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透析患者さんの 骨・ミネラル代謝異常( CKD-MBD ) P・Ca

透析患者さんの 骨・ミネラル代謝異常( CKD-MBD ) P・Ca. きたおか薬局    北岡  仁. 腎臓とは?. 【 腎臓 】 左右 に 1 つずつ 握りこぶし大 重量100~150g程度 【 ネフロン 】 糸球体 と 尿細管 で形成 片方に約100万個存在 尿 を 生成 する組織. ネフロン とは?. 腎臓を通過 する 1500L(腎血流量)の血液から 150Lの原尿を生成 ( ドラム缶約1杯 ). 100倍に 濃縮されて 1 ~1.5Lが尿として排泄される。 食塩 は 0. 5~50gまで1日に排泄. 腎臓の働き. 1.排泄機能.

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透析患者さんの 骨・ミネラル代謝異常( CKD-MBD ) P・Ca

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  1. 透析患者さんの 骨・ミネラル代謝異常(CKD-MBD) P・Ca きたおか薬局    北岡  仁

  2. 腎臓とは? 【腎臓】 • 左右に1つずつ • 握りこぶし大 • 重量100~150g程度 【ネフロン】 • 糸球体と尿細管で形成 • 片方に約100万個存在 • 尿を生成する組織

  3. ネフロンとは? 腎臓を通過する 1500L(腎血流量)の血液から 150Lの原尿を生成 (ドラム缶約1杯) 100倍に濃縮されて 1~1.5Lが尿として排泄される。 食塩は0.5~50gまで1日に排泄

  4. 腎臓の働き

  5. 1.排泄機能 ☆老廃物の排泄 尿素、クレアチニン、尿酸、その他尿毒素物質、薬剤、有害物質などを排泄する。

  6. 2.水・電解質の調節機能 ☆ 体内水分量の調節 ☆ 電解質の濃度調節(Na,K,Ca,Mg,Pなど) ☆酸塩基平衡の調節 腎臓は体の中の酸性物質を重炭酸で中和して排泄し、血液を弱アルカリ性に保っている。腎機能が低下すると酸性物質が蓄積し、血液が酸性に傾く(代謝性アシドーシス)。

  7. 3.内分泌機能 ☆ エリスロポエチンの産生・分泌 エリスロポエチンは、骨髄の造血幹細胞に働き、赤血球の産生を促す。エリスロポエチンの産生が低下すると腎性貧血になる。 ☆ ビタミンDの活性化 ビタミンDは肝臓と腎臓で活性化され、活性型ビタミンD₃(1,25- ジヒドロキシビタミンD₃,カルシトリオール)となる。活性型ビタミンDにより、カルシウムの腸からの吸収や腎での再吸収が促進され、骨を丈夫に保つことができる。 ☆ レニン,プロスタグランジン,キニンの産生・分泌 レニン,プロスタグランジン,キニンは直接的あるいは間接的に腎血管の収縮や血圧を調整するホルモンである。 ☆ ホルモンの受容体(アルドステロン,抗利尿ホルモン,ナトリウム利尿ペプチド,副甲状腺ホルモンなど) アルドステロンは副腎皮質で産生され、集合管でナトリウムの再吸収を促進する。抗利尿ホルモン(バソプレシン)は下垂体後葉から分泌されて、集合管で水再吸収を促進する。心房性ナトリウム利尿ペプチドは心臓細胞から分泌され、集合管でナトリウムの排泄を促進する。副甲状腺ホルモンは副甲状腺から分泌され、腎でのリン排泄、カルシウム再吸収、ビタミンD産生を促進する。

  8. 4.代謝機能 ☆ インスリン分解・タンパク代謝 不要になったペプチドホルモン(インスリン、カルシトニン、ガストリンなど)は腎臓において代謝、排泄される。糖尿病患者では腎機能が低下する場合があり、その場合にはインスリンが蓄積して、低血糖を起こしやすくなる。

  9. そして…透析へ CKDが進行すると・・・ 尿毒症・浮腫 アシドーシス・電解質異常  貧血・骨の脆弱化・高血圧 低血糖等

  10. 透析療法の役割 透析療法とは腎臓の働きを代行する治療のひとつです 1 尿毒素を取り除く   本来なら腎臓から体外に排出される老廃物(尿毒素)を取り除きます 2 余分な水分を取り除く(限外ろ過圧)   腎臓から体外に尿として排泄されるべき水分を取り除きます 3 電解質を整える   Na,K,Ca,Pなどの血液の中のイオン(電解質)を正常域に整えます 4 血液pH(酸性とアルカリ性)の調節をする(酸塩基平衡)   血液は正常であれば弱アルカリ性ですが、血中の酸を取り除き、アルカリを透析液から補います

  11. 透析療法では・・・ ダイアライザーで代行するが、本来の腎臓と同じというわけにはいきません。 尿毒症・浮腫 アシドーシス・電解質異常  貧血・骨の脆弱化・高血圧 低血糖等

  12. 長期透析の合併症 二次性副甲状腺機能亢進症  血中リン濃度の上昇、活性型ビタミンDの低下、そして血中カルシウム濃度の低下によりPTHの分泌を亢進します。 骨の障害  腎不全のためにビタミンDの活性化が障害され、カルシウムが吸収されにくくなる。また血液中にリンがたまり、透析では除去しにくい。このため、骨がもろくなる。 透析アミロイドーシス  透析で十分に取り除けない物質(タンパク質の一種)がアミロイドという物質に変化し、骨や関節に沈着する。痛み、しびれ、関節が曲がりにくいなどの症状を起こす。 動脈硬化  透析患者は動脈硬化が進みやすい。 心不全  体の水分量が透析毎に大きく変動するため、心臓に大きな負担をかけ、働きが悪くなる。 感染症・悪性腫瘍  免疫力が低下し、感染症にかかりやすい。悪性腫瘍の発生率が一般より高い。

  13. 日本透析医学会(2012) 「慢性腎臓病に伴う骨・ミネラル代謝異常の診療ガイドライン」 腎臓は、ミネラルの代謝の調節に重要な役割を果たしている臓器ですが、腎機能が低下すると、ほとんどの患者さんでミネラル代謝の異常を生じます。 今までは腎性骨異栄養症と呼ばれ、骨の病気として認識されてきた ミネラル代謝異常が血管石灰化などを介して、心血管のイベント発生率や死亡率の大きな要因 全身疾患としての「慢性腎臓病に伴う骨・ミネラル代謝異常」CKD‐MBDという新しい概念が提唱される

  14. CKD‐MBD:Mineral and Bone Disorder(ミネラル骨代謝異常) ☆ カルシウム(Ca)、リン(P)、副甲状腺ホルモン(PTH)代謝異常、ビタミンD代謝異常 ☆ 骨代謝異常 ☆ 血管、軟部組織の石灰化 上記の各種異常が組み合わさった全身疾患で、生命予後にも影響する

  15. リンは体内でどんな働きをしているでしょう リンは、骨や歯、細胞、遺伝子などの成分です。 また体を動かすときや細胞を働かせるときのエネルギーを作り出しています。 体内のリンの量は、腎臓での排泄と腸管からの吸収によって調節されています。口から入ったリンは、腸管から約80%吸収され、便中に約350mg、尿中に約650mg排泄されることで、ちょうどよい量が保たれています。 体内のリンの出納 口から入る 1,000mg 骨 PTH 腸管から吸収 800mg 骨から溶け出る 250mg 細胞外液 500mg 腸管 腸管に排泄 150mg 骨に取り込まれる 250mg 再吸収 5,350mg ろ過 6,000mg 筋肉などの細胞内 80mg 便として排出 350mg 腎臓 透析では1回1000mg程度除去される つまり1日400mgしか除去されない 尿として排出 650mg 石村栄治,CLINICAL CALCIUM 12(10),9-17,2002(改変)

  16. カルシウムは体内でどんな働きをしているでしょうカルシウムは体内でどんな働きをしているでしょう カルシウムは、99%が骨や歯の成分として存在しています。 残りの1%は血液や細胞内に存在し、心臓の機能を調節したり、 筋肉の収縮や弛緩にかかわっています。 体内のカルシウムの量は、骨、腸管、腎臓における出納によって調節されます。通常、1日600mgのカルシウムが摂取され、便中に約500mg、尿中に約100mg排泄されることで、ちょうどよい量が保たれています。 体内のカルシウムの出納 口から入る 600mg 活性型ビタミンD3 PTH 骨 骨から溶け出る 400~500mg 腸管から吸収 300mg 細胞外液 1,000mg 腸管 骨に取り込まれる 400~500mg 腸管に排泄 200mg 再吸収 7,900mg ろ過 8,000mg 便として排出 500mg 腎臓 尿として排出 100mg (参考)深川雅史(編集),新しい透析骨症,27-31,161-166,2003

  17. 副甲状腺ホルモン(PTH)とは? Ca 血中へのCa遊離促進 頸部甲状腺の両葉各々の上下に2対、合計4個 米粒大の大きさ 血流の多い暗褐色の組織 生き物が陸上で生活するようになって、発達した臓器だと考えられている Ca再吸収亢進 P排泄亢進 P

  18. PTHの分泌 副甲状腺ホルモン(PTH)の分泌は、リン濃度・カルシウム濃度・ビタミンD(VD)濃度によって調整されている P VD Ca PTH 副甲状腺

  19. リン濃度が上昇すると・・・ 副甲状腺は、リン濃度が高いことを感知して、PTHをたくさん分泌するようになる P P P PTH P P PTH P PTH 副甲状腺 PTH

  20. リン濃度とPTH分泌 リン濃度と副甲状腺ホルモン(PTH)の分泌には、次の関係がある ☆ P濃度が上昇 ⇒ PTHの分泌が促進される ☆ P濃度が低下 ⇒ PTHの分泌が抑制される

  21. カルシウム濃度が上昇すると・・・ 副甲状腺は、カルシウム濃度が高いことを感知して、PTHの分泌を低下させるようになる Ca Ca Ca PTH Ca Ca感知性受容体 CaSR PTH 副甲状腺

  22. Ca濃度とPTH分泌 カルシウム濃度と副甲状腺ホルモン(PTH)の分泌には、次の関係がある ☆ Ca濃度が上昇 ⇒ PTHの分泌が抑制される ☆ Ca濃度が低下 ⇒ PTHの分泌が促進する

  23. ビタミンD濃度が上昇すると・・・ 副甲状腺は、ビタミンD(VD)濃度が高いことを感知して、PTHの分泌を低下させる VD VD VD PTH VD ビタミンD受容体 VDR PTH 副甲状腺

  24. ビタミンD(VD)濃度とPTH分泌 ビタミンD(VD)濃度と副甲状腺ホルモン(PTH)の分泌には、次の関係がある ☆ VD濃度が上昇 ⇒ PTHの分泌が抑制される ☆ VD濃度が低下 ⇒ PTHの分泌が促進する

  25. PTH分泌への影響のまとめ ☆ リン濃度 P濃度が上昇 ⇒ PTH分泌は上昇 P濃度が低下 ⇒ PTH分泌は低下 ☆ カルシウム濃度 Ca濃度が上昇 ⇒ PTH分泌は低下 Ca濃度が低下 ⇒ PTH分泌は上昇 ☆ ビタミンD濃度 VD濃度が上昇 ⇒ PTH分泌は低下 VD濃度が低下 ⇒ PTH分泌は上昇

  26. CKD‐MBDの発症機序 慢性腎不全(腎機能低下) PTH分泌亢進 副甲状腺過形成 血中リン 二次性副甲状腺機能亢進症 線維性骨炎 骨・関節痛 骨折 異所性石灰化 皮膚掻痒症 貧血 神経症状 副甲状腺 CaR FGF23 活性型 ビタミンD 副甲状腺 VDR 腸管 Ca吸収 QOL低下 生命予後 血中Ca

  27. CKD‐MBDの主な症状 骨・関節痛 骨折 かゆみ イライラ感 異所性石灰沈着 石灰化して詰まり そうな血管 正常な血管

  28. CKD‐MBDの画像所見 Salt and pepper像 Rugger jersey像

  29. 中節骨 基節骨 骨膜下吸収像 指の異所性石灰化

  30. 血管の石灰化 著しく石灰化している 細くなっている 冠状動脈の血管造影 冠状動脈の単純CT 石灰化(動脈硬化) した血管 71歳の透析患者さん 正常な血管 75歳の腎機能が正常な人

  31. わが国における慢性透析患者の現況 透析患者の死亡原因(平成23年) 第1位 心不全(26.7%) 第2位 感染症(20.3%) 第3位 悪性腫瘍(9.1%) 第4位 脳血管障害(7.6%) 第5位 心筋梗塞(4.6%) CVD

  32. CKD‐MBDの治療

  33. 透析患者の血清P、Ca値の基準 管理目標値 (CKD-MBD診療ガイドライン) 血清P値:3.5-6.0mg/dL 血清Ca値:8.4-10.0mg/dL Intact PTH値:60-240pg/mL 生命予後が最良となる範囲で、かつ治療の実現性なども考慮して設定された値

  34. 管理目標の優先順位 P > Ca > PTH 血清P濃度が高いほど、また血清Ca濃度が高いほど、総死亡リスクが高くなります。

  35. CKD‐MBDの対策 食事療法 P制限食 1. 2. 薬物療法 活性型ビタミンD製剤(経口、静注) リン吸着薬 ・Ca含有リン吸着薬(炭酸Ca) ・Ca、Al、Mg非含有リン吸着薬     -セベラマー塩酸塩     -炭酸ランタン ・シナカルセト 3. 副甲状腺インターベンション(PEIT、PTⅹ) 透析療法の工夫 4.

  36. 薬物療法(治療薬) 活性型ビタミンD製剤 アルファロール、ロカルトロール、オキサロール、ホーネル等 Ca含有リン吸着薬 炭酸Ca(カルタン)、酢酸Ca Ca非含有リン吸着薬 セベラマー塩酸塩(レナジェル、フォスブロック)  炭酸ランタン(ホスレノール) Al製剤 Ca受容体作動薬 シナカルセト塩酸塩(レナジェル)

  37. 活性型ビタミンD製剤 間接的作用 PTH分泌 の抑制 VD 直接作用 PTH合成 の抑制 VD

  38. ビタミンD製剤の投与意義 主な作用 ☆ PTH分泌抑制 ☆ 副甲状腺細胞の増殖抑制 ☆ ミネラルの是正(Ca、P↑) その他(多面的作用) ☆ レニン・アンジオテンシン系抑制、心機能改善作用、抗動脈硬化作用、抗炎症作用、免疫調整作用、抗腫瘍作用、インスリン感受性改善作用など

  39. ビタミンD製剤の問題点 ☆ 高Ca血症 ☆ 高P血症 ☆ PTHの過剰抑制 ☆ 異所性石灰化 ☆ 高Ca・高P血症ではPTH抑制作用      が、減弱する

  40. リン低下薬 ① P吸着薬(炭酸カルシウム、塩酸セベラマー、炭酸ランタン) もっとも一般的 ② P吸収阻害薬 腸管のナトリウム/P共輸送体を阻害する 現在治験中 ③ シナカルセト塩酸塩 PTHの抑制が主な作用

  41. P吸着薬 Pと結合し、Pの吸収を阻害して、血中P濃度を低下する 陽イオンであるP吸着薬と陰イオンであるPとの化学的な結合により不溶性の複合体を形成することと、吸着薬表面に物理的にPが吸着することによりPの吸収が阻害される 化学反応(Pとの結合しやすさ) アルミニウム(Al)イオン>水素イオン>Caイオン>Mgイオン 最も最初に普及したP吸着薬は、水酸化アルミニウムゲル P吸着力強力 PHに依存しない 科学的にPと結合し、不溶性のリン酸アルミニウムとなる Al蓄積によるAl骨症、Al脳症、貧血が問題となり、透析患者では禁忌に(1992)

  42. 炭酸カルシウム 投与法 食直後に服用 投与量上限 3g/日(推奨) Caの過剰負荷を避ける  特徴 安価であり、基本となるP吸着薬     炭酸Caは投与量に応じて高Ca血症が増加する    炭酸Caは胃液のPHの影響を受けるため、胃酸分泌抑制薬や胃切後に        は効果が減弱する。    多剤に比べて、消化器系副作用が少ない    最大の副作用は高Ca血症。特にビタミンDと併用するときは高Ca血症が       起こりやすい。血管石灰化のリスクとなる。

  43. 塩酸セベラマー 投与法 食直前に服用 投与量上限 9g/日 特徴 CaもAlも含まない陽イオンポリマーで腸管から吸収されない PHに依存しないP吸着作用     血管石灰化の進展を抑制する効果が期待される LDLコレステロール低下作用がある    最大の副作用は便秘。下剤との併用や漸増方法が有効。腸閉塞、腸管       穿孔注意。    代謝性アシドーシスを起こしやすい。Pと吸着すると塩素を放出。 

  44. 炭酸ランタン 投与法 食直後に、噛み砕いて服用 投与量上限 2.250mg/日 特徴 CaもAlも含まず、ランタンとPの不溶性複合体を形成 PHに依存しないP吸着作用    炭酸Caや塩酸セベラマーよりも強いP吸着作用 血管石灰化の進展を抑制する効果が期待される 吐き気、嘔吐などの消化器症状がある    わずかに吸収され、骨やその他の組織への蓄積の可能性があり、長期 連用による蓄積に関するエビデンスが十分とはいえない 高価である

  45. シナカルセト塩酸塩 ☆ Ca受容体に作用して、高Ca状態と擬似的に       認識させる薬剤 ☆ 主として副甲状腺に発現したCa受容体に作  用してPTH産生、分泌を抑制する ☆ Ca²⁺の存在下でCa²⁺と異なる部位に結合し てallostericに反応を増強させる

  46. 血液中にカルシウムが たくさんあると 血液中のカルシウムが 少ないと レグパラ®は Ca受容体 副甲状腺 PTHの分泌が 弱くなる 血液中にカルシウムが たくさんあるときと 同じようにPTHの 分泌が弱くなる PTHがたくさん 分泌され骨を溶かし、 血液中にカルシウムを 補おうとする :レグパラ®

  47. 血清 PTH値 i 0 2 4 6 8 10 12 14 0 4 8 12 16 20 24 28 32 36 40 44 48 52 (週) シナカルセト塩酸塩のミネラル代謝改善効果 PTHのみならず、Ca、Pも低下させる 血清iPTH値が14週 間で606.5pg/mL から241pg/mLに 下がりました。 血清iPTH値に関する成績 血清カルシウム値、血清リン値に関する成績 レグパラ®群(n=72) プラセボ群(n=71) (pg/mL) 1,200 1,000 800 600 400 200 0 (mg/dL) 補正血清カルシウム値 血清リン値 606.5 10.01 544.0 9.53 11 補正血清カルシウム値と 血清リン値 10 *** 9 6.35 8 5.73 7 241.0 552.0 6 *** (週) 投与終了時 5 観察期間 4 Mean±S.D. (%) 100 75 50 25 0 3 0 10 20 30 40 50 (週) 投与終了時 90.3% 累積達成率 観察期間 血清iPTH値が250pg/mL以下 になった患者さんの割合は、 52週間の累積で90.3%でした。 *** :p<0.001(vs 投与開始時)(n=199) Shigematsu T et al, Am J Nephrol 29(3), 230-236, 2009 血清カルシウム値、血清リン値が 投与開始から1週間で低下し、そ の後安定した値を維持しました。 観察期間 (n=199) 上図 : Fukagawa M et al, Nephrol Dial Transplant 23, 328-335, 2008 下図 : Shigematsu T et al, Am J Nephrol 29(3), 230-236, 2009

  48. シナカルセト塩酸塩への期待 ☆ 使用が困難だったビタミンD製剤の使用が可能に ☆ 血管石灰化の抑制 ☆ インターベンションの代わりになる     (内科的副甲状腺切除術)

  49. シナカルセト塩酸塩の問題点 ☆ 血液検査の結果が服用時間により影響する PTH濃度 4〜8時間で最低となる Ca濃度  8〜12時間で最低となる ☆ 消化器症状(吐き気、嘔吐)を高頻度に合併 イレウス、電解質異常、低Ca血症、不整脈 ☆ 低カルシウム血症

  50. 治療薬の特徴 Ca 作用機序 P 問題点 ↑ ↑ 活性型ビタミンD製剤 ビタミンDの補給 異所性石灰化 Caの補給 食物中のPの吸着 ↑ ↓ Ca含有リン吸着薬 異所性石灰化 消化器症状 高価 Ca非含有リン吸着薬 → ↓ 食物中のPの吸着 → ↓↓ Al製剤 食物中のPの吸着 Al骨症・脳症 消化器症状 高価 ↓ ↓ Ca受容体作動薬 Ca受容体に結合 PTHを抑制

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