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長期ビジョンの検討に向けて

長期ビジョンの検討に向けて. 安井 至 (独)製品評価技術基盤機構. 方法論の概観. 未来ビジョン、もしくは、将来シナリオを検討する方法論 1.フォアキャスト型 現在の状況を将来に外挿し、可能な方向性を検討する 2.バックキャスト型 将来の着地点をまず決めて、そこに向かう道筋が可能かどうかを検討する. バックキャストとは. 到達点を 先に決める. フォアキャスト型: 外部状況の変化を どのように入れるか これが難しい。 →現状維持の保守的なシナリオ. 最重要ポイント =到達点の妥当な決定. 時間軸. 現時点.

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長期ビジョンの検討に向けて

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Presentation Transcript


  1. 長期ビジョンの検討に向けて 安井 至 (独)製品評価技術基盤機構

  2. 方法論の概観 • 未来ビジョン、もしくは、将来シナリオを検討する方法論 • 1.フォアキャスト型 • 現在の状況を将来に外挿し、可能な方向性を検討する • 2.バックキャスト型 • 将来の着地点をまず決めて、そこに向かう道筋が可能かどうかを検討する

  3. バックキャストとは 到達点を 先に決める フォアキャスト型: 外部状況の変化を どのように入れるか これが難しい。 →現状維持の保守的なシナリオ 最重要ポイント =到達点の妥当な決定 時間軸 現時点

  4. バックキャスティングの理想的実施形態 地球・環境の限界 と 経済の限界バックキャスティングの理想的実施形態 地球・環境の限界 と 経済の限界 • 供給力の限界 • 化石燃料 • バイオ資源、バイオ燃料 • 食料 • 鉱物資源 • 水資源 • 環境を維持する能力の限界 • 大気、水、生態系の維持能力 • 土壌劣化による食糧供給の維持能力 • 経済的活力の維持

  5. 資源・食料・水などの供給限界 資源・食料・水などの供給限界 環境劣化による限界 人間活動の総量 ゴール 着陸地点 突発的な限界 想定外のリスク 公害型汚染 経済減速による限界 人口増加の加速 2005 2010 2015 2020 2025 2030 2035 2040 2045 2050 2005 2010 2015 2020 2025 2030 2035 2040 2045 2050

  6. 資源・食料・水などの供給限界 資源・食料・水などの供給限界 環境劣化による限界 人間活動の総量 ゴール 着陸地点 突発的な限界 積算量で 状況が変わる 想定外のリスク 公害型汚染 経済減速による限界 人口増加の加速 2005 2010 2015 2020 2025 2030 2035 2040 2045 2050 2005 2010 2015 2020 2025 2030 2035 2040 2045 2050

  7. 資源・食料・水などの供給限界 資源・食料・水などの供給限界 環境劣化による限界 突発的な限界 ゴール 着陸地点 想定外のリスク 公害型汚染 経済減速による限界 人口増加の加速 2005 2010 2015 2020 2025 2030 2035 2040 2045 2050 2005 2010 2015 2020 2025 2030 2035 2040 2045 2050

  8. 到達点の検討方法  2種類 • 将来の到達点を見るスタンス • (1)希望型スタンス • 昔の少年漫画の世界。現時点では、夢想? • (2)継続型スタンス • 恐らくこんなことは続いているだろう • (3)破滅回避型スタンス • このような状態になってはいけない

  9. 希望型スタンスが除去された効果 • 枠組が見えやすくなった。 • イノベーションのおき方が制限された。 • 境界条件が比較的はっきりしてきた。 • 一方、社会全体の理解は遅れている。 • しばらく、その理解は続くだろう。 • この乖離状態がリスクを引き起こす。

  10. これからかなりの技術は環境エネルギー技術へグリーン・イノベーションこれからかなりの技術は環境エネルギー技術へグリーン・イノベーション

  11. イノベーションの誤解 • 「イノベーション=技術革新」ではない • シュンペーターの定義「旧方式から飛躍して新方式を導入すること。創造的破壊を伴う」 • 携帯電話の例 • 小型軽量無線技術(半導体・電池など) → 普及(社会実装) → 旧システムの崩壊(公衆電話) → 市民のマインドの変化 • 科学技術投資だけでは、イノベーションは起きない • 普及の原動力は?

  12. 普及の原動力は • 潜在的な個人的欲求 • 携帯電話が普及した理由は、「家庭に1台」から「1人に1台」。 • 外部とのコミュニケーションツールの独占 • 途上国には別の要素もある • 有線電話網よりコストが低くセキュリティーは高い • 環境エネルギー関連で「潜在的欲求とは」

  13. 環境における潜在的欲求とは • 公害時代には、個人・家族などの健康面での安全性確保 • ところが、現在= 「歴史上もっとも安全な時代」、「リスクのほとんどはベースライン上」 • 気候変動は、一般市民にとって、「まだ、将来世代のリスクである」 • このような条件下でイノベーションを起こすには?

  14. 社会システム主導型イノベーション • 社会システム導入 → 技術発展 →  普及 → 市民のマインドセット変更 → ライフスタイルの変更 • 例:太陽電池のフィードインタリフ • 導入する社会システムの合理的な説明が勝負!

  15. 環境行政における合理性主張 • 公害防止時代 • 市民の健康リスクの低減 • 2000年 循環型社会基本法 • 最終処分地(公共財)不足というリスク • 気候変動時代の合理性とは? • 「総合的リスク削減」が答えか? • 環境の保護対象関連に加え、多様な総合的リスクを考慮すべきではないか

  16. 多様な総合的リスクとは • 従来の保護対象に対するリスク • ヒトの健康、生物多様性、気候変動防止、最終処分地保全、などなど • 加えて、 • エネルギー安全保障(低い自給率)、低い食糧自給率、資源の非効率的利用、過大な社会的コスト、経済活動の阻害

  17. グリーン・イノベーションによる創造的破壊の対象?グリーン・イノベーションによる創造的破壊の対象? • 過度の安全第一を目指す縦割り行政 • リスクを自らかぶる合理性の高い行政へ

  18.  具体的懸念事項 • 「イノベーション=技術革新」の固定観念 • 特に、自然エネルギー関連 • スマートグリッドなどは、社会システムそのものなのに。。。 • 未だにゼロリスクを目指す市民社会 • 本来は、ベースラインリスクにどのぐらいのリスクが追加されるかが視点であるべき • 家電リサイクル法で行き詰まったCRT処理 • 省庁の狭間にはまった生物多様性条約のCOP10における別議題=ABS

  19. そもそもリスクとは何か!

  20. 実リスクの定義 • 実リスク  =現象の危険度(Hazard) × 現象に遭遇する確率(Exposure)  {× 対象の脆弱さ(Vulnerability) } • 主観的リスクとは????? =現象の危険なイメージ×不条理

  21. 実は、Hazardすら定義をするのが難しい • まずは、何が「帰結として起きる結果」なのかを良く知る必要がある。 • ダイオキシンを摂取したら何が起きるか • 奇形?、発がん?、急性死?、皮膚障害? • メチル水銀は水俣病を引き起こした • それなら現時点でのWHOのメチル水銀に対する基準値は、水俣病の発症を想定しているものなのか? No!

  22. 気候変動のリスクは? • 現時点で行われているのは気温の予測 • Hazardの予測はかなり難しい • SternReview(2006年):(2009年のブループラネット賞)は、経済的なHazardを提示 • その理由 • 対策コストとそれによる被害コストの比較が優しい • 経済的な動機で行動が変わる時代である • しかし、それで良いのか?

  23. リスク:最近の読むべき本 • 「リスクにあなたは騙されるー恐怖を操る論理」ダン・ガードナー、早川書房、2009年5月20日、ISBN978-4-15-209036-2 • 「メディア・バイアス」、松永和紀、光文社新書、2007年4月20日、ISBN978-4-334-03398-9 • 「誤解だらけの「危ない話」」、小島正美、エネルギーフォーラム、2008/09、 ISBN978-4-885-55352-3 • 「食品の迷信」、芳川 充、ポプラ社、2008/04、ISBN978-4-591-19317-3

  24. 現時点は「もっとも安全」「先進国のヒトへ」ならYes現時点は「もっとも安全」「先進国のヒトへ」ならYes • 先進国のヒトは、かつてない長寿 • 乳児死亡率もかつてなく低い • 途上国は? 恐らくYesだが、先進国との差が余りにも大きい • 地球全体は?

  25. 絶滅速度は地球史上有数 • ヒトは、生態系なしに生きることは不可能 • 最近、ミツバチが居なくなっている • 受粉ができなくなって、収穫が下がる • どこまで生態系を壊して良いのか?  =誰も分からない

  26. 日本という国の認識 • 国境を閉じても生存可能な国か? • 多分、No! • 国境を開けていれば、生存可能な国か? • 多分、これもNo! • それ以外にも様々な条件が必要 • 日本におけるあるべきリスク認識は? • まずは、ヒトの生存条件を基盤として考える

  27. ヒトの生存条件とは? 日本で、  自給可能 自給可能? 自給不可能 自給絶対不能 これまではOK • 必須条件は(4+1)種である。 • 1.空気の質と量     • 2.水の質と量       • 3.食料の質と量     • 4.エネルギーの質と量   • +1.経済活動  • 付随する条件。人、それぞれ。 • 文化、伝統、文明、人口、仲間、家族、生き甲斐、 • 経済活動を支える人材とその育成、、、 • 生存可能な社会システム 医療、社会保障、、

  28. 必須条件のリスクを大別すると環境問題、経済問題、その他必須条件のリスクを大別すると環境問題、経済問題、その他 • 日本の環境問題 • 1.空気の質:現状でもまずまずか • 2.水の質:現状でもまずまずか •   水の量:農業と気候変動次第 • 3.食料の質:良すぎる(除く、犯罪行為) •   食料の量:不足気味だが。。。 • 4.エネルギーの質:良すぎる •   エネルギーの量:自給率は大問題 • α.廃棄物処理・処分:なんとかなるが。。。

  29. その他のリスクとしては • 自然災害 • 地震、台風、洪水、環境汚染との複合、、、、 • 感染症 • インフルエンザ、新興感染症、、、 • 人口の減少速度が過大 • 犯罪の多発 • 事故の多発 • 偽装行為の多発 • 「公」の凋落、「気配り(≠KY)」の死語化 • 他の心理的な要因(多数あり)

  30. 経済に関わるリスク • 内容は、食料自給、エネルギー自給 • 国際収支に関すること • 結果的には、 貿易に関することが大部分

  31. 2倍増 エネルギー関係 合計 19兆円 資源関係 合計 5兆円 この他に食料 合計 6兆円

  32. 輸送機器関係 合計 20兆円  電子部品機器類 合計 9兆円 鉄鋼・化学類 合計 9兆円

  33. 2億トン/年以上 石油連盟 http://www.paj.gr.jp/statis/data.html

  34. トウモロコシを1600万トン台 • 世界の輸出入の1/4は日本へ • シカゴの市場価格が$2.5/bsh.だと仮定 • 約250円/8ガロン • トウモロコシだと 1bsh.=25.4kg • 250円/25.4kg = 結局、10円/kg • 日本だとそれに輸送費などが加算 • cf.ポップコーン用トウモロコシは?     ¥400/kg • cf.米をスーパーで買うと?

  35. 総発電量推移

  36. リスクの重層構造 • 地球レベルの要素によるリスク • 国レベルの要素によるリスク • 自治体レベルの要素によるリスク • 組織レベルの要素によるリスク • ヒトレベルの要素によるリスク • マインドセットレベルの要素によるリスク • 知識レベルの要素によるリスク

  37. 1.世界の中での日本のリスク • *外需に頼るリスク • 何を売るのか • どのぐらい売るのか • 労働生産性が低い • だからといって金融は? • *原料高のリスク • 石油・天然ガス • レアメタル関係 • 鉱物資源 • 植物資源

  38. *資源・環境で世界支配を狙う国々 • 中国のレアメタル支配 • *あまりにも正直すぎるリスク • 国際交渉で自己主張が不十分 • 強気一方の国への対処不能 • *日本の特技を盗まれる • これまでの製造業の落ちた罠

  39. 2.日本国内のリスク • *内需が育たないリスク • 福祉だけで生きるのは可能か • 医療だけで生きるのは可能か • デフレ社会を加速するメディア • 内需は輸入品でのみ満足される • *人口減のリスク • ある就業者が大幅に減少する • ある地域のサービスが一人のため • *経済リスクが正しく理解されていない • 石油の自給率は問題は無いのか • 国際収支の黒字は多いことが正しいのか

  40. *既得権だらけの社会 • 水利権 • 漁業権 • その他 • *ポピュリズムの政治 • 暫定税率 • 高速道路無料化

  41. 3.組織のリスク • *売れれば良いという組織 • 正義の味方?実は、違うメディア • 儲けだけが価値観の企業 • *政治的支配を狙う組織 • *既得権の防衛組織

  42. 4.ヒトのリスク • *生命へのリスクを減らしすぎるリスク • 超低体重児は何グラムまで生存させるか • 生命維持装置はどのように運転すべきか • 常在菌が居ることによる効果をどう補填 • 日和見菌による感染症

  43. 5.マインドセット的リスク • *個人と公の重み付けのリスク • 個人の利益と公益のバランス • 将来の大規模公共工事は? • *健康リスクを正しく理解できないリスク • なんとなく気持ちが悪い • 未知のリスクがあるからという理由 • 不潔恐怖 • *対人関係のリスク • 対人恐怖症

  44. *虚偽を操る人々が増えるリスク • なんでも偽装の対象に • 偽装を暴くコストは誰が負担? • 暴けない偽装もあるがどうする? • *精神的に不安定になるリスク • *未来を暗いと思うリスク • どうもヒトの本性として悪影響がある • *未来を明るいと思うリスク • 夢が破れた後の対処 • *不満を解消できない人がいるリスク • クレーマーの一部

  45. 6.知識レベルによるリスク • *科学的常識欠落のリスク • 「科学的に正しい」という意味を知らない • 「無い」ことを証明できないことを知らない

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