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▼. 入眠期における脳波活動の時間変動に伴う行動的覚醒維持の低下 平野晋吾 * 1 ,広重佳治 * 2 ,室橋春光 * 3 *1 北海道大学大学院教育学研究科 * 2 鳥取大学地域学部 * 1 北海道大学教育学研究院. E-mail: shira@edu.hokudai.ac.jp. I NTRODUCTION. M ETHODs. 【 実験参加者 】 睡眠障害のない健康な大学生計 10 名(男5名,女5名, 22~28 歳) 【 記 録 】 ポリグラフ (PSG) : 脳波 (C3, C4, Fz, Cz, Pz, Oz; TC = .3s)
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▼ 入眠期における脳波活動の時間変動に伴う行動的覚醒維持の低下 平野晋吾*1,広重佳治*2,室橋春光*3 *1北海道大学大学院教育学研究科 *2鳥取大学地域学部 *1北海道大学教育学研究院 E-mail: shira@edu.hokudai.ac.jp INTRODUCTION METHODs 【実験参加者】 睡眠障害のない健康な大学生計10名(男5名,女5名,22~28歳) 【記 録】 ポリグラフ(PSG):脳波(C3, C4, Fz, Cz, Pz, Oz; TC = .3s) 水平眼球運動(E1-A2, E2-A2; TC= 6.0s) オトガイ筋筋電図(TC = .01s) 標本化周波数128HzでAD変換し磁気記録 【手続き】 《交代式tap運動課題》人差し指に固定した小型ロードセルを親指で繰り返し押す課題であり,参加者は閉眼仰臥位で,左手10回→右手10回のtap運動を交互に出来るだけ長く継続することを求められた。tap間間隔及び,左右手の切り替え間隔は“1秒間”とし,事前にタイミングを練習した。また,tap圧は,「できるだけ同じ強さで押すように」教示した。練習試行終了後,14:30 ± 60分より本試行を開始し,40分間PSGと同時記録した。実験終了後,内省報告をとった。 【データ整理】 《分析対象》アーチファクトの混入のない記録(男女各5名)。《脳波パワスペクトル》脳波活動(Fz, Cz, Pz, Oz )に対する帯域通過FIRフィルタ(8, 13Hz; -6dB)の濾過波形から5秒区画毎に算出した。FFT法(周波数分解能= .2Hz)によりα(8Hz~13Hz),α1(8Hz~10.8Hz),α2(11Hz~13Hz)の各帯域毎にlog変換し,αパワ値の前頭/後頭比を次式により算出した。 式:F/O比=Fz-power(α)/(Fz-power(α)+Oz-power(α)) 【分析】 《分析区間》覚醒区間(閉眼後2分間)と,実験開始後初めてtapを失敗した時点の直前5分間を1分間毎に分けた計6区間とした。各区間毎にαパワ値の前頭/後頭比平均値を算出した。区間間の差異の検定にはKruskal-Wallis検定(下位検定:Scheffe法)を用.い,有意水準をp < .05とした。 tapp!!*10 Fig.2 Fig.1 tap運動とα活動の時間変動2例. RC (Rate of Change) of load: tap圧の変動率:(load(i)-load(i-1))/load(i-1)*100. 入眠状態における行動的覚醒維持の低下は,気づきを伴う一過性の失敗から完全な停止状態まで変化し,その低下の程度は,直前の脳波活動の変化とある程度の対応があることが示唆された。そこで本研究においては,特に初めての一過性の失敗と入眠状態における脳波α帯域活動の優勢部位が後頭から前頭へ変化する現象に注目し,行動的覚醒維持の低下と脳波α活動の時間的な連関について検討した。 RESULTs & DISCUSSION 《脳波α帯域パワの時間変動》 ・α(8~13Hz)帯域:覚醒から軽睡眠状態にかけて,後頭部が優勢 tapが完全に停止する時間帯で前頭部にシフト ・α1(8~10.8Hz)帯域:入眠状態においては,わずかに後頭部寄り ・α2(11~13Hz)帯域:Fig.3 Fz/Oz ratio Fig.4 tap遂行の初失敗前の各区間におけるα2前頭/後頭比の比較 》α2帯域:Kruskal-Wallis検定 ・各区間の前頭/後頭比に有意差(p < .001) 《下位検定の結果》:Scheffe法 覚醒時の比(0.47±0.014)と ・失敗前1分間の比(0.501±0.015)に有意差(p < .002) ・-2minの比(0.490±0.010)との差に有意傾向(p<.007) ⇒行動的覚醒維持が困難になる覚醒水準を 前頭α2帯域波の優勢によって指標可能? CONCLUSION Fig.3各部位におけるα2パワの時間変動例 ◇ 本研究の結果から tap維持失敗の少なくとも1分前から 《α2帯域波の優勢部位》 覚醒時と比較すると前頭にシフト この結果より”一時的”に覚醒維持が困難になる状態の検出において,α2帯域の前頭/後頭比が有効な指標となり得ることが示唆された。 》α2帯域パワの前頭/後頭比の時間変動(上段) ・.5以上で,前頭優勢を示す。 ・Ozが急激に減衰する時点とtap失敗直前に前頭優勢に 閉眼直後は後頭(Oz)で優位であるが,8/10名の記録において,初めてtap遂行に失敗する時点(下段▼)の直前にα2パワの優勢部位が前頭から後頭へ変化する傾向が見られた。そこで,tap遂行の初失敗前の各区間におけるα2パワ値の前頭(Fz)/後頭(Oz)比の差を検定した(Fig.4)。 The 26rd Annual Meeting of Japanese Society for Physiological psychology and Psychophysiology. July 5-6, 2008. Ryukyu University, Okinawa.