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金融革新と市場危機 第 4 章 3. 失われた信頼. 08BC101Z 高橋幸弓. RMBS や CDO の格付け 格付け機関と SEC の動き. 2007 年半ば 既に住宅価格もピークアウトとしていた中で、格付け機関はサブプライムローンの延滞発生と損失見込みの大幅な上昇などを理由にサブプライム RMBS の広範な見直しを行う。 → 証券化商品全般の見直しにつながり、 多くの投資家を慌てさせた。. RMBS や CDO の格付け 格付け機関と SEC の動き.
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金融革新と市場危機 第4章 3.失われた信頼 08BC101Z 高橋幸弓
RMBSやCDOの格付け格付け機関とSECの動き 2007年半ば 既に住宅価格もピークアウトとしていた中で、格付け機関はサブプライムローンの延滞発生と損失見込みの大幅な上昇などを理由にサブプライムRMBSの広範な見直しを行う。 →証券化商品全般の見直しにつながり、 多くの投資家を慌てさせた。
RMBSやCDOの格付け格付け機関とSECの動き • それと同時に、格付け機関の甘い判断やモデルの不備、審査におけるインセンティブや手数料のあり方等の問題が浮上。 • SEC(米国証券取引委員会)は • 2007年8月〜:フィッチ、ムーディーズ、S&Pのサブプライムローン関連のRMBSとCDOの格付けについて調査。 • 2008年7月:その結果をまとめた報告書を公表。
RMBSやCDOの格付け格付け機関とSECの動き • 2002年からRMBSとCDOの件数及び複雑さが増大し、格付けの過程がこの増加に適切に対応できていなかったことを指摘。 特に、 • 格付けの過程における重要な点が充分に開示されていなかった • 内部的にも格付け手法のきちんとした記録が残されていない • 改善されるべき利益相反の問題 • を明らかにしている。 2008年2月 この報告書に基づく規則改正の提案を発表。
RMBSやCDOの格付け証券化商品の格付け ①ローンプールに含まれる債権の属性情報や債務者情報、信用補完の状況などの情報を格付け機関に提出する。 ②アナリストは、計量モデルに基づき、これらをインプットして個々のトランシェに関するデフォルトの分析を行い、信用補完の必要の程度や格付けを決める。 ③分析に基づき、証券の構造とそれぞれのトランシェに対する格付けが格付け機関から組成者へ伝えられる。 ⑤利払い等に関するキャッシュフロー分析が行われ、信用補完との関係などが確認される。 組成者 格付け機関 ④組成者は利払いが小さくて済む高い格付けトランシェをできるだけ多く設定しようとするため、調整を行う(場合がある)。
RMBSやCDOの格付け証券化商品の格付け プロセス②における問題 • RMBS・・・プールの原資産についての様々な情報に基づいて行われるため、数十項目にのぼる入力事項が設定されている • RMBSから組成されるCDO・・・これらから分析の重要な前提となるCDOの各裏付けとなっているRMBSなどの現在の格付けと満期、資産のタイプ、国および産業という5つの情報しかモデルに入力されていなかった これらから分析の重要な前提となるCDOの各トランシェの デフォルト確率や回収率、資産間の相関係数という三変数が出力 されることとなっていたが、実際には裏付け資産のデフォルト確率に 関して社債の過去データに依存していた例もあったとされる。 格付け機関にはRMBSなどの基礎情報を検証する義務がなかった
RMBSやCDOの格付け証券化商品の格付け • インセンティブの問題 • サブプライム関連のMBSやCDOで特に問題となったのは、高額の手数料が格付け機関の縦横な収益源となっていた中で証券化の業務が一部の投資銀行などの発行体に集中し、投資銀行側が格付け期間を選ぶような状況が生じていたことである。 RMBS:案件642件の取引のうち件数及び金額の約80%が12の組成者に集中 CDO:案件365件の取引うち件数で92%、金額で80%が11の組成者に集中 RMBSの上位12社は、CDOの引受け上位12社のグループと重複 格付けの妥当性をチェックする独立した仕組が格付け機関の内部にも市場のメカニズム にも存在していなかった。
リスクの高いグループに対する信用供与の前提リスクの高いグループに対する信用供与の前提 こうした前提の下に信用を供与するためにはある程度の 高い延滞率や不履行などのリスクは予想する必要がある • サブプライムローンのようなリスクの高い融資が実行できるための条件 ・リスクに見合った価格付けが出来ること ・借手と貸し手の間の情報の非対称性を排除するような 仕組みがあること • 又、不動産価格が裏付けとなって信用の可否に影響している場合…不動産価格の変動は与信の全体に大きな影響を与えかねない。 ということは、 リスク管理体制が充分で あることも不可欠の前提条件 だったはず!!
価格に影響するリスク • システマティック・リスク(市場リスク):分散投資によっては消去しえない、市場全体のリスクの影響を受けるリスク部分のこと。このリスクが資産価値評価におけるプレミアムの基本的な決定要因になるという考え方はファイナンス理論の1つである。 • BISの指摘 ・S&Pやムーディーズなどの格付け機関が用いていた格付けモデルにおける不適当な仮定(担保資産の損失の発生等の情報をその格付けに頼っていたこと等)が担保資産の劣化に対するABS-CDOの格付け調整を遅らせた可能性があること ・信用格付けは契約上の支払い義務にのみ焦点を当てているため、システマティック・リスクに対する感応度の違いを捉えられる仕組みになっていないこと 多くの投資家は、証券化商品の格付けとスプレッドの間には一定の対応があるとの前提で一連のトランシェを評価し、投資していた。信用リスクの価格評価は簡単な問題ではないが、証券化商品においても価格付けの基本はシステマティック・リスクに拠ると考えられるなら、BISの指摘が示唆しているように、格付け機関の手法はリスクに見合った格付けにおいて適切な情報を与えていなかったことになる。
価格に影響するリスク • 金融商品が複雑化するに伴い、市場における価格情報からインデックスを作成したり、オーダーメイドの金融商品の価格評価を専門に行ったりする会社も登場している。新たな金融商品の普及のためにはこうした情報提供機関が重要な役割を果たすこともあるが、提供された情報が投資判断の責任を負うわけではない。 格付け機関の手法の見直しや開示を適切に行うことは不可欠だが、投資家は自らの投資判断の基礎についても再確認する必要がある。
論点 リバースモーゲージ市場は今後拡大するか