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農業と車両と組込みシステム ~独ホーエンハイム大における事例紹介~

農業と車両と組込みシステム ~独ホーエンハイム大における事例紹介~. 九州大学大学院システム情報科学研究院情報知能 工学部門 九州 大学大学院統合新領域学府オートモーティブサイエンス専攻 中西 恒夫 E-mail: tun@f.ait.kyushu-u.ac.jp. 講演内容. Stuttgart と Hohenheim 大学について 精密農業 自律走行トラクタ ICT 技術者は農業のために何をすべきか. Stuttgart と Hohenheim 大学について. Stuttgart について(1).

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農業と車両と組込みシステム ~独ホーエンハイム大における事例紹介~

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Presentation Transcript


  1. 農業と車両と組込みシステム~独ホーエンハイム大における事例紹介~農業と車両と組込みシステム~独ホーエンハイム大における事例紹介~ 九州大学大学院システム情報科学研究院情報知能工学部門 九州大学大学院統合新領域学府オートモーティブサイエンス専攻 中西 恒夫 E-mail: tun@f.ait.kyushu-u.ac.jp

  2. 講演内容 • StuttgartとHohenheim大学について • 精密農業 • 自律走行トラクタ • ICT技術者は農業のために何をすべきか Created by Tsuneo Nakanishi, 2012

  3. StuttgartとHohenheim大学について

  4. Stuttgart について(1) • ドイツ南西部 Baden-Württemberg州の州都 • 人口約60万人 • Münchenと互角の豊かさと物価と治安の良さ • 自動車産業がさかん: ベンツ,ポルシェ,ボッシュの本社所在地 • でも周辺は農村地帯 • ラの音を440Hzと標準化した街 Created by Tsuneo Nakanishi, 2012

  5. Stuttgart について(2)

  6. Stuttgart近郊の農業地域(Wolfschlugen)

  7. Hohenheim大学について(1) • Stuttgart郊外(Stuttgart空港の近く)にある大学。 • もともとは農学校。 • 3学部: 自然科学系,農業系,ビジネス系 • 九大農学研究院とは部局間交流協定。 • レントゲン博士が教員をしていた。(1年でやめた。) Created by Tsuneo Nakanishi, 2012

  8. Hohenheim大学について(2) 農業工学研究所(Institut für Agrartechnik) • 農業科学部所属の農業工学に関する研究所。 • 6つの講座: 農業工学基礎,家畜,装置・計測,プロセス工学,熱帯/亜熱帯,再生可能エネルギー • 装置・計測講座はDLG(Deutsche Landwirtschafts-Gesellschaft)の寄付講座。 • 装置・計測講座のプロジェクト: • 果樹園におけるモニタリングと灌水最適化(3D-Mosaic): ICT-Agriプロジェクトの一環。(ICT-Agri: 農業分野におけるICTとロボティクスの応用に関するEUのプロジェクト) • 農業機械の耐久性 Created by Tsuneo Nakanishi, 2012

  9. 精密農業

  10. 農業は環境制御 気象 アクチュエーション 作物 センシング 種まき,灌水,水位制御,施肥,農薬散布,除草,間引き,… 葉色,茎径,日照量,気温,湿度,土中湿度,土中pH,土中EC,… 土壌 履歴 カンと経験 意思決定 記録 機械化,機械支援,省力化の余地大 Created by Tsuneo Nakanishi, 2012

  11. 農業の情報化 やるべきこと • 熟練営農者や文献からの営農知識の収集と整理 • 営農知識とセンシング/アクチュエーションとの紐づけ(帰納) • 意思決定の視点とプロセスの見える化 = モデリング(演繹) 目指すべき「農業の情報化」 営農情報の抽象度 営農知識 (=意思決定) 高 現在実用化されている「精密農業」? アクチュエーション センシング 低 葉色,茎径,日照量,気温,湿度,土中湿度,土中pH,土中EC,… 灌水量,施肥量,農薬散布,除草,間引き,… Created by Tsuneo Nakanishi, 2012

  12. 精密農業とは 精密農業(Precision Agriculture): 情報技術を駆使し,空間的にも時間的にも高精度の多種多様なデータを取得,解析し,作物生産に関わる意思決定や営農活動を行う農業の方法論。(NRC, 1997) ばらつきの把握,対応,緩和が精密農業の基本! • 収量のばらつき • 土壌のばらつき • 病害虫のばらつき • 汚染のばらつき • 生育や管理のばらつき etc. • 空間的ばらつき • 時間的ばらつき ばらつきはすなわち最適化の余地 Created by Tsuneo Nakanishi, 2012

  13. 精密農業を支える技術(1) これらの技術をつなぐソフトウェア技術と通信技術。 Created by Tsuneo Nakanishi, 2012

  14. 精密農業を支える技術(2) 各種自律航行機械の長所と短所 • 車両: トラクタetc. • 高い汎用性。 • 長い連続稼働時間。 • 飛行体よりペイロードが(圧倒的に)大きい。 • 飛行体: 飛行機,ヘリコプタ,飛行船 etc. • 土を踏み固めない。 • 地面の状態が悪くても航行可能。 • 背の高い作物を植えた圃場でも利用可能。 • 飛行機はヘリコプタよりペイロードが大きい。 • ヘリコプタは滑走路不要,ホバリング可能。 cf.) 人工衛星や無線センサネットワークによるセンシング。 Created by Tsuneo Nakanishi, 2012

  15. 自律走行トラクタ~ホーエンハイム大学における事例~自律走行トラクタ~ホーエンハイム大学における事例~

  16. 農業用トラクタ Created by Tsuneo Nakanishi, 2012

  17. 自律走行トラクタ(1) Created by Tsuneo Nakanishi, 2012

  18. 自律走行トラクタ(2) • RTK-GPSによる測位。 • オドメトリ • ヨーレート,ロール,ピッチ角センサ • Gセンサ • アクチュエータによる制御 • 操舵 • エンジン回転数 • 速度 • PTOの回転 • PTOのリフト操作 • レーザレンジスキャナによる周辺障害物の監視。 ※ 自律走行トラクタの研究は国内農学分野(農業機械学会等)でも多数。 Created by Tsuneo Nakanishi, 2012

  19. 自律走行 • 計画走行: 事前に与えられる指令ファイルに基づく走行。 • 緯度,経度で指定される点を指定される速度で走行。 • 緯度,経度で指定される点での指定の作業。 • 動的対応: 計画走行時の計画外の事象への対応。 • 経路上の障害物の回避。 圃場の末端でのターンのパターン Created by Tsuneo Nakanishi, 2012

  20. 測位技術(1) 何のために測位をするのか? • 車両を計画した経路通りに移動させるため。 • 計画した作業を計画した位置で実施させるため。 • 農作物のトレーサビリティ管理のため。 • 農作物個体の識別のため。 Created by Tsuneo Nakanishi, 2012

  21. 測位技術(2) Created by Tsuneo Nakanishi, 2012

  22. 測位技術(3) GPSの測位誤差例: 南北3.7m,東西1.5m(測定条件: 2012年7月8日午前9時~10時,福岡市西区,天候:晴,車載用GPS使用,捕捉衛星数3個)  40cm程度 Created by Tsuneo Nakanishi, 2012

  23. 測位技術(4) 位置情報の劣化: 大陸の移動により過去に計測した位置情報が劣化する。下図は九州の1年間の地殻変動(国土地理院)。 Created by Tsuneo Nakanishi, 2012

  24. 自律走行トラクタの使い方 • 各種インプリメントを装着して農作業 • 耕起 • 代掻き(米作) • 播種 • 施肥 • 灌水 • 除草 • 防除 • 収穫 • 各種センサを搭載して圃場/作物情報のモニタリング • マップ作成: 土壌マップなど • 場所ごとのデータ収集 Created by Tsuneo Nakanishi, 2012

  25. 載せモノの例(1) 除草用インプリメント: 鍬の水平位置を制御し,作物の列の間の雑草を作物を傷つけることなく除去。 Created by Tsuneo Nakanishi, 2012

  26. 載せモノの例(2) 各種センサやカメラ Agritechnica 2011 (Hannover, 2011年11月) Created by Tsuneo Nakanishi, 2012

  27. 自律走行トラクタのソフトウェア(1) • デンマーク工科大学(DTU)で開発されたロボット用ミドルウェア「MobotWare」を使用。 • NASREMアーキテクチャを採用: NASA/NBS Standard Reference Model for Telerobot Control System • 物体の運動制御を行うアプリケーション向き • センシング→デシジョンメーキング→アクチュエーションの水平構造 • データの抽象度による垂直構造(レイヤ構造) • グローバルメモリ使用 • Linux + RTAI (Real Time Application Interface) • デバイスドライバはプラグイン形式。 プロセス不在,コーディング中心の開発。(∵トライ&エラー,擦り合わせ開発) Created by Tsuneo Nakanishi, 2012

  28. 自律走行トラクタのソフトウェア(2) ロボット制御ミドルウェアの現状認識 • ロボットはソフトウェアインテンシブシステム • ロボット用ミドルウェアは今後重要(すでにいくつもある。ROS,OpenRTM-aist) ロボット制御ミドルウェアの課題 • ロボット制御ソフトウェア開発へのソフトウェア工学の導入。 • Try & Error,リアルタイム処理,擦り合わせ開発を効率的に行う開発プロセス。 • わかりやすさ,よいインターフェース • モデルベース開発,派生開発,SPL(モデルの成長,プラントモデルの記述)… Created by Tsuneo Nakanishi, 2012

  29. 農業用車両の今後 一般自動車と同じ歴史(多機能化&ソフトウェア化)を歩む? • 安全性,信頼性の向上 • ISOBUSによる装置接続の標準化 • ECU数の増加 • インプリメントのインテリジェンス化 • ユーザインターフェース • 無人化は自動車より早い? Created by Tsuneo Nakanishi, 2012

  30. 欧州における農業用ロボット教育(1) フィールドロボットイベント(Herning, Denmark; June 2011) Created by Tsuneo Nakanishi, 2012

  31. 欧州における農業用ロボット教育(2) ホーエンハイム大学での農業用ロボット開発実習の様子 Created by Tsuneo Nakanishi, 2012

  32. 組込み技術者は農業のために何ができるか?(まとめにかえて)組込み技術者は農業のために何ができるか?(まとめにかえて)

  33. 農工連携(1) 今さらながらの「農工連携」 • 今「農工連携」を言ってるのはたぶん工学系の人だけです。 • もともと農学系の人の何割かは昔から工学をやっていました。(すぐ思いつくようなことはおおよそやり尽くされています!) • 単に今まで農工間の人や情報の往来が乏しかった?(欧州の場合,多くの工学出身者が農業に関わっていました。) Created by Tsuneo Nakanishi, 2012

  34. 農工連携(2) 組込み技術者としては農業や農家を知ることがおそらく最重要。 • 技術は何を使っても構わない。(農業現場の問題が解決されるなら何をやったって構わない。) • 使えそうな技術はすでにある? 農業ICTの難しさ • 農業現場への投入 • 規模や収入の小さい農家は買えない。(日本は特にこれが問題!) • 農家が仕事のやり方を変えるのを嫌う。 • ICTへの慣れ。 • 農業そのものの多様性: 経営規模,土地,作物,文化の違い • 生き物相手,お天気相手 Created by Tsuneo Nakanishi, 2012

  35. 参考文献 Universität Hohenheim, http://www.hohenheim.de/ National Research Council (NRC), Precision Agriculture in the 21st Century, National Academy Press, 1998. 澁澤 栄(編著), 精密農業, 朝倉書店, 2006. 近藤 直, 門田 充司, 野口 伸(編著), 農業ロボット (I)/(II), コロナ社, 2006. 国土地理院, 「最新の地殻変動情報」, http://mekira.gsi.go.jp/project/f3/ja/index.html S. Blackmore, H. W. Griepentrog, H. Nielsen, M. Nørremark, and J. Resting-Jeppesen, “Development of a Deterministic Autonomous Tractor,” Proc. 2004 CIGR Int. Conf., 2004. A. B. Beck, N. A. Andersen, J. C. Andersen, and O. Ravn, “MobotWare: A Plug-In Based Framework for Mobile Robots,” Proc. 7th IFAC Symp. on Intelligent Autonomous Vehicles, Vol.7, Part 1, 2010. J. S. Albus, H. G. McCain, and R. Lumia, “NASA/NBS Standard Reference Model for Telerobot Control System Architecture (NASREM),” NIST Technical Note, No.1235, 1989. Created by Tsuneo Nakanishi, 2012

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