い 脱離基の場合には速い 第一級 ● 溶液中では観測されない (第一級カルボカチオンはエネル ギー的に不安定すぎる) ● よく見られる:よい求核剤と良い 脱離基の場合には速い: RのC2に分枝があると遅い 第二級 ● 比較的遅い:極性の高い プロトン性溶媒中で脱離能の 大きな脱離基をもつ場合に最 も速く進行する ● 比較的遅い:極性の高い非プロト ン性溶媒中で求核性の強い求核剤 が高濃度に存在する場合に最も速 く進行する ● 極端に遅い ● よく見られる:極性の高い プロトン性溶媒中で脱離能 の大きな脱離基をもつ場合 にはとくに速い 第三級
7-6 一分子脱離反応: E1 反応 脱離反応 elimination アルケンの生成速度がハロゲン化 物の濃度のみに依存する: SN1と同一律速段階 E1 競争過程 2-メトキシ-2-メチルプロパン 80% 2-メチルプロペン 20% E1= Elimination Unimolecular
E1反応機構 遷移状態 カルボカチオン アルケン
SN1反応生成物 E1反応生成物 脱離基の種類と生成物組成の関係(置換反応:脱離反応=一定) X: Cl Br I SN1反応生成物: 95 95 96 E1反応生成物: 5 5 4
7-7 二分子脱離反応: E2 反応 k 高濃度の強塩基 反応速度 = k[(CH3)3CCl][OH–] mole L–1 s–1 二分子脱離= E2 (Elimination Bimolecular) 何故,SN1(E1) が E2 に変化するのか? 強塩基は,カルボカチオンが生成する前にハロアルカンを攻撃する。 攻撃は,脱離基をもつ炭素の隣の炭素上の水素に対して起る。 E2とSN2 反応の競争 92% 1-メトキシプロパン 8% プロペン
E2反応機構 ‡
反対方向同一平面遷移状態を有する一段階反応を支持する事実反対方向同一平面遷移状態を有する一段階反応を支持する事実 A 非常に遅い 速い アンチの位置には水素 はなく,環炭素だけがある アンチ水素が二つある cis-1-ブロモ-4-(1,1-ジメチル- エチル)シクロヘキサン trans-1-ブロモ-4-(1,1-ジメチル- エチル)シクロヘキサン B E2 反応における相対的反応性: 脱離基の脱離能が大きいほど 脱離反応が速くなる RCl < RBr < RI
練習問題7ー12 E2反応は非常に遅い E2反応の遷移状態を 取り難い
7-8 置換反応と脱離反応の競争 ●塩基性の弱い優れた求核剤は置換反応を起こす I–, Br–, RS–, N3–, RCOO– SN2 ●求核性の弱い求核剤はSN1基質(第二級と第三級ハロゲン化物) と置換反応を起こし,脱離反応は副反応 H2O, ROH SN1 + E1
●強い塩基性をもった求核剤の場合には,基質の立体的かさ高さが●強い塩基性をもった求核剤の場合には,基質の立体的かさ高さが 増すにつれて脱離反応がより有利になる A SN2 + E2 B C A B C
●立体障害の大きな塩基性の強い求核剤では,脱離反応が●立体障害の大きな塩基性の強い求核剤では,脱離反応が より有利になる E2 + SN2 (CH3)3COK, (CH3)3COH - HBr 85% 15%