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植物細胞生理学(第9回 12/8) 細胞壁/運動. 細胞壁の機能. 細胞の形を決める、細胞壁も成長する 細胞壁がないと細胞分裂しない 緩衝作用(負の固定電荷・・・ Ca 2+ などが保持) ガラクツロン酸 グルクロン酸 など 細胞壁にも機能をもつタンパクが存在する 細胞壁の性質を決めるもの シグナルを生成するもの(情報のやりとり). 伸び. 力. 細胞を成長させる力 ≈ 吸水力 ( 浸透圧-壁圧(膨圧)・・・① ). 降伏圧. 実際に有効な力は ①-降伏圧. (下の実験の場合は) 伸長量. <モデル>. 弾性伸長.
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植物細胞生理学(第9回 12/8)細胞壁/運動植物細胞生理学(第9回 12/8)細胞壁/運動
細胞壁の機能 • 細胞の形を決める、細胞壁も成長する • 細胞壁がないと細胞分裂しない • 緩衝作用(負の固定電荷・・・Ca2+などが保持) ガラクツロン酸 グルクロン酸 など • 細胞壁にも機能をもつタンパクが存在する • 細胞壁の性質を決めるもの • シグナルを生成するもの(情報のやりとり)
伸び 力 細胞を成長させる力 ≈ 吸水力(浸透圧-壁圧(膨圧)・・・①) 降伏圧 実際に有効な力は ①-降伏圧
(下の実験の場合は) 伸長量 <モデル> 弾性伸長 弾性成分(バネ) 塑性伸長 塑性成分(粘土) 細胞内から力を与える方法 <cell pressure probe> セルプレッシャープローブ 「植物の生化学・分子生物学」(学会出版センター)
細胞壁の力学的性質の変化 酸成長説 酸成長説? オーキシン ↓ 細胞膜H+-ATPase の活性化 ↓ 細胞外(細胞壁)の 酸性化 ↓ 伸長成長促進
Yieldinの働き Expansinの働き 伸び 伸び 力 力 細胞壁の機能 • Expansin (エクスパンシン) • Yieldin (イールディン) 横軸:「力」で あることに注意
細胞壁の化学成分・合成 細胞壁の微細構造 XTH:エンド型キシログルカン転移酵素 架橋性多糖(ヘミセルロース) HGR:ホモガラクツロナン RG:ラムノガラクツロナン HRGP:ヒドロキシプロリンリッチ糖タンパク質 PRG: プロリンリッチ GRP:グリシンリッチタンパク質 AGP: アラビノガラクタンタンパク質
細胞壁で働く酵素 → 活性酸素関連シグナル細胞壁で働く酵素 → 活性酸素関連シグナル 細胞壁ペルオキシターゼ 加水分解酵素 Biochem. J. (1997) 322: 681Oxidative burst : an early plant response to pathogen infection
一次壁と二次壁細胞が伸長を続けているときの細胞壁が一次壁(代謝活発)。リグニン、スベリンなどを含み、分化の最終過程で一次壁の内側に沈着するものが二次壁。一次壁と二次壁細胞が伸長を続けているときの細胞壁が一次壁(代謝活発)。リグニン、スベリンなどを含み、分化の最終過程で一次壁の内側に沈着するものが二次壁。 • Ⅰ型細胞壁とⅡ型細胞壁被子植物一次細胞壁の2つの構築様式。Ⅰ型細胞壁:双子葉とツユクサ (キシログルカン、タンパク多い)Ⅱ型細胞壁:単子葉(ツユクサ以外)(グルクロノアラビノキシラン、フェニルプロパノイドなど)
注目の細胞壁:セルロース系バイオエタノール注目の細胞壁:セルロース系バイオエタノール ↑ 地球環境産業技術研究機構と本田技術研究所の共同研究 発酵阻害を受けない微生物の開発 産業総合研究所ホームページより (バイオマス研究センター)
D-グルコースのα-1,4結合 (分岐はα-1,6) D-グルコースのβ-1,4結合 真庭バイオエタノール実証プラント (三井造船 岡山県真庭市) 木材チップ→セルロース→エタノール ただし、最近の木材チップを燃料として発電や暖房燃料とする方が主流
運動 • 植物全体/組織の運動 • 屈性(刺激の方向に反応が依存) 重力屈性など • 傾性(方向に関係ない・器官や組織固有) • ゆっくりした反応→成長、オーキシンの関与 • 早い反応、繰り返す反応→膨圧が関与 (電気シグナルが関係すること多い) 例:受粉/受精のための反応 • 気孔の開閉(←第12回の光合成のところで) • 細胞内の運動(原形質流動、細胞内輸送など)
トリガープラント (引き金植物) スティリディウム属(Stylidium sp.)植物 おしべとめしべが一緒になった蕊柱(ずいちゅう)が動いて、媒介虫に花粉を付ける
食虫植物 • タヌキモ(映像資料) • ハエジゴク • 6本の感覚毛のどれかに触れる • 電気信号発生 ただし 閉まらない • 一定時間(約20秒)以内にもう一回感覚毛刺激 • 捕虫葉が閉じる(応答時間:0.5秒)
葉の運動 • 接触刺激で葉をたたむオジギソウ(Mimosa pudica) • 就眠運動をするSamaneasaman • 高温で誘発されるマイハギCodariocalyx motorius (旧名 Desmodium motorium)の側小葉の運動 (10倍速) 「動く植物」http://www.fb.u-tokai.ac.jp/WWW/hoshi/miracle/mvp.htmlより
Samaneasamanの就眠運動 朝(昼):アクアポリンの活性上昇 → 細胞の吸水増加 → 葉が開く 夜間:アクアポリンの活性低下 → 細胞が脱水 → 葉が閉じる (Plant Cell 14:727 2002)
オジギソウの振動傾性屈曲運動 (体表電位) (上智大学 土屋先生のページより) http://www.athome-academy.jp/archive/biology/0000000114_01.html 「植物電気生理研究法」学会出版センターより 接触→電気シグナル→主葉枕下部の細胞で膨圧が消失、アクチン繊維が脱重合 細胞骨格のひとつ
細胞骨格と原形質流動 微小管 アクチン繊維 電子顕微鏡 蛍光観察 蛍光抗体 蛍光標識 結合物質 本体 GFP融合 タマネギ根端分裂細胞の分裂準備帯(左)と細胞板形成(右)。(兵庫県立大学峰雪先生) 伸長中の花粉管。急速凍結固定後、電子顕微鏡観察。 矢頭はアクチン繊維の束。下は高拡大。 「植物の生化学・分子生物学」 ↑ → シロイヌナズナ根細胞の表層微小管 (蛍光観察)
細胞骨格 不明な点が多い • 細胞骨格の種類アクチン繊維(アクチン)微小管(チュブリン)中間径フィラメント(ラミン他、多種タンパク) • 重合と脱重合(アクチンとチュブリンの場合) + - 方向性あり Gアクチン(単量体)とFアクチン(重合体)の動的平衡の分子機構 NTP NTP NTP NDP NDP ヌクレオチドの結合が関与遊離型(G)はNTPと高親和 NTP結合型は重合しやすい 重合体に取り込まれると加水分解 NDP結合型は脱重合しやすい NDP NTP NDP NDP NDP NDP NTP NDP NDP NDP NDP NDP NDP
機能細胞内小器官の保持細胞内の移動、輸送、流動細胞伸長の方向性を決める 機能細胞内小器官の保持細胞内の移動、輸送、流動細胞伸長の方向性を決める • モータータンパクは・・・ アクチンにはミオシン チュブリンにはダイニンとキネシン カルシウムイオンによる制御