390 likes | 577 Views
2009 年 2 月 10 日. 「ブラックホ-ルを解像する ほらいずん望遠鏡 (ミリ波サブミリ波 VLBI 検討室)」. 三好 真(電波研究部). 概観 技術 人 学問的意義 やること. ブラックホ-ル近傍(数 Rs) を見る観測 : 従来に ない観測 分野 “ブラックホ-ル 観測天文” 相対論・重力分野に新しく観測的時空研究分野を作る.
E N D
2009年2月10日 「ブラックホ-ルを解像するほらいずん望遠鏡(ミリ波サブミリ波VLBI 検討室)」 三好 真(電波研究部)
概観 • 技術 • 人 • 学問的意義 • やること
ブラックホ-ル近傍(数Rs)を見る観測: 従来にない観測分野 “ブラックホ-ル観測天文” 相対論・重力分野に新しく観測的時空研究分野を作る 理論的計算からのブラックホール像(例)ブラックホールそのものは見えないが、その重力による光の屈折によって、中心部分に暗がりができる。またブラックホールの周囲に降着円盤はドップラー効果で左右の明るさが変わる上、光の屈折(重力レンズ効果)のため、向こう側の円盤部分がせり上がって、見えてしまう。http://quasar.cc.osaka-kyoiku.ac.jp/~fukue/より。 5Rs 概観
サブミリ波なら、周囲のプラズマによる散乱をさけ、ブラックホ-ル近傍像が、見通せるサブミリ波なら、周囲のプラズマによる散乱をさけ、ブラックホ-ル近傍像が、見通せる 核周プラズマによる 電波散乱により 低い周波数では 像がぼける。ボケは観測波長λ^2で効く Lo他 1999 5, 8, 15, 32, and 43 GHz でみたSgrA*の見かけの大きさ http://www.astro.ru.nl/~falcke/bh/sld10.html 概観
科学目標 • サブミリ波VLBI基線を南米アンデス山脈に構築し、銀河中心ブラックホ-ルSgrA*のその観測から事象の地平線を検出、観測的なブラックホ-ル時空研究分野を開拓する。 • ブラックホ-ルの「事象の地平線」はそのメトリックが規定しており、その形状を観測すれば、強重力場での相対論の実験検証ができる(Takahashi 2004 など)。 概観
SgrA* 230GHz モデル像 北半球VLBAの配置(VLBAでは230GHzは観測出来ないが) 南半球サブミリ波 VLBI(仮想): ほらんずん望遠鏡 250 mas アンデス山脈を中心に、10局、8千km規模のサブミリ波 VLBI網を作れば、SgrA*のブラックホ-ル近傍イメージが 得られる(Miyoshi ら2004,2007)。 概観
Doeleman ら(2008)は230GHz 帯でSgrA*のVLBI 観測に成功し、サブミリ波VLBI のfeasibility を実証、その少数の干渉データから、Miyoshi ら(2004, 2007)の提案している手法を利用して、事象の地平線スケールの描像を探っている。サブミリ波VLBI による、観測的ブラックホ-ル時空研究はすぐにも実現できる段階にあることを彼らの報告は意味する。 概観 SgrA*,230GHz帯VLBIでフリンジ検出(SNR=5.8だが)
既存のサブミリ波望遠鏡を集めたVLBIでは、uvカバーに問題あり。既存のサブミリ波望遠鏡を集めたVLBIでは、uvカバーに問題あり。 「事象の地平線」の確認はかなり困難。 ハワイ, CARMA, ALMA, SEST, Huancayo でのuvカバー (上段)像合成simulation結果 (下段)像モデル 概観
「事象の地平線」を良く押さえる基線(uv点)が必要。「事象の地平線」を良く押さえる基線(uv点)が必要。 まだ無い。それを作りましょう。 ペルー ワンカヨ 3300m 1000km ワンカヨ32m センチ波 ボリビア・ラパス近郊5300m 世界最高所のスキー場、宇宙線研究所 チャカルタヤ ALMA Mirabel候補地 4600m ラ・シラ 2400m 旧SEST15m鏡 (閉鎖) 東西成分をもつ基線、1-2千キロが最も重要 この“要”をアンデスのどこかに作る。 概観
概観 • 技術 • 人 • 学問的意義 • やること
現在の技術水準で実現可能 口径D=15m、開口効率ηe=70(35)% Tsys=150K(230GHz) 量子化効率ηq=0.7 積分時間100sec 観測バンド幅B=1024(4096)MHz =>ノイズレベル(1σ)10mJy 100mJy detection with SNR 10 時計(周波数標準)は。。。これもOK(230GHz) OK OK OK OK OK 2008年6月、学術シンポ・プレゼンから 技術1
周波数標準(原子時計)は30年前から準備OK!周波数標準(原子時計)は30年前から準備OK! ~300GHz帯まで (現在は図より一桁近く良い) 2008年6月、学術シンポ・プレゼンから 技術2 1980年撮影 水素メーザ@電波研 「独立行政法人 情報通信研究機構提供」
だから Doeleman ら(2008)は230GHz 帯でSgrA*のVLBI 観測に成功し、サブミリ波VLBI のfeasibility を実証。 は当然といえば当然の結果。 ただし、感度向上や周波数標準は、出来るだけ良い ほうが良い、ので技術開発は重要。 SgrA*,230GHz帯VLBIでフリンジ検出(SNR=5.8だが) 技術3
概観 • 技術 • 人 • 学問的意義 • やること
人は志のある人から • 構成員に関する特記事項 • 本プロジェクトは台内外から、やる気のある「志願兵」と高度な専門知識をもつ「傭兵」を集めて構成したいと考えます。共同利用研での仕事は透明性が重要です。構成員はプロジェクト室の承認のあと、内外に“公募“します(台外の個人は”客員”などで、機関とは協定を結ぶ)。“公募”のあと、必須の知識・技術をもつ専門家の不足は、一流の専門家に参加要請してゆき、充足させます。 • 添付資料1のように、本プロジェクトには理論家から他波長の観測家までの広い範囲の賛同・支援があります。天文学・物理学・工学など広い範囲の人材の力を参集させ、プロジェクトを成功させて、ブラックホ-ル時空観測天文学の新分野を開拓します。 • 近田>杉本の専用計算機(GRAPE)を思い出そう。 人1
近田>杉本の専用計算機(GRAPE)の事始め(1988年頃)を思い出そう。近田>杉本の専用計算機(GRAPE)の事始め(1988年頃)を思い出そう。 • 近田アイデア:重力多体専用計算機が安価に作れる! • 近田アクション:全国の天文研究者にアイデアを手紙で送って、やる人を募った(=公募)。 • 杉本リアクション:これに目をつけて話に乗った。 ーー杉本:強い動機はあったが、「計算機ハード」の専門家ではない。“素人”たちが手を出して、成功した。 ーー強い学問的動機をもった人(例えば相対論やブラックホ-ルの専門家)が始め、要所要所を各専門家に訊きながら進めるほうが、うまくいくのではないか?ーー 人2
相対論・重力などの理論家には非常に関心を持たれている。相対論・重力などの理論家には非常に関心を持たれている。 ついにブラックホ-ル時空が観測できるのか(冨松氏) ブラックホ-ルの穴が見えたらノーベル賞(嶺重氏) ブラックホ-ルの証明は事象の地平線(江里口氏) 重力波検出より実現性が高くていい(蜂巣氏) 次はブラックホ-ル時空でノーベル賞だ(高橋氏) 天文観測としてより物理学実験として評判。 人2
Doelemanの論文発表以前からサブミリ波VLBI推進の要望の署名を頂いていますDoelemanの論文発表以前からサブミリ波VLBI推進の要望の署名を頂いています 人2
概観 • 技術 • 人 • 学問的意義 • やること
サブミリ波のVLBI • 全く新しい分野、「相対論・ブラックホ-ル時空観測天文学」を拓くことができる。 • (多くの観測対象は必要ない 例:“ひので”は太陽のみ観測、多数の大成果。) 学問的意義 2008年VLBI懇談会シンポ・プレゼンから
i=45°i=80°(almost edge on view) Shadowの形状はブラックホールの質量、スピン、電荷が 決めている(メトリックがわかる)。(R. Takahashi) KerrADAF(H=1)、Axis symmetric 230GHz SgrA* Schwarzschild ADAF (H=1) Axis symmetric Takahashi et al. (04) 12Rs 学問的意義
学術会議シンポジウム(5月31日)「サブミリ波VLBIによるブラックホ-ル解像望遠鏡」学術会議シンポジウム(5月31日)「サブミリ波VLBIによるブラックホ-ル解像望遠鏡」 (1)受けた。「****よりも面白い」(S氏) (2)対象となる天体は?の質問 ー はっきり言って3つくらいか ー 少ないとちょっと、という考え方も(K氏など)。 が、「ひので」のように太陽しか見ない装置でも 科学成果はたくさんでる(Scienceで特集)。 「X線天文も最初の対象は3天体」(E氏)。 学問的意義 2008年VLBI懇談会シンポ・プレゼンから
・相対論・重力の観測検証装置 ・SgrA*のブラックホ-ル近傍のジェット噴出、フレア生成のモニター型装置 「すばる」などの汎用装置とは別の方向。 提供:Drew Medlin, NRAO/AUI/NSF) 南半球サブミリ波VLBI 野辺山電波ヘリオグラフ 学問的意義
概観 • 技術 • 人 • 学問的意義 • やること
サブミリ波VLBIによるブラックホ-ル解像日本は千km規模の東西基線を1本、アンデスにつくるべきサブミリ波VLBIによるブラックホ-ル解像日本は千km規模の東西基線を1本、アンデスにつくるべき • ALMA12m鏡改(350GHzまで)を2台(30億円?) • 事象の地平線の検出(どうやるか、後述) • 日本(Miyoshi)+ペルー(Ishitsuka)+アルジェンチン(Mirabel)+中国(Shen)がその実行部隊。 • 本格的VLBI網建設の妥当性の確認。 =>そのあと本格10局、ブラックホ-ル解像装置へ やること 2008年6月、学術シンポ・プレゼンから
適地に1基線を作る ペルー ワンカヨ 3300m 1000km ワンカヨ32m センチ波 ボリビア・ラパス近郊5300m 世界最高所のスキー場、宇宙線研究所 チャカルタヤ ALMA 2005年2月 Mirabel候補地 4600m ラ・シラ 2400m 旧SEST15m鏡 (閉鎖) 東西成分をもつ基線、1-2千キロが最も重要 この“要”を押さえる! やること
適地に1基線を作る 実は 1000~2000km の短基線が重要 フリンジ振幅 フリンジ振幅の基線長に 対する変動から SgrA*の形状が推定できる 既存の寄せ集め基線では、null点を把握できない(そのため良像も得られない)。 基線長 やること
適地に1基線(1千ー2千km)を作る。 • チャカルタヤ宇宙線研究所、ワンカイヨ・地球物理観測所を初期値として、ラジオメータ、位相モニターによるサイト・サーベイを行い、サブミリVLBI(230GHzから345GHz)の適切サイトを検討する。 • 「SgrA*の見え方」の検討(「萌芽」で始めています)も必要。 • 関連の技術開発(広帯域受信・周波数標準など) やること
総合研究を進めるため天文学会年会(春)で企画セッション「銀河中心SgrA*とブラックホ-ル時空」開催総合研究を進めるため天文学会年会(春)で企画セッション「銀河中心SgrA*とブラックホ-ル時空」開催 • 加藤 正二 (京都大学OB) • 小嶌 康史 (広島大学) • 牧島 一夫 (東京大学) • 海老沢 研 (宇宙研) • 国枝 秀世 (名古屋大学) • 冨松 彰 (名古屋大学) • 小山 勝二 (京都大学) • 坪井 昌人 (宇宙研) • 沈 志強 (上海天文台) • 福江 純 (大阪教育大) • 高橋 労太 (理研) 本当にやりたくて研究している、各専門家を招待。
サブミリ波VLBI網:とりあえずのまとめ ほらいずん望遠鏡(SgrA*専用のモニター装置) • 科学目標:ブラックホ-ル近傍の観測天文学 事象の地平線の検出 数Rsの物理現象の像的観測 • 技術的妥当性:サブミリなら感度・分解能は十分。 ALMAのサブミリ波技術と現VLBI技術で。 • 必要予算:事象の地平線検出(30±10億円) 高画質イメージ(100億円~) • 体制・資金:(日本・世界とも)これから。日本(三好、T,K,)、ペルー(イシツカ)、中国(Shen)、米(D).、欧(K.)。。 “事象の地平線”は強重力場における相対論の検証。 それだけなら¥30億。高い?安い?
これで、SgrA*のブラックホ-ル数Rsの撮像観測ができる。これで、SgrA*のブラックホ-ル数Rsの撮像観測ができる。 装置基本コンセプト • 観測サイト:南半球高地(アンデス山脈) (サブミリ波を受信するため) • 観測局数: 10局程度の観測局数 (画像の解像力をあげるため) • 観測局の広がり: 8千km程度 (解像度10μ秒角=1Rsを達成するため) • 観測周波数: 230GHzから340GHz (核周プラズマによる散乱から逃れるため)
A Black Hole Image from Theoretical Simulation 5Rs 20年前、福江純が計算機内で観測したブラックホ-ル像、ドップラブースト、重力レンズ効果など相対論的現象が観測される。 http://quasar.cc.osaka-kyoiku.ac.jp/~fukue/
従来の周波数のVLBIでは核周プラズマによって電波が散乱を受け、従来の周波数のVLBIでは核周プラズマによって電波が散乱を受け、 本来のブラックホ-ル(近傍)像はぼやけ、観測できなかった。 (影響はλ自乗で効く) だから、より高周波数ならブラックホ-ルは見える。 Deviation occurs at high frequency. Doelman et al.(2001)
The Earth Rotation seen from SgrA* (δ=-30°) BH観測に 最適なSgrA* はいて座、 南天にある。 (そこが難点と 言ったが受け ない)
Andes is agood placeforsub-mmwaveobservations Water vapor numerical model
ヒトのアイデアを断り(引用)もせずにNature論文を出してくれるヒトも出た。-Feasibilityは十分あることの証明でもある-ヒトのアイデアを断り(引用)もせずにNature論文を出してくれるヒトも出た。-Feasibilityは十分あることの証明でもある- SgrA*,230GHz帯VLBIでフリンジ検出(SNR=5.8だが)
研究組織 三好 真(NAOJ)VLBI(ミリ波VLBI・ブラックホ-ル観測) 川口則幸(NAOJ)VLBI(デジタル系・相関器系ハード) 岡朋治(慶應義塾大学) サブミリ波天文学(銀河中心観測) 冨松 彰(名古屋大学) 重力・相対論・ブラックホ-ル時空理論 江里口良治(東京大学) 相対論・相対論的回転星 理論 高橋真聡(愛知教育大学) ブラックホ-ル磁気圏理論 小出眞路(熊本大学) 一般相対論的電磁流体力学 高橋労太(理化学研究所) 一般相対論的時空計算 科研費申請は以上。しかし関連研究者の輪を拡大中! 来年春の天文学会で“SgrA*とブラックホ-ル時空”企画あり。